猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

最上の指導者とは:老子のタオ(道)の思想

2007年12月15日 | Weblog
いま「タオ・老子」加島祥造著(ちくま文庫)を読んでいます。

タオとは老子が説く道の思想ですが、実感として一番納得できる思想なので、前から気になっていたところでした。

加島さんは93年から老子のタオに関する本を書かれています。
最近では「老子と暮らす」(光文社知恵の森文庫)を読んで実に穏やかな気持ちにさせられました。

最近NHKでも「タオ・老子の思想」を連続で放映したようですが、確かに今くらい老子の(タオ)思想が必要とされているときはないのではないかと思います。

その中の一つを紹介しましょう。

<最上の指導者(リーダー)とは>

道{タオ)と指導者(リーダー)のことを話そうか。
いちばん上等なリーダーってのは
自分の働きを人びとに知らさなかった。
その次のリーダーは
人びとに親しみ、褒めたたえられ、
愛された。
ところが次の代になると、
人びとに侮(あなど)られる人間がリーダーになった。
ちょうど今の政治家みたいにね。

人の頭に立つ人間は、
下の者たちを信じなくなると、
言葉や規則ばかり作って、それで
ゴリ押しするようになる。

最上のリーダーはね
治めることに成功したら、あとは
退いて静かにしている。
すると下の人たちは、自分達のハッピーな暮らしを
「俺達が自分で作りあげたんだ」と思う。
これがタオの働きにもとづく政治なんだーー
これは会社でも家庭でも
同じように通じることなんだよ。
{訳 加島祥造)