八雲町を9時過ぎに出発し約1時間ほどで最初に訪れたのは鉄の歴史博物館だがこ
れから行く菅谷たたら、鉄の未来科学館を含めた入場券を購入する。島根県人にと
ってたたらの響きに違和感はなく『あっ、鉄か』となる。ただし大方の人は、斐伊川の
上流で採れる良質の砂鉄をたたらで鋼の元となるケラを造る、この程度だろう。
最初に日本で唯一残っている当地の記録ビデオを観てから実際に使用されていた
工具、器具、材料などなどの展示物を観て、より理解を深める。
名前は仰々しくついているが建屋は古民家を上手く利用して展示してあり、外観か
らは内容の深さを測り知ることはできない。
次いで菅谷たたら山内・山内生活伝承館に行く。この施設はたたらの長を務める村
下(むらげ)が住いをしていた3軒長屋の一部に資料展示、現存するたたらを見学す
ることが出来る。たたらの細かい仕組みや運用について分かり易く説明してくれる。
たたら本体
たたらに付きものらしい桂
ここから30分弱離れた所にある同じくたたらで財を成した櫻井家住宅とその庭園を見
学する。たたらについての説明は食傷気味になってきたが住宅、庭園そして松江の
松平のお殿様がここに逗留するた
めその入り口の門、休憩室・トイレなどを造作した話などを聞き、権力の大きさ、財力
の大きさに目を見張る。
たたらには莫大な量の木炭が使用された。私たちが焼く炭とは少し異なり、完全に精
錬させないものを使っていた。完全な木炭は灰が残ること、不完全な炭は砂鉄との化
学変化により良質なケラがとれるため。実物が展示されていたが一見しただけではそ
の差は分からなかった。
最後に酒蔵亀嵩交流館に寄り家族へのお土産を沢山買って5時ちょっと過ぎに八雲
着、時間が少し早いので『草刈りの一仕事』に精を出した人も・・・・・