すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ノムヒョン氏自裁

2009-05-23 21:25:37 | Weblog
ノムヒョン前大統領が自宅近くの裏山から身を投げた。小生のサイトの「未来」のタブから「政治の未来」のページへ行くと、ノムヒョン氏の「政治家にはならないで...」という彼のホームページのエッセイにたどり着く。私はこれがノムヒョンの遺書だと思う。この文書を小生の未来のサイトに掲載したことには、「内容は深いが、なんで未来のページなんだ」という疑問が投げかけられたが、今、みなさんはなぜ私がこのエッセイを政治の未来のページに転記したかご理解いただけたと思う。正直言って、このエッセイを見たときには戦慄した。この文章はこの停滞するアジア社会の中で政治を立て直そうと参加してくるすべての若者に読んでほしい。そして、このエッセイを乗り越えて進んでいってほしい。それがノムヒョンの遺言だから...
政治献金の件で、ノムヒョンが訴追されるか可能性は高かった。その真実がどうかというより、韓国で大統領を辞したあとに襲ってくる運命みたいなものだろう。彼だってそれは知っていたはずだ。だから、彼にはもう一つの選択肢、すなわち恥を忍んで、たとえ収監され、その名誉が侮蔑にさらされても耐えて耐えて、次の政権交代を待つことも可能だったし、そういう精神的なタフさを持った政治家だったと思う。しかし、おそらく、家族・友人を同じような境遇に巻き込むことを考えて、自裁の道を選んだのだと思う。
思えば、ノムヒョン氏は「剣の舞」の名人だとウリ党の同志が表現していた。韓国の剣の舞は刀を持ち、自分を切りながら踊るのだそうだ。そのことを今思い出した。
古代ケルト人の英雄は老齢になり、将来に希望が持てなくなると、断崖から下の「勇者の岩」と名づけられた岩に身を投げたと言う。おそらくノムヒョンも、日常の裏山散策の時に、いつかはこの崖から...と覚悟を新たにしながら、毎日なにげないふりをして通り過ぎていったのだろう。ただ合掌...

曇天の夜空にノムヒョンを想う。見えぬ星を見つめ、ひとり墨子を読む。  のぶ

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1 コメント

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他山の石 (黄昏)
2009-05-24 11:47:55
最近、日本と韓国の社会科学者が一緒になるとどちらの社会がより病んでるかを競う事があるそうだ。
韓国は大統領制だから一旦選べばその後の失政によりどんなに不人気になっても5年間は交代させる事が出来ない代わりに5年経てば必ず指導者は代わるという政治的ダイナミズムがある。そして、政権が代われば前政権の腐敗は暴かれマスコミ総動員で徹底的に叩かれる。
では、我が国はどうだ?政治資金で不動産を買いまくろうが、税金から支出された政党助成金がどんな使われ方をしようが、現職の大臣が違法な手段で献金を受けようが、法律自体がザル法だから一切お咎めなし、そんな無茶苦茶な事やってる政治家に国民が抗議するでも無し、そういう政治文化に慣れ切ってるマスコミの追求もお粗末なものだ。
要するに、慢性的に日本の政治は腐敗してるから、政治家も国民も善悪の基準すら持っちゃいないし、半ば汚職が合法化されてる。
日本国民は韓国におけるこの不幸な出来事を他山の石として日本の政治文化、政治風土、民主主義とは何か?という事をもう一度じっくり考えるべきだろう。
政治は「どっちがダーティーか?」を競う事ではありません、「どっちがよりクリーンなのか?」を本来競い合うものだ。
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