酒タバコ肥満撲滅委員会

市民マラソンを楽しみながら、酒とタバコと肥満は嫌いだ、と呟く日常をうだうだと。

何月に辞めたら得をするのか

2023-03-24 12:33:01 | Weblog
退職する場合、いつ辞めたら得なのでしょうか。
しばらくは再就職をしない前提でで考えてみました。

失業保険(失業給付)の金額ですが、辞める前の6ヶ月の月給から計算されますがボーナスは含まれません。
ですので失業保険を多くもらうには、収入が高かった時期の後に退職すると得です。
まあ退職事故をそんなことで選べる人は少ないのでしょうけど。
ちなみに失業保険の金額には上限があり、交通費込みの月給が48万円以上の人はそれ以上は増えませんので、いつ辞めても損得はありません。
年齢によって異なるので、詳しくはハローワークのサイトでご確認ください。

ちょっと注意が必要なのは、勤務年数によって支給日数が変わることです。
あと数ヶ月勤めたら支給日数が増えたのに、となる可能性があるのでご注意を。


ボーナスを貰ってから辞める方がお得です(当たり前)。
でも支給直後の退職は露骨だから嫌だとか、そもそも辞めていく人間にボーナスをまともに払わない会社もあでしょう。
満額支給してくれそうな会社なら、ボーナス月を過ぎてから辞めるのがお得ではあります。


税金類はどうでしょうか。
住民税は前年の年収(1月から12月)で計算されますが、前年の年収が確定するのが5月、その金額を6月から支払います。

すぐ転職するのなら別ですが、しばらく無収入になる(あるいは引退する)場合です。
ざっくり言えば、辞めてから次の5月までは今までと同じ金額を支払いますので、高年収の人の場合はかなり高いです。
6月以降は前年の1月から12月の年収で計算された金額になりますので、下がる場合があります。

1月に辞めた場合、5月までは今までと同じ額、6月からは昨年の年収で計算された金額になり、それが来年5月まで続きます。
来年6月からは退職した年の年収で計算された住民税になりますが、再就職していなければ退職年の年収は1月分の給料のみなので(失業給付は収入にはならない)住民税は安くなります。

6月に辞めた場合、前年の年収で計算された住民税を来年5月まで続きます。
そして来年6月からは退職した年の年収で計算された住民税になりますので、再就職していなければ年収は例年の半分程度ですので住民税は安くなります。
(6月退職ならば収入は1月から6月の給料とボーナスだけなので、おおむね年収は半分になる)

12月に辞めた場合、翌年5月までは今までと同じ額を払い、6月からは昨年の年収で計算された金額になり、それが来年5月まで続きます。
来年6月からは退職した年の年収で計算された住民税になりますが、退職年は12月まで働いたのでフル年収に近い金額でしょうから、それまでと同じくらいの高い金額になるはずです。

いずれも注意すべきなのが、退職したら住民税は毎月ではなく3ヶ月分を納めることです。
手元資金が少ない人は要注意、というか、この程度の金額が厳しいようなら会社は辞めちゃダメです。


ややこしいので、簡単な例を作ってみました。
年収1000万で住民税が月6万、年収500万の場合は住民税が月3万と仮定して、退職前の年収は1000万だったとします。
また退職してから再就職していないと仮定した場合の例です。


2023年6月に退職した場合の住民税
2023年6月から12月  → 42万円(年収算定期間は2022.1.1−2022.12.31、年収1000万)
2024年1月から5月  → 30万円(年収算定期間は2022.1.1−2022.12.31、年収1000万)
2024年6月から12月  → 21万円(年収算定期間は2023.1.1−2023.12.31、年収500万)
2025年1月から5月  → 15万円(年収算定期間は2023.1.1−2023.12.31、年収500万円)
2025年6月以降    → 2万円程度(年収算定期間は2024.1.1−2024.12.31、年収0万円)

この場合、退職後12ヶ月は年収1000万円時代の高い住民税を、次の12ヶ月は年収500万円時代の住民税を払うことになります。


2023年12月に退職した場合の住民税
2024年1月から5月  → 30万円(年収算定期間は2022.1.1−2022.12.31、年収1000万)
2024年6月から12月 → 42万円(年収算定期間は2023.1.1−2023.12.31、年収1000万)
2025年1月から5月  → 30万円(年収算定期間は2023.1.1−2023.12.31、年収1000万)
2025年6月以降    → 2万円程度(年収算定期間は2024.1.1−2024.12.31、年収0円)

この場合、退職後17ヶ月は高い住民税を払うことになります。


要するに辞めてから翌年5月までは高い税金が続き、辞める時期によっては再来年5月まで高い金額が続きます。
税金額を決める年収は1月から12月までの収入で、それで計算された税額が6月から適用されますので、このタイムラグが退職後に大きな負担になります。
すぐに再就職して同水準の年収があれば別ですが、そのまま隠居したりしばらく再就職しない場合は要注意です。

で、住民税的に何月に辞めたら得なのでしょうか。
私の計算では、いつ辞めても損得はないはずです。

早く辞めた方が(例えば12月退職より1月退職の方が)翌年6月からの住民税は安くなります。
早く辞めれば労働期間が短いからその年の年収が減るので住民税も安くなりますので当然です。
しかし1ヶ月でも多く働いたほうが生涯賃金は増えますので、人生全体で考えたら長く働いた方が確実に得です。

しかし人間はトータルでは考えられないもの。
手許資金に余裕がない人は、1年間の中で早めの月に辞めた方が得に感じるかもしれません。
ただし人生をトータルで考えたら長く働いた方が得ですし、そんなに資金的に余裕がないのに辞めるのはちょっと危険ですけど。


所得税も住民税と同じで、辞める時期による損得はない気がします。
年末調整で戻る金額は辞める時期によって変わるかもしれませんが、払い過ぎていたものが戻っただけなので得はしていません。


厚生年金はどうでしょうか。
辞めてしまえば前年の収入に関係なく金額一律の国民年金保険料額になりますので、年収が高かった人は国民年金の方が得に見えます。
でも貰える年金額は減りますので、寿命によっては損をするので、これもまた長く勤めた方が得と言えます。
年金の損得は退職時期ではなく、何歳まで生きるかで決まるようです。


健康保険料はどうでしょうか。
退職後に国民健康保険に入る場合、住民税と同様に前年1月から12月の年収で保険料が計算されます。
これが確定するのが住民税と同じ6月ですから住民税と同じ結論になります。
(いつ辞めても同じ、毎月の収支がきつい人は早い時期に辞めるとお得に感じるかも。)


退職後に健康保険をどうするかですが、配偶者などの扶養に入れるのならばそれが一番安そうです。
それが無理なら国保か今の健保組合に任意継続するかを選ぶことになりますが、どっちが得かは収入によって違ってきます。
加入している健保組合の任意継続時の保険料、国保の保険料を比較して、安い方を選びましょう。
(自分の自治体のサイトで調べてください。親切なところだと保険料計算用のExcelが作ってあったりします)
年収が高い人は任意継続がお得になりますが、時々改正されたりしますので最新情報を調べてください。

任意継続は退職後2年間加入できますが、いつまで任意継続が得なのかは退職時期によります。
国保の保険料は6月から改定されますので、高年収だった人は退職翌年の5月までが任意継続の方がお得なはずです。
でも6月になると国保の金額は前年の年収で計算されたものに変わるので、辞めた時期によっては国保の方がお得になる可能性があります。
最近の改正で任意継続の中途脱退ができるようになりました。
2年間ずっと任意継続がお得とは限りませんので、6月以降の保険料を意識しておきましょう。


退職後に雇用保険をもらいながら職業訓練を受ける場合は、職業訓練が開始される月(4月と10月が多いけどコースによって色々ある)に雇用保険受給期間が一定以上残っていないとダメです。
ですから職業訓練を受けたいのなら、それから逆算して退職日を決める方法もありますが、ただし学校には定員がありますから受かるとは限りません。
それに、もし入校前に雇用保険の残日数が足りなくなるのなら、その日数分はバイトして収入を得れば失業していない期間になりますので、それで辻褄を合わせる方法もありますが。


どうやら、お得な辞めどきはない気がします。
あえていうなら退職金の計算式からお得な辞め時期を探したり、ボーナスをもらってから辞めるのがお得になりそうです。
でも、とにかく早く辞めたいにならとっとと辞めるのが吉です。


65歳で辞める場合は、ちょっと注意が必要です。
65歳以上で退職すると失業保険はもらえず、高年齢求職者給付金しか貰えません。
こちらの方が安いことが多いので、失業保険の方が高いのならば「65歳の誕生日の2日前」までに退職しましょう。
そうすれば失業保険を貰えます。
ただし自己都合退職になったりすると不利益を被る可能性もあるので、そのあたりはご注意を。


(素人の計算なので、色々間違っていてもご容赦を)
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