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映画「シン・ゴジラ」

2016-08-10 21:19:20 | 見る
「シン・ゴジラ」見たぞ!
総監督:庵野秀明、特撮監督:樋口真嗣 
大評判で、まだ2週目ぐらいなのに、パンフレットが品切れで買えなかった。
ふだんあまり売れないから印刷部数が少なかったか、東宝。

ゴジラは着ぐるみではなく、CG。
俳優に動いてもらってそれをもとに作る方式で、今回、そのモデルを務めたのが野村萬斎というので話題。
登場したゴジラを最初に正面から見た時の衝撃!(@@)
「えっ、これが野村萬斎!?」
いや、中に入ってるわけじゃないけど。でも、ともかく驚く。
驚くべき造形なんだけど、その進み方は「津波」のように見えてくる。

原子力との関係はある。
水爆の実験とかじゃなく、もっと今現在の問題の核廃棄物が関係がある設定。非常に現実的。
ゴジラを攻撃するに際しての、アメリカと日本、米軍と自衛隊の関係なども、非常に現実的。
日本の首相が「アメリカはいつも自分たちの都合だけ押し付けてくる」と嘆いたりするし、
「戦後、日本はずっとアメリカの属国だ」というセリフもはっきり出てくる。

突然現れた巨大生物に対処するために、首相官邸に設けられる緊急会議の場が前半の舞台。
事態の推移によって、会議の名称やら場所やらが変更になったり、
セッティングの手際の良さや、閣僚たちの発言、かけあいのテンポの速さがそもそもおもしろいし、
頼りなかった首相が次第に強くなっていったりするあたりは、気分のよさがある。
(アメリカ側が、危機は日本人をも成長させるかなどと笑う場面も)

前半の会議の連続はともかく速くて、理解しきれないところがあったので、もう一回見たい。

後半の、ゴジラに対する攻撃は、自衛隊などの武器、戦力、戦法はまさしく実戦どおりなのだそうだ。
庵野監督が防衛庁に細かくアドバイスを求めて作った、その際、監督の提出したシナリオがあまりに的確で、防衛庁が警戒した?とか。
最終的に、アメリカは、ゴジラ殲滅のためには東京に核兵器を落とすと決める。
人、モノの避難はどうするのか?
東京と周辺地域を失って日本はどうなるのか?
「世界じゅうから同情と協力が得られるから日本は復興できる。東京を捨てて日本を救うんだ」

ゴジラは体内が原子炉だとわかって、凍結させることができれば、止められる。
米軍の攻撃開始までに間に合うか。

私はゴジラがやっつけられるところは、やっぱり「ゴジラかわいそう」と思ってしまう。
物語が終わったとき、「これから、このあと、どうするの?」と思う。
終わってない。これってつまりは廃炉の物語なのだ。

見てて、小松左京みたい!と思った。
パニック映画というよりも、こういう条件のもとで日本は、日本人はどうするか?という作品になってるのが、
とっても小松左京みたいなの。
「日本沈没」とか「首都消失」とか。
ゴジラ映画といっても、全然子ども向けじゃないです。
大きな組織の中で日ごろ会議会議で、稟議を通さないといけない、はんこをもらわないと動けない、
そういう仕組みの中にいる人はよりおもしろく見られると思う。
壮大な虚構は緻密な細部によって成立するのだという映画。

長谷川博己主演、竹野内豊、高良健吾、大杉連、国村隼、高橋一生、市川実日子、
豪華な配役で、ちょっとした役でピエール瀧や松尾スズキや片桐はいりが出てたりする。
自衛隊員となると、みんな同じ格好でヘルメットかぶってるから、誰だかわかりにくいの(笑)。
石原さとみの役がもうちょっとピリッとした女優だったらよかったなぁ。
自衛隊の上のほうの人でコバさんが出てます。
こういうのには必ず出てる「広沢さま」の矢島さんも出てる。
そして、伊福部昭のゴジラの曲も!
あれ、ちょっとズルイよね、あの曲さえかければどこでもゴジラだ!!(^^)!
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