Reoっちの駄文(ふつーの日常をハードボイルドに)

金融、サッカー、ボクシング、映画・・・そしてその他でふつーの日常を、楽しく読めるようにハードボイルドな読み物風に。

『風立ちぬ』

2013-07-22 14:15:38 | 映画(つまらない…)
『風立ちぬ』
2013年 日本 主演:庵野秀明


飛行機が大好きで飛行機関係の洋書をも読破する二郎は、目が悪い事からパイロットになれない事に、そして操縦も出来ない自分が設計者などにはなれないと、一人悩みを抱えていた。しかし夢の中で世界的な飛行機の設計者であるカプローニに、自身も飛行機の操縦など出来ないと励まされ、本格的に飛行機の設計士を目指す事にする。そして青年に成長したある日、列車での移動中に大きな地震にあい、そこで出会った菜穂子という女性を助ける事になるが、数年後に仕事の失敗から傷心の思いで休暇に訪れた軽井沢で、再びその菜穂子と出会う事になり・・・果たして二郎は、夢を叶え飛行機の設計を成功させる事が出来るのか?そして、二郎と菜穂子に待つ未来とは・・・?


久しぶりの宮崎駿監督作品、そして大きな期待を集めるジブリ作品・・・という事でメディアで大きく煽られている事もあり、ジブリ作品はこれまでほとんど観ていないながらも、一応大人向きという前評判もあり、この映画を初日から観てきた。そして・・・大きく裏切られた・・・


どこかのテレビ番組の特集では、試写会を観て宮崎駿が始めて自身の映画を観て泣いた・・・と言っていたので、先週の『真夏の方程式』で号泣する程に涙もろくなったこのおれも泣く気満々でいたのだが・・・分からない。全く感動しなかった。どこで涙を期待していたのかすら、分からなかった・・・


まず問題は、主役である二郎の声優だろう。終始余りにも棒読み過ぎて、これはワザとじゃないか?ジブリ作品の特徴の一つなのか?何かしらの思惑があるのか・・・?と混乱してしまった。ここまで棒読みだと、二郎の心境など全く伝わってこないし、感情移入も出来ない。菜穂子が重大な告白をしたシーンでも、二郎があんな抑揚の無い棒読みセリフで流されてしまうと・・・そりゃ感動も何もないだろう。これは、本当に酷すぎる。


声優もまぁ大きな問題なのだが、ストーリー自体も、結局何を一番に伝えたいのか分からない。菜穂子が孤独を感じるのは二郎が飛行機を設計する仕事に打ち込んでいるからなのだが、それが日本の為という使命感からなのか、それとも長年の夢からなのか、それとも他に理由があるのか・・・あの棒読みセリフもあり、さっぱり伝わらない。だから、二郎がただ自分の好きな仕事に精を出している、自分勝手な男としか伝わってこない。そして、好きな飛行機を、戦闘機としてしか作れないという葛藤も、全然伝わってこない。こんな映画の作り方をしたら、逆に堀越二郎氏に失礼だと思うが・・・


まとめると、子供向けではない、主人公のセリフが酷く棒読みで感情移入出来ない、特別な驚きや感動もない映画だ。これで興行収入はそこそこだとは・・・映画はストーリーや出来より、マーケティングに事前の宣伝が重要なのだな・・・と感じた作品だ(まぁそれでもリピーターやDVD売り上げで成功出来ないと思うが)。


久石譲と荒井由実の音楽だけは、良かった。


[10段階評価]
お薦め度:
★★☆☆☆☆☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

二郎の苦労が伝わる度:
★★★☆☆☆☆☆☆☆

期待感からの反動が酷い度:
★★★★★★★★★★★★


Reo.


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