川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

ごきげんさん 行われる―松阪市曲町

2017-02-12 14:19:43 | 日記
                 (ごきげんさんは真賀里神社からスタートします)

 松阪市曲町・出曲町に古くから伝わる伝統行事「ごきげんさん」が平成29年2月12日に行われました。この行事は同町の満賀里(まがり)神社(竹内一成宮司)に伝わるもので、天狗と獅子が事前に申込みのあった厄年などの家を回り、厄払いをする行事です。

 獅子や天狗に扮する人は前日に身を清め、当日は午前8時から満賀里神社からスタートし、町内の長照寺、故吉田弥太郎宅で厄払いをしたあと、各家を廻ります。各家では天狗と一緒に獅子が口をぱくぱくして前進しながら「ああー ごきげん ごきげん ごきげん」と3回繰り返し厄払いをします。
 この日最初に訪れた曲町の奥井誠さんの家は、娘さんが19歳の厄ということで厄払いをお願いしたということです。

 
   (獅子の口を通して食べ物を清めます)    (厄払いのあと3人に酒や肴が振る舞われます)

 厄払いが終わるとその家から天狗や獅子などに扮する人に酒や肴が酒・肴はまず天狗が毒味をしてから獅子に食べてもらいます。獅子の口をくぐった食べ物は神聖なものとなり、これをいただくと患わないということです。
 天狗や獅子に扮する人で酒の好きな人は、それぞれの家で酒をごちそうになり、足下がふらついて倒れたり、田んぼの畔で寝ていたり、田んぼにはまった人もあったそうです。廻る家が少ない時は同じ家で1時間くらい酒を飲んでいたこともあったそうです。各家を最後まで回り終わったあとは、出曲町の獅子塚に行って厄を送り出します。

 この祭りがいつ頃から始まったのかわからないということですが、獅子頭に弘化元年(1844)という記載があり、少なくとも170年位前には行われていたことになります。この神事は以前には2月22日に行われていましたが、最近は2月の第2日曜日に行われます。また各家を回る前に、なぜ最初に吉田弥太郎宅で厄払いをするかはわからないということです。今は「ああー ごきげん ごきげん ごきげん」と呼びますが、正式には「ごきげんさん」と呼ぶそうです。

 獅子などの3人の役割は11地区を6つの班に分け、交代で受け持ちます。以前は前厄、本厄、後厄と3年続けて回る家もあって、1日かかったそうです。この日は獅子に松井勝さん、南崎躬征さん、天狗に糀谷宜郎さんが扮しました。
 また以前は最後に獅子頭を刀で斬りつけて厄落としをしたということですが、今は省略されています。今使われている獅子頭にはその当時の刀傷が残っています。

 同じ頃に岩内町では「どこんのり」という行事が行われています。また美濃田町でも同じ頃に「ススキ倒し神事」が行われています。この3つの行事は関連があるということです。厄を与原町から岩内町、曲町、美濃田町と順に下の方に送り出してきて、昭和の初期頃までは船江町がこれを受けて伊勢湾に送り出したといわれています。

 曲町の「ごきげんさん」は私のブログ「松阪市内の祭り100選」に記載してあります。
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