地名の付けられ方
国名のような大きな地名から、都道府県、市町、町名、字、そして私たちが住んでいるすぐ近くの小字の地名まで、人が住む周囲には実にたくさんの地名がいっぱいあふれています。そして地名は私たちの生活には欠かせない歴史的遺産です。
地名の付き方は大きく分けて2つの種類があります。
1つはその付近の情景から人々が自然発生的に呼んだ地名です。これには、丸い山だから「丸山」、大きな島だから「大島」、など地形を表すものや、鴨のいる山だから「鴨山」、鵜のいる沼だから「鵜沼」、烏のいる森だから「烏森」など生き物の名前が付いた地名で、松阪市内では『(飯高町)猿山』がこれに属します。また「葦原」や「蒲田」など植物の植生から付いた地名で市内では『(飯高町)粟野』や『(飯高町)桑原』がこれに属します。
もう1つは人為的に付けられた地名です。南の伊勢だから「南勢町」にしよう、三渡川と雲出川の間の村だから「三雲村」にしようするものです。現在団地などに付けられる『平成町』とか『虹が丘町』などの地名はこれに属します。
地名は貴重な歴史的な文化遺産
特に自然発生地名からは、その時代の地形や植生、動物の棲息状況、人々の生活の様子などが偲ばれ、歴史の貴重な証人となります。長い時の流れで、川から運ばれた土砂で海岸線が沖へ沖へと進んでいっても、地名によって、今は内陸でもかつてはこの付近は海岸であったことがわかることがあります。また、ほ場整備や団地造成などで地形が大きく変化しても、地名が残っていれば、昔の情景を偲ぶことができます。
私たちは古墳などから出土した土器や埴輪などは大切に保存しますが、町名変更により昔から伝わってきた古い地名が消し去られ、歴史的な背景のない耳障りのいいだけの町名に変えられるのは残念です。地名も大切な歴史的遺産です。
ブログの合間に松阪市内の地名を訪ねていきたいと思います。
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