EKKEN♂

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転載機能がイクナイ(・A・)

2005-02-07 | WEBにまつわる話
 昨日書いた記事の続きです。
 昨日書いた記事とはこちら→Yahooブログの転載機能の問題
 
 前回、転載機能の問題点として挙げたのは、「転載元の記事が、無断転載によって成立している記事」であった場合、その無断転載がどんどん広げられる可能性がある、ということでした。
 仮に転載元の執筆者が、無断転載の一つに気付いた所で、全てを特定することが難しく、始めに無断転載した人が転載元のURLなどを記述していなかった場合には、特定は不可能となるのではないでしょうか。
 ネット上に文章を公開している以上、自分の意に反してコピペが行われることは、多少は覚悟していなければならない、とは思うものの(いい大人でも引用と転載の区別がついてない方もいるようだし…)、そうした行為をブログサービス提供側が助長させるのは如何なものか、と思うのですね。この点、YAHOOブログは、「利用者の善意による使用を過大に期待しいる」機能を有していることになると思うのです。
 gooブログを含め、ほとんどのブログサービスでは、その利用規約に他者の著作権を侵害してはならない旨が明記されています。
 以下はgooブログ利用規約の第12条に記された、「禁止事項」です。
他の会員又は第三者の知的所有権(著作権・意匠権・特許権・実用新案権・ 商標権・ノウハウが含まれますがこれらに限定されません)を侵害する場合

gooブログ利用規約:第12条(禁止事項)

 この規約の存在がある限り、gooブログには新聞社などが提供する大手ニュースサイトの記事の丸ごとコピペは有り得ない筈なのですが、実際はそうした自称「ニュースブログ」が数多く存在します。その謎を解く鍵は、同じくgooブログ利用規約第9条「自己責任の原則」に記された次の記述です。
当社は、記事、コメント及びリンク先に関して、会員と他の会員又は第三者の間で生じた、著作権・商標権等の知的財産権、名誉・信用・プライバシー等の人格的権利その他一切の権利の侵害等の問い合わせ等について一切関知しないものとし、会員は、自己の費用と責任で当該問い合わせ等を解決するものとします。

gooブログ利用規約:第9条 (自己責任の原則)

 ん~、つまりは「安易に著作権を侵害されたら、サービス提供側としては権利者からのクレームに対応しきれないから、禁止事項に盛り込んで、‘おめーら知的所有権侵害すんじゃねーぞ!’と釘をさしておくけど、実際に著作権が侵された場合は、いちいち関わってらんないから、おめーら当事者同士で解決しろやということなのでしょう。テキトーですけど。(※)
 このことから、仮に有名人の肖像権・著作権を侵害しているブログを見つけて、gooブログに通報といった行為はあまり意味がないことのようです。通報した所で、gooブログからの回答は「権利者からの要望があった時に、対応させていただきます。ご報告有難うございました」程度が関の山でしょう。通報するならその画像等の権利を有する個人・団体にしたほうが良いでしょう。
 禁止事項としては盛り込むけど、関知しないもんねーの触らぬ神に祟りなし作戦ですね。
 ブログという形態に限らず、個人サイトで有名人の画像を、正当な引用目的外で表示させている人はたくさんいまして、中にはそれを載せている事に対して、ワケの分からない言い訳を記している人も多いです。
 例えば、こんな例。
 
1. 画像の著作権、肖像権を侵害する目的はありませんが、問題ある場合は削除致します。
2. 掲載画像の著作権は管理者の僕にあります。無断転載禁止!

 全くトホホな話です。
 「侵害する意図」の有無は、著作権・肖像権の侵害には全く関係ないでしょう。たとえ善意で載せていたとしても、権利者が文句を言えばアウトであり、それが行われないのは、いちいち個人のサイトの全てを確認してられないのか、ファン活動に対して寛容な権利者なのかです。
 中には2の例のように、「自分でお金を出した雑誌からスキャンしたものだから、それをどう使おうとオレの勝手」という宇宙人も存在しますが、ここまでくると、もぅワケが分からん。
 そうでなくとも、ネットマナー以前の問題を学習しないまま、ブログでネットデビューしちゃう小中学生が多いものだから、「自分のサイトでは自分の思うままに振舞って良い、オレのサイトではオレが王様」と考え、法律を超えたローカルルールまで決めちゃう奴もいたりして、マッタク困った話なのだ。
 
 YAHOOブログの転載機能問題からずいぶんと逸脱してしまいましたが、要するに利用者の善意だけでは、第三者の知的所有権を守ることなど不可能だと思う、ということなのですね。
 それを多くのブログサービスでは、実際には関知しないものの、何らかの形で釘をさしているのに、YAHOOではむしろ助長するような機能を付加させている、ということです。
 
 転載機能は、なにも、他人の著作権を侵害しやすいからイクナイ! というだけではありません。
 誰かが犯した過ちを、本人が謝罪し、猛省しているにも関わらず、いつまでもその過ちを不当に追求しやすい環境を作ってしまう、ということもあります。
 例えば、ある人が「自分の無知から反社会的な発言をした」としましょうか。
 本人はその発言により「誰かが傷付く」など思いつかず、何気ない日常会話の中から偶然出てきた言葉で、他人の指摘により、それが「許されないもの」であったとしましょう。こうした発言は、いわゆる「お祭り行為」に発展しやすく、本人のその発言以上に「許されざる発言」が匿名において現れる物ですが、本当に本人の無知から発言で、指摘により謝罪した場合においても、粘着的に嫌がらせが起こることが多々あるものです。
 そうした粘着クンの中には「まとめサイト」と称して、一連の記事・コメントをコピペでサイトコンテンツの一つとして成立させていく者もいます。
 僕は本人が謝罪し、その当該記事を削除したのなら、そして同じ過ちを繰り返さないのなら、いつまでも個人を特定してのバカ晒し行為はあってはならないと思います。
 ところが転載機能は、ウォッチ的バカ晒し行為が行われ、それが面白いものと受け止められた時に、不当に個人を嘲笑しやすい環境をもたらすのですね。
 転載機能を許可しているユーザーは、自分の記事が如何に利用されようが問題なし、としているのかもしれませんが、全ての転載許可ユーザーの記事が、第三者の目から見て、転載を許容できる記事を書いているわけではないということに、YAHOOは気付かないのでしょうか?
 
 


 ※ 以前、ある事務所の住所や電話番号、ホームページアドレスを表示し、「こんなバカに抗議しましょう」みたいなことを書かれたブログが、このgooブログに存在し、ランキングにおいてそれなりに上位に位置していました。これを読んだ僕は、個人情報の漏洩、尚且つ荒らし依頼の記事だからと、gooブログに問い合わせしましたが、gooブログからの回答はなんともお粗末。
 「当事者からの要請があれば対応します」
 正直、ガッカリしました。
 gooブログにおいては、ブログの荒らし依頼や、悪意によって晒された個人情報も、対象になった本人からの要請がない限り、当該記事を削除しないということなのです。
 つまり被害者が「どこで晒されていたか」を特定できなければ、その記事は晒され続けることになるのですね。
 どうです?
 これ、物凄く恐ろしいことだと思いませんか?
 幸い、その荒らし依頼を行っていた(当時の)人気ブログは、「現在表示できません」になっていますが、本人以外の善意による規約違反ブログの通報には、極力応えて頂きたいものです。
(そもそも何であんなブログが人気があったのか、皆目見当がつかないのだけど)
 なお、そのブログのアドレス、並びにブログ名に関する質問については、一切お答えしかねます。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
えっけん様は、思慮深い、そして優しい (アキ)
2005-02-13 00:02:18
 たびたび、失礼しております。えっけん様や、お友達の、コメントのレベルの高さに、ついていけるかな?と、ビビリながら書き込みしております。

YAHOOブログの新機能が著作権侵害の温床になるか恐れのあるご指摘、ごもっともです。(私は、ほとんどのブログサービスの記事で、著作権侵害の危険があると思いますが…トラックバック機能そのものも、どうだろう…)

 そのご指摘以上に、えっけん様の言葉の

「誰かが犯した過ちを、本人が謝罪し、猛省しているにも関わらず、いつまでもその過ちを不当に追求しやすい環境を作ってしまう、ということもあります。」

 とのご意見、誠に傾聴に値するものと考えます。最近のご時世を反映している。本人が謝罪しているにも関わらず、弱みに付け込んで、叩く。また、「いつまでもその過ちを不当に追求される環境」があれば、たとえ本人が過ちに気が付いても、引き返さない、引き返せない事態に、追い込まれていくでしょう。その先にあるものは何か?虚勢をはり、自滅する、周りで扇動していたものも…これが、また他の多くの人にダメージを与える。

 えっけん様のご意見、思い当たるフシがあるので、あえて書き込みました。えっけん様の本人が謝罪しているなら、許すべきとのご指摘にえっけん様の優しさが垣間見れる。優しいですね。そして、過ちに気が付いた時、引き返すのも、勇気です。

 引き返す勇気、優しさ、私も持たなくてはならない、というより、持つ!!

被害者がさらしものにされる、だれでも被害者になる可能性があるから、怖い。
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●アキさん (えっけん)
2005-02-13 14:12:27
えっけん「様」はやめてね、大したものじゃないから。



先日ね、しがない記者日記とかいう新聞記者と思われる方のブログが、荒らされて個人情報まで晒されていましたね。

あのブログの内容は確かに反感を買いやすいものだとは思いましたが、僕は一つの意見として読めたし、反論も結構だけど、ブログ主の個人情報を晒すと言う行為は如何なものか、と思いました。



あのブログの内容が反社会的だということで潰したいのなら、サービス提供会社に報告しても良いはずであって、個人的に気に入らないから、ブログ上に存在できないように、半ば暴力的に圧力をかけるのはどうだろう?



犯罪予告したわけでもあるまいに、自分と考えの違う者の存在を真っ向から否定するのは、なんとも幼稚な行為である。
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じゃ改めて… (アキ)
2005-02-13 20:16:56
えっけんさん、よろしく。
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