業務&ITコンサルタントのひとり言

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能登復興に向けた私案(5回目):   4.大規模地震発生後のボランティア等の受入れ

2024年05月11日 09時37分39秒 | 社会全般
阪神淡路大震災以降、日本は沢山の災害に見舞われてきた。その為、受け入れる側では、かなりノウハウが溜まってきているハズである。しかし今回の能登の災害でのボランティアに参加した印象として、大変残念な事に受け入れる側の体制が、一部の人を除いてかなり幼稚であったと感じた。因みに珠洲市では、石川県以外の自治体から支援に来た人達が受け入れ側として活動していた。

実際、自分が参加した活動における、受け入れ側の問題点・改善点を何点か指摘したい。

①ボランティア参加者人数を事前に把握しているのにも関わらず、チーム数と各チームの人数分け、そして何処の支援先の決定に時間が掛かっていた。参加人数はボラバスの金沢出発時点で把握している訳であり、事前に各グループに必要な人数や行先を事前に決めておく事は、決して難しい事ではない。時間が掛かったと言っても、何十分も掛かった訳ではないが、受け入れ側メンバ内での確認の様ややり取りが幾度となくあった。

②ボランティアの主な活動は、主に被災した家の使えなくなった家財道具の廃棄場所への運び出しである。その中でも、廃棄出来るモノと出来ないモノを大まかに説明書に記載してあるのだが、受け入れ側の担当者からの追加の説明として、「危険と思われるモノは運ばないで下さい」との指導があった。そこで、「”危険なモノ”の定義は何か?」と質問した所、回答が全くなかった。これは明らかに状況を分かっていない人の発言であり、受け入れる側ももっと真剣に取り組む必要がある。

③チーム分け後、チームリーダを募ってそのリーダに説明する所迄は手順通りだが、その後がよろしくない。ボランティアはチームワークが大事であり、先ずはチームの番号又はチーム名(リーダ名、または番号)をつけた方が良いのだが、それがなかった。本来であれば、チーム名をつけて、お互いの自己紹介(名前のみ)を行ってから、活動場所に移動した方が良いのだが、その指導はなかった。
因みに、今回のボランティア活動では、初日の行きと帰りの人数が合っていなかった。これはどのチームに何人居るのかといった情報の共有が不十分で、しかもチーム内で自己紹介する指導もしていなかった為に、発生したトラブルであろう。

④廃棄物をトラックに詰め込む際の注意事項が無かった事も、改善すべき点であろう。初日は崩壊したブロック塀を積み込んだのだが、ブロックは水を含むとより一層重たくなる。何も考えずにトラックに積み込むと、タイヤがパンクする可能性がある。その為、重たいモノを積み込む際の注意事項として、闇雲に積まない事を事前に説明すべき事項であろう。

そして今回の一番の問題点は、4月末になっても、未だに現地に直接入れない事である。状況は少しずつ改善され、穴水辺りまで直接入れる様だが、近隣に住んでいない人にとっては、宿泊する場所がない事が問題である。そして、2月末に開設された穴水のベースキャンプでは、未だに水が使えないとの事だ。(この問題は、5月のGW明けに、輪島で現地集合が出来る様になると云う、若干の改善はあった。)

この宿泊する場所がない理由は、前々回に書いた様に、上下水道の復旧が進んでいない事であるが、復興に向けた知事の熱意の欠如が問題である。本気で取り組んでおらず、遠方から参加したい人間としては、非常に残念に感じている。


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