メルセデスベンツ V350(W639)で、秋田まで往復1500㎞を、1泊2日で走破してきました。妻の祖母が倒れて骨折してしまったため、見舞いに秋田まで行くことになったのです。妻の祖母の自宅は能代市なので、秋田の中でも日本海側の方です。正直かなり遠かったですね。
夜11時過ぎに自宅を出発し、能代市に着いたのは朝の9時過ぎでした。途中SAで、妻と一緒に買い食いなどしながら、のんびりと走りましたが、妻も夜中には寝てしまい、行程の半分は一人孤独に運転していました。写真は、秋田道の八郎湖PAです。この付近で、子どもたちが目覚めたので、トイレ休憩のために立ち寄りました。
ここで少し、メルセデスベンツ V350(W639)のインプレッションを書いておきましょう。高速道路での長距離走行は、メルセデスの得意とするところですが、ご多分に漏れず、このV350も素晴らしい高速性能を発揮してくれました。
高速域での安定性は抜群です。以前あったハンドルが左に取られる症状も、YANASEで調整してからはいい感じです。ミニバンにも関わらず、ふわふわした印象は全く無しです。ガチッとした剛性感は、正にメルセデスクオリティーです。横風に吹かれると、さすがにふらつく部分はありますが、それも前に乗っていたE240(W210)と比べればという程度です。W210はとんでもない直進安定性のレベルでした。さすがは世界標準車という感じでしたね。このW639も、直進安定性は素晴らしいです。ミニバンでここまでの直進安定性を持った車は多分他には無いと思います。
高速道路での巡航では、この高速安定性が疲労感にダイレクトに影響します。そうした意味では、本当に疲れ難い車だと思います。
エンジンですが、3.5リッターのV6エンジンは、MクラスやSクラス、Eクラス等、様々な車種にメルセデスが搭載してきた、非常に信頼性の高いエンジンです。車種によって、微妙にチューニングは変えてありますが、まぁ、基本は同じです。フラットトルクで非常に扱いやすく、2トンの車体を簡単に加速させるポテンシャルを秘めたエンジンです。
スペックは、258馬力を5900回転で叩き出し、最大トルクは2500~5000回転で34.7㎏です。2500回転で最大トルクを出し切りながら、そのまま5000回転まで最大トルクのまま回転数を上げていきます。2500回転から5000回転は、通常の運転でも普通に回す範囲です。そうした低回転数から最大トルクをしっかりと叩き出し、そのままレッドゾーンの手前まで最大トルクのままというところが素晴らしいです。カタログスペックがどんなに良くても、実際の走行ではほとんど使わない高回転域では意味が無いのです。その点メルセデスは、いたずらにスペックを追及するのではなく、しっかりと実用域で使えるようにチューニングしています。
そういう意味で、メルセデスは、本物の実用車なのです。決して贅沢な高級車ではありません。確かに安くはありませんが、この値段は、徹底的に実用に拘った、究極の実用車としての、正当な価格なのです。見えないところではコストダウンをし、インテリアやエクステリアのように、見える部分を表面的に豪華に飾った車とは、根本から素性から違うのです。こうした実用車としての、徹底した拘りや設計思想がメルセデスの本当の価値なのだと思います。
話を元に戻します。この扱いやすいエンジンのおかげで、高速巡航でも、アクセルをあまり踏み込まずに運転できます。これも非常にありがたいです。足の疲労が全然違います。足が疲れると、腰やら背中にだんだんと痛みが進行していきます。それを最小限に抑えられるのは、疲れ難さに直結します。
シートですが、以前書いたV350(W639)の記事では、酷評しましたが、最近では慣れたせいもあり、少し評価が変わっております。というのも、腰への負担を減らすには、座面の角度が重要であることを発見したからです。座面をやや前傾にすると、腰の負担が軽減されます。また、背もたれの角度も重要です。立ち過ぎていると腰に負担が掛かりますので、多少寝かせ気味位が良いようです。座面と背もたれの角度を適切に調整したうえで、適切なドライビングポジションを取れるように、シートを前後上下させたり、ステアリングを前後上下に調整していきます。これでバッチリです。
現在では、そこそこ適切なポジションを見つけられているので、片道700㎞を超えるドライヴでも、全く腰は痛くなりませんでした。シートに関しては、現在でもメルセデスはちゃんと作っているようです。僕の調整が悪かったみたいですね。ダイムラークライスラーには申し訳ないことをしました。
シートやステアリングの調整可変域も非常に大きく、適切なドライビングポジションを取り易いです。欲を言えば、もう少しステアリングの前後の可変域を大きくして欲しいです。W210は非常に大きかったですし、以前代車で来たS212にもそれは引き継がれていて、すごく良かったので。セダンであるEクラスと同等とはいかないでしょうが、Vクラスにも、もう少し調整幅を持たせて欲しかったと思います。まぁ、ミニバンなので、あまり贅沢は言えませんが、メルセデスのエンブレムを背負っている以上、その辺りも妥協せずに、メルセデスクオリティーを貫いて欲しいです。
それと、以前の記事で書いた、ランバーサポート機能ですが、ちゃんとシートを調節すれば、必要ありません。何もしなくても、十分に腰を支えてくれます。それだけの性能がちゃんとシートに与えられています。その辺りは、日本車の遠く及ばない部分ですね。シートの作り自体がしっかりしているので、余計な機能は必要ないのです。
燃費の方ですが、スペック上ではリッター7.4㎞となっております。普段は、エアコン使用時で6.5㎞、エアコン使用無しで7㎞チョイです。ですが、今回は殆ど高速道路での高速巡航で、市街地でも、秋田県ですから、渋滞はほとんど無しという状態でした。帰り道は少々渋滞に巻き込まれましたが、最終的な燃費は、満タン法でなんと8.5㎞でした。エアコンをフル稼働していたことも併せて考えると、本当に驚きの数値です。カタログスペックをはるかに上回りました。さすがメルセデスです。スペックに偽り無し。日本車のように実際には3割くらい少なくなってしまうようなインチキ数値はカタログにも載せません。素晴らしいです。
まぁ、ガソリンがハイオクなので、日本のT社のAとか、N社のEと比べて燃費でも極端に優れているとは言えませんが、これなら許容範囲だと思います。同じドイツのV社のSとかはどうなのでしょう?10㎞近く走るとのうわさを聞いたことがありますが、本当なのでしょうか?まぁ、V社のSは、完全なミニバンでは無いので、純然たるライバル関係にはないですが。
ということで、V350(W639)は、総合的には素晴らしい車です。セダンと違い、後部座席もリクライニング出来ますし、このW639は、対面対座にしても、ちゃんとシートベルトが出来るため、走行中でも対面対座がOKなのです。これは家族には評判が良いです。
ただ、ドイツ車(製造はスペインですが)なので、安全基準が厳しく、メルセデスの安全への哲学と相まって、後部座席のリクライニングは中途半端にか出来ません。あんまり寝かせると、事故の際にシートベルトが正常に機能しないからです。また、航空機の座席並みの強度を座席自体に持たせるために、停車中であってもフルフラットには出来ません。安全性のためとはいえ、これは正直痛いポイントです。車中泊は出来ません。まぁ、我が家では車中泊はしませんが、観光先でちょっと休憩と言う時には、フルフラットはありがたいですからね。一般的なミニバンユーザーでは、フルフラット機能を求める人が多いのではないかと思います。今回も正直1回だけフルフラットになったら良いなぁと思った時がありました。
まぁ、色々と不器用な車ですが、その分無骨なまでの実用性は安心できますし、好感が持てます。走りは本当に素晴らしいですし、長距離ドライヴでの疲労軽減能力は本当に高いレベルです。
ということで、今回の秋田行きで、V350の良さを再認識できました。家族みんなで、「この車買って良かったよね。」と言えた事が何よりです。また、V350について記事にしようと思います。
↑ 当日は生憎の雨でした。台風が接近していたので。東北地方では熱帯低気圧になっていましたが、雨は断続的に降っていました。
上の写真は、能代港で撮ったものです。V350のリアビューです。YANASEのシールが目立つところに貼ってあるのがちょっとアレですが、個人的には結構好きなデザインです。全く飾りっ気の無いところがメルセデスらしくて好感が持てます。
そうそう、レインセンサーですが、ちゃんと作動しました。まぁ、完璧にこちらの思った通りという訳にはいきませんが、まぁ、こんなものかと。オートライトはかなり早めの点灯になってしまいます。まぁ、それでも、そちらもちゃんと作動はしていました。
↑ 順番が前後してしまいましたが、八郎湖PAにあった八郎湖伝説の看板です。
↑ 能代港です。日本海って、荒いイメージがあったのですが、当日はベタ凪でした。東京湾かと思っちゃいました。空が曇天なのが日本海っぽいですが、出来れば晴れの日に来たかったです。
左に見える突堤の先端で、釣り人が黒鯛を釣り上げていました。きっと魚影も濃いのだろうなぁ。時間があれば釣りたかったです。
↑ テトラ回りです。あまり水は綺麗ではありませんね。でも、きっとここにはロックフィッシュがわんさかいるのでしょうね。カサゴやメバル、ソイなんかが竿を引き絞ってくれると思います。
この能代港は、河口にあるので、色々な魚が釣れるはずです。否、釣れないはずがありません。ここまで来て何もしないなんて、本当に生殺し状態ですよ。長男と僕の2人は、後ろ髪引かれる思いで港を後にしました。
↑ 昼食後、能代港にある、展望台に登ることにしました。入場料は無料です。
↑ 階段は100段です。まぁ、軽い腹ごなしにはなりますね。長男は楽勝で駆け登っていましたが、自分は運動不足が祟り、ちょっと息切れ気味でした。
↑ 最上階の展望場はこんな感じになっています。
↑ 能代港の河口側を写してみました。今度来る時には絶対に釣りをしたいです。
↑ 駐車場側を写してみました。広場のブロックが怪獣というか龍?の形になっていたのですね。長男が見つけて喜んでいました。
↑ 駐車場に戻り、車内から最後に一枚写真を撮りました。
↑ 宿泊は、ホテルルートイン能代です。上の写真は部屋からの景色です。ただの市街地です。まぁ、その辺りは、普通のビジネスホテルですからね。JTBで予約したら、家族部屋が取れず、ツインとダブルの2部屋になってしまいました。ですが、ホテル側の配慮で、隣の部屋にしてくれたので、子どもたちには却って楽しかったようです。
それと、希望していた通り、ちゃんと禁煙室にしてくれたのもラッキーでした。タバコ臭い部屋で寝るのはごめんですからね。しかも、空気清浄器が備え付けてありました。これも嬉しい装備です。プラズマクラスターフル稼働で快適に過ごすことが出来ました。
このルートインは、朝食バイキングが無料でした。良いサービスですね。まぁ、内容はあくまで無料レベルでしたが、素直に嬉しいです。子どもは2人とも喜んで食べていました。
ということで、1泊2日の強行軍での秋田行きでしたが、メルセデスベンツ V350(W639)の性能にも助けられ、何とか無事に終えることが出来ました。2日間で、僕は栄養ドリンクを4本飲んで頑張りました。お父さんは大変ですよ。とは言いつつ、なかなか楽しかったです。もう1泊出来ると遊ぶ時間もあるのですが、長男の学校があるので、難しいですね。祖母に会えて妻も喜んでいましたし、何より妻の祖母が喜んでくれましたので、まぁ、良かったかなぁと思います。子どもたちも楽しんでいましたし。それにしても千葉から秋田は遠いです。