飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆<東京新聞社説>安保法施行8年 平和国家の礎が揺らぐ

2024年03月28日 09時04分35秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の施行から29日で8年。政府は平和主義の堅持を掲げながらも、憲法9条に基づく専守防衛からの逸脱を続ける。憲法解釈の恣意(しい)的な変更を起点とする安保法が日本を再び「戦争ができる国」「軍事大国」に導く。日本が英国・イタリアと共同開発を進めている次期戦闘機。政府は殺傷能力のある武器輸出を禁じる原則を転換し、26日の閣議決定で戦闘機の第三国への輸出容認に踏み切った。林芳正官房長官は会見で「平和国家としての基本理念を引き続き堅持する」と述べ、現に戦闘が行われている国には輸出しないなどとするが、歯止めになるのか。日本製戦闘機が外国の戦争に使用され、人を殺傷しても、日本は国際社会に対し「わが国は平和国家だ」と胸を張れるだろうか。

◆武器禁輸の方針を転換

 戦後日本は国内外に多大な犠牲を強いた戦争への反省から、憲法9条で戦争放棄と戦力不保持を誓った。その後、日米安全保障条約で米軍の日本駐留を認め、自衛隊を保有するに至ったが、他国に軍事的脅威を与えない「平和国家」の道を変わらず歩んできた。
 攻撃を受けたときに初めて防衛力を用いる専守防衛、他国領域を直接攻撃する敵基地攻撃能力の不保持、国際紛争を助長しないため武器を輸出しない武器禁輸原則、防衛費をおおむね国内総生産(GDP)比1%程度に抑える節度ある防衛力整備などである。
 これら平和国家の礎を成す防衛政策は安倍晋三政権が2015年9月19日に成立を強行し、翌16年3月29日に施行した安保法以降、次々と転換された。
 もはや、かつて国際社会から高い評価と尊敬を勝ち得たとする平和国家の姿はそこにはない。
 起点は安保法成立強行1年前の14年7月1日、集団的自衛権の行使容認に転じた閣議決定だ。
 自国が直接攻撃されていないにもかかわらず自国と密接な関係にある外国への攻撃を実力で阻止する集団的自衛権の行使を巡り、歴代内閣は「憲法9条のもとで許される実力の行使を超え、許されない」との解釈を堅持してきた。
 しかし、安倍内閣は1959年の最高裁による砂川判決を根拠に「集団的自衛権の合憲性は砂川判決で担保されている」として強引な解釈変更に踏み切った。
 砂川判決は駐留米軍に関する判例である。固有の「自衛権」を持つと明示してはいるが、個別的自衛権を指すことは明白であり、そもそも集団的自衛権を巡って争われたものではない。
 この判決から集団的自衛権の行使容認を導き出すのは、自分に都合よく無理に理屈をこじつける牽強(けんきょう)付会が過ぎる。
 安倍元首相自身も「離れ業の論理を構築」(『安倍晋三回顧録』中央公論新社刊)したと認める。とても適切な手法とは言えまい。その閣議決定を根拠とする安保法はそもそも正当性を欠く。

◆不戦の誓い死文化進む

 憲法秩序を破壊するこの閣議決定に基づいて、安倍政権は安保法の成立を強行し、施行。その後相次ぐ専守防衛の強引な変更へとつながっていく。
 岸田文雄内閣は、安倍政権が13年に制定した国家安全保障戦略をさらに改定。歴代内閣が「憲法の趣旨ではない」としてきた「敵基地攻撃能力の保有」を容認し、他国領域を直接攻撃できる長距離巡航ミサイルの整備を進める。
 防衛費も関連予算を含めてGDP比2%に倍増させる方針へと大きくかじを切った。そして今回の戦闘機の輸出解禁である。
 戦争放棄と戦力不保持により不戦を誓った憲法9条の死文化が進む。再び軍事大国にならないとの誓いはどこに行ったのか。
 そもそも歴代内閣が憲法の制定過程や長年の国会論議に基づいて積み上げてきた憲法解釈を、一内閣の恣意的な判断で変更したのは立憲主義や憲法秩序に対する重大な挑戦にほかならない。
 憲法や法律を軽視もしくは無視してきた自民党政権の政治姿勢こそが、昨今の派閥裏金事件につながっているのではないか。もはや自民党に「平和国家」を運営する資格があるとは到底言えない。
 安倍氏主導のアベノミクスを起点とする経済政策は、物価高騰や格差拡大、財政悪化を招いたと指摘され、清算局面に入っている。軍事優先の安保政策も勇気を持って見直すべきではないか。それこそが「平和国家の歩み」に戻る唯一の道である、と考える。

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