のんびり主婦のPCライフ

黒柴「ころたん」の平凡な暮らしと、
散歩と読書の記録です。

笑う赤おに / 雀野日名子

2016-04-06 | 読書
 双葉社 2016/01/24

福祉の充実を掲げるA市に暮らす、小学2年生の娘・朱里の母・依子は、夫や義母から見下され、近所の主婦たちともうまく交流できず、ネットの掲示板だけが心を許せる場所だった。そして、連続殺人犯がA市にいるという情報を目にする。娘が心配になった依子は、下校時に尾行をすると、娘が怪しい見知らぬ男と一緒にいるところを目撃する。その男が殺人犯なのか? 依子は独自に調査をはじめた。実家の店が潰れて、大学を中退しアルバイトをしている亘。経済的に苦しい日々を送っている亘は、偶然、高齢者団地に住む生活保護受給者の男が、派手に生活していることを知り、何とか痛い目にあわせようとする。ニートの息子に頭を悩ませる賢太郎は、高齢者団地で男が老女を虐待し年金を奪っている現場を目撃する。福祉事務所に通報しても何も変わらず、気になって何度も団地を訪れる。三人が注目する人物は「赤荻」という男だった。

初めて読む作家さんの作品は、さまざまな社会問題を、これでもかというほど織り込んでありました。それぞれの家族の抱える問題や、地域社会のあり方も、身近な問題として考えさせられます。ミスリードされながら読みましたが、「赤荻」を通して、三人がそれぞれ葛藤し、問題を好転させていくので、読後感は悪くありませんでした。(2016/03読了)


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