聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

病院見学お待ちしています!

聖マリアンナ医科大学病院群では、いつでも医学生や研修医の皆様の病院見学を受け付けています。 聖マリアンナ医科大学病院・横浜市西部病院・川崎市立多摩病院で病院見学できます。 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターHPもしくは 臨床研修blog内の記事をお読み下さい。 お待ちしています!

後期臨床研修医募集中!

聖マリアンナ医科大学では平成26年度後期臨床研修医を募集中! 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターまでお問い合わせ下さい!

マッチングの概要と考察

2009-10-31 00:57:39 | マッチング
厚労省の発表によれば今年のマッチングでは首都圏など6都府県以外のマッチ数が増えたとか
これによってもくろみは当たったということなのかな?
導入時と同じ52.3%に戻ったとか
数合わせと良医の育成は同じ土俵で話せないなんて思っているのは個人的な偏見?

マッチングの募集定員 10,500名(前回は11,292名)
随分と厚労省は減らさせたんですね
希望順位登録者数 8,200名(前回8,167名)
つまりこの数字が医学生の総数ってことです

そしてマッチ数は7,875名(前回7,858名)だった
つまり今年は325名がアンマッチだったということ(去年は309名)
マッチ率では今年が96.0%で昨年が96.2%
やっぱりこちらが心配していたように募集枠の制限が影響したんでしょうね

聖マリアンナ医科大学病院群の研修プログラム
マッチ数では全国ベスト5内
例年も同じ傾向ですから
本学は臨床研修において新興勢力?

とにかく医科大学として医学生を育てて
世に送り出す使命とともに
研修医を育成して良医にしていく継続した教育機関として
ますます頑張らねばいけないと思ったわけです
はい

大学病院は健闘!嬉しいけど悲しい現実

2009-10-30 21:35:58 | マッチング
10月29日木曜日午後2時15分
外勤先の診察室で携帯電話がなりました
『せんせ~!一般研修プログラムはすべてフルマッチでした
ほっ
正直つかの間でした
(ん?フルマッチ?ということは・・・・・アンマッチは必ず出た・・・・・)

6年生の学年担当でもある立場上
正直嫌な予感がありました
『必ず医学生から連絡がるはずです』
『絶対今日は遅くまで残ってくださいお願いします』

僕たちは医科大学の教員です
マッチングで受け入れる立場でもありますが
送り出す立場でもあります

思った通り複数の医学生から携帯電話に連絡が入りました
『ダメでした・・・・・

でも彼らは十分に立場もどうすればいいかもきちんと理解してくれていました
すぐにインターネットで二次募集の病院を検索
そしてすぐに募集手続をとってくれました
もちろん国家試験後にもう一度挑戦することも理解した上で

最初の2年間の研修が重要でとても大切だと理解してくれはじめた本学の医学生たち
だから本学での研修を希望する医学生が増えた
父兄ももちろん父兄会での数年にわかる解説で本学を認めてくれていると聞きます
『選んでよかったね

だから本当に断腸の思いです
マッチした医学生さんに申し訳ないくらい
実はマッチしなかった学生のことが脳裏にありました
素直に喜べなかったんです

いろいろ言ってあげたい
まず一緒に自分にあったところをもう一度探そう!
そしてそこで半年まず頑張ろう!
もし自分のスタイルに合わなかったり説明とは違う研修だったら
すぐに・・・・ほんとすぐに相談してこい!って

母校だから
母校の先輩だから
遠慮すんな~!って

ボクの尊敬するある外科系教授がいつも大きな声で話しかけてくれます
『おい!自信をもて!自慢の研修プログラムだろ!』

空席があればあったで『臨床研修センター』と『プログラム責任者』はナニしてる?って言われ
フルマッチになったら今度は『なぜアンマッチなんだ!』って
難しいですね

まずは

マッチした諸君!
おめでとう!待ってたよ!


これからオリエンテーションの準備が大変です
まず研修宿舎を確保
駐車場を確保
研修ローテーションの整備
そして臨床指導医の養成や指導医会でのフォードバック手法の教育
やることいっぱい

こっちは真剣です
だから今は国家試験に全員無事合格するつもりで頑張って欲しい
明日は父兄会でその後面談ですからね

後期臨床研修も知って欲しい

2009-10-28 23:37:39 | 後期臨床研修
マッチングが始まったころに実は危惧していたことがあった
本学を離れて初期臨床研修を市中病院で希望する医学生
その先生たちは専門医・博士号取得をどうするのだろう?って

正直医学生のときにはわからない路を進む医学生

専門医も博士号も取得したい
でもその前に何よりも診療技術を身につけたい
ほんとすばらしい心がけです

でもそこには毅然とした強い信念が必要だと思ってます

だからマッチング制度でいろんな研修病院を選択できるようになったのはいいが
聖マリのように至れり尽くせりの中で育つと
ちょっと不安が残った
でもかわいい子には旅をさせろって思いで
一時期研修医の数が減っても信念を貫いた研修スタイルを作り
そして医学生には一貫して振り返りと求める研修スタイルこそ
やがて君たちを骨太の医者にすることができると言い続けたんです

そして今何とかマッチ率も高い大学病院として認めてもらえるように
少しずつ変わってきました

そこで
あらためて後期臨床研修も意識して欲しいのです
マッチングには限界があります
研修医募集数も上限があります

一度マッチ率が下がると翌年見直しで募集数が減る?
ならどうしたら増えるの?って疑問もありますが
今日は触れません

どこで初期臨床研修しても
その後後期臨床研修につながっていればいい
聖マリでは他施設で研修を終えた方とは面接して
ちゃんと研修到達目標を修了しているか確認
弱いところがあれば意識して後期研修に臨みます

専門医こそ初期臨床研修で修得した基礎が重要となります

ぜひぜひ後期臨床研修も聖マリをよろしくお願いします

学生の本音 

2009-10-27 11:53:18 | Weblog
『ね~ね~研修ブログ読んでる~?』
『えっ?読んでないっす!』
そ・そうだよね~

でも結構読むだけで今の研修制度や大学の研修の雰囲気とかわかるのに~って思っとります

ってここで書いてもも読んでないから意味ないか・・・・

『あ・・・じゃ~明日から読みます
・・・・・今じゃないんだ・・・・・・・

学生の本音
『だって~まだ実感わかないし~』
だよね~

は~ドキドキする~

2009-10-26 23:45:46 | Weblog
涙の記者会見
『日本のプロ野球で頑張って日本一になってメジャーに挑戦します!』
それを見て
『初期臨床研修は聖マリで頑張ってそこで実力つけてメジャーに挑戦します!』って
そんな気分か?って医学生に突っ込みを入れた朝の回診

『いや~そんなことないですよ・・・・・・・』ってその冷ややかな目はナニ?

もうすぐマッチング発表じゃないですか~
心配です

今となってはもう考えても遅いですが
でもほんと毎年この時期ドキドキしてしまいます

今日も眠れない・・・・・・

今月ももう終わり・・・・ちゃんと書いてますか?

2009-10-25 23:50:36 | ポートフォリオ評価

自分の研修スケジュールを今も見返していますか?

もう今月も終わりますね

今いる研修診療科で達成すべき到達目標はきちんと修得できましたか?

自分の評価をきちんとしてもらって自己分析できていますか?

単なるスタンプラリーになってませんか?

なぜポートフォリオで評価するのか
よ~く思い出しましょう

2年目の先生方は問題なければすでに経験目標は十分に達成できているはず

ぜひぜひきちんと評価をもらって遅滞なく挟み込んでおいてください



コメントお待ちしています

2009-10-25 23:43:42 | お知らせ
いつも臨床研修ブログをお読みいただき感謝感謝です
このブログは聖マリアンナ医科大学の臨床指導医や研修医によって
毎日更新しています

とにかく臨床研修に関することならいつもで質問・疑問にお答えしています
マッチングに関すること
申し込みに関すること
聖マリアンナ医科大学の臨床研修のこと
それぞれの研修プログラムのこと

記事にあまり関係しないこともどんどんコメントとしてお寄せ下さい
ご回答できるものは責任持ってお返事させていただきます

ただし内容は全国の方々がお読みになりますので
くれぐれも書き込みの際には個人情報にご注意いただき
誹謗中傷などはお辞め下さいますようお願いします

なお公開にあたってはブログ担当者によりチェックを行った上で公開させて頂いています
よろしくお願いいたします

メールでのお問い合わせは
臨床研修センターないしは
それぞれの病院の研修窓口にお願いします

指導医日記 ~画像で送る聖マリの研修~

2009-10-24 22:20:23 | 指導医日記
今日は画像特集しま~す

まずはこれ
研修オリエンテーションでの研修スケジュール作成風景


研修到達目標が診療科ごとに達成できる目標を一覧にしています
これを参考に研修スケジュールに合わせて自分で作成

表に横線を入れて
自分の研修診療科では何が修得できるのかも一目瞭然!

そして先輩たちのポートフォリオも参考にします

これで結構気合いが入ったり
逆に不安になったりするようです

とにかくみんな和気藹々と自分の研修スケジュールを作っていきますが
本院・西部・多摩病院と研修先はありますし
何よりもどの診療科からも選択できるメリットがあるので
とにかく悩む事が多い
いつどうしようとかね
でもこの作業が自分の研修であるって意識を持たせる効果を出してます


ほら?どうです?


続いては研修オリエンテーション中に
研修について自分たちの思いをまとめます


できあがったものは発表してもらい
決意表明ですね


もちろん研修オリエンテーション中に医療安全に関わることや
このようなBLSと同等の研修を受けられます


ひとたび研修が始めれば
教授の前でもちゃんとプレゼンテーションをしたり


カンファレンスで突っ込み受けたり


夜間急患センターでは直接指導されたり


病棟でもきちんと厳しく愛をもって指導


もちろん夜な夜な自己学習は欠かせません


互いのポートフォリオを見せ合ったり


そして1年経過すると中間面接
ポートフォリオ片手にフィードバック


僻地での貴重な研修



そしてようやく研修を終えて
ポートフォリオのまとめと読み込み作業



そしてBSLを対象に自分の研修成果を発表して

ベストレジデントを選出

いよいよ研修修了書授与


どうだ~!顔してるでしょ?


これが聖マリの研修です
この研修宿舎から通って
研修してみたくないですか?

忙しい臨床現場で使ってみては?

2009-10-24 22:16:36 | 医学教育
落ち込んでた研修医に理由を聞いたら
「指導医の先生が忙しくて・・・・(聞くタイミングが難しいんです)」
そいつは困りもんです

指導医はというと
「いや~そんなつもりはないんですけど・・・・(ム!何だよ!って顔)」
ま~気持ちはわかりますけどね


もうすぐ指導医養成WSが開催されます
いくつか指導方法もお話しするんですが
授業と一緒でなかなかすぐに修得できるものではありません
面白いですよね
医学生相手に教えただろ~!こんなことも覚えてないのか~!って言う先生方が
自分が学習者だと・・・・・・・へへへ
そういうもんです

だからときどき思い出して頂こうって主旨で
ちょいとお勉強タイム

参考にしているのは
皆さんもアクセスできる臨床指導医ガイドラインです
ぜひぜひご参考にしてください

ポートフォリオ評価は聖マリアンナ医科大学の研修内容を紹介してますから

さて
臨床の忙しい現場でどう教えるか?
教えるっていうより
忙しい現場でいかに臨床能力を高めるように指導していくか?って
発想をまず変えてみる事だと感じます

まず
feedback手法はなんとなくわかるけどって指導医の先生は多い
でも
効果的にってことになると何が効果的なのか?って思うようです
それに本学だとしきりに研修医のレベル(到達度)が取りざたされるけど
いったいその研修医がどのレベルなのかもまずわかんないっていうのが現実問題なんでしょうか


時間のない臨床の現場で効果的なフィードバックを行うときのひとつの方法がありますよって
指導医WSで話したのを覚えてますか?
病棟のナースステーションで
救急の外来で
昼飯を食べながらお茶しながら
ちょっとの時間を利用してポイントを絞ってフィードバック  

それが1分間指導法(5micro-skills)です
これは研修医の思考過程を明らかにしつつfeedbackを行い
研修医自身が振り返りを促されるもの

ほら?思い出しましたか?
指導医WSのadvancedコースでは互いにやってみたやつです

5つの段階的な質問で済みますからやってみてはどうでしょう?
まずはこんな質問からスタートです
第1ステップ 研修医の現時点での考えを聞く
「先生はどう考えますか?」
まず研修医自身の考えを引き出す
もちろん開かれた質問であることが重要!
うっかり「○○○は考えなかったの?」ではダメですよね
相手が何を理解してどこまで考えたかを明らかにするステップです

第2ステップ その考えの根拠を聞く
「なぜそう考えたんですか?」
研修医の知識と思考過程の確認作業です
そう考えるに至った根拠を確かめます
偶然あってたなんて場合もあります
診察そものがうまくできていないのか?(報告者レベル?)
情報を分析することができなかったのか?(解釈者レベル?)
ここを明らかにしましょう!
ここで大切なポイント
あくまで研修医のレベルを知ること
中には「え~そう思ったんだけど違うんですか?」「・・・・・・わかりません!」って言い訳や逃げてしまう研修医もいます
そこで諦めてはいけません
研修医のための指導です
「(笑顔で)そう思ったという理由を話してみてよ先生」
「(二コっと)そのわからないとこが何か話してみてよ先生」って感じです

そしたらここ大切なステップです
第3ステップ 出来たことを褒める
「なるほど!いいね~!先生!」
現時点でできていること(診察出来たこと?解釈できたこと?)を確認して
まずはその段階を褒める
すると相談しやすい雰囲気になりますし研修医は自信を持ちます
ここまではいいのか~!よかった~!ってね

この第2・第3ステップがうまくいくと
たとえポイントずれた解釈をしていても
「それは面白いところに目をつけたね!でも・・・このケースではどうだろう?」
研修医は「ん?何か違うんだなきっと・・・・」と自分で考える癖を身に付けます
振り返りをどんどん促すことを習慣づけていけるようになります

このときやっちゃいがちだけどダメなのは
「○○○忘れてるじゃん!知らないの?」と先に答えを知ってしまうこと
きっと研修医は丸暗記していきますヨ

第4ステップ 一般論を提示する
「一般的にはこういう風に考えるよね」「文献的にはこうだよね」
あやふやなことを明確にしながら知識の定着を促します
つまりまず間違いに気付かせる
患者と一般論がセットになると知識が定着しやすいようです
ここで注意すること
あれこれ教えすぎないこと!
そうそう以外とこれって多いですよね
ちょっとのつもりが話し過ぎちゃうパターン
今その話しされてもって研修医は自然に耳に蓋してますよきっと

そして最後に
第5ステップ 改善点を提示する
「じゃ~先生!今度同じような患者さんが来たらどうしますか?」
臨床上の問題を明らかにしていく段階です
目の前にいる患者に則して学習課題を明らかにしましょう!
もちろん研修医の側から
「これが理解できていなかったので勉強してきます!」なんて感じになればいいけど
指導医から促すのもありです

これって慣れてくると本当に1分程度で済みます
ボクは実際に研修医に配布している日々の記録帳に書き込ませます
忘れないように

すると後日余裕があるときに
そう言えばあれどうした?って手帳片手に一緒に学ぶ姿勢が出てきます

そう
教えるって発想ではない方が疲れませんし負担感を感じなくできます
リラックスして試してみてはどうでしょう?