ツルピカ田中定幸先生

教育・作文教育・綴り方教育について。
神奈川県作文の会
綴方理論研究会
国分一太郎「教育」と「文学」研究会

『みんなの綴方教室』が手に入ります-2

2013-05-31 11:11:45 | Weblog

 オンデマンドで『みんなの綴方教室』(国分一太郎著)が手に入ります-2

 

 オンデマンドで『みんなの綴方教室』を注文すると、定価は次のようになります。

 

   定価(本体3,200円+税)です。

   これに送料がかかると思います。が、それでも読んだ方が得をする本です。

 

 ところで昨日も話題にした『君ひとの子の師であれば』の書評が「作文と教育」4月号(日本作文の会編・本の泉社)に載っています。横須賀作文の会の梶谷 陽子さんが書いています。

《教師の本棚》復刻版『君ひとの子の師であれば』

                              梶谷 陽子

 この本と出会ったのは、教師という仕事についてから再会した恩師にいただいたことが始まりです。そして、文庫本サイズの少し茶色くなった本を、少しでも近づきたい、少しも読み落としたくないと思って必死に読みました。正直に言うと、農村部の学校、貧しさ、時代背景…想像が難しいこともありました。

 しかし、「葉やくきはなんのためにある?」「うさぎに食わせるため。」との答えに、理科としては間違いだけれど、この子は家内の労働を担うために一生懸命なのだと考える教師の姿にはっとしました。子どもを自分の物差しで見るのではなく、ひとりひとりの子にあった目線でとても優しく見ているのです。今思うと、その視点に気づかされなかったらもっと失敗をしていたかもしれません。

 また、著書から学び、つづり方を大切にして子どもの感じたこと考えたことを知ろうと心がけたことは、ずいぶん助けになりました。さらに著書に、「小さな旅人」を学校に出しているから家庭ともつながりができるとあったように、その面でも助けられたように思います。

 作文ははずかしがりやの子もすぐ手が出てしまう子も、こんな感性があると発見させてくれます。そして、未熟な私には子どもに一言でも二言でも話しかける種を生む魔法のツールのようでした。

 今回、四六並製になった復刻版は、読みやすく、一気に読みました。そして、改めてこの本から学んだことは、教師への期待の大きさと、「教えること」の大切さでした。『つめこみではなく、自分がこの社会の中で生きていくための行動力の源になる正しい認識力のために。』、教える意味を考えさせられました。

 あのときは、貧しさからの脱却でしたが、今は時代が違います。しかし、それぞれの家庭の状況が違うのは今も変わらず、むしろより複雑になっているかもしれません。それでも、一人ひとりに寄り添うことや色々な家庭からの集まりである学校という場の役割、教師が『創意性』を持って仕事に取り組んでいく必要があることもこの本の時代となんら変わらないと思います。

 多忙な生活の中でも、何度となく読み返すことで、教師の本分を忘れずに臨めるのではないかと感じます。

 読んだ感想を、このブログにも是非、およせください。

 

 

 


オンデマンドで『みんなの綴方教室』が手に入ります

2013-05-30 15:36:15 | Weblog

      オンデマンドで『みんなの綴方教室』(国分一太郎著)が手に入ります

 

 『君ひとの子の師であれば』が復刊されたことはご承知のことと思います。この本は、教師ならば必読の書」、是非、たくさんの方に読んでもらおうと、研究会や講演を依頼されたときには、何冊かもっていくことにしています。

 紹介すると、表紙のすっきりした感じと、読みやすさのためか、すぐに売れてしまいます。もう、50冊ぐらい買っていただいたでしょうか。手元に、なくなってしまったので、また、注文をしました。(私がまとめて注文、すれば定価より安く手に入り、みなさんのも少しやすくお渡しできるからです。注文をお待ちしています。)

 

 新評論の担当のかたからは、本といっしょに、つぎのような手紙がそえられていました。

 

 いつもお世話になっております。

 また、『君ひとの子の師であれば』を20冊ご注文いただきまして、誠にありがとうございます。

 今回、この20冊とともに同封させていただいたのはオンデマンド(受注生産)にて、復刊した『みんなの綴方教室』(国分一太郎・新詳論)です。

 この『みんなの綴方教室』は一冊から受注して、作成する本です。作成まで、一週間から10日ほどお時間をいただければ、新たに作った本をお届けすることが可能となっております。

 中身は前の本のコピーとなっておりますので、汚れなどが残っている場合もございます。そこら辺は、ご了承いただけます様よろしくお願いいたします。

それでは、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 このことは、みなさんにもお伝えしておきたいなと思って、今回、ブログに紹介することにしました。

 『みんなの綴方教室』『続みんなの綴方教室』は、文章表現指導のもっとも大事なことを、ていねいに書いた本です。国分一太郎の文章表現指導の到達点が実践的に書かれている本です。たくさんの方が読んで、子どもの指導と、自らの表現力を高めていってほしいと思っています。

『続 みんなの綴方教室』も、残部わずか。『続 みんなの綴方教室』もまもなく、オンデマンドで登場することと思いますが、まずは、『みんなの綴方教室』の購読を『君ひとの子の師であれば』とあわせてすることをおすすめします。

 

                          249-0007 逗子市新宿3-2-45 

電話・FAX 046-873-4339 

田中 定幸    

 


国分一太郎「教育」と「文学」研究・紀要について

2013-05-30 04:35:52 | Weblog

 現在、№2の原稿募集中です。7月6日(土)までにお送りください。

 №1の残部がありますので、ご希望の方は、研究会事務局の方へご連絡下さい。送料込みで

1,000円で、おわけしています。

 

事務局 〒332―0023 埼玉県川口市飯塚1-12-53

                               榎本 豊方 電話 FAX 048-256-1559

 

 

〈国分一太郎「教育」と「文学」研究会・「紀要」№1の内容〉

 □研究論文

 ・東北自らが語るために―2011年3月11日以降の「国分一太郎」―     阿部 貴洋

 ・贈りものとしての東北                                  阿部 貴洋

 ・発達に遅れがある子どもの初期の文章表現指導                 中谷 義人

 ・子どもたちをすぐれた日本語のにない手に

                  ―言語学からみた国分一太郎のすばらしさ―  鈴木 康之

 ・年譜の森に分けて入る―国分一太郎文集年譜と『国分一太郎』略歴年譜から

                                                 那須 備述

□実践の記録

   ・私を支えた平和教育                             榎本  豊

□史料紹介

   ・ヨワイトコロミセテ、ゴメンネ                       乙部 武志

   ・「生活綴方」と昭和国語教育史―国分一太郎学芸大学特別講義より その2

                                           田中 定幸

   ・ありがたいお言葉   ―国分先生にいただいた推薦文―     安藤  操

 

《編集後記》

 国分一太郎生誕100年のこの年、念願の「紀要」を発行することができた。

 本会は、国分一太郎の教育・文学・評論など多岐にわたる業績を顕彰し、それを継承・発展をさせることを目的にしている。また、それだけでなく、会員相互の連携、親睦をふかめる会にしたいという願いもある。研究論文をふくめて、随筆も、短歌も、あるいは日々の生活の中で感じたことなども投稿できる場をつくりたいという思いをもってきた。

 今回、そうした私達の願いに応えてくれて、阿部貴洋氏、中谷義人氏、那須備述氏らが投稿してくれた。鈴木康之氏の論文は、第4回国分一太郎「教育」と「文学」研究会での講演を文章化していただいた。また、榎本豊氏は、平和教育実践に対する思いを、子どもの作品をとおして語ってくれた。「資料紹介」というページをもりこむことができた。

 国分一太郎の学芸大学での特別講義は、亡くなる前の年のものである。様々な思いが込められている、「『生活綴方』と昭和国語教育史』という題での講義の一部であるが、「生活綴方」が、どのような状況の中で生まれてきたかを学ぶだけでなく、「人間、国分一太郎」についても、その話の中から感じ取っていただきたい。「音声言語」で語られたものを起こしたものである、国分一太郎をおもいうかべ、声をだして、改めて読むことをおすすめする。

 投稿してくれた方々のおかげで、ようやく〈「教育」と「文学」の研究〉という名の冊子ができあがった。ともかく、この発刊をよろこびたい。そして、これを手にした方は、次号に、ぜひ、投稿をお願いしたい。              〈田中 定幸〉