指導医WSに参加すると教育学専門用語に困惑してしまいます
短時間にその用語を理解してWSにおいて参加者同士考えを出し合って
ひとつのプロダクト成果を出しあうわけで
これにつまずくともう大変
とたんに教育が嫌いになっちゃいます
さて「ポートフォリオ」を理解してもらうときに様々なアプローチを試みましたが
このタキソノミーを用いるのがいいのではないかと思っています
教育の分野ではタキソノミーと呼ぶ分類学は
ベンジャミン・ブルームが提唱したもので学力の到達基準を規定するために目標を分類したわけです
そういえば臨床研修WSで評価には形成的評価と総括的評価があると教わりますが
これもこのタキソノミーを通して習得されるべき学習を実現させるための評価機能なのです
さてこの教育(研修)目標は3次元で構成されており
認知的領域:
目標は知識→理解→応用→分析→総合→評価という形で高次化していくのですが
医学教育では単に
想起→解釈→解決となっています
情意的領域:
これは価値・態度の内的なものであり
受容(注意)→反応(興味)→価値付け(態度)→価値の組織化(人生哲学)→価値の個性化(ライフスタイル)という形で高次化するようです
これも医学教育では単に態度としていますね
最後は
精神運動領域:
これは神経系と筋肉系の間の協応の達成?と説明(う~難しい)
ま・・・簡単にいえば技術です
だから最初は模倣→巧妙化→精密化→分節化→自然化という形で高次化します
さてこのタキソノミー(分類)で研修目標をみたときに
それを適切に評価する方法が問題となるわけです
知識は客観試験や口頭試問が適しており
態度は観察記録や診療録などから
そして技術はシミュレーション試験やOSCEそしてMini-CEXなどが有名です
これを指導医WSで学ぶと
面白いことにそのあとの学習計画立案では
講義やらレクチャーだけでなく
あれもこれも取り入れられてしまう
え~これじゃ先生たち診療どころじゃないですよって話
そこで研修医も指導医も負担少なく効率よく研修する方がいいから
全部まとめて整理しつつ円滑に効率よくってことで
ポートフォリオはいいツールなんです
なぜここでポートフォリオ?
いったいポートフォリオはどう扱われるのか?
狭義のポートフォリオ
は紙挟みファイルですから
自分で好きなテーマについてまとめて再構築したものは
パフォーマンス評価となり
さらにある課題について資料を集めまとめあげ
それをさらに自分なりに再構築したものもポートフォリオ
であり
これは与えられた課題を遂行したという意味でパフォーマンスの評価というもの
さらにこれに加えて態度に関する観察記録や
知識を裏付ける口頭試問や客観試験の記録を挟み込めば
さらに完全なるポートフォリオに変化していくわけです
つまり
ポートフォリオを作成して提出せよという行動目標が課せられ
それを実践できるというパフォーマンス評価でもあり
実際にそこに挟み込み整理することは
自己分析にもつながるわけ
さらには挟み込むものを調整することで
あらゆる評価も可能となるわけです
そう
ポートフォリオはそれを創る人や
それを評価する人がどのような学習目的を達成させるかによって
その形は様々なのです
だから臨床研修における評価にも
その多様性は利点となるはず
ねね
いいと思いませんか?