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トリノ・エジプト展へ行ってきました

2009.9.17 トリノ・エジプト展 -イタリアが愛した美の遺産 Ancient Egypt in Torino

去年のエジプトツアーで一緒だったKさん夫妻と一緒に、東京都美術館で開催している「トリノ・エジプト展」を見に行った。事前にサイトからチョコレート付きチケットを購入。サイトには、「イタリア・トリノを本拠地とするチョコレートショップ「グイド・ゴビーノ」より、カカオの原産国にこだわったチョコレート、『チャルディーネ』4種がついたお得なペアチケットを2,500セット、限定販売いたします。」とあった。カード決済後、バーコード付きの用紙をプリントアウトしておき、当日会場へもって行くだけ。一般前売り1,300円のところペアで2,500円と少しお得になる。

プリントアウトした用紙と当日いただいたチョコレート。
10時に待ち合わせし、会場の東京都美術館へ。平日木曜日だけど、当日券売り場は20人くらい並んでいた。
会場へ入ると、まず感じたのは必要以上に暗い。入ってすぐは、みんな熱心に説明を一字一句読んでいるので、ここが一番混雑している。2番目の部屋に行く頃には、少しこなれてくる。
今回のトリノ・エジプト展の目玉は、門外不出の至宝「アメン神とツタンカーメン王の像」。ところがこの代物、像にあるカルトゥーシュには「ホルエムヘブ王」の名が刻まれている。では何故「アメン神とツタンカーメン王の像」かというと、
1.ホルエムヘブは、他のツタンカーメン関連のカルトゥーシュを書き換えた実績がある。
2.像の顔がツタンカーメンに似ている
ということでツタンカーメンに決定…ということらしい。本当にそれでいいのか…と首をかしげたくなる。ここの入り口には段差があり、薄暗い中ではけっつまづくのでご注意を。杖をついたご老人が多かったので、少しの段差でも結構危険だった。

他の展示品も残念ながらあまり「すばらしい」と感じる物はなく、どちらかというと「下手」な作品ばかりだった。「選りすぐりの名品約120点が日本初公開」の謳い文句を見事に裏切ってくれたというのが、正直な感想である。
それが悪いという訳ではないが、年代的にもプトレマイオス朝の物が多く、紀元後も少なくない。展示品と説明書きの年代を見比べて、「え~、本当に」と思った物も数点あった。もちろん、私が素人で知識不足なのだろうが…。
もちろん、トリノのエジプト博物館にはすばらしい物がいっぱいあって、いい物ばかり持って来ることを本家の方が許すはずはないとわかったいるのだが。
一番ひどかったのは、2階にわざわざ「まだ展示品があります」と3階に誘導させて、そこには作品はなく数点のパネルと売店があるという、商業主義丸出しのやり方には二の句が継げなかった。床の導線は白いガムテープで矢印を作り、しかも剥げかけているのでその役目を果たしていないなど、あきれるばかりである。
ついでにもう少し不満を書かせていただくと、先に書いたように暗すぎる。そこに白熱灯で照らしているので、会場内は変に暑い。
つい2週間ほど前に大英博物館を見てきたばかりなので、その展示技法や根底にある芸術に対する精神の違いをものすごく感じた。商業主義や見る側の立場に立たない展示法などは改めて欲しいものだ。

会場内が薄暗いため、パンフレットの方が細部までよく解る。
「トリノ・エジプト展」は、エジプトへ行ってすばらしい壁画や遺跡を見たことのある人には、どうしても物足りないと思ってしまうだろう。物足りないから実際にトリノに行ってみたくなるのもまた事実である。
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