Life in America ~JAPAN編

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母のこと

2018-12-22 10:15:40 | アメリカ生活雑感
母が天に召されて、今日でちょうど丸2年。
朝方父の携帯が鳴って、ふたりで無言で病院にかけつけたあのぴーんとした時間がよみがえってくる。

もうすぐクリスマス、と町は浮かれていた。
イルミネーションがきれいで、前の晩はちょうど「LEDフェスティバル」というのをやっていた。
実はあのチームラボの猪子社長は徳島出身で、こういう街をからめたプロジェクションアートの仕掛けをときどきやってくれる。
LEDが生まれたのは徳島県の小さな工場からだった。そういうつながりもあってLEDの名を冠したイベントは徳島にも多い。
ずっと気が張りつめていて外に出ることもなかった私は、久しぶりに気晴らしにこのフェスティバルに出かけてみた。

なんということもなくただ、町のなかのイルミネーションを見て歩き、最後は新町川の遊覧船に乗って水面に浮かぶ大きなLEDの球体の中、ちょっとした船旅をした。
次々に色がかわっていくアドバルーンのような球体が水面に揺れて、この世のものじゃないような不思議な気持ちだった。
ああ、天国への入り口ってこんな感じなのかな、とふと思った。


家に帰ってベッドに入り、数時間で父の携帯が鳴った。
翌朝、二日前に畳を張り替えたばかりの青畳の香りのする和室に母は帰ってきた。
このタイミング、いかにも完璧主義の母らしいと思った。

肉体はこの世からなくなっても、母は絶対に死なない。
私たちは常にこの家で、朝に夕に、母と共にいるから。
母が教えてくれたいろんなものをこの世界に吐き出しながら。

それは私が死ぬまで続いていくにちがいないから。





そばで穏やかな日々を一緒にすごさせてくれてありがとう。
あなたが最期まで気にしていたパパのことは、これから私が守るから。
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