双葉社・1996.9.25
旧家の跡取である結木輝和は40歳独身。農家である家を守るために、同じような境遇の人たちと集団見合いに参加した。女性たちはネパールから来て工場で働いていた。輝和はその中のカルバナ・タミという若い女性と結婚した。日本語もまったくわからず、生活習慣の違う場所で彼女は「淑子」と呼ばれ、寝たきりの舅の世話をし、姑から厳しく家事を叩き込まれる。その後、淑子は「生き神様」という評判が立ち、そこから輝和の人生は目まぐるしく転落していく。果たして淑子は本当にそんな力を持っているのか。輝和は半信半疑ながら、淑子から離れらない。ゴサインタンとは、ネパールで「神が住むところ」といわれている山。第10回山本周五郎賞受賞作。
農家の後継ぎの息子が嫁不足を解消するために選んだ外国人女性。設定が波乱を予想させて興味深く読んだ。途中まではスムーズに入っていけたのだが、淑子が「神」となり、新興宗教まがいの生活を始めるあたりから、だんだんと理解に苦しんでしまった。輝和が全てを投げ打ってなぜそこまでのめり込めるのか、それは「愛」なのか何なのか、宗教を信仰していない私には難しい。ラストの清清しさはホッとできた。(04/04/30)
旧家の跡取である結木輝和は40歳独身。農家である家を守るために、同じような境遇の人たちと集団見合いに参加した。女性たちはネパールから来て工場で働いていた。輝和はその中のカルバナ・タミという若い女性と結婚した。日本語もまったくわからず、生活習慣の違う場所で彼女は「淑子」と呼ばれ、寝たきりの舅の世話をし、姑から厳しく家事を叩き込まれる。その後、淑子は「生き神様」という評判が立ち、そこから輝和の人生は目まぐるしく転落していく。果たして淑子は本当にそんな力を持っているのか。輝和は半信半疑ながら、淑子から離れらない。ゴサインタンとは、ネパールで「神が住むところ」といわれている山。第10回山本周五郎賞受賞作。
農家の後継ぎの息子が嫁不足を解消するために選んだ外国人女性。設定が波乱を予想させて興味深く読んだ。途中まではスムーズに入っていけたのだが、淑子が「神」となり、新興宗教まがいの生活を始めるあたりから、だんだんと理解に苦しんでしまった。輝和が全てを投げ打ってなぜそこまでのめり込めるのか、それは「愛」なのか何なのか、宗教を信仰していない私には難しい。ラストの清清しさはホッとできた。(04/04/30)