すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

なぜ東京大空襲は検証されないのか?

2015-03-10 20:46:08 | Weblog
http://www.47news.jp/47topics/e/262840.php
 また10万人を超える民間人が犠牲となった東京大空襲の日(3月10日)がやってきた。今年はついに70年目になる。全国で空襲被害の訴訟が行われるが、しかし、政府は動かない。
 民主党政権が登場し、2011年衆議院議員会館にて空襲議連「空襲被害者等援護法を実現する議員連盟」が設立され、私は初代会長に就任した。
 これまで、政治は空襲被害といえば慰霊碑建立に尽力する程度が政治(政治家)の限界で、大戦末の空襲による市民の被害への賠償は一切行われなかった。全国の被害者の一縷の希望は民主党政権樹立とその直後に成立したシベリア特措法で、抑留被害への賠償(一部)とこれまで隠されていたシベリア抑留の実態調査とを約した画期的な法律が制定されたことにより、ひょっとしたら、否、必ず空襲被害も賠償されるべきだとの声が上がってきたのである。
 日本以外では、少なくとも先進国では、空襲被害は軍人だけでなく、被害市民にも賠償が行われている。総力戦・全面戦争と表現されるような現代の戦争形態では、軍人より市民の被害が甚大な場合もあるから当然である。 調べてみると、何と、あの悪名高い日本帝国も戦時中は、軍人と同様に民間人の被害にも賠償金を支払っていたことがわかった。
 ならばなぜ空襲被害が賠償されないのか?その前に、なぜ空襲被害者が特定されず、何時までたっても「10万人を超える東京空襲」というアバウトな報道になるのか?が問題である。むろん、全町が消滅したり、住民台帳が火災で消滅したり、証言者がいないなどの理由はある。
 しかし、日本で空襲被害者の特定ができなかったのは、当時のGHQが、戦後ただちに調査を始めた厚生省に停止命令をだしたからである。なぜか?言うまでもなく、最初から住民の大量虐殺を目的として計画された東京空襲そして全国の空襲はアメリカの戦争犯罪だからである。
 空襲被害賠償のためには、被害者の特定それが出来なければ、限りなく科学的方法によって推定し、行為者の責任を明確にし、被害を予算化しなければならない。しかし、それは自民党政権下では絶対にできなかった。だからこそ戦後、この問題に光を与える最初でおそらく最後のチャンスに、我々は法制局の協力を得て、空襲被害者賠償の法律案と予算規模の策定を行ったのである。
 歴史にifという言葉はないけど、もしあの解散がなく、邪悪な政権が再登場することがなければ、生存者に賠償をそしてもう声を出すこともできない何十万人の犠牲者にたとえ70年後であっても、それを報告できたと思うと、さらに無念な気持ちがつのる。軍事施設でなく、民間人の殺戮を目的として空爆を行った国と同盟関係を結び、憲法を変えてまでその後方支援をすることをたくらむ政権の支配する状況の中で、まさに断腸の思いだ。

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