伝統文化★資料室

東京成徳大学・日本伝統文化学科の学生と教員が「伝統文化資料室」から、情報発信します!

円本とグラフィックアート

2011-05-29 12:25:56 | 日本文化

父の蔵書のなかで、ただ一冊異彩を放っていたのが、布貼り装のモダンな表紙の「現代日本文学全集 志賀直哉集」でした。のちにこれが、改造社の「円本」(定価1円)と言われるものであったことを知るのですが、子供心に、鮮やかなこの装丁は深く印象せられたことでした。扉に「杉浦非水装幀」とあって、ずいぶん奇妙な名前だな、と思っていたことがあります。

「非水」といえば油性の液体すなわち「非水系」を思い起こさせますが、実は当人の俳号「翡翠郎」(非水は伊予松山の人)の文字が煩瑣であるため、同音の宛字として「非」と「水」を選んだ由です。日本のグラフィックデザインの草分けとも言える非水ですが、この装幀では、よく見ると中央の下に「ひすゐ」と平仮名の署名が入っています。


ショージですっ!!(その44)

2011-05-29 11:30:47 | 庄司達也先生

先々週のことですが、非常勤先でご一緒している会計学の先生と、築地市場にお昼を食べに行ってきました。お目当ては・・・。場内の名店「高はし」さんが数年振りに期間限定特別メニューとして出された「鰊煮」です。築地に通うプロたちが、多く注文していた一品でした。僕も、常連さんに教わって食べ始めた懐かしの味、大変に手間の掛かる料理です。築地にやってくる最近のお客さんの好みが変わったためか、5年前くらいに定番メニューから外されてしまいました。僕は、一時期、高はしさんの「鰊煮」を真似て自分でも炊いてみたのですが、なかなか美味しくできませんでした。当然ですね。プロの、伝統の味ですからね。
当日は、朝に電話を入れて2人前の取り置きをお願いしました。もちろん、「高はし」さんの定番メニュー「あなご煮」との盛り合わせです。実は、1ヶ月前にも期間限定の復活があったのですが、そのときは取り置きをお願いすることをせずにいて、お逢いすることが叶わなかったのです。
写真は、同行した先生がご提供くださった一葉です。美味しさが、伝わってくるでしょう。ほんとうに、とっても美味しいんですよ。


金丸先生フィールドワーク

2011-05-27 12:31:41 | フィールドワーク

演習(日本美術史)、夏に先駆けてフィールドワークです。

5月22日(日)、あいにく雨が激しく降ってきましたが、
東京国立博物館で開催中の「手塚治虫のブッダ展」を見学に行きました。
仏陀の生涯を描いた手塚治虫の漫画、「ブッダ」を紹介し、
併せて同じ場面を表現したガンダーラのレリーフや仏像、日本の仏像を展示し、
比べて見ることができるという特別展です。

手塚のブッダがガンダーラにインスピレーションを受けたらしく、
かなり西洋的な美男子であることが確認できたり、
原画の細密な描写が、相当研究されたものであることなどがわかりました。
また、あまり近くで見ることができない仏像を細かく観察できたことも収穫でした。
とくに、ちょうど今勉強している白鳳時代の深大寺釈迦像を間近で、
それも側面からも観察できたことは、翌日のレポートに役立ちました。

見学後、博物館内のレストランで反省会をしました。