文藝春秋・2003.10.10
警察官の夫の暴力に耐え切れず、5歳の息子を連れて身を隠した門脇祐子。7年前にまだ新婚の妻と1歳の娘を少年に殺されて以来、立ち直れない真鍋篤。設備工事を請け負う会社を経営するが、妻に出て行かれてしまった波多野。この3人が偶然に出会った。流れで波多野の工場で、裕子と真鍋は働くことになった。生活する場を得て落ち着くかに見えた2人だったが、少年が仮釈放になり出てきたことを知った真鍋は、自分の手で決着をつけようと決心する。また、祐子の夫は警察官という身分を利用して、祐子の居場所を突き止めた。
初読みの作家だったが、とてもテンポよく読みやすい文章と、緊張感のあるストーリーで全体的には楽しめた。だが、真鍋の抱えた苦しみは、実際に起きた事件を思い起こさせる部分があるので辛い。そして、肝心なところでの真鍋の犯人に対する心の変化が、少し判りづらい気もした。(03/12/28)
警察官の夫の暴力に耐え切れず、5歳の息子を連れて身を隠した門脇祐子。7年前にまだ新婚の妻と1歳の娘を少年に殺されて以来、立ち直れない真鍋篤。設備工事を請け負う会社を経営するが、妻に出て行かれてしまった波多野。この3人が偶然に出会った。流れで波多野の工場で、裕子と真鍋は働くことになった。生活する場を得て落ち着くかに見えた2人だったが、少年が仮釈放になり出てきたことを知った真鍋は、自分の手で決着をつけようと決心する。また、祐子の夫は警察官という身分を利用して、祐子の居場所を突き止めた。
初読みの作家だったが、とてもテンポよく読みやすい文章と、緊張感のあるストーリーで全体的には楽しめた。だが、真鍋の抱えた苦しみは、実際に起きた事件を思い起こさせる部分があるので辛い。そして、肝心なところでの真鍋の犯人に対する心の変化が、少し判りづらい気もした。(03/12/28)