without a trace

ヤマザキ、フリーターを撃て!

カッパドキアの国さいたま

2015-05-10 00:12:16 | 駄文

 職場で患者さんと一緒にベッドに座りながら話してて窓から外を見る。昔と違い鉄格子はないが見えるのは向かいの建物である。なんだか穴の中にいるようだなと思ってしまった。一年前の自分、二年前の自分とどう変わったのだろうかと仕事中に考えてしまった。二年前にどこに就職しようかと考えてあちこち回ってて印象的なことを言われた。「灯油をかぶって自分を燃やした人がいました。僕らは叫びながら痛がってるその人に毎日水を浴びせてました。一生懸命やってなんとか助かった。その人は再び自分を燃やして死にました。僕の何とも言えない気持ちがわかりますか?」。一年前に飛び込んでみようと思って行ってみた。おれには無理だと悟った一年だった。何かを得るには何かを失う。しかし失うことが多すぎる。

 ゴールデンウィークは2日ほど休みをもらえたので出かけた。千葉の外房に行こうかとも思ったけど帰りが絶対に混むから埼玉県内で行けるところと考えて埼玉のカッパドキアこと吉見百穴へ行ってきた。ここは山の斜面に200以上の穴が開いてる遺跡でなかなかマニアックな場所だ。遠くから見たら蓮コラじゃないかと中に入ってみるとでかい。どうやら戦時に軍需工場として稼働していたそうでトラックも入れる大きさだ。中はあまり進めないが雰囲気を感じることはできる。山の斜面にある墓穴にも入ることができる。これといって何もないところだけどその雰囲気は独特だ。すぐそばにある岩崎観音という88の観音石仏はなかなか良かった。なんとも言えないがどこか埼玉のチベットである秩父チックな何かを感じる場所である。

 なんだかよくわからんが満足したので帰りに最近オープンしたららぽーと富士見に行ってみる。ある種の現実社会への確認行為みたいなもんで行ってみてふーんすごいねって感じて終わり。普段は穴の中にいるように感じる自分が、吉見の遺跡の穴に行って中をのぞく。そこには何かがあったのは間違いないが何もない。おれの職場での日常は何か意味があるのかもしれないし、ないのかもしれない。残りはゴッドファーザーを見直してやっぱすごいわを10回くらい言いながら終わったゴールデンウィーク。