頭の中であの曲がくるくる回る、音が頭にこびりついて離れない場合の対処法はこれだ!(英研究)
ある特定の曲やメロディーが頭からこびりついて離れないという経験はないだろうか?街の中から大音響で流れてきたキャッチーな曲や、テレビで繰り返し流されるあのメロディーが、頭の中を占拠してしまい、いつまでもくるくると回っているのだ。これは「イヤーワーム」と呼ばれる現象である。耳の虫だ。
私の場合割と最近だと、新宿で遭遇した宣伝カーから流れる「ホストをするなら×××♪×××♪」的なやつ、あとクマムシの「あったかいんだから~♪」とかなんとか。
でもってあれを一瞬にして消す方法があるよようだ。
チューイングガムを噛もう!
英レディング大学によって発表された研究によると、キャッチーな曲を聴いた後でチューインガムを噛むと、曲について考える頻度がみるみるうちに低下するそうだ。
これまでの研究で、何かを口に入れる、あるいはただ顎を動かすだけで、短期記憶や音を思い浮かべる行為に干渉することが判明していたが、今回の研究は、ガムを噛む行為が頭にこびりついた音楽に与える影響を調べた初めてのものである。
最近行われた調査によれば、90パーセントの人が週に1度は同じ旋律が強迫的に反復されるイヤーワーム現象を体験しており、うち15パーセントが ”支障となる” と答えている。今回の研究結果は、そうしたイヤーワームに悩まされる人や、それ以外の無用で気を散らせる考えを減らすうえでチューインガムが役立つ可能性を示唆している。
「この現象は19世紀の記録にも見ることができ、エドガー・アラン・ポーやマーク・トウェインの有名作品の中でも描写されています。大抵の人は数分程度の極僅かな時間しか起きませんが、中には2、3日続く人もおり、大きなストレスとなることがあります。ガムを噛むといったちょっとした行為が助けとなるかどうか調査することが目的でした」と、研究を主導したフィル・ビーマン博士は説明する。
実験には98名の被験者が参加した。デヴィッド・ゲッタの『プレイ・ハード』とマルーン5の『ペイ・フォン』という覚えやすい旋律の曲を流した後で、被験者にその曲を考えないように指示し、考えてしまった場合はボタンを押してもらった。すると、ガムを噛んでいる場合は、何もしない条件下と指をトントンする条件下と比べて、曲が”聴こえてしまう”頻度が低かった。
ビーマン博士の話では、同じタイプの行動なら他の煩わしい思考をも減らせる可能性があるようだ。
「ガムを噛むよりももっと洗練させた方法で ”内なる会話” に干渉すれば、より大きな効果があるかもしれません。ですが、似たような強迫性障害の対症療法となるかどうか判断するには、もっと研究を進める必要があります」とビーマン博士は続けた。
どんな曲でもこびりつく
2009年に発表されたレディング大学の研究では、事実上あらゆる曲が頭にこびりついてしまう可能性が明らかにされている。ここでは100名以上の人に対して、頭で曲が反復された際の長さと曲の種類について尋ねた。ピンク・フロイド、ジャスティン・ティンバーレイク、ガンズ・アンド・ローゼズなど複数回言及されたアーティストもいたが、基本的にはどんな曲でもこびりつく結果となった。
「ポピュラー音楽を抑制することは特に難しい可能性があります。以前の研究では、よく知っている曲のイヤーワームについては、人は自発的にしか報告しないことが明らかとなりました」とビーマン博士は説明する。「これについて今後調査したいと思っていますが、この研究結果は耳に音楽と聴こえるものについてのものです。」
本研究は、学会誌『クォータリー・ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・サイコロジー』誌に掲載された。
via:reading.ac・原文翻訳:hiroching
さあここで、今イヤーワームに陥っている人、どんな曲なのか白状してもらおうか。