「ぶすが!」
15年くらい前、移行してすこしなれた頃、ある駅のホームですれ違いざまに男性から言われました。
女性としての生活を始めたころの話です
札幌のあるビルの女子トイレを使ったとき、私がトイレから出るまでずっとビルの従業員の方が不自然に洗面台を洗うそぶりを続けていました。男子トイレで「お姉ちゃんこっちちゃうで!」と言われたり、後から入ってきた男性が間違えたと勘違いして出て行くことを何度も経験した数年後です。
立ちよったあるコンビニでバイトの若い女性が、おつりを私に渡すのに汚いものをわたすようにつまんで渡されました。
歩いていると後ろから笑い声が聞こえてきました。
電車で座っていたら横に座ってきた人が、車内が空いたわけでないのに急に立ち上がって別のところに移動しました。
移行にかかわって
「あんたは性同一性障害って言って受験したか?髪を伸ばして試験を受けたのか。違うだろ。」(上司から)
「髪の毛切りなさい」(たくさんの顧客から)
「こんな髪の男が○○(業務の名前)だから今の時代はだめなんだ」(近所の人が上司に)
男性として勤務をしていた最後の数年間はずっとこんな感じでした。法的に、制度的に解雇できないからほとんど棄てられたように休職を打診されたときも。
ほんと、今考えてもよくやったと思います。もし、今の精神力・体力だったら移行できてないかもしれません。時代は明らかに今の方がいいのですが。
けれど、たくさんの人に支えられました。あのときの支えられたひとつひとつのエピソードや言葉が、今も宝物になっています。
そして、運も確実にありました。
また、何年もかけて移行する中で、上司や地域の上役の方々が、「自分とは考えは違うけれど」支えてくれたり、許してくれて受け入れてくれたりしました。本当に人に恵まれました。
今移行して幸せそうに見える人は、決して順風満帆、周りから祝福されて移行した苦労知らずな幸運な人ではありません。
ひどい言葉をかけられつづけ、それでもその人達をも包み込むくらいの気持ちで自分を作っていった人たちです。ブログやユーチューブでの動画では決して見せないつらい思いをたくさん経験しています。
確かに、その結果が努力に比例するかどうかは分かりません。
ここで、「努力すれば、あきらめなければ絶対移行は成功するよ」と、言い切ることはできません。成功した人はすべて努力や苦労をしてきたけれど、今つらい思いをしている人以上にしてきたかどうかは分かりません。今苦しんでいるあなたの方が、信念も強く、努力もつらい思いも私なんかよりいっぱいしてきたかもしれません。
それが、事実なのです。
移行して幸せになれる人がいる
そして、社会の偏見、制度の不備でまだ幸せになれない人もいる
それが事実で、私は「移行して幸せになれる人がいる」ということを伝えたくて書いています。
私は、MTFが移行して幸福になれる。基本埋没で充実した毎日を過ごすことができる、というたった一つの例を示すことができるだけです。あるいは聞き及んだ成功例を紹介することもあります。
私は、今ピア活動や社会運動をしていません。きっかけがないこともありますが、それ以上に、今私が(自称)埋没MTFとして、ふつうに生きることができてどこまで幸福に生きることができるか、ということを示すことがこれからの子に役に立つと思っているからです。活動をする時間よりも、仕事をしたり、友だちと楽しんだり、(もう年なので)休養したりすることの方が今は大切と感じるからです。
社会や制度が変わった恩恵だけ受けた逃げ得かもしれません。ただ、まったく私と同じ環境で「制度や偏見が(あって移行が難しい)」と主張しているのを見聞きすると、「そればかりが事実ではない」と伝えたくなります。
今後なにかきっかけがあってピアサポートなど活動を再開するかもしれませんが。
こんな成功譚だけの上から目線のブログは意味あるの?
私が子どもだったら、あるいは子どもを支援する立場だったら、絶対見たい、知りたい情報を書いています。
私だって、私なりにどん底の時代がありました。学校に行けない時期もありました。「今死んでも誰も悲しまない」「努力できない私はくずだ」そう思っていた時期もありました。そこを誰もが乗り越えられるとは限りません。私はたまたまだったのかもしれません。
あなたが、このブログを見て腹がたって、自分に絶望して悔しい気持ちを抱く、そのつらさが、あなたが乗り越えたときに、たくさんの周りの人に笑顔を、やさしさを、そして勇気や強さを分けてあげられる原動力になります。
直接は一度も出会わないままのあなたが、幸せになって私を見返す時がくるのを
待ってます!
15年くらい前、移行してすこしなれた頃、ある駅のホームですれ違いざまに男性から言われました。
女性としての生活を始めたころの話です
札幌のあるビルの女子トイレを使ったとき、私がトイレから出るまでずっとビルの従業員の方が不自然に洗面台を洗うそぶりを続けていました。男子トイレで「お姉ちゃんこっちちゃうで!」と言われたり、後から入ってきた男性が間違えたと勘違いして出て行くことを何度も経験した数年後です。
立ちよったあるコンビニでバイトの若い女性が、おつりを私に渡すのに汚いものをわたすようにつまんで渡されました。
歩いていると後ろから笑い声が聞こえてきました。
電車で座っていたら横に座ってきた人が、車内が空いたわけでないのに急に立ち上がって別のところに移動しました。
移行にかかわって
「あんたは性同一性障害って言って受験したか?髪を伸ばして試験を受けたのか。違うだろ。」(上司から)
「髪の毛切りなさい」(たくさんの顧客から)
「こんな髪の男が○○(業務の名前)だから今の時代はだめなんだ」(近所の人が上司に)
男性として勤務をしていた最後の数年間はずっとこんな感じでした。法的に、制度的に解雇できないからほとんど棄てられたように休職を打診されたときも。
ほんと、今考えてもよくやったと思います。もし、今の精神力・体力だったら移行できてないかもしれません。時代は明らかに今の方がいいのですが。
けれど、たくさんの人に支えられました。あのときの支えられたひとつひとつのエピソードや言葉が、今も宝物になっています。
そして、運も確実にありました。
また、何年もかけて移行する中で、上司や地域の上役の方々が、「自分とは考えは違うけれど」支えてくれたり、許してくれて受け入れてくれたりしました。本当に人に恵まれました。
今移行して幸せそうに見える人は、決して順風満帆、周りから祝福されて移行した苦労知らずな幸運な人ではありません。
ひどい言葉をかけられつづけ、それでもその人達をも包み込むくらいの気持ちで自分を作っていった人たちです。ブログやユーチューブでの動画では決して見せないつらい思いをたくさん経験しています。
確かに、その結果が努力に比例するかどうかは分かりません。
ここで、「努力すれば、あきらめなければ絶対移行は成功するよ」と、言い切ることはできません。成功した人はすべて努力や苦労をしてきたけれど、今つらい思いをしている人以上にしてきたかどうかは分かりません。今苦しんでいるあなたの方が、信念も強く、努力もつらい思いも私なんかよりいっぱいしてきたかもしれません。
それが、事実なのです。
移行して幸せになれる人がいる
そして、社会の偏見、制度の不備でまだ幸せになれない人もいる
それが事実で、私は「移行して幸せになれる人がいる」ということを伝えたくて書いています。
私は、MTFが移行して幸福になれる。基本埋没で充実した毎日を過ごすことができる、というたった一つの例を示すことができるだけです。あるいは聞き及んだ成功例を紹介することもあります。
私は、今ピア活動や社会運動をしていません。きっかけがないこともありますが、それ以上に、今私が(自称)埋没MTFとして、ふつうに生きることができてどこまで幸福に生きることができるか、ということを示すことがこれからの子に役に立つと思っているからです。活動をする時間よりも、仕事をしたり、友だちと楽しんだり、(もう年なので)休養したりすることの方が今は大切と感じるからです。
社会や制度が変わった恩恵だけ受けた逃げ得かもしれません。ただ、まったく私と同じ環境で「制度や偏見が(あって移行が難しい)」と主張しているのを見聞きすると、「そればかりが事実ではない」と伝えたくなります。
今後なにかきっかけがあってピアサポートなど活動を再開するかもしれませんが。
こんな成功譚だけの上から目線のブログは意味あるの?
私が子どもだったら、あるいは子どもを支援する立場だったら、絶対見たい、知りたい情報を書いています。
私だって、私なりにどん底の時代がありました。学校に行けない時期もありました。「今死んでも誰も悲しまない」「努力できない私はくずだ」そう思っていた時期もありました。そこを誰もが乗り越えられるとは限りません。私はたまたまだったのかもしれません。
あなたが、このブログを見て腹がたって、自分に絶望して悔しい気持ちを抱く、そのつらさが、あなたが乗り越えたときに、たくさんの周りの人に笑顔を、やさしさを、そして勇気や強さを分けてあげられる原動力になります。
直接は一度も出会わないままのあなたが、幸せになって私を見返す時がくるのを
待ってます!