すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

雪のワシントン

2012-01-10 12:17:29 | Weblog
TPP交渉は我々与党議員も内容が知らされないまま秘密主義で急速というか拙速に進められている。そうした状況において、真実の情報や事実確認のために8日からワシントンに来ている。20数件のアポイントを6名の国会議員が2-3チームに分かれてカバーしているが、とても対応できない。さまざまな団体に接触する過程で、産業界がいかに本件に無知であるというより、きわめて不十分な情報に基づいて賛成表明をしているかが、わかった。
今日はUSTRのマランティス大使と協議。日本において、議会、一般ともに、反TPPの運動が盛り上がっていることなどを報告した。マランティス代表も反対派の議員登場に神経質になっている様子で、盛んにペットボトルの水をのみ、最後には飲み干してしまった。それでも、今までとは異なり、今後日本に行ったときには、我々(慎重に考える会)とも会って情報提供するという言質をとることができた。農業関係業界や商工会議所も、あまりTPPの内容をご存じないようで、こちらが問題点を指摘すると当惑の表情に変わった。知的財産権(IP)問題では、日本とアメリカとが協力してモデルを作ろうと提言あったが、それならもっと情報提供をと主張するとたちまち口を閉ざしてしまった。驚いたのは、IP問題など、米韓FTAがモデルで、それにさらにいくつか条件が加わるとの話で、すでに韓国でも反FTA運動が盛り上がっている状況を把握していないことがわかった。知的財産権問題はともかく米韓FTAが大成果とアメリカ側が考えていることがよくわかった。
昨日のパブリック・シチズン(政府・行政を監視する市民団体)との話でも、業界も議会もTPP問題を十分に理解せず、USTRとともかく秘密裏に、拙速で参加国合意を形成しようとしていることが分かった。その意味で、日本でTPP`に反対する議員がマジョリティであるとの情報がショックだったようで、最初はにこやかに談笑している団体が途中から凍りついたような表情に変化するのが読み取れた。
ワシントンは雪、気温も零度になり、寒い。この中で公園をテントが「占拠」し、たき火や暖房が禁止されているなか、ただひたすら国民の99%を主張して、静かな抗議行動を行っている。すでに夜10時に近かったが、訪問すると、抗議行動の数人がいろいろ話をしてくれた。テントには集会用のものや、図書館もあり、有名紙をもじって「占領されたワシントンタイムズ」という新聞を発行している。やはりTPPその先行ともいうべきNAFTAにも批判的で、1%の大企業や金持ちだけがそこから利益を得て、大多数の職を奪っているという主張をのべていた。
明日は世銀の国際投資紛争センターに行って、悪名高きISDシステムについてのヒアリングを行う。


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