10月に『群書類従正・続・続々』がweb版となったことは欣快なニュースでしたが、ありがたいのは全文検索で、3,750という膨大な書目のなかから、横断的にことばを探せるのは非常な強みであると思います。例えばわが青柳一族(?)の祖である青柳金王丸も、検索すれば巻三百八十八『上野國群馬郡箕輪軍記』に三箇所登場している、といったぐあいです。「青柳金王宗高」というのがそれですが、日本を代表する叢書のなかに、自分にゆかりの人物の名がある、というのは、少しく誇らしいことです。みなさまも、ご自分のゆかりの事物などをぜひ検索してみられてはいかがでしょう。
資料室の十二単は、十四年前に誂えたものですが、長年の着装で傷みも生じています。特に、「単」は大きくつくってあることもあり、袖口や襟元が汚れやすく、また捻り仕立てになっているところが、切れたり巻戻ったりしています。このたび、はじめて黒田装束店に修理を依頼し、できあがって来ました。捻りも元通り、きれいになって戻ってきた単、新年からまた現場復帰です。
束帯の佩用には、実戦用の兵仗の太刀(野太刀)ではなく(こちらは本来革緒でつけます)、やはり儀仗の太刀、葵鍔でなく唐鍔の細太刀でなくてはなりません。しかし、この種の太刀は大変高価であり、しかも出物のある時にしか手に入りません。それなら模造刀を、と誂えたのですが、なかなか届かず、ついに年内の装束着装には間に合いませんでした。しかし、本日ようやく到着しました。
梨子地のあたりが少し寂しいので、近代文明の利器「蒔絵シール」を用いて、桐紋と鳳凰を散らしてみました。
年明けからいよいよ実戦投入です。
伝統文化資料室にふさわしいクリスマスプレゼントといえば、それはもう「装束本」ですね。こちらは図録で有名な全教図の「有職故実」。教材用なので図版が大きく、細かいところまでよくわかります。鈴木敬三氏の監修になるものです。
こちらは「小林豊子きもの学院」の時代衣裳教本、初心者向けとは言えませんが、大変参考になります。
技能向上に役立てて欲しいですね。