2015年4月のネパール大地震の救援に行って、物凄い風を巻き起こしてひんしゅくを買った米軍のオスプレイ。
米軍の新型輸送機オスプレイ4機が米軍の岩国基地に2016年4月17日に到着。そのうち2機が18日、熊本地震の被災地へ物資輸送を始めました。この日は、熊本空港と被災地の熊本県南阿蘇村を2往復し、水や食料、簡易トイレといった救援物資を運んだということです。
もちろん、熊本の人々を助けるのに必要なものならどんどん借りたらいいと思うのですが、どうも事情は違うようです。
実は、オスプレイの容量は意外に小さくて、人数で言うと30人乗り。自衛隊には約60人乗りの大型輸送ヘリCH47が約70機もあるので、たかが半分のものしか積めないオスプレイ数機に来てもらう意味は全然ありません。
オスプレイの持ち味はスピードと航続距離だというのですが、岩国と熊本とか、熊本空港と阿蘇を往復するのには全く無用の長物の機能です。
かえって、オスプレイのそのスピードを出すためのエンジンが巻き起こす風が凄すぎて、ネパール大地震の時には地上の建物の屋根を吹き飛ばして、地元の新聞に
「役立たず」
と書かれてしまいました。
今回もオスプレイが着陸するところに自衛隊が散水したのですが、避難所では水不足で困っているのに、その貴重な水がもったいない!
本末転倒!!
ネパールで支援活動を行なった在沖縄米軍基地所属部隊の動画
では、なぜ、米軍のオスプレイの出番となったのか。
米軍普天間飛行場のオスプレイには、初期段階から未亡人製造機と言われるほど事故が絶えず、騒音被害や事故への懸念が説かれ続けています。
そこにもってきて、自衛隊が3600億円!出してオスプレイ17機を買うことにしており(1機200億円以上!次期新型戦闘機F35より高い!!)、佐賀空港(佐賀市)に配備する計画なのですが、地元の反対で進んでいません。
同日の参院決算委員会で中谷元・防衛相は
「安全性を保証している。自衛隊のヘリ能力だけでは十分に現地に物資が届けられていない」
「オスプレイは、水平離着陸が可能で山間地など狭隘(きょうあい)な場所でも物資を運ぶことができる。災害時に役立つ能力がある」
と、熊本地震対策でのオスプレイの必要性を強調しました。
2015年5月にもハワイで事故ったばかりのオスプレイ。
しかし、安倍政権応援団のマスコミでもそんなことを真に受けている新聞はありません。
「輸送能力を災害現場で発揮するとともに、自衛隊と米軍による連携強化につなげる狙いもある。」(読売新聞)
「日米両政府は実際の災害派遣の現場で活用し、安全性や能力の高さを示したい考えだ。日米同盟がより強固になったことをアピールする狙いもある。」(産経新聞)
「陸上自衛隊は2019年度からオスプレイ17機を順次配備予定。日米両政府には強固な同盟関係をアピール、さらに活動を通じてオスプレイの性能の高さを訴え、日本国内に根強い安全性への懸念を払拭したいとの思惑があるとみられる。」(日本経済新聞)
まあ、熊本の人とは何の関係もない思惑が、日米両国にあるとみるのが至当でしょう。
とにかく、人の命がかかっているのですから、余計なことは考えずに、必要なことだけしてください!
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川内原発は停止させないけど、緊急事態条項の宣伝はする。
ほんと、大阪弁で言う「いらんことしい」のアベコベ政権。
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米軍オスプレイ、熊本地震被災地へ物資輸送開始
米軍は18日、輸送機MV22オスプレイを使い、熊本地震の被災地への物資輸送を開始した。オスプレイが日本国内の災害で派遣されるのは初めてだ。
高い輸送能力を災害現場で発揮するとともに、自衛隊と米軍による連携強化につなげる狙いもある。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイ2機は同日午後、米軍岩国基地(山口県岩国市)を出発。熊本県益城町の陸上自衛隊高遊原たかゆうばる分屯地に立ち寄り、水、食料、毛布などを積み込んだ上で、同県南阿蘇村に降り立った。オスプレイは分屯地と南阿蘇村の間を2往復し、計約20トンの物資を運んだ。
オスプレイは「ヘリコプターの垂直離着陸機能」と「固定翼機の高速飛行」の長所を兼ね備え、米軍の輸送ヘリCH46に比べ速度や輸送量などの性能も優れている。滑走路が不要のため、山間部などでの災害支援に適しているとされ、他国ではフィリピンを襲った台風や、ネパール大地震などの際に出動した。
今回のオスプレイの派遣には、陸自によるオスプレイの佐賀空港(佐賀県)への配備に向けた環境整備になるとの期待感もある。安全性を懸念する声もあるが、中谷防衛相は18日、省内で記者団に「安全については確認している」と強調した。
2016.4.18 19:19 産経新聞
【熊本地震】
米軍オスプレイが被災地入り 災害支援に初投入
在日米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが18日、熊本地震の被害拡大を受け、被災地で救援物資の輸送支援に当たった。日本国内の災害支援でオスプレイが出動するのは初めて。日米両政府は、陸海空自衛隊で構成する「統合任務部隊」内に「日米共同調整所」を開設するなど、被災地支援での連携を強化している。
被災地に派遣されたオスプレイは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の2機。米軍岩国基地(山口県岩国市)を経由し、18日午後に陸上自衛隊高遊原分屯地(熊本県益城町)に到着。水や食料、毛布など約20トンの物資を積み込み、南阿蘇村の白水運動公園に空輸した。
オスプレイは、2つのプロペラの角度を変えることでヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機並みの速度での長距離飛行ができる。東日本大震災で出動した大型輸送ヘリコプターCH46に比べ、速度は約2倍、荷物の搭載量は約3倍となる。
安倍晋三首相は18日の衆院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会で、オスプレイによる輸送支援について「高い能力を生かした支援を期待できる」と指摘。中谷元防衛相は防衛省内で記者団に「オスプレイは山間部や孤立した避難所への物資、人員の輸送に非常に適している」と強調した。
陸自も平成30年度までにオスプレイ17機を導入する方針で、離島防衛や大規模災害救援に活用する。ただ、オスプレイは開発段階で事故を起こしたことなどから、日本国内で「いまもアレルギーが大きい」(防衛省幹部)のが実情だ。
日米両政府は実際の災害派遣の現場で活用し、安全性や能力の高さを示したい考えだ。日米同盟がより強固になったことをアピールする狙いもある。
18日はオスプレイによる支援のほか、米空軍C130輸送機が自衛隊員や車両を千歳基地(北海道千歳市)から熊本空港に空輸。米海軍UC35輸送機も自衛隊員を厚木基地(神奈川県大和市など)から熊本空港に運んだ。
- 2016/4/18 18:53 日本経済新聞
熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震の被災者支援活動の一環として、米軍普天間飛行場(沖縄県)所属の新型輸送機MV22オスプレイ2機が18日、熊本県南阿蘇村に水や食料、毛布などの救援物資約20トンを輸送した。日本の災害支援にオスプレイが投入されるのは初めて。
陸上自衛隊は2019年度からオスプレイ17機を順次配備予定。日米両政府には強固な同盟関係をアピール、さらに活動を通じてオスプレイの性能の高さを訴え、日本国内に根強い安全性への懸念を払拭したいとの思惑があるとみられる。
中谷元・防衛相は18日、東京・市谷の防衛省で記者団に「オスプレイは垂直に離着陸可能なので、山間部や孤立した避難所への物資や人員の輸送に非常に適している」と強調。安全性については「政府として確認している」と述べた。
オスプレイは17日、普天間から岩国基地(山口県)に到着。飛来した4機のうち2機が18日午後3時半ごろ、同基地を離陸し、陸自高遊原分屯地(熊本県)で物資を積み込んだ後、同5時すぎ、南阿蘇村に着陸した。
オスプレイは19日以降も、岩国基地を拠点に熊本県内の物資集積所から被災地に輸送を行う。活動中は、同県八代市沖に停泊している海自のヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」で燃料補給を受ける予定。
支援活動にはオスプレイのほかに米空軍C130輸送機や米海軍UC35輸送機も参加した。C130の2機が18日午後、空自千歳基地(北海道)から熊本空港に自衛隊員や車両を輸送。UC35が厚木基地(神奈川県)から自衛隊員を熊本空港に運んだ。〔共同〕
オスプレイ物資搬送 「政治利用」の声も
毎日新聞2016年4月18日 22時30分(最終更新 4月18日 22時47分)
米軍普天間飛行場(沖縄県)配備の4機が17日に岩国基地(山口県)に着陸し、うち2機が18日に熊本空港に向かい、水やパン、レトルト食品、簡易トイレなどを積み、熊本県南阿蘇村の白水運動公園に着陸した。待ち受けた陸自隊員がオスプレイから食料などが入った段ボールを運び出し、輸送車で村内3カ所の避難所に向かった。
熊本空港など各拠点に物資は届いているが、道路の寸断や渋滞で被災者まで渡っていない状況に米軍が加勢した形。オスプレイを巡っては、陸上自衛隊が導入するオスプレイの佐賀空港配備計画の協議や、本土への訓練移転による沖縄の負担軽減など地元との懸案を抱えている。防衛省関係者は「オスプレイ投入は災害で使えることを示して安全性の懸念を取り除こうとする取り組み。災害の政治利用という批判はあるだろう」と指摘する。
オスプレイは陸上自衛隊の輸送ヘリCH47より航続距離や速度は上回るが、搭載できる空間が狭く容積は半分ほど。比較的軽い生活物資ならばCH47の方が一度で多くの物資を運べる。オスプレイは着陸時に巻き上げる風が強いため、2015年のネパール大地震で住宅の屋根が破損したとの報道もあった。この日は白水運動公園にオスプレイが着陸する前、砂が巻き上がるのを防ぐためか自衛隊車両が散水していた。
南阿蘇村立長陽中学校の体育館では1日3回の食事が配給されるが、一度の食事はこぶし大のおにぎり1個程度。村内のスーパーやコンビニエンスストアは品薄状態が続く。16日未明の地震で自宅の柱がゆがみ同体育館に避難している農業研修生、丸山慎裕(しんすけ)さん(36)は米軍の支援について「カロリーが少ないためか自宅の後片付けも力が出ない。素直にありがたい」と話した。
一方、オスプレイの佐賀空港配備に反対している佐賀市の主婦、石丸初美さん(64)は「被災者の方々はおにぎり一つでもありがたいと思う状況。政府は(オスプレイの国内配備のために)どんな状況でも利用するのか」と憤った。配備計画には地権者の佐賀県有明漁協が防衛省の現地調査を拒否している。
日米は陸海空自衛隊で構成する「統合任務部隊」内に18日、「日米共同調整所」を開設し、日米連携を加速させる。オスプレイは岩国基地を拠点に19日以降も物資輸送を続ける。熊本県沖に停泊する海上自衛隊の大型護衛艦「ひゅうが」で給油する準備もしている。【町田徳丈、蓬田正志、関東晋慈】
英軍救援ヘリ「大きすぎ」、ネパール入り拒否 オスプレイにも批判
2015年05月11日 12:56 発信地:カトマンズ/ネパール AFPBB
【5月11日 AFP】ネパール政府は10日、地震の救援活動のため派遣された英軍の大型輸送ヘリコプター「チヌーク(Chinook)」3機について、着陸の際に建物を破損させる恐れがあるとして入国を断ったことを明らかにした。
英軍のチヌーク3機は先週インド・ニューデリー(New Delhi)に到着し、ネパール入りに向けて待機している。だが、ネパール外務省の報道官はAFPに対し、チヌークはカトマンズ渓谷(Kathmandu Valley)に着陸するには大きすぎると説明した。ネパール政府の専門家が、大型ヘリの巻き起こす風で家屋の窓ガラスが割れたり、屋根が吹き飛んだりする可能性に懸念を示したという。
大地震で甚大な被害が出ているネパールの被災地へは、既にインド、中国、米国が救援物資を届けるためヘリコプターを派遣している。だが、米軍の大型輸送機オスプレイ(Osprey)派遣をめぐっては批判もあり、ネパールの山岳地帯には適さないとの指摘も専門家から出ている。
ネパールのメディアは、オスプレイが引き起こした下降気流によって被災地の村の建物の屋根が吹き飛んだと伝えた。在ネパール米大使館の担当者は、AFPの取材に「屋根の破損がオスプレイによるものか、地震によるものか確認している。このようなトラブルはまれで、オスプレイによる破損と判明すれば補償する」と述べた。
ただ、ネパールの民間ヘリ会社に務めるオーストラリア人インストラクターは、チヌークもオスプレイもヒマラヤ(Himalaya)一帯では「基本的に役にたたない」と指摘。「砂漠など、離着陸のため広大な土地があれば機能するが、ヒマラヤに着陸するには巨大すぎる」「サッカー場ほどの広さの土地がなければ、人々を吹き飛ばしてしまう」とAFPに語っている。(c)AFP
オスプレイ、ネパール支援中に屋根吹き飛ばし「使えない」と報じられる
The Huffingto | 執筆者: HuffPost Newsroom
カンティプールは在日ネパール国大使館も紹介する日刊紙。記事は「オスプレイは使えない、アメリカから4機が到着」という見出しで英語で書かれており、5月5日にインターネット上で配信された。4機のうち1機が、ネパール中央部ドラカのチャリコート地区本部まで300キロの救援物資を輸送する際、住宅の屋根を吹き飛ばす被害を発生させたという。
現地にいるロイターのロス・アドキン記者は5日、「アメリカのオスプレイが、チャリコート地区への支援活動からの撤退に直面している。ローターが強力すぎて、建物を損傷させる懸念がある」とツイートした。
US Osprey forced to turn back from aid flight to Charikot.Downrush from rotors too powerful and fear damaging buildings. #Nepalearthquake
— Ross Adkin (@ross_adkin) 2015年5月5日
オスプレイは長距離を飛ぶことができ、また大量の貨物を輸送できる。しかし、ネパールのような山岳地帯では、必ずしも便利というわけではない。ウォール・ストリート・ジャーナルは、オスプレイが山岳地帯で使われる際の欠点を、「狭い場所では、巻き上げた砂煙が視界を悪くし、空中に停止するホバリングも難しくなる」と解説した。
オスプレイのローターが巻き起こす砂埃がどれほどのものか、実際にネパールで支援活動を行っている在沖縄米軍基地所属部隊の動画を紹介しよう。
同紙はインターネット配信記事の見出しでオスプレイを「useless(役立たず)」と批判している。オスプレイは米軍普天間飛行場所属とみられる。
在日米海兵隊は被災地支援活動のために、米軍普天間飛行場所属のオスプレイ4機をネパールに派遣。3日には同国のトリブバン国際空港に着陸している。同紙によると、うち1機がドラカのチャリコート地区本部に300キロの救援物資を輸送した。だが、1機は同量の物資輸送中に、住宅の屋根を吹き飛ばす被害を発生させた。残りの2機は5日時点で救援活動に参加していない。
同記事は「救援活動や救助活動に効果を発揮していない。オスプレイは海洋における戦争で広く活用されている」などと報じている。
オスプレイ、熊本地震でどう活動? 安全に懸念は? ネパールの前例
「平成28年熊本地震」の航空輸送支援に、米海兵隊が垂直離着陸輸送機「オスプレイ」を派遣。日本の災害支援で同機が投入されるのは、今回が初のケースです。いったいどのように活動するのでしょうか。また、懸念はないのでしょうか。
「オスプレイ」である必要性は乏しい?
2016年4月17日(日)、安部首相は在日米軍から申し入れがあった熊本地震における航空輸送支援について、受諾する旨を明らかにしました。これを受けて、アメリカ海兵隊は普天間基地(沖縄県)よりMV-22B「オスプレイ」垂直離着陸輸送機を4機、岩国基地(山口県)へと派遣。18日中にもさらに4機、増派される予定です。
日本において発生した災害で、「オスプレイ」が派遣されるのはこれが初の事例となりますが、その特性や性能はどのように活かされることが想定されるでしょうか。
2015年4月に発生したネパール地震にも、米海兵隊の「オスプレイ」が派遣された(写真出展:アメリカ海兵隊)。
「オスプレイ」は飛行機に準ずる非常に優れたスピードと航続距離を持ち、かつヘリコプターのような垂直離着が可能な「ティルトローター機」です。こうした性能は、遠方に急遽展開したり、物資や人員を空輸するといった任務において発揮されます。
しかし今回の、本拠地である普天間基地から拠点となる岩国基地までの飛行は、それほど遠いとはいえません。また、岩国基地から被災地へ支援物資を輸送する際は200km前後の短距離を往復することになりますから、航続距離はあまり関係がなく、高速性能によって短縮できる時間も片道あたり十数分程度でしょう。負傷者などの急患輸送を担った場合でも、最寄りの医療拠点までせいぜい数十kmですから加速することもできません。したがって、「オスプレイである必要性」はあまり無いといえます。
なぜ「オスプレイ」が派遣されたのか?
では、なぜアメリカ海兵隊は「オスプレイ」を派遣したのでしょうか?
その答えは、単純に「オスプレイ」がアメリカ海兵隊の主力輸送機であるからという理由にほかなりません。「オスプレイ」は現在、普天間基地に2個飛行隊およそ24機が常駐しており、在日米軍が運用する航空機のなかで最も数が多い機種のひとつです。もし仮に「オスプレイ」の前任機であったCH-46「シーナイト」ヘリコプターが現在も海兵隊に配備され続けていたとしたならば、「シーナイト」が派遣されていたに違いありません。実際、「シーナイト」は東日本大震災における「トモダチ作戦」へ投入されました。
2011年3月、東日本大震災における「トモダチ作戦」にも投入されたCH-46「シーナイト」(写真出展:アメリカ海兵隊)。
今回の航空輸送支援において、「オスプレイ」特有の性能を最大限活かす状況はほとんどありませんが、ほかのヘリコプターと同じように使える「オスプレイ」は輸送任務に十分貢献できるでしょう。
安全面の懸念は?
一部において、「オスプレイ」は垂直離着陸を行う際に発生する「ダウンウォッシュ(吹き降ろしの風)」の強さから、災害救助には不向きではないのかという懸念の声もあがっています。「オスプレイ」が比較的ダウンウォッシュの強い機体であることは事実であり、2015年4月のネパール地震に派遣された機体は小屋を吹き飛ばしてしまいました。
しかしこれは「オスプレイ」特有の問題ではなく、自衛隊も保有するCH-47「チヌーク」など大型のヘリコプター全般にいえる弱点です。「オスプレイ」はある意味で政治的シンボルと化してしまっているため、小屋を吹き飛ばしたことがことさら欠陥のように繰り返し喧伝されていますが、ダウンウォッシュで地上の構造物を吹き飛ばした事例はそれほど珍しいものではなく、過去、自衛隊のヘリコプターにおいても発生しています。
ダウンウォッシュ対策はそれほど難しい問題ではありません。学校や駐車場、または空き地など、ある程度の面積が確保できる場所へ着陸が可能な場合の輸送は「オスプレイ」を優先的に割り当て、狭い場所への着陸を余儀なくされる場所へはUH-60J「ブラックホーク」など別の機種を用いることで簡単に解決します。
以上のように、「オスプレイ」はほかのヘリコプターとほとんど同じように活動することとなります。「オスプレイ」が輸送任務にあたることに対して、過度に不安視する必要は全くありません。
【了】
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明らかですね。わざわざオスプレイを使うなんて・・・
とにかく、腹がたちます。
緊急時、オスプレイでも何でも動員出来る飛行体は、
どんどん使えば良い。あらん事を書き添えていても、
人の命や苦難を救う事にはならない。アメリカ軍が熊本港から上陸し災害地へ援助へ向かうことも遣れば良い。
そもそも民間利用を考えることの無い、実戦での強襲を念頭に置いた機体であり、単なる物資輸送に使用するならば、CH-47 チヌーク等が有効です。
極言しますと、戦闘機で物資輸送するようなものですからね。 使用目的が全く違います。 戦車で物資を運ぶ阿保な軍隊は無いでしょう?
CH-47 チヌーク(CH-47 Chinook)
https://ja.wikipedia.org/wiki/CH-47_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
CH-53E スーパースタリオン(S CH-53E Super Stallion)
https://ja.wikipedia.org/wiki/CH-53E_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
普通に考えても、垂直離着陸性能は圧倒的に通常のヘリコプターの方が信頼性が高く、オスプレイには離着陸失敗のリスクが伴うので、今回のような災害使用には政治利用以外の何物でもありません。
ところで、オスプレイの特徴を活かすような使い方とは。例えば中国地方や四国地方から物資を、陸の孤島に設けた臨時の拠点に運ぶようなことでしょう。今回の着陸場所は現場です。空中投下ならまだしも現場は小回りの効く機体を使うでしょ。
今回の着陸は大型貨物トラックで個人宅に配達をするようなものです。
あえて擁護するとするならば、実際にはオスプレイ投入時に、他のヘリに空きがなかったのかもしれません。
故意にミスリードにあたるのでは?