聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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指導医徒然日記~新聞から見える研修見直し:パート1~

2009-03-01 14:19:45 | 指導医日記
皆さんいかがお過ごしですか?
あっという間の3月ひな祭り
先週は当直して手術してまた当直してそして手術して
術後に具合悪くなって寝込みました
年ですかね~

さてさて
マスコミの論調に変化の兆しの見える臨床研修見直し
各社いろいろ解説していますが
医学生や研修医そして指導医の間にある思いと
もっとず~と上の先生方との思いの違いがあるように
どうも見えてしまうのは気のせいかな

そこで
ちょっといくつかの社説をご紹介してその論点を見てみましょう
ちょっとその前に付け加えると
ここに抜粋する社説の表現はできる限り変えないようにしています
つまり政治の世界でいう“民意”はどうかってことですから
僕の持論ではないとお断りしておきます

某紙社説
医師不足の主因を見誤るな
医師不足にどう対応するかという議論と
新人医師をどう教育するのかという議論が混線してないか?
と指摘
パチパチ

現行の制度では研修到達目標が設定され
2年間の研修義務期間を設けて一人前の医師に育成される仕組み
ところが
今度の見直し案では必修診療科は内科・救急・地域医療の3つのみ
外科・小児科・産婦人科・麻酔科・精神科は選択となる
これを約1年で終えて残る期間は将来専門とする診療科で学べるという仕組み

幅広く総合診療能力を培う研修は事実上半分に短縮
はたしてそれでいいのか?
現行の研修制度では
大学病院において新人医師研修が行われたため
専門に偏った医師ばかりが養成されたのでは?
そのためここ数年の臨床研修制度によって
実はその総合能力があがってきていると評されている
ではなぜ見直すのか!

素敵です

この社説の過激な部分は
大学病院では徒弟制度のような雰囲気の中で
研修医を便利な労働力にしてきた
だから一般病院へ研修医が流出し人手不足となった
そうなると中堅医師の引き上げとなった
これが
どうすれば大学病院へ研修医を取り戻せるか?という議論にすり替わってる
そう指摘しています

たしかにね
でも研修医を取り戻すだけではなくて
本来大学病院は医学生を育てたあげたところ
だからあらためてきちんと養成する力を本来もっているのだ
だから僕らにも任せてほしいって気持ちもあるんだけどね


さらに続く
総合的な研修を短縮して専門研修の比重を高めることは
より一人前の意思を現場に送り出すためだと説明されている
これは一方で
そうすることでより専門性の高い大学病院ので研修を選ぶ
研修医が増えるのではとのもくろみが見え隠れするって
辛口トーク

いや~現実はそうでもないって感じます
だって医学生の気持ちは置き去りの展開ですから
誰だってよりいい医師になりたい
まず総合的に全人的に診ることができて
かつ専門性をつけたいってことで
どちらかが欠けてもいいとか思ってない
専門医になりたいって研修医は多いのです
早く専門診療科で研修したいけど
それはその診療科でも当り前に研修到達目標を意識した研修ができるはずって
そういう研修医や医学生の思いがあるように感じてます


時計の針を戻すような見直しに疑問の声もある

医師不足の原因は?
人材の配置に計画性のないことでは?
そう締めくくっています

なるほど
研修到達目標を置きざりにしてはいけない
そこは考えておかねば
うんうん