Reoっちの駄文(ふつーの日常をハードボイルドに)

金融、サッカー、ボクシング、映画・・・そしてその他でふつーの日常を、楽しく読めるようにハードボイルドな読み物風に。

『最強のふたり』

2013-10-23 15:58:45 | 映画(オススメ!)
『最強のふたり』(Intouchables)
2011年 フランス 主演:フランソワ・クリュゼ


大富豪ながらも頸髄損傷により首から下が完全に麻痺してしまったフィリップは、自身の付きっきりの介護人を雇う為に、面接を行う。介護の資格を持つものや、大きな夢・志を持つ希望者達の中に、一人の黒人ドリスも混じっていた。ドリスは職につくのが目的ではなく、ただ失業保険を受け取る為に面接に来ていた。しかしフィリップは、自分を病人として扱う他の面々ではなく、自分の対等の人間として扱うドリスを気に入り、周囲の反対を押し切りドリスを住み込みの介護人として採用する。金はあるがドリスや周りからの助けなくしては何一つ自由に出来ないフィリップ、そして豪邸に住み込みで働きながらも地元には貧しい家族や仲間との繋がりを抱えるドリス・・・全く異なる環境から出会った二人は、お互い影響を受けながら、徐々に友情を育んでいく・・・


公開後に徐々に話題になり、遂には全世界で話題になったこの作品。日本での公開時にも話題になり、相応の高評価を得ていたが・・・やっとWOWOWで観る事が出来た。大きな話題になってから既にだいぶ経つので、簡単なあらすじとかはそこそこ知りながら観たが、なるほど、それでも色々と楽しめる、というか、考えさせられる、というか、色々と感じる映画だった。


障害者、更には大金持ちという事で、周りからは腫れ物に触れるかのように気を使われ、孤立していると感じるのは、確かに分かる。特別視されたくない、普通に扱って欲しいという気持ちも。だからと言って、そう簡単に特別扱いしないような対応は、なかなか出来ないだろう。そこで、ドリスだ。自身が厳しい境遇で育ったからか、それともただ単純に教養が低いからか、他人を思いやる気持ちにかけ、逆に障害者にも特別視しない。それこそドリスにとっては、障害者は『不便ではあるが、不幸ではない』(ヘレン・ケラー)のだろう。


それが良いか悪いかはともかくとして、そんな二人だから、お互いの素を出し合い、正直な気持ちのまま、交友を深められる。二人の育った、身を置いた環境が違うからこそ・・・なるほど、なかなか考えさせられる。そして、『空気を読む』とかで本当の自分を隠すのではなく、素のままで向き合えてこそ、本当の友情も芽生えるのだなと、改めて認識させられる。


日本とは全く違う環境やカルチャー、そんな中の二人を観ても共感が持てるかどうか・・・確かにそんな懸念もあるが、いやいやこの映画は、何人だとかどこのストーリーだとか関係なく、もっと深い部分に問いかけている。だから、お勧めだ。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★★★☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

フィリップがダスティン・ホフマンのそっくりさんに見える度:
★★★★★★★★☆☆

ドリスのスタイルの良さ:
★★★★★★★★★★


Reo.

『そして父になる』

2013-10-01 14:12:29 | 映画(オススメ!)
『そして父になる』
2013年 日本 主演:福山雅治


エリート会社員として高級車に乗り、高層マンションに住む良多は、つい最近受験を終え小学生になったばかりの息子が、実は生まれた直後から病院で取り違えられた他人の子供だった事を知る。病院側とその弁護士から案内されるままに実の息子とその家族と面会し、田舎の個人電気店を経営しているその家庭環境の違い、そしてその家庭でのびのびとやんちゃに成長している実の息子に面食らうが、自身の血が流れているその琉晴くんを引き取ろうと、心に決める。しかし、そんな良多の前に、これまで育ててきた慶多くんをどうするか、子供達や相手の両親、妻のの思いは・・・と言った難題が立ちはだかる。果たして良多は、血を選ぶのか?もしくは、これまでの時間を選ぶのか・・・?


血か時間か・・・というストーリーに、伊坂幸太郎の『重力ピエロ』があったなぁ~映画も観たな~なんて考えながら、自分の事のに置き換えて、色々と想像し、映画を観た。独特の暗い描写の中で、子供達の笑い声がとても明るく楽しく写り、そこから親になる事を色々と考えさせられた映画だった。


エリートで金もあり、習い事含め何一つ不自由もしない、そして将来も約束されている家庭に生まれる子供。一方は、田舎の流行らない電気屋の息子として生まれ、やる事と言ったらもっぱら兄弟姉妹と遊ぶ事、賑やかだけど裕福ではない子供。色々な環境で子供達は生まれる。何が一番その子供にとって良いのか、分からない。そして、血の繋がりも、どこまで重要なのか・・・それらを全てひっくるめて、一番重要なのは、子供達が欲しているのは、愛なんだな・・・と改めて思わせてくれる作品だ。そして、それが、当たり前過ぎるかもしれないが、一番の正解だと思う。


まぁ、そうだろうな・・・と思わせる当たり前な結論。そしてその結論に向かっていく、緩やかなストーリー。それでも、福山雅治が、リリー・フランキーが、そして子供達が、映画に、ストーリーに視聴者を引き付けてくれる。素晴らしい作品だ。感動した。


血か、時間か・・・子供とすごす時間、例えばこの映画のように6年とか、もしくは例えば15年という時間は、長いのか、短いのか・・・


確か、『重力ピエロ』も、同じ結論だったかな・・・


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★★★☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

子供達が福山にもリリーにも似てない度:
★★★★★★★★★☆

まさかのヤマトくんが一番可愛い度:
★★★★★★★★★★★★


Reo.