日本の新聞の見方

時事問題の視点ー今の新聞テレビの情報には満足できない人のために

妻が夫の実家の法事を怠るのは離婚理由になる

2008-09-24 07:28:36 | 日韓関係

 アジアで儒教が残っているのは韓国くらいと以前書いたが、それを裏付ける絶好のニュースがあったので紹介する。

NHKオンラインから 
 先祖を敬う伝統が根強く残っている韓国で、妻が夫の実家の法事をきちんと行わなかったのは離婚の理由に当たるとする判決があり、韓国社会に波紋を広げています。以上引用   
詳細

コメント;
 日本の儒教では忠が最高の道徳とされる。「君、君足らずとも臣、臣足らざるべからず(たとえ主君が主君にふさわしくなくても、臣下としての義務を怠るのは許されない)」、「忠臣は二君に仕えず」で象徴することができるかもしれない。
 なぜそうなったかと言うと、日本でいう儒教とは主として江戸幕府の官学となった朱子学をさすからである。従って上に述べたような倫理観は高々江戸期からに過ぎない。

 戦国時代見込みのない主君から有望な主君に乗り換えるのは珍しくなかった。主君が無能であれば自分の将来も開けないのだからこれは当然だろう。
 戦争に負けた側のトップは自ら死を選ぶことが多かったが、その下はたとえ幹部クラスでも勝者が再雇用することが多かった。例えば、秀吉は滅ぼした近江浅井氏の遺臣を、家康は甲斐武田氏の遺臣を多く召抱えている。徳川四天王の一人井伊の赤ぞなえは武田軍に倣ったものである。
 決して負けた方が皆殺しにされるわけでもない。大東亜戦争中「生きて虜囚の辱めを受けず(戦陣訓)」として捕虜になることを禁じたのは日本歴史を見ても他に思い当たらない。
 当然捕虜としての権利を教わることもなかったので、捕虜は答える義務がないにも関わらず米軍から聞かれた軍事情報をぺらぺらしゃべり日本軍に打撃を与えた。

 本題に戻る。韓国における儒教は同じ儒教といっても日本とは違って最高の徳目は孝である。(南宋に始まった朱子学に対して原始儒教と言えるかもしれない)。
 と言っても「そんなもんか」くらいにしか感じない人が多いと思うので、彼らの考える孝とは何か、日本人が考えるような生易しいものではない。

 「逆説の日本史ー江戸文化と鎖国の謎(井沢元彦)P249」から例をあげよう。
 元代の「二十四孝」という書の中から。
郭巨という男がいて彼には妻子があり母と同居していた。母が衰弱して死にそうになっている。原因を探ってみると母が孫に自分の食べ物を与えていることがわかった。郭の家は貧しく一家四人を支える食物はない。それで郭がたどり着いた結論は母を生かすため子を殺そうというものであった。 以上要約して引用

 翻って、我が国ではどうか。姥(うば)捨て伝説からもうかがえるように親より子を大切にするのが日本人にはしっくりくるのではないか。
 中国も日本と変わらない、祖父母があるいは両親が自らを犠牲にして孫或いは子のためをはかるのが当然視されるように思う。

 朱子学が興ったのは、常に北に異民族の脅威を受けていた南宋の時代的背景なしには考えられない。たまたま黒船の来航で外敵の脅威を感じた日本では幕府の無能ぶりがはっきりしたことと相まって、これも朱子学の題目である「尊王攘夷論」が大流行した。

 ところで儒
教の本場中国だが、朱子学はもとより原始儒教の伝統もあまり感じられない。ただ先ほどの孝と関連するが、原始儒教の徳目の一つである老人を敬う風潮は日本より強いように感じる。
 もっとも異民族と戦った漢民族の英雄は今も人気が高い。岳飛、李自成、洪秀全など。これは「攘夷論」の影響というよりナショナリズムの本然だろう。


 


竹島と日韓関係

2008-07-17 10:40:02 | 日韓関係
竹島問題がさわがしくなった。  

 今回韓国が問題にしているのは「中学校社会科の新学習指導要領の解説書に、韓国が領有権を主張している竹島について、日本の領土であると教えるよう初めて盛り込まれた」だけの話で、日本が突如竹島の領有権を主張したわけではない。

 日本政府は一貫して北方四島と同様日本領土であると主張してきたが、それを国内向けにもその宣伝を強化しようとしただけで右傾化などと大騒ぎするような話ではない。  
 2005年3月竹島が島根県に正式に編入されて100周年を迎えるのを記念して同県が「竹島の日」を制定した時にも韓国は強く反撥していたが、今回は国レベルであったので駐日大使の召還などあの時とは比較にならない。だが日本政府はそんなことにひるむことはない。今時電話もメールもあるのでこのまま駐日大使の一人や二人いなくなっても構うことはない。その他のどんな脅しにも屈してはならない。  

 韓国は竹島が自国領である根拠を縷々あげているが、いずれも薄弱であるかもしくは捏造の疑いが濃い。日本敗戦後の彼らの振る舞いは所詮日本の「植民地支配」への報復であり、日本の陸海軍が消滅し占領下にあり主権もなかったのに乗じた火事場泥棒的所業である。
 ニュースを聞いていると韓国側の言い分を詳しく訳知り顔で解説する「専門家」がいる。商売柄知識をひけらかしたい気持ちはわかるが日本のメディアを使って相手の得手勝手な言い分をわざわざ自国民に宣伝してやる必要がどこにある。多少物を知っていれば大学の先生になれるかもしれないが、物を知る前に道理をわきまえてほしい。

 ソ連は日本が降伏する直前に日ソ中立条約を侵犯して参戦し、北方四島を掠め取った。そのソ連が厚かましくも戦勝国の一員として振舞ったことは当時の日本人を切歯扼腕させたが、実は韓国も対日講和条約に戦勝国の一員として出席したいと申し出てアメリカを呆れさせている。  
 日本が韓国を併合したのは一応は国家間の契約であり、百歩譲っても合法的な植民地支配であって、侵略したわけでもなく両国間に戦争があったわけでもないのだから韓国の申し出が理不尽であることは明白である。その時実は竹島だけでなく対馬の領有権も主張していた。竹島と違って多くの日本人が居住している対馬を自国領と主張するのはいくらなんでも荒唐無稽の度が過ぎるので後で引っ込めたが。  

 一方は日露戦争の報復、片や「植民地支配」への報復という違いはあるが、日本の敗戦とその後のどさくさに乗じた本質は変わらないのだから両者の扱いに差があってはならない。  
 今では覚えている人も少ないと思うが、時の大統領李承晩が不法にも一方的に排他的経済水域を設定して西日本の漁民に重大な損害を及ぼした(いわゆる李承晩ライン、1952-1963)。これも竹島へ日本人が近づけないようにして自国による支配を既成事実化しようとしたものである。  
 日韓基本条約で経済援助と引き換えに李承晩ラインは撤廃されたが、あの時日本外交にはやや粘りを欠いた恨みが残る。島根県と竹島といえば、十余年前にこんなことがあった。ソウル直行便を目指して米子空港(鳥取)と出雲空港(島根)が競ったことがある。両県知事を先頭に立ててチャーター便を仕立てたり、誘致に躍起となったものである。結果は米子空港に決まったが実は韓国側には竹島問題を抱える島根県は初めから選択肢になかったことが後でわかった。それをどっちにも気があるようなそぶりをして両県を競わせ山陰の貧乏県から相当の金を引き出したものである。
 外国との交渉経験に乏しい田舎の役人をだますのはわけがない。もっとも鳥取県はその後ソウル-米子便の搭乗率の低さに頭を悩ましていると聞くし、これが鳥取県の振興に効果があったという話も聞かない。  
 話がそれるが、以前韓国が靖国神社を問題にしていると聞き、私は一瞬日本兵として戦死した韓国人も靖国神社に祀ってほしいと要望しているのかと思いきや、全然そうではなく、いわゆるA級戦犯合祀のことなどれっきとした戦勝国である中国と同じようなことを言っているのを知り呆れたり憤慨したりしたことがある。  
 話がそれたついでにもう一つ、韓国が「日本海」という名称を認めず勝手に「東海」と称していることのばかばかしさについては、6月5日当欄で触れた。  

 6月5日の記事の最後の一節を再掲しておく。  
「戦後、福沢諭吉の『脱亜入欧論』は日本のアジア侵略を鼓吹したとして評判が悪いが、私には福沢先生の気持ちが少しだけわかるような気がする。」

日本海→「東海」表記のパンフ 韓国が国連行事で配布

2008-06-05 00:30:00 | 日韓関係
以下産経ニュース 2007.11.16 09:45 から引用
 
 10月24日の「国連の日」に米ニューヨークの国連本部で行われた潘基文事務総長主催のコンサートで、日本海を「東海」などと表記した英文パンフレットが式次第とともに配られ、日本政府が国連と韓国に対し、強く抗議していたことが15日、分かった。韓国側は地名の表記方法などについて話し合う国連地名標準化会議で、日本海の呼称を「東海」と併記するよう求めており、加盟国大使らが多数出席するコンサートの場を利用して自らの主張の定着を狙ったものとみられる。潘氏は韓国の前外交通商相で、国連側はパンフレットの配布を取り締まらなかった。
 国連の日に行う事務総長主催のコンサートは毎年開催される恒例行事で、今年は加盟192カ国の大使や外交官ら約1600人が出席した。今年1月に事務総長に就任した潘氏の意向で、ソウル市交響楽団が公演を行い、ソウル市と韓国国連代表部がコンサートを後援した。
 外務省によると、パンフレットは当日の招待席にコンサートの式次第とともに配布されていたという。その内容は韓国全般を紹介したものだったが、日本海を「東海」と表記し、韓国が不法占拠する竹島(韓国名・独島)を韓国領とするなどの内容が記載されていたため、翌日に日本の国連代表部から国連事務局と韓国国連代表部に対し、文書などで抗議を行った。            以下略


コメント:韓国が日本海を「東海」と呼称するのは馬鹿げていて、「坊主憎けりゃ袈裟まで」の類である。そもそも日本海の呼称は日本が命名したわけではなく、幕末開国以前にヨーロッパで定着していた呼称である。この海域は日本、朝鮮、ロシアが囲んでいるが日本の海岸線が一番長く、日本列島がこの海域を包むようにして太平洋と隔てているのだから日本海と命名されたのは極自然なこと。日本海よりはるかに広大な海域をインド洋と称していることについて、アフリカ諸国から文句が出たとも、メキシコ湾の名称はけしからんとアメリカから文句が出たとも聞いたことがない。
 日本もお返しに「朝鮮海峡」の呼称にクレームをつけたらいい。朝鮮半島だけで海峡はできないはず、九州があるからこそ海峡ではないかと言って。

 それに、韓国は、中国が東支那海のことを同じく東海と呼んでいるのをご存知かどうか。公海の名称を各国が勝手に命名するのは不都合極まる。
 以前、東中国海と言った中国人がいて、私が「それは東支那海のことか」と言ったら、猛烈に食ってかかられた。支那は元々中国最初の統一国家「秦」に由来し、英語のチャイナ、フランス語のシヌアと語源を同じくし侮蔑語でもなんでもないことは高島敏男先生の「支那は悪い言葉だろうか(『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(文春文庫)に収録)」を参照していただきたい。

 話変わってthe Atlantic Oceanをなぜ日本語で大西洋としたのだろう。アトランティス伝説に由来するアトランティック洋でいいと思うが。

 戦後、福沢諭吉の「脱亜入欧論」は日本のアジア侵略を鼓吹したとして評判が悪いが、私には福沢先生の気持ちが少しだけわかるような気がする。

黒田福美さんらに無断で祈念碑を撤去 韓国・泗川市

2008-05-15 05:29:26 | 日韓関係
以下 アサヒコム2008年05月14日03時18分 から引用

 【ソウル=箱田哲也】女優の黒田福美さんが韓国南部に、太平洋戦争で特攻隊員として死んだ朝鮮人青年の祈念碑を建てた問題で、地元の泗川市が13日、この碑を撤去したことがわかった。黒田さんは「無断で撤去しており、行政がやる行為とは思えない」と反発している。
 黒田さんは韓国の洪鍾ピル(ホン・ジョンピル、ピルはにんべんに必)・前明知大教授らとともに、日本人として戦死した朝鮮人たちの祈念碑を作ろうと計画。泗川市も積極的に応援し、土地などを提供、碑は完成した。だが、10日の除幕式の直前になって韓国の左右両派の団体から抗議運動が起き、市は撤去方針を示していた。
 市側の担当者は無断撤去したことを認めた上で「団体のメンバーが碑を破損する恐れがあり、仕方がなかった。今後、碑の保管などを黒田さんと話し合う」としている。
 一方、黒田さんは「時間をおいて、韓国全体で論議してもらうためにも碑を残してもらいたかった。所有権は私自身にあり、絶対に納得できない」と憤慨している。
               以上引用

コメント:黒田福美さんのことは韓国好きの女優さんというくらいしか知らない。以下は彼女にこそ読んでほしい。

 洪思翊という人がいる。名前から分かる通り韓国人である。日本統治下で成人し、非常な秀才であったので陸軍士官学校、陸軍大学を卒業し中将にまでなった人である。敗戦後、不幸にして捕虜虐待の罪で死刑となった。部下の行為の責任を取らされたものである。

 朝鮮と日本との併合は彼が画策したわけではない。彼は単に併合後に一人の日本人として社会に出て、非常に高い地位を得たというに過ぎない。しかも彼は出自を隠さず創氏改名を拒否し、韓国人としての誇りを失わなかった人である。その彼でさえ韓国独立後は「民族の裏切り者」と指弾され、遺族への風当りは厳しく不遇な人生を歩んでいる。 
 日本の傀儡国家「満州国」や日本占領下の「南京国民政府」の高官が、戦後一貫して中国で「売国奴(漢奸)」と悪罵されているのは理解できる。ところが洪思翊は彼らとはまったく違う。彼の母国での名誉回復は果たしていつの日か。 

 黒田さんが彼のことを知っていたかどうか。韓国における彼の評価と遺族の過酷な運命に思いをいたせば、日本の特攻隊員として戦死した韓国人が現代韓国でどう評価されるか想像できたのではないか。 
 韓国人にとって、日本に統治された時代は屈辱の時代であって思い出すのもいまいましく、できれば記憶から抹殺したいのである。それをいつまでも思い起こさせる祈念碑などとんでもないというところだろう。

 バレーボールの「姜万守」から始まった彼女の韓国への恋はついに片思いに終わるかもしれないが、民族とは何か、国家とは何かを深く考える契機になるのではないか。

 最後に、祈念碑の所有権を主張するのであればご自分の庭にでも立てたらいかがですか。