The Pleasure Dome

道楽家・幻彩が音楽好きの方々に執筆

高画質・高音質なコンテンツを YouTube 3D にアップするために…

2012年07月14日 14時50分54秒 | 立体映像

素敵なコンサートの 3D 収録が相次ぎました。
6月27日…プロの吹奏楽団として人気がある「Blitz Brass」の第10回定期演奏会…
7月1日…杉並公会堂小ホールで開催された渡部ピアノ教室主催の「ピアノコンサート」…
7月6日…蒲田のアプリコ小ホールで公演した4人の女性サクソフォーン奏者で構成されている
ルナ・ソワール・サクソフォーン・クァルテットの「七夕コンサート」…
7月7日…セシオン杉並ホールで開催された
杉並区立小学校PTA連合協議会主催の「第10回 poco a poco コンサート」…
7月8日…杉並区立阿佐ヶ谷中学校吹奏楽部の「第13回新人コンサート」…

私は自称・映像作家/道楽家で、「ビデオ収録の請負業者」ではありません。
コンサート、バレエ、イベント等の収録は日頃親しくお付き合いをしてくださる
演奏家、バレエ団、主催する方々のご要望によるもので
仕上がったコンテンツは「記録」として保存するのみで一般の方々に頒布しません。
最近は各団体のご要望により公演の一部をYouTube にアップする機会が増えてきました。

マルチカメラ収録の編集は64ビットのハイ・スペックなPCでも円滑に行えません。
特にSONY HDR-TD10 の「AVCHD MVC(multi view coding)形式」による 3D 画像と
JVC GS-TD1 の「MP4 MVC」の 3D 画像は CyberLink PowerDirector 10 で
下図の設定による「形式変換出力」を行うことが大切です。



「サイド バイ サイド ハーフ幅」にすると編集でPCに大きな負担を掛けません。

マルチ・カメラ収録によるコンサートなどの編集は Vegas Pro 11.0 (64-bit)を使用しています。
2台の JVC GS-TD1-B に SONY HDR-TD10 を加えた3台の 3D カメラによる収録の編集で
一番苦労するのが JVC GS-TD1-B と SONY HDR-TD10 の色調が異なることです。
SONY HDR-TD10 は JVC GS-TD1-B に比べて…「黒浮き・白とび・彩度が低い」という
欠点が見受けられます。撮影時に「明るさ」を下げて「白とび」を抑ええるとコントラストが低い
画像になってしまいます。下図は「鮮やかさ(彩度)」と「ガンマ」を補正した例です。



また「立体感」の補正も重要です。「ステレオスコピック 3D 調整」で補正しましょう。
二眼一体型 3D カメラといえども左右の画像に僅かな誤差が生じているので
「自動補正」を適用してから「水平オフセット」を微調整します。



プロの吹奏楽団として人気がある「Blitz Brass」の第10回定期演奏会では
第一部の1曲目に演奏された...福田洋介 作曲「Dragon High(初演)」...

YouTube 3D 福田洋介 作曲「Dragon High(初演)」

第二部の後半に演奏された...レスピーギ 作曲「ローマの祭り」が圧巻でした。
三浦秀秋氏の編曲によるもので「これまでに経験したことが無い音響空間」が
演出されました。YouTube は5.1チャンネル・サラウンドでのアップが不可能なので
私が1970年代に考案した「Space-Sizer 360 Recording」で
その音響空間を再現してみたいと思っています。
これは、通常のステレオ・スピーカーでサラウンド感を提供する技術のひとつです。
「フロント・サラウンドの元祖」なのです。近日、YouTube 3Dにアップします。




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SONY HDR-TD10 と 2台の JVC GS-TD1 で吹奏楽とピアノコンサートを 3D 収録

2012年07月03日 16時07分34秒 | 立体映像

2012年6月27日にプロの吹奏楽団として人気がある「Blitz Brass」の
第10回定期演奏会を 3D 収録する機会に恵まれました。

吹奏楽団の演奏会は通常5~7台の HD カメラを使用して収録しますが
今回は初の試みとして 3台の 3D カメラだけで収録してみました。
2階最前列中央に ZOOM H2n を装着した JVC GS-TD1 を配置して
ステージ全体を俯瞰で…中2階に該当するベランダの最前列に
リモコン三脚に装着した SONY HDR-TD10 で指揮者から下手全体を捉え
もう1台の JVC GS-TD1 は指揮者から上手全体を捉えました。
3台の 3D カメラは全て俯瞰の構図で立体感の画像が得られました。

2012年9月14日に杉並公会堂大ホールで「第11回定期演奏会」が公演されます。



そして、2012年7月1日に某ピアノ教室が主催したピアノコンサートを 3D 収録。
2台の JVC GS-TD1 を客席後方左右に配し… SONY HDR-TD10 を
客席後方中央に配してステージ全体を捉えました。
また、2D-HD カメラも3台使用しました。SONY HDR-SR12 を2台
そしてCanon ivis HFS21。小さなホールなので
視覚としては「立ち見的」の自然な構図になりました。



この収録で最も悔いが残ったのが SONY HDR-TD10 のホワイトバランスが
「即座に応答しない」という不具合。演奏者が交代する時に照明を暗くしてしまい
その暗黒においてホワイトバランスが崩れ、照明が明るくなった時の画像は
「全体に赤味を帯びてしまう」のです。1分間以上を経過したのちに漸く鑑賞性のある
色調に戻る…という困った不具合。 SONY HDR-TD10 のホワイトバランスは
3D 収録時において「オートのみ」なのですよ。2D 収録なら「選択が可能」。



Vegas Pro 11 で「ホワイトバランス」と「色補正」を使って補正しなければなりません。



JVC GS-TD1 の「オート・ホワイトバランス」は応答が速くて文句なしです。
但し、照明が「暗黒~明」の変化で「オート・フォーカス」の応答が鈍いので
フォーカスは「マニュアル」にしておくことが肝心。

1. 照明が明るい時に「オート」で構図を決める。

2. 「マニュアル」に切り替える。そして「決定」をタッチする。

構図を変えたい時は「オート」にする。構図を決めたら「マニュアル」にして
「決定」をタッチする…面倒な場合は「インテリジェントAI」で収録すれば良いと思います。

演奏会の客席でフラッシュを使っての撮影は「ルール違反」ですが
数台のカメラで収録した場合は編集において、各カメラの「画像同期」を執る作業で重宝。





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