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暴力行為の龍谷大平安、高野連が関与外の3年生は出場認める

2008-06-26 21:32:46 | 野球
 以下 2008年6月25日21時15分 読売新聞 から引用  

 日本高校野球連盟(脇村春夫会長)は25日、春夏の甲子園に65度出場している龍谷大平安(京都)で、部員の暴力があったと明らかにしたうえで「3年生は全く関与していなかった」として、3年生に限って全国選手権京都大会への出場を認める応急措置を発表した。  学年を限定して大会出場を認めるのは初めて。 
 高野連は部員が集団で起こした暴力行為に対し、野球部の出場停止など厳しい対応をしてきた。今回、脇村会長は「今後は連帯責任を緩和、(高校最後となる)3年生の夏の大会は出場を認める方向で対応する」と方針転換を打ち出した。 
 高野連によると、4~6月に2年生部員5人が、生活態度の注意などを理由に、1年生10人を正座させ尻をバットでたたいた。高野連は、学校長と野球部長から、夏の京都大会には18人のベンチ入り選手から1、2年生4人を外した3年生14人で臨み、秋季大会は出場辞退する申し出を了承した。 秋季大会に出場しない龍谷大平安の、来春の選抜出場は事実上なくなった。

コメント;
 これ自体は毎度おなじみのニュースで取り上げるに値しないが、出場禁止を当事者である1,2年に限定したところが目新しい。つまり同校野球部全体の連帯責任を問わなかったわけ。だったら、更に踏み込んで個々の生徒の責任だけを糾して、野球部としての責任を云々するのは止めにしたらどうだろう。2年生部員全員が暴行に加わったわけではあるまい。
 もっと言えば、暴行行為のペナルティとして出場停止させることの合理性はどこにある。暴行行為を罰するのに刑事上の処分と学校の停学退学等の処分に加えて出場停止させる意味がどこにあるだろうか。停学退学処分の結果として個々の選手が出場できなくなるのならともかく。ムラ社会の日本ではこうした連帯責任を当然とみなす人が多いようだ。

 実はこうした連帯責任が高校野球を陰湿なものにしている。夏は予選と甲子園本番との間にさほど日数がないので、あまり問題は生じないが、春は秋季大会の結果によって決まるので、甲子園まで四ヶ月余りある。その間選抜される可能性の高い高校の野球部関係者は不祥事が発生しないかと戦々恐々としている。
 一方選抜候補二番手につけている高校の野球部関係者は最有力校の足を引っ張るためスキャンダル探しにやっきとなり、あればあったですぐ報道関係にタレこみ、なければ挑発してでもスキャンダルを作ろうとする。  

 また近年、一部の有力校が有望選手を優遇しているとして問題となったが、そんなことは大昔からあったこと、何を今更という感がする。どうせこれもライバル高蹴落しを狙う連中が火元だろう。

 野球ついでにもう一つ。日本は北京オリンピックで金メダルを目指して盛り上がっているが、そんなに金にこだわるなら、各球団から何名までなんて限定しないでベストメンバーで望んだらどうだろう。あの期間はちょうど夏の高校野球と重なるのだからナントレースはその間休戦にしたらどうだろう。
 オリンピックと高校野球のはざ間でペナントレースが盛り上がりに欠けるのは疑いない。或いはその間居残り組でオールスターゲームをするとか。4年に一度なんだからそれぐらいしたらいいじゃないか。