オンデマンドで『みんなの綴方教室』(国分一太郎著)が手に入ります-2
オンデマンドで『みんなの綴方教室』を注文すると、定価は次のようになります。
定価(本体3,200円+税)です。
これに送料がかかると思います。が、それでも読んだ方が得をする本です。
ところで昨日も話題にした『君ひとの子の師であれば』の書評が「作文と教育」4月号(日本作文の会編・本の泉社)に載っています。横須賀作文の会の梶谷 陽子さんが書いています。
《教師の本棚》復刻版『君ひとの子の師であれば』
梶谷 陽子
この本と出会ったのは、教師という仕事についてから再会した恩師にいただいたことが始まりです。そして、文庫本サイズの少し茶色くなった本を、少しでも近づきたい、少しも読み落としたくないと思って必死に読みました。正直に言うと、農村部の学校、貧しさ、時代背景…想像が難しいこともありました。
しかし、「葉やくきはなんのためにある?」「うさぎに食わせるため。」との答えに、理科としては間違いだけれど、この子は家内の労働を担うために一生懸命なのだと考える教師の姿にはっとしました。子どもを自分の物差しで見るのではなく、ひとりひとりの子にあった目線でとても優しく見ているのです。今思うと、その視点に気づかされなかったらもっと失敗をしていたかもしれません。
また、著書から学び、つづり方を大切にして子どもの感じたこと考えたことを知ろうと心がけたことは、ずいぶん助けになりました。さらに著書に、「小さな旅人」を学校に出しているから家庭ともつながりができるとあったように、その面でも助けられたように思います。
作文ははずかしがりやの子もすぐ手が出てしまう子も、こんな感性があると発見させてくれます。そして、未熟な私には子どもに一言でも二言でも話しかける種を生む魔法のツールのようでした。
今回、四六並製になった復刻版は、読みやすく、一気に読みました。そして、改めてこの本から学んだことは、教師への期待の大きさと、「教えること」の大切さでした。『つめこみではなく、自分がこの社会の中で生きていくための行動力の源になる正しい認識力のために。』、教える意味を考えさせられました。
あのときは、貧しさからの脱却でしたが、今は時代が違います。しかし、それぞれの家庭の状況が違うのは今も変わらず、むしろより複雑になっているかもしれません。それでも、一人ひとりに寄り添うことや色々な家庭からの集まりである学校という場の役割、教師が『創意性』を持って仕事に取り組んでいく必要があることもこの本の時代となんら変わらないと思います。
多忙な生活の中でも、何度となく読み返すことで、教師の本分を忘れずに臨めるのではないかと感じます。
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