20歳頃のことでしたでしょうか。
東京・四谷で、女優の池波志乃さんと偶然すれ違ったことがありました。
和服姿で向こうから歩いていらしたのですが、この時、「色気」というものをハッキリとこの目と肌で、捕らえることができたのです。
ちょうど風呂上りに体から湯気が立ち昇るように、甘く熱い「色気(いろけ)」という「気(き)」が体から発散し、立ち昇っているのが見えたのです。
自分のような「若僧」には、どう「扱って」よいものか解らない、圧倒されるような大人の女の色気…。
変な話ですが、こんな色気を発散させる大人の女を「扱える」中尾彬さんに、なぜか「大人の男」というものに対する憧れも感じたものでした。
この時は、「これがプロの女優というものか!」と思ったのですが、どうやら違ったようです。
確かに、一般女性ではなかなかこんな気(き)を放つ方にはお目にかかれないのですが、プロの女優さんでも、感じられない方が多いように思います。(あくまで「個人的に」ですが)
その後、これと同質の色気に思わぬ所で出会いました。
それは、「紺屋高尾」の噺を演じる立川談志師匠です。
失礼ながら外見的には「ムサいオヤジ」の師匠の体から、これと似たような色気が立ち昇っていたのです。
そういえば池波志乃さんも、伝説的な噺家・古今亭志ん生のお孫さんにあたる方。
このような「色気」を放つためには、単なる外見の美しさ以外の「何らかの概念」と「素養」、そして「修練」が必要なのかもしれません。
余談ですが後年TVで、かなりのご高齢の女性が日本舞踊(?)を舞っているのを偶然見ました。(恥ずかしながら少なくともその当時は、その「踊り」のジャンルもその方も存じ上げなかったのです…)
その方の体からは、甘く熱いものではない、「銀色に渋く光る色気」が立ち昇っているのが見えました。
20歳の頃、当時はインターネットもDVDも勿論なく、一人暮らしのアパートにはビデオさえありませんでした。
偏りに偏った女性に対する「歪んだ魅力」の虜となる前に、こういう形で女性の魅力の貴重な一ジャンルであるところの「色気」というものを体験できたということは、とてもラッキーだったのかもしれません。
最後に「戯言(ぎげん)」を一つ…。
色気・肉感・扇情・官能
みんな微妙に違うのに
マタを広げて一括り
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明日もまた、お会いできたら嬉しく思います…