海外パッケージツアーで事故…補償は誰が？

2010.07.31 TBS 報道特集を見て 「海外パッケージツアーで事故…補償は誰が？」という特集を見た。「2006年10月、トルコ中部のコンヤ郊外で、日本人観光客を乗せたバスが横転、日本人1人死亡数人が重傷を負った」時の被害者の方が今だに後遺症で苦しんでいる。ツアーを主催したのはH.I.Sで、現在その時の負傷者8名が損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしている。 番組では、海外ツアーで事故が起きた際、個人がその事故を起こした会社（たとえばバス事故の場合バス会社）と交渉しなければならず、ツアー会社は一切責任を負うところではないという事実を告げていた。死亡した場合も、ツアー会社の約款（この約款はJTBのもの）にはこのように書かれている。 （死亡補償金の支払） 当社は、旅行者が第1条の傷害を被り、その直接の結果として、事故の日から180日以内に死亡した場合は、旅行者1名につき、海外旅行を目的とする企画旅行においては2500万円、国内旅行を目的とする企画旅行においては1500万円（以下「補償金額」といいます。）を死亡補償金として旅行者の法定相続人に支払います。ただし、当該旅行者について、既に支払った後遺障害補償金がある場合は、補償金額から既に支払った金額を控除した残額を支払います。 各ツアー会社も内容は同じ。もちろんH.I.Sのサイトにも同様の内容の約款が掲載されている。 H.I.Sと被害に遭われた方たちの交渉の様子も放送された。「我々も被害者だ」を繰り返すH.I.S社長が、最後は「これ以上話すことはない」と逆ギレしてしまった姿には正直驚いた。トルコの事故からすでに4年も経っている。今だに治療を受けている方は、すでにかなりの治療費を実費で支払っており、今後も払い続けなければならないそうだ。後遺障害については約款にこう書いてある。 （後遺障害補償金の支払） 旅行者が事故の日から百八十日を超えてなお治療を要する状態にあるときは、当社は、事故の日から百八十一日目における医師の診断に基づき後遺障害の程度を認定して、後遺障害補償金を支払います。 一日も早く、十分な対応がなされることを期待してやまない。 エジプトのバス事故被害者がJTBに連絡を取ったときの第一声も同様に「我々も被害者ということをご理解下さい」だったとあきれていた。ツアー会社は事故を起こした会社と交渉し、当然なんらかの補償を得ているだろう。ツアー会社も被害者なら、一緒に戦うのが人道的にも当然だと思うのだが。 パッケージツアーに参加するときの意識として、何かあったときは当然ツアー会社が責任を取ってくれると思っているが、そうでないことを十分理解して申し込まなければいけないことを実感した。 エジプトで起こったバス事故の被害にあった方の治療費は、全額JTBが支払う方向で話が付きそうだと言っていた。