昨日、京都の叔父の家にお見舞いに行って来た。
学生時代、4年間居候をさせてもらった家である。
俺にとっては叔父叔母は恩人である。
先月の終わり頃に連絡をもらって、末期のガンであることを告げられた。
電話を切ったあと不覚にも家族の前で泣いてしまった。
コロナの影響で病院に面会にも行けず今頃になってしまった。
本人が、家に帰りたいと言うので、最期は自宅で看取ることになった。
この家を訪れるのは25年振りになる。
駅からの道も全然変わってなくて、いつものように、昨日と同じように歩いた。
本当に25年も経ったのかと不思議な感覚だった。
勝手に玄関を開けて『ただいま』と言って入った。
ベッドに横たわる叔父は、痩せて目も虚ろで表情がない。
しかし、こちらの言っていることはちゃんと分かっている様子。
数日前までは自力で風呂にも入れたらしいが、今は支えられてトイレまで歩くのがやっとである。
終始横になったままで会話らしい会話はできなかったが、俺が帰るときには、胸の前で手を合わせて『ありがとう』と言った。
俺が『また来るわ、来週』というと笑顔を見せてくれた。
駅までの道を歩きながら涙がでた。