MRSA治療の実際
個室に移動してから、治療を行うための備品が運び込まれてきました。菌をふき取るための除菌ウエットシート、通常の掃除用シート、病院用の天然ゴム手袋二箱(Mサイズ、Sサイズ)、マスク、ビニールエプロン、膝まで覆う全身ビニールコート、頭にかぶるビニールキャップ、他にも有りましたが忘れました。理由を聞いたところ他の患者に感染しないように保菌者の病室に常備するそうです。
実際、前半の治療中は若い後期研修医などは、キャップ、マスク、ビニールコート、手袋の完全武装でしたが、看護師の方はマスク、エプロン、手袋ぐらいでした。主治医は手袋だけでしたが(大丈夫かいな)多くのMRSA治療をしてきた自信でしょう。毎朝5時過ぎごろ溜まりから排出された膿みたいなものと生理食塩水が混ざった液体を収集してくれた看護師には頭が下がります。
MRSAを日本語表記では「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」になります。一般的には抗生物質メチシリンに対して薬剤耐性を持った黄色ブドウ球菌を指しますが、多くは抗生物質(抗生剤)を多用することによって引き起こされ、院内感染の起炎菌になるのです。したがって閉塞式治療?で院内自由行動も出来るのですが、他の入院患者から病気が移るから近づかない方が良いとか誤解される噂を広める人も少々おりました(何処から話が漏れたの?)。話も口伝てを繰り返すことによりオーバーになって行き、院内行動も早朝とか20時以降になってしまいました。吹聴している人には悲しみと怒りを覚えます。しかし、後半は気にせずにコンビニや院内をうろついていましたが。
通常は黄色ブドウ球菌と同様に常在菌のひとつと考えられ、健康な人の鼻腔、咽頭、皮膚などから検出されることがある菌(MRSA)なのです。決して驚くことでは無いのです。