日本の新聞の見方

時事問題の視点ー今の新聞テレビの情報には満足できない人のために

水の問題

2009-03-13 08:48:00 | 環境、自然災害
 数年前から、機会ある毎に、日本は決して資源のない国ではない。今世紀石油以上に重要な資源となる水について日本は資源大国であると言ってきた。 石油に代わるエネルギー源はいくらでもある。しばらく日本を留守にして知らなかったが同じようなことを言っている人がいましたね。しかも小説という形で。それは水木楊の「・・・がなくなる日(社団法人日本電気協会新聞部発行)」。・・・部分は水であり、電気である。電気については著者水木さんとは異なり楽観しているが、水については深く共感した。  

 地球上にある水の総量はおよそ14億立方キロメートル、その中淡水はわずか2.5%、ほとんどは南極や北極の氷の形で存在しており利用できない。人類が実際に利用できる水は総量のわずか0.8%。 世界中の河川の多くは複数の国家をまたがって流れていたり、水源を共有(例えばインドと中国)しているので、将来国際的な水紛争が多発することが予想できる。日本は隣国と水争いが起こりようがない島国でしかも豊富な雨量に恵まれていることを神に感謝すべきであろう。

 この小説でも書いているが将来水は日本の重要な輸出品目となることが期待できる。その意味でどこかの知事が「ダム要らない」と言ったのはやや見通しを誤ったのかもしれない。但しダムを推進している建設省や農林省の役人がそこまで予知能力があったわけではなくて、彼らは単に予算を増やしたい或いは減らされたくないだけ。
 ただダムを推進するにしても、日本は急峻な山が多い土地柄、流失する土砂によって短期間に埋没することを防ぐ技術が必要となる。更に農地と森林の保護は水資源涵養の観点からも重要な政策課題とすべきであろう。

 将来「水商売」は現在とは違った意味で用いられることになろう。「日本人は水と安全はタダだと思っている」と書いた自称ユダヤ人がいたが、少なくとも水に関する日本人の意識は変わることだろう。

話変わって、先日からメディアでは拉致被害者のご子息が韓国のキムヨンヒと会見したニュースを大きく取り扱っている。その際なんで「キムヨンヒ元死刑囚」と一々「元死刑囚」をくっつける必要があるのだろう。この伝に従えば、一日でも服役した人は「元受刑者」と言わなければならなくなる。

前にも言ったが、なんで事件或いは事故の関係者の年齢、性別、職業を一々言う必要があるのだろう。例えば収賄罪であれば公務員でないと成立しないので職業が意味をもつし、業務上横領罪は組織のしかるべき位置にあることが条件となるので職業と地位を紹介する必要がある。そうでない限り単なる事故などにあっては年齢、性別、職業はどうでもいい。
 

「死んだ断層」揺れた 主な活動は恐竜時代 四川大地震

2008-05-24 07:44:43 | 環境、自然災害
アサヒコム 2008年05月21日13時35分 から引用
 中国・四川大地震を起こしたとみられる竜門山断層帯は長期間めだった活動がなく、「死んだ断層」と考えられていたことが、中国の過去の地層調査や歴史文献の記載などからわかった。専門家は「活動度が低くても大地震が起こりうるわけで、日本でも注意が必要だ」と指摘している。
  
 東京大の池田安隆准教授(変動地形学)が地震予知連絡会に報告した。
 それによると、竜門山断層帯が主に活動したのは2億年前~6500万年前までで、ちょうど恐竜がいた時代。それが1千万年前以降は活動が低調で、地震で断層がずれた量を年平均に換算した「活動度」は垂直方向に年1ミリ以下。竜門山断層帯の西側にあり、頻繁に大地震を起こしている鮮水河断層帯の年10~20ミリと比べ、10分の1以下だ。
 このため、専門家も「死んだ断層」と考え、注目していなかったという。
 中国地震局によると、文献などから、鮮水河断層帯ではマグニチュード7以上の地震が頻繁に起こっていることがわかっているが、竜門山断層帯の地震についてはこうした記録はない。池田さんは「三国志の時代(3世紀)から人口が多い地域なので、大地震があれば何らかの記録に残っているはずだ」と指摘する。
 日本の地震調査委員会が地震の発生確率や規模を調べているのは、約200万年前以降に活動した活断層。原子力発電所の設計で考慮する活断層も、12万~13万年前以降に活動したものとされている。
 地震予知連の大竹政和会長は「ショッキングなデータだ。日本も、活動度が低い活断層だからといって安心していいわけではない」と話す。(黒沢大陸)
                               以上引用

コメント:今度の地震の震源地の断層が活発であったのは「2億年前~6500万年前の恐竜時代」であったので、断層の存在自体は知られながら「死んだ断層」とみなされ地震の可能性は考慮していなかったという話。

 この記事から、昔小学生の頃、火山の分類で「死火山」「休火山」「活火山」という分類を教わったのを思い出した。この分類の時間的尺度は忘れたが、多分数百年或いはせいぜい1000年といったところであろう。これはそれぞれ「噴火の記録がない」「噴火の記録はあるがだいぶ前である」「最近噴火した記録がある」と言っているのと同じである。人間が自分たちの歴史即文字として残された記録つまり高々数千年という単位で46億年の歴史を有する地球の活動を推し測ることの滑稽さ、人知のはかなさを感じさせられた。
 今もこうした分類を教えているとすれば、およそ300年前(宝永4年、1707年)に大噴火のあった富士山はどこに属するのだろう。富士山がいついつ大噴火すると言って外れ、大恥をかいたおじさんがいたが、日時を特定するから外れるのであって単に「いつの日にか大噴火する」と言ったのなら当たる公算が高い。

人知のはかなさのもう一つの例。
およそ半世紀前、これから地球は氷河期に入るから大変だといって騒いでいたが、今は地球温暖化が大問題でこの関連のニュースがない日は一日もないというありさま。

二酸化炭素削減策試案

2008-04-17 08:13:22 | 環境、自然災害
今日は新聞記事を離れる。 
 二酸化炭素排出削減を目指して様々な自動車燃料方式が開発されている。電気自動車、ハイブリッド、バイオ燃料(エタノール)、燃料電池等。電気自動車は充電時間と走行距離が実用化のネックとなっており、ハイブリッドは実用化されており確かに燃費はいいが、このエンジンはコストが高い。つまり製造段階で多くのエネルギーを消費するので、果たしてトータルでどれだけ二酸化炭素排出削減に資しているのか疑問がある。バイオ燃料は化石燃料ではなく再生可能なエネルギーを使用することがミソだが、これは世界的な穀物価格上昇の一因となっている。排出が水だけの燃料電池はクリーンエンジンとしては最も有望であろう。ただしどんなにクリーンなエンジンであろうと製造段階で多大のエネルギーを消費することに変わりはない。重要なことは車中心の交通体系を見直すことだろう。最もエネルギー効率のよい水運や帆船の復活と言いたいところだがあまり現実的でない。
 差当たり、車がなくては不便な地方ではバス鉄道などの公共輸送機関の再興、大都市での市電の復活などは十分現実的であろう。郊外に車を停めてそこから公共輸送機関を利用する「Park&Ride」方式も市中心部での渋滞緩和と二酸化炭素排出削減に有効だらう。これは一部の地方都市では既に実施されている。

 そもそも日本の道路政策は、今問題になっている道路特定財源に象徴されるように車中心の度合いがひどすぎる。車でなく歩いてみたい道路、自転車で走ってみたい道路が少なすぎる(せいぜいスポーツとしてのサイクリングロードがあるくらい。歩道の真ん中に電柱があったり。電線の地中化を進めることは、都市景観上プラスであるだけでなく、交通死亡事故の減少にもつながると思う。正確な数字は知らないが交通死亡事故原因中、相当部分は電柱への激突が占めているはず)。歩行者と自転車或いは自転車と自動車が同じ道に混在しているのははなはだ危険でもある。歩道、自転車専用道の建設は道路への負荷が少ないので自動車道よりはるかに低廉なコストでできるはず。