散歩写真をBGP(Back ground Photo)に
日々の徒然、主にたべもの。
わたしの居場所~M's Lunch Boxes



今日は最近小耳にはさんだエピソードを
ちょっとかなり尾ひれをつけて再現ドラマ風にお届け。
情景を思い浮かべながら読んでいただけると嬉しいです。
(長くなりそうですので お暇なときに)

題して 「謎のステッカー事件」

    原作・マユミ  脚色および潤色・pot@mom

○あるマンション・外観

○同・自転車置き場
   主婦マユミ(4?歳)が自転車を降り、買い物袋を下す。
   沢山並んだ自転車の隙間に、降りた自転車を押しこみ
   カギをかける。
   自転車の後ろには 「マンション管理組合 平成22年度」と
   印刷された青いステッカーが貼られ、マジックで「308」と部屋番号が
   書かれている。
   マユミ、自転車置き場を急ぎ足で歩き、エレベーターに乗る。

○同・マユミの家・ドア前
   ドア横のプレートには「308」の部屋番号。

○同・部屋の中
   買い物袋から 食材などを取り出し、冷蔵庫に格納するマユミ。
   リビングでは、夫のサトシ(51歳)がカメラの手入れをしている。
   娘のサヤカ(17歳)はソファでヘッドホンを付けて歌っている。

マユミ 「ねーえ あなた、最近駐輪場の自転車が増えたような気がしない?」
サトシ 「そーかなぁ」
マユミ 「乗ってない自転車とか ステッカーのない自転車もあるし、
   管理組合に言って撤去してもらった方がよくないかしら?
   サヤカ(娘)の緑色の自転車なんか、この間倒されてたのよっ」
サヤカ 「そういえば この間ハンドルにつけてたマスコットが取れそうになってた」
マユミ 「ほらっ! あれは夜目立つように蛍光塗料が塗ってあるうさぎのマスコットでしょ?
    事故があってからじゃ遅いから、取り締まってもらわなくちゃ!」
サトシ 「じゃあ 君が言えば?」
マユミ 「そうね、管理人室にステッカーの貼ってないやつは撤去してもらうように言ってくる」

  (数日後)

○マユミの家

   部屋のインターホンが鳴る。ドアに向かって走っていくマユミ。
マユミ 「はい」
   ドアを開けると 同じフロアの住人ヨシダさんの奥さん。
ヨシダ 「あの~302号のヨシダですが… 
    実はうちの自転車に お宅のステッカーが貼ってあるんですけど」
マユミ 「はぁっ?」
ヨシダ 「ですから、うちの自転車に今年の駐輪場登録のステッカーが」
マユミ 「うちは夫と娘と私の3枚しか登録していなくて、今年はもうしっかり貼って
    あります。何かの間違いです!」
ヨシダ 「でもねぇ うちで使っていない自転車に308のステッカーが」
マユミ 「そんなはずはないです。なんなら 見に行きますか?」
ヨシダ 「そうしてもらえます?」
   マユミ いったん部屋へ戻る。
サトシ 「どした?」
マユミ 「なんか ヨシダさんが変なこと言ってるのよ。
    きっとなにか勘違いしているんだわ、一緒に見てくるから」
   荒々しくドアを閉めて出て行くマユミ。
   エレベーターホールへ向かう二人。

○自転車置き場
   並んだ自転車の間を歩くマユミとヨシダさん。

マユミ 「きっと管理人さんが ステッカーに部屋番号を書くときに間違えたんですよ。
    私 ちゃんと4月の更新のときに、3枚、去年の、確か赤いステッカーでしたよね、
    その上ににぴっぴっぴっと自分で貼ったんですもの」
ヨシダ 「うちは息子の自転車が古くなったので、今年は更新せず捨てようと
    思っていたんです。
    そしたらお宅の部屋番号のステッカーが貼ってあったので……
    あ、これです」
   ヨシダさんの示すところに緑色の自転車。  
   かすかに見える赤いシールの上には、「マンション管理組合 平成22年度」の
   青いステッカーが貼ってある。マジック書きの文字は「308」

マユミ 「(一瞬息をのむ)これ…サヤカの…娘のと同じ自転車だわ…」
ヨシダ 「も、もしや」
   
   ヨシダさん、あわてて自転車置き場隅に寄せてある、壊れた自転車や
   ステッカーの貼っていない自転車のたまり場へ走る。
   その場で「308」の数字と緑の自転車を見つめたまま 動かないマユミ。
   おそるおそる 青いステッカーをはがしてみる。
   下からは「302」と書かれた赤いステッカーが現れる。

ヨシダ 「やっぱり!奥さんこっち」
   あわててかけだすマユミ。
   ヨシダさんの示す場所には、スクラップを待つ緑色の自転車。
   ハンドルには ウサギのマスコットが揺れている。
   そして 自転車後部の赤いステッカーには 「マンション管理組合 平成21年度
   さらにマジックで「308」と書かれている。

   効果音(♪じゃじゃじゃ~~ん)
   周囲、暗くなり、スポットを浴びたマユミだけがその場に立ちすくむ。

○ある雑貨店
   マユミが友人ABと買い物をしている。
 
マユミ 「ねぇ Aさん、このクッキー可愛いと思う?」
友人A 「あらぁ オサレで可愛いわね」
マユミ 「こういうの お詫びにもらったら許してくれると思う?負担にならない?」
友人A 「ちょうどいいんじゃない?私なら 嬉しいわ。
    あらでも なにかお詫びをしなくちゃいけないようなことをしたの?」
マユミ「……ええ…ちょっと」
   
   マユミ、クッキーの箱を持って速攻でレジに向かう。

内輪ネタで恐縮ですが、初の試みとして挑戦してみました。
ちなみに 実在の人物とはすでに関係なくなっております。





コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
リアルマユミ (n)
2010-09-19 23:15:42
タイトルを見た瞬間、笑いました。
そして・・・本文を読んで・・・また爆笑。
数年経ったら、自分の中で、このショートショートが事実と入れ替わってるかもしれないと思うほどです。
いや、数年と言わず、数ヶ月後には「ほら!サヤカ(仮名)もいたじゃん!音楽聞いてたじゃん!あの時!」とか言いそうです(実際は彼女は不在だったのに・・・)
夫にも読ませましたら「もう少し脚色してもらっても良かったな」と言っておりました。
かなり、脚色されてるのにっ!!
でも、ドアを荒々しくしく閉めたことまでお話したかしら???
またネタになりそうなことが起きましたらご連絡致しますので、続編お願いします!(・・・いや、あまりひんぱんに起きると困ります・・・夫心の声)
 
 
 
★nさん (pm@管理人)
2010-09-20 06:50:15
アップしてしまってから
nさんと構築中の友情に亀裂が入ったらどうしよう…と心配になりつつ…。

わたくし的にはラストのシーンが一番書きたかったんですよ。
マユミが決して悪気があってしたんじゃなくて
ヨシダさんの奥さんに本当に申し訳ないと思ってお詫びの品を選ぶ…

ここにマユミの愛を感じたので
そこに行きつくまでを、ちょっと大げさに書いてみたかったんです。

あ あとは 自分がマユミだったら 
こうふるまうだろうなぁ という想像で描いてますので
ある意味 リアルマユミはわたくしかもしれません。

ぜひぜひまた ショートショート第2弾のネタ、
楽しみにしています。
 
 
 
ケータイ小説。 (chibi-pooh)
2010-09-20 09:01:43
まとめて製本いたしましょう(笑)

どうしてこうもうまく脚色して
文章が作れるのか不思議です(^^;;

やっぱり色々な本を読んでると違うんだな。と
昨日 久々に本を読んで自分の読解力の弱さを再認識した次第であります(^^;;
 
 
 
ケータイ小説。 (chibi-pooh)
2010-09-20 09:02:30
まとめて製本いたしましょう(笑)

どうしてこうもうまく脚色して
文章が作れるのか不思議です(^^;;

やっぱり色々な本を読んでると違うんだな。と
昨日 久々に本を読んで自分の読解力の弱さを再認識した次第であります(^^;;
 
 
 
★chibi-poohさん (pm@管理人)
2010-09-20 09:21:04
うーん これをケータイ小説と言っていいものか…。

今回のは登場人物のイメージがしっかりしていたので
一度話が始まると 勝手に動いてくれたのでこんな感じになりました。

読書量は関係ないよー
(まんがばっかり読んでるし)
 
 
 
直し (川柳マン)
2010-09-20 22:05:29
今晩は。少しだけ涼しくなりましたね。シナリオ拝読しました。自分が書きたい一つ先から書くとうまく書けるという先生の言葉がちょつとだけわかってきた今日この頃です。 このシナリオもいきなり吉田さんが主人公の家に訪ねて来る所から始まると良いのではないかと思います。なんてえらそうな事いっちゃつて。私の場合は2つ先から書き出すと丁度いいんですよね。何せ本題に入るまでが長いのでね。
 
 
 
★川柳マンさん (pm@管理人)
2010-09-21 00:15:37
ご指南ありがとうございます。

ご指摘の通り、ヨシダさんが訪ねてくるところからがほぼノンフィクション(笑)
それ以前の前ふりは潤色…フィクションということになりますので
まさに川柳マンさんのおっしゃる通りかと思います。するどい!
 
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