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性同一性障害になやむ若いMTF当事者に向けてのメッセージです

トランスの目的は性自認と性他認を一致させること!【異論】

2022-06-19 11:53:17 | GIDパラダイム
 SRSをする目的、戸籍を変更する目的ってなんでしょうか。
「性自認と体を一致させること」「性自認に体や生活を近づけること」
特例法ができた頃はそう言われてきました。その後も、性自認の表現は個性である、権利であるという受け止められ方(あるいは主張)が主流になった今は「なりたい性別、したいジェンダー表現をすることが尊重されるべき」という考え方になるのだと思います。その主張は私は大賛成です。
 けれども、本当に、それが当事者の究極の願いなの?
 自分の心に合わせて体をいじって、自分の心に合わせた外見、自分の心に合わせた生活をすることで、当事者は満足しているのでしょうか。

 実は、本当は当事者の願いは別のところにあるんじゃないかな。

 という、ちょっと異論を展開しようと思います。

 もしも、心と体を分離できる、例えば、ほとんどメタバースで世界と関わることができるような時代になったとき、トランス女性は、日常生活のすべてをメタバースで過ごすことで満足できるでしょうか。たぶん、否と答えるでしょう。実際の体が男性のままだったら、仮にリアルの誰に出会わなくても、耐えがたいでしょう。
 では、体を女性にして仮に本人も努力して女性にしか見えない外見になって、誰にも会わないで日常をメタバースで過ごすことは、トランス女性として100パーセント満足できるでしょうか。答えは分かれると思いますが、私は否と思います。なぜかというと、どんなに科学が発達しても、リアルな人と人のかかわりは外せないからです。そして、生身の人と人とのかかわりこそが生きることの意味なのではないかとさえ思います。
 このブログで広瀬沙織は、トランスは人とのかかわりそのものという考え方を伝えていますが、
 私(あなた)を女性としてみなしてくれている人とリアルで深く関わっていくことができるようにすること、すなわち

 性自認と体が一致することに加えて、性他認も一致すること

こそがトランスの目的(願い)なのではないかと思います。

 もちろん、パスが難しいと分かってても苦しくて移行する方はたくさんおられるでしょう。けれども、苦しいのは、性自認と体の不一致だけではなく、性自認と性他認の不一致が大きな要因ではないでしょうか。
 
では、その苦しみを解決する方法はなんでしょうか。
 性自認と体の不一致を和らげるのは、医学や倫理や社会の理解の進歩でできます。
 性自認とジェンダー表現を一致させていくことは、法律を変えたり社会の理解が深まることで達成できます。
 けれど性自認と性他認を一致させていくことは、パスできるようになり、あなたが直接かかわる周りの人と折り合いをつけていくことしかありません。

 体も社会の受け入れも、あなたがやらなくても能力の高い人がやってくれるかもしれません。
 けれど、性自認と性他認との一致は、かわりにやってくれる人はいないし、外見を変える自分の努力だけでは完遂できないのです。あなたが勇気を出して、人と関わっていかなければそのずれは解消できないのです。

 以前、「性自認は変化する~何によって」で、まわりが女性とみなすことで心が女性になれるという趣旨のことを書きました。

 心が女性になるためには、女性としてみなされなければならないのです。
もっと言えば、
 性別違和感の解消は、周りがあなたを女性としてみなし、あなたがその性他認を受け入れ性自認を変化させる(性他認を性自認に一致させる)ことで完成するような気がしています。

 ・ジェンダー表現が個性として認められる社会
 ・あなたのことを女性として見てくれる多くの人とのたくさんのかかわり

 その両輪が必要なのだと感じています。

おさらいです
 幸福なトランスのために必要なことは
 ①社会の受け入れ(手術、法律、偏見)
 ②体や外見を望みのジェンダーに変えていくこと
③女性として見なしてくれる人たちと相互的な関係を作っていくことができること

 
 ここまでくるといつもの主張と同じなのですが、LGBTの基本研修で、よく体の性と、心の性の棒で説明しますよね。
くわしく分かれている棒だと、
「体の性」「性対象」「ジェンダー(らしさ)」「自認の性」「なりたい性」の5つでしょうか。そこに「性他認(どちらの性別だとみなされているか)」もしくは「望みの性他認(どちらの性別だとみなされたいか)」を入れると、悩んでいる子の考えが整理しやすくなるのではないかなと思って、新たに書きました。
 変わりたいのは、体や外見だけではないのではないでしょうか。

 この原稿はもともとトイレ問題への考えを書くつもりで書き始めましたが、自分が特定の主張をすることは益にならないと思い、そのもとになった考えのみ書くことになりました。

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