三五〇字の神話 6 『双子の虹』
「わあ、虹だ!」「見て、二重になってる」「本当だ、すごーい」「きれいー」校庭にいた子どもたちは、空を眺めて、大騒ぎになった。校舎の中から顔を出す子どももいる。止めようとした先生も、「あら、きれいね」と思わずみとれてしまうほど、みごとな二重の虹だった。「ねえねえ、あの虹、歌ってるみたい」「うんうん、なんか、音楽が聴こえてくるよ」「すてきな音色だね!」その声が天上まで聞こえたように、実りの神が人の好さそうな顔をさらにほころばせる。「おふたりさん、今日は大サービスだねえ」美しい双子の虹の女神が、手にした竪琴をかき鳴らしながら優しく微笑む。「今日はわたくしたちのお誕生日ですもの」「うれしくなってつい」「それはお祝いしなくちゃな。わしのベーコンを届けるよ」「それは最高ね」ふたりは、花のようにわらった。
「わあ、虹だ!」「見て、二重になってる」「本当だ、すごーい」「きれいー」校庭にいた子どもたちは、空を眺めて、大騒ぎになった。校舎の中から顔を出す子どももいる。止めようとした先生も、「あら、きれいね」と思わずみとれてしまうほど、みごとな二重の虹だった。「ねえねえ、あの虹、歌ってるみたい」「うんうん、なんか、音楽が聴こえてくるよ」「すてきな音色だね!」その声が天上まで聞こえたように、実りの神が人の好さそうな顔をさらにほころばせる。「おふたりさん、今日は大サービスだねえ」美しい双子の虹の女神が、手にした竪琴をかき鳴らしながら優しく微笑む。「今日はわたくしたちのお誕生日ですもの」「うれしくなってつい」「それはお祝いしなくちゃな。わしのベーコンを届けるよ」「それは最高ね」ふたりは、花のようにわらった。