映画「ピノキオ√964」
監督・脚本・編集:福居ショウジン。91年
これまた意味不明になっていくゲロパンク映画。秘密組織みたいな連中が人間をロボトミー手術していて大人の人間おもちゃを製造してるのだ。社会に適応できるようにしてやるからなと医者が言ってモヒカンパンク野郎がダッチハズバンドに変身。言葉も話せず、アウアウ言ってるだけの手足がなければ見事な人間ダルマちゃんである。
高層ビルに住んでるヒルズ族の女がいる。もちろんソドムの市のように人間は欲望のおもちゃ状態でソドムヒルズ族である。女と三人で楽しんでたけど飽きてダッチハズバンドをポイ捨て。秘密組織はばれたら大変とモヒカンを探し始める。
池袋の東口でボーっと座ってる記憶喪失の女。地図に何かを書き込んでて自分の記憶を探しながら街の記録をしてるのだ。そこにアウアウ言ってるモヒカンを気に入ってお持ち帰り。地下室のような部屋にペットのように飼い始める。背中にピノキオと番号が彫られている。ロベルト・ベニーニ「ピノッキオ」にもソドムな光景があった。大人のおもちゃモヒカンピノキオが人間となるべく冒険なのだ。
徐々に言葉を思い出していくピノキオ。そして女と結ばれるも、ここで話は可笑しくなってきて二人は頭がいかれていく。結ばれる事によって二人の記憶が戻り始めるんだ。その契機が性交なんだよね。女は駅で大声の奇声を発し、周りのリアル野次馬はどん引き状態。しかも電車のポーズして「どですかでん」女に。ゲロゲロ吐きはじめて「チームアメリカ」並みのゲロまみれ。店で板金なんかで使う鉄仮面を被ってチェーンや鉄を買い漁る。鉄と人間を融合させるぜっていう「鉄男」リスペクト時代を感じる光景だ。地下室で助けてあげるからねとピノキオに首輪や足枷なんかをつけて言う「誰が助けるかバーカバーカ」。どんな映画だよ。
以下ネタバレ
結ばれるまでは手繋いで仲良かったのに豹変という女の恐ろしさ全開である。街をつれて歩くもピノキオに路上の生ゴミで攻撃される。何しやがるんだこのクズ屋郎とゴミを食わせる女。秘密組織の連中が探してるのを知るんだ。その連中もまたカルト教の匂いがする。女に連れられて廃人となってるピノキオを発見してガス銃で始末しようとする。組織の下っ端はラジカセでハードコアソングを聞きながら自分を高めてる。そんで「おれでも出来る出来るぞー。見返してやる!」と言いながら幼い女の子を駅で誘拐してる。どうしようもないコンプレックスの裏返し連中なのだ。
ピノキオと女を始末しようとするも逆にやられて、ピノキオは覚醒して逃げ出す。真っ白なおしろいを塗られて口は血で赤に染まっている日の丸フェイス。その上にはモヒカンが乗ってるというパンク映画だ。新宿の歩行者天国をその格好に足枷の鉄塊繋いで奇声発しながら全速力。リアル野次馬はギャーギャー騒いでいるがお構いなし。これが平成の日本ですよみなさんって感じで日本中のモヒカンが泣かずにはいられない光景である、多分。
行き場のないノーフューチャーな男が廃人だったがついにすべてを思い出すのだ。おどれら、後で1匹ずつぶち殺してくれちゃるんぞ!と仁義なき戦いアティチュードを心の中で叫んでるに違いない。「爆裂都市」での町田康のように言葉にならないのだ。それを映画だから映像だけで表現してしまう。そのまま秘密基地まで向かってボスをぶち殺す。それを見た下っ端は発狂し、女はついに過去を思い出して自分もデカ顔のフリークスに変身。ピノキオが顔に喰らいついて頭を引っこ抜く。その頭を自分が被って煙が噴出していく。そして終劇。
エンドロールでなぜか主役の男女が仲よさそうに踊ってる。人間が性のおもちゃにされてしまって支配されてる。強いものが弱いものの命からすべてを支配するという社会。その弱者が性で結ばれる事によって話が変わっていく。いわばセックス落ちでその時点で彼らは解放されてる。だから踊ってるのかなと。
個人的に思ったのが地域ネタなんだけど、舞台が池袋から新宿に微妙に変わってるんだ。池袋から新宿行くなら本数多いけど各駅停車の山手線ですか?それとも本数少なくても一駅でいけちゃう埼京線どっち使いますか?っていうジレンマというか問題提起。だからこそ駅がやたらとでてくるのかなと。そしてパンク野郎ならむしろ走ってしまえというメッセージを感じたね。なんじゃそりゃ。清水崇の「稀人」のような匂いを感じた。
★★
監督・脚本・編集:福居ショウジン。91年
これまた意味不明になっていくゲロパンク映画。秘密組織みたいな連中が人間をロボトミー手術していて大人の人間おもちゃを製造してるのだ。社会に適応できるようにしてやるからなと医者が言ってモヒカンパンク野郎がダッチハズバンドに変身。言葉も話せず、アウアウ言ってるだけの手足がなければ見事な人間ダルマちゃんである。
高層ビルに住んでるヒルズ族の女がいる。もちろんソドムの市のように人間は欲望のおもちゃ状態でソドムヒルズ族である。女と三人で楽しんでたけど飽きてダッチハズバンドをポイ捨て。秘密組織はばれたら大変とモヒカンを探し始める。
池袋の東口でボーっと座ってる記憶喪失の女。地図に何かを書き込んでて自分の記憶を探しながら街の記録をしてるのだ。そこにアウアウ言ってるモヒカンを気に入ってお持ち帰り。地下室のような部屋にペットのように飼い始める。背中にピノキオと番号が彫られている。ロベルト・ベニーニ「ピノッキオ」にもソドムな光景があった。大人のおもちゃモヒカンピノキオが人間となるべく冒険なのだ。
徐々に言葉を思い出していくピノキオ。そして女と結ばれるも、ここで話は可笑しくなってきて二人は頭がいかれていく。結ばれる事によって二人の記憶が戻り始めるんだ。その契機が性交なんだよね。女は駅で大声の奇声を発し、周りのリアル野次馬はどん引き状態。しかも電車のポーズして「どですかでん」女に。ゲロゲロ吐きはじめて「チームアメリカ」並みのゲロまみれ。店で板金なんかで使う鉄仮面を被ってチェーンや鉄を買い漁る。鉄と人間を融合させるぜっていう「鉄男」リスペクト時代を感じる光景だ。地下室で助けてあげるからねとピノキオに首輪や足枷なんかをつけて言う「誰が助けるかバーカバーカ」。どんな映画だよ。
以下ネタバレ
結ばれるまでは手繋いで仲良かったのに豹変という女の恐ろしさ全開である。街をつれて歩くもピノキオに路上の生ゴミで攻撃される。何しやがるんだこのクズ屋郎とゴミを食わせる女。秘密組織の連中が探してるのを知るんだ。その連中もまたカルト教の匂いがする。女に連れられて廃人となってるピノキオを発見してガス銃で始末しようとする。組織の下っ端はラジカセでハードコアソングを聞きながら自分を高めてる。そんで「おれでも出来る出来るぞー。見返してやる!」と言いながら幼い女の子を駅で誘拐してる。どうしようもないコンプレックスの裏返し連中なのだ。
ピノキオと女を始末しようとするも逆にやられて、ピノキオは覚醒して逃げ出す。真っ白なおしろいを塗られて口は血で赤に染まっている日の丸フェイス。その上にはモヒカンが乗ってるというパンク映画だ。新宿の歩行者天国をその格好に足枷の鉄塊繋いで奇声発しながら全速力。リアル野次馬はギャーギャー騒いでいるがお構いなし。これが平成の日本ですよみなさんって感じで日本中のモヒカンが泣かずにはいられない光景である、多分。
行き場のないノーフューチャーな男が廃人だったがついにすべてを思い出すのだ。おどれら、後で1匹ずつぶち殺してくれちゃるんぞ!と仁義なき戦いアティチュードを心の中で叫んでるに違いない。「爆裂都市」での町田康のように言葉にならないのだ。それを映画だから映像だけで表現してしまう。そのまま秘密基地まで向かってボスをぶち殺す。それを見た下っ端は発狂し、女はついに過去を思い出して自分もデカ顔のフリークスに変身。ピノキオが顔に喰らいついて頭を引っこ抜く。その頭を自分が被って煙が噴出していく。そして終劇。
エンドロールでなぜか主役の男女が仲よさそうに踊ってる。人間が性のおもちゃにされてしまって支配されてる。強いものが弱いものの命からすべてを支配するという社会。その弱者が性で結ばれる事によって話が変わっていく。いわばセックス落ちでその時点で彼らは解放されてる。だから踊ってるのかなと。
個人的に思ったのが地域ネタなんだけど、舞台が池袋から新宿に微妙に変わってるんだ。池袋から新宿行くなら本数多いけど各駅停車の山手線ですか?それとも本数少なくても一駅でいけちゃう埼京線どっち使いますか?っていうジレンマというか問題提起。だからこそ駅がやたらとでてくるのかなと。そしてパンク野郎ならむしろ走ってしまえというメッセージを感じたね。なんじゃそりゃ。清水崇の「稀人」のような匂いを感じた。
★★
ピノキオが走ってる歩行者天国は銀座
ですよんよん