はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

大崩彷徨(鉄道遺跡・444峰・池の平)

2014-02-02 19:16:54 | 低山歩き
大崩彷徨(鉄道遺跡・444峰・池の平)   歩行月日2014-2-1(土)

 今日の目標は前回達成できなかった項目を達成すべく再度の挑戦と花沢城址の初登城をしようと考えていた。
①鉄道遺跡 ②大崩海岸から富士山撮影 ③花沢城址 ④池の平コース確認
ルートは 用宗駅-鉄道遺跡-大崩海岸-花沢城址-高草山-池の平-三輪-焼津駅 の予定です。

                             旧150号線

 前回鉄道遺跡には焼津側から入ったので、今日は用宗(静岡)側から入る事にして用宗駅には7時15分に到着。
風も無く海岸の堤防を歩いていても寒くない。前方には海から立ち上がるように花沢山が見えている。
花沢山の登山道は焼津側からだと、簡保の尾根を標高290m程の石部峠まできてから登るので、残りの急登は
160m程で済む。だがこうして用宗から花沢山を見るとその傾斜は並みの物ではなく感じられる。しかもそれが
海抜0mから449mの花沢山まで続いているとなると尚更だ。
花沢山には何年か前に1往復した事があるが、今残っている記憶は急傾斜のイメージでは無く、景色も見えなく
只々登りなり下りが続く面白くない道だったとしかない。

 後ろを振り返ると安倍川河口の風車や日本平の一部が見えているがはっきりしない。富士山が見えていないが
これは霞んでいて見えないのか、それとも場所が悪くて見えないのか?
駿河湾越しの伊豆半島も薄く霞んで見える程度だった。

 
             用宗海岸から花沢山                  用宗海岸から日本平方面

 大崩海岸に近付いて来ると海上橋が次第にはっきり見えてきた。
この海上橋は昭和46年7月5日、山腹から約8000㎥の崩落した土砂が洞門を押し潰し、走行中の車両の一台が
埋没した崩壊事故をきっかけに、昭和47年7月に開通している。
 この大崩海岸は名前の如く崩れやすいく、100㎜以上の雨が降れば通行止めになるし、しばしば崩落による
通行止も発生している。現在も昨年の台風被害のため10月15日より焼津市小浜~焼津市浜当目間が通行止と
なっている。現時点では復旧の目途はたっておらず、いつまで通行止が続くかは分からない状態だという。
 これが幸いといっては怒られてしまうが、今までなら決して歩かなかったであろう海上橋を歩く気になったのは
この通行止によって交通量が激減すると思ったからだ。現に前回小浜海岸から処理場までこの道を歩いた時にも
車は数台しか出合わなかった。今日もきっと車の不安は無いだろうと思っている。
ただこの崩壊のため、ハイキングコースも簡保下から砂張屋道標間も通行止になってしまっているのは頭が痛いが。

 
              石部海上橋                         旧150号の通行止の標識

 海上橋の長さは360mと長くなく、海岸からも余り離れていないので崩れた洞門の中に土砂が溜まっている
のが良く見える。後ろを振り向けば綺麗にカーブした用宗海岸も見えていた。しかしここからも富士山は
見えていないのでは、今日は富士山は諦めるしかないだろう。という事は大崩海岸に行っても意味がない。
ならコースを変えるしかないが---- ウーン 前回と同じになってしまうが、鉄道遺跡から石部峠を越えて、
兎沢遺跡経由で花沢城址に行くコースはどうだろう。ヨシ! そうしよう。


 
               海上橋と崩壊洞門                      海上橋から用宗方向

 土砂で埋まった洞門の上は茶色の岩肌が剥き出しになっている。崩壊前はこの岩の上には土が張り付いていて
草や木もあったのだろう。それが何日か降り続いた雨で地盤が弱り、更に小さな地震が起きた事で土砂崩れが
起きてしまった。剥き出しの岩の上の方にはまだ灌木や草が見えているので、まだまだ土砂崩れは起きるだろう。
もうこうなると海の上に橋を造るか内陸部にトンネルを作るしか対処方法はなさそうに感じる。

 そんな事を考えながら海上橋を渡っていると前方から車の音がしてきた。カーブしているため車は見えないが
音からしてスピードを上げているように感じ、橋桁に引っ付くように立っていた。かなりのスピードで来た車は
そのまま私を避けるでもなく、そのままのスピードで走り去った。何だよ!少しは避けてくれよと思いながら
道路を見ると、センターラインの上にかなり高めの鋲が打ってある。これでは私が運転していても、この上には
乗りたくない。運転手はまさか人が歩いているとは思わず、車が少ない事もあってスピードをあげてきたのだろう。
多分この鋲を打つ設計をした人も、歩行者の事は考えなかったのではないかな。
若しここを歩く気になった人は、車は殆ど走っていないけど車には注意してください。

 話を戻して、崖面の道に変わり出来たのが1972年の石部海上橋で、その後2004年には国道150号線のバイパスが
開通したことにより、この海岸沿いの道路は県道静岡焼津線に降格している。

 
              崩壊事故を起こした岩場                    海上橋

 日本坂トンネルの名前の元は、花沢山と満観峰から続く尾根の鞍部にある峠の名前で、この峠は日本武尊が
東征の折に通った事から日本坂峠と名が付いたといわれている。その峠の下にあるから日本坂トンネル。
何となく納得できる話だが、下の地図を見てください。
 地図の西にある日本坂峠の右(東)に3本の東名高速道路の日本坂トンネル。更に花沢山より右に国道150号の
2本の新日本坂トンネル。さらに右には新幹線の日本坂トンネルがある。この内日本坂トンネルと呼べそうなのは
東名高速のトンネルだけで、後の150号線と新幹線は「花沢トンネル」の名前が妥当だと思う。
ついでに言うなら東海道線の石部トンネルは、大崩トンネルのの方が場所的には合っている。だが折角建てた
建造物に「大崩」の名前は付けたくない気持ちは分かる。それと花沢トンネルではなく日本坂トンネルとしたのは、
「日本」という言葉に縁起を感じるのかな。

     
                     花沢山のトンネル状況

 海上橋を渡った所から前方を見ると前回立寄った処理場と思われる場所が見えている。そのとき立った場所は
海岸のすぐ上かと思ったが、こうしてみると平らな場所から海まではまだ斜面が続いていた。
 オヤ? 処分場の手前の方に赤い色をした四角な物が見える。拡大してみると鉄の箱状の物が赤く錆びている
ように見える。これが何か分からないが、きっとあそこが鉄道遺跡の場所だろう。

 
             処分場や赤いものが見える                赤い鉄の箱か?

 洞門を潜り終わるとカーブした道の先に何やら小屋らしいものが見える。今日は前回の失敗に懲りて鉄道遺跡の
入口をネットで調べてきてあった。それには「洞門を出た50m先の山側に駐車場があり、その海側から海岸に向け
道がある」
となっていた。

 
              石部隧道                     駐車場付近の建物

 ヤービックリしたなー こんな辺鄙な所なのに有料駐車場だって。一体誰が金を払って停めるのだろう。
農家や山菜取りの人は論外で石部峠に登るハイカー? まさかあの石部峠の道は人が歩いた気配は少ない。
では残された可能性は鉄道遺跡を探索に来る人が目当てなのか。でも駐車場を開くくらい見に来る人がいるのか。
そう云えば最近は廃墟探検がブームで、長崎県にある軍艦島ツアーなども人気を呼んでいるという。近くでは
伊豆大仁の炭鉱跡の探索も人気があるらしい。
ここならその廃墟ファンと鉄道オタクの両者が来る可能性がある。きっと一時は駐車場を開く気になるくらい人が
訪れたのだろう。としておこう。
ただ今見る限りでは余り、いや殆ど利用されていないように見えるが--------

 駐車場側から海側を見るとガードレールが途切れている。その右側にはトランペットの花の木が。左側には
低木があり下に下る道はそこから延びていた。

 
             エッ!1時間100円だって               駐車場側見た入口

 焼津側から見るとこんな感じで左に小屋、右はガードレールが途切れて看板が建っている。
車道の左カーブの先は石部隧道です。
 看板の下から下に下る踏み跡があり、その2m先は水路の土手に通じていた。

 
             焼津側から見た降口                 下に延びる道

 浅い水路の底には滑り止めのように石がコンクリで固めてあって下り易かった。ロープが引かれていたが、
これは駐車場のサービスか? 登りも下りもロ-プは必要ではなかったが。
 水路の土手が草に覆われている所の右に道は延びていて、雑草の中を少し下ると道は石畳になった。
エッ!何で? 理解できない。まさか遺跡に行く道のためとは考えられないが、それでは何のため? 水路の
土台なのだろうか、妄想癖のある私でも思いつかなった。

 そんな道をほんの3分も下ると海岸が見えてきた。大きな石いやコンクリで固められた物がゴロゴロしている。
フーやっと鉄道遺跡に到着だ。用宗駅から写真を撮りながらゆっくり歩いて40分。思ったより早い到着だった。

           
      水路にロープがあった            水路の土手が草に覆われる          石畳の道



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