新潮社 2012/11/30決して美人というわけではないが、男好きがする肉感的で色っぽい女、糸井美幸。高校までは目立たなかったのに、短大時代に派手に変身した美幸が、地方都市（岐阜県）を舞台に、女であることを武器にし、男を踏み台にしてのし上がっていく。美幸にまつわる10の噂が描かれる連作短編集であり、美幸の人生を描いた長編小説。『中古車販売店の女』『麻雀荘の女』『料理教室の女』『マンションの女』『パチンコの女』『柳ケ瀬の女』『和服の女』『檀家の女』『内偵の女』『スカイツリーの女』
すべての章で、違う立場の登場人物から語られる噂によって、美幸の人生が語られていきます。美幸はしたたかで魔性の女なのですが、決して美人ではないという設定が面白いです。噂の真相や、美幸や彼女に関わった人物が、この先どんなふうに生きていくのか気になります。実際に起きた事件も思い出しました。ブラックユーモアたっぷりの悪女小説でした。（2013/02読了）
女を武器に男を騙して金を手に入れる。邪魔になったら命さえ奪う。
実際に何件も事件になっているから、怖いわ。
こんなことが、有り得ると思ってしまうことも、
さらに怖いのよ。