よむよま

よむ・よまない、それから。

「メンフィス」再演

2017-12-09 22:02:49 | 見る
山本耕史演出となった「メンフィス」再演舞台を見てきました。12月8日 新国立劇場。
マチネで、学校の団体がたぶん二つかな、入ってたので、大丈夫かな、
イヤ、舞台の力で引っ張りこまれるに違いないと思ったんだけど、これがまさにそうなったみたいね。

1950年代、南部の町メンフィス、黒人音楽に惚れ込んだ白人の男ヒューイ、
黒人女性歌手フェリシアと愛し合いながらも、メンフィスを出てビッグになろうとする彼女と、
妥協できずにメンフィスに残って落ちぶれていく彼。

初演のときは、ストーリーは難しいところはないんだけど、
ヒューイがなぜそんなに黒人音楽に入れ込むのかとか、
なんでニューヨークから全米へと進出するチャンスに乗らないのかとか、
そこがちょっと、そういう設定なんだなと思う感じだった。
今回、非常に説得力があったの。
彼がそうしたのは理屈じゃないんだというのが。
初演より活気も熱気もアップ、テンポもアップしてる。
つまりはこの音楽がすべてなんだね!と同感できる。

濱田めぐみさんの歌は圧倒的。
初演のときも、この人は演歌歌手みたいだなと思った。
やっぱりそうですね。
ずっと前に、黒人のジャズ、ブルースって演歌なんだなと思ったことがあって、
そういう意味で、この舞台の濱田さんは演歌歌手みたいなの。

耕史くんは初演のときは120%の主役力!と感じたけど、
今回は余裕を感じた。
必死で歌い上げて120%というんじゃなくて、貫禄が増してる(見た目も?)
一途で、賢く立ち回ったりはできないヒューイ。
歌だけじゃなく、人物像が無理なく感じられる。

根岸季衣のお母さんもいい。
黒人を受け入れるなんてやっぱりできないが、息子の将来のためには目をつぶろうとする。
そこでも、音楽の力がお母さんにも働く。

ラストのライブ会場シーンは、行かないよと言っていたヒューイが客席を通って舞台へ上がり、
全員一緒に華やかに歌ってカーテンコールになだれこむ。
フェリシアは全米ツアー歌手になり、新しい婚約者もいる、
ハッピーエンドではないところを、うんと盛り上がって終幕にしている。
すごく楽しいの。

カーテンコールの最後はスタンディングでノリノリになり、
終わったあと、耕史くんが客席後方の上手側を指差して、
「女子高生!」とコール!
女子高生の団体がいたのね。
それから下手側を指差して、
「ジョシ・・・ダン」と言いかけて隣の俳優さん(伊礼彼方さんかな)に聞いたの、何ていうの?って。
「男子高生!」
耕史くんは女子しか目に入っとらんから。
それから「そのほかの人!」とコールされました。
カーテンコールが終わった直後、その女子高生たちの団体が声を合わせて、
「ハッカドゥー!」と叫んだの。
ハッカドゥーは劇中で繰り返される掛け声。
彼女たちもすっかりノッて楽しかったんだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イケメンは殺される・ゴロウ... | トップ | 「精霊の守り人 最終章」3回 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

見る」カテゴリの最新記事