散歩写真をBGP(Back ground Photo)に
日々の徒然、主にたべもの。
わたしの居場所~M's Lunch Boxes



ちょうど一年前に手に入れたコーヒーミル。
とくにアンティークな感じのものではなく 機能性だけで選んだのがよかったのか
毎日飽きずに使うこと一年。

心のゆとりの部分で使っている道具なので
珈琲豆もいいものを選べばいいのに ついついけちなのでお安いお安いで有名な
某通販を利用していました。
100gずつの小分けになっているのも都合よいのですが
質のほうはお粗末で かすかすの豆。

美味しい珈琲はお外で飲めばいいか…

なんて言うのはちょっとさびしくもあり
先日 ちょっといい豆を奮発したら 案の定めちゃうま。

今お気に入りは やなか珈琲の豆。
お馴染みecuteにも出店しているので 買いやすくなりました。
こちら 生の豆をその場で焙煎してくれるので 豆がつやつやです。
そしてなにがちがうかと言うと 豆を挽くときの手の感触。

しっとりとしたこげ茶色の豆を挽くと
かすかすしたお安いお豆の時のように やっきになって挽かなくても
自然にさらさらとハンドルが回ります。

さらさら…さらさら…

ふと思い出した 珈琲噺があります。 ちとお付き合いください。


大学生活も終わりに差しかかったころのお話です。

陽も傾きかけた秋の午後、キャンパスを歩いていると友達のなーちゃんに会う。
当時は 携帯だのメールだのないから 
偶然出会った友達と授業のない午後を過ごしたりするのが常。
いまどこ?なんて連絡はあり得なかったのが不思議な気がする。

「pちゃん授業ないよね、お願い手伝って欲しいの 一緒に来て」
半分拉致状態(笑)でなーちゃんに付いて行く。

学校の裏側の道をてくてく歩いて行く。
そこで聴いた唯一の情報は
同じ寮の友達が恋人と借りている隠れ家が近くにあるのだが
最近そこが彼の奥さんに見つかってしまったらしい。
(ちなみに その彼女とは わたくしは数回あっただけの顔見知り程度)
彼女の実家にもその関係が知られてしまい 実家に一時的に連れ戻されたとのこと。

当然 携帯だのメールだのないから(ひつこい)
ふたりは一切連絡が取れなくなるわけだ。

   ここまで書いていて 昔は携帯だのメールだのがなかった分
   色々なことが複雑に進行したのだと思う。

さて 実家で軟禁状態の彼女、なんとか寮のなーちゃんと連絡を取れたらしい。
で その隠れ家に行って 彼女の持ち物をすべて引き取ってきて欲しいと鍵を預かった。

女子大生と言ってもまだまだ純真だったわたくし
そんな渡辺淳一先生の小説のような(笑)展開に驚く。

裏通りの小さなアパートの階段、足音を忍ばせて昇り小さなお部屋の扉を開ける。

きちんと整頓された部屋の中から 女性のものと思わしきものを
ふたりで片っ端から持参した紙袋に突っ込んで行く。
その間も だれか来たらどうしようと ドキドキしながら。
自分でも一体なにをわたくしやっているんだ?と思いながら…。

大きな紙袋をぶら下げてアパートを後にしながら
割と平凡だった学生時代に残った数少ない出来事のひとつを記憶にとどめる。

そのまま なーちゃんが「お礼にコーヒーをご馳走する。
きっとpちゃん好きだと思う。私も行きたいんだけど1人じゃ入りにくくて」と
黒を基調にしたオサレな 壁一面の棚に色とりどりのカップの並んだ珈琲屋さんに連れて行ってもらった。

挽いてもらう豆を選び カップを選んで
言葉少なくふたりでカウンターに座っていたのを思い出す。
不思議とこの時は ほとんど会話することもなく
自分たちのしたことが いいことなのか悪いことなのかもわからないまま
傾きかけた日差しと 大きな紙袋だけが妙に記憶に残っている。

多分このころからコーヒーは必ずブラックで飲むようになったのではないかと思う。

携帯もメールもなかった時代の 小さな想い出話です。

以前にも同じような枕で書いてましたね。



コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )



« イイマワシ ベーグルランチと »
 
コメント
 
 
 
素敵な想い出 (n)
2012-03-19 14:17:25
今、ドタバタ韓国旅行の話を書きながら、ふっとこちらにお邪魔してみました。
すごく素敵よ!この話。すごく好き。

>きちんと整頓された部屋の中から 女性のものと思わしきものを
ふたりで片っ端から持参した紙袋に突っ込んで行く。

ここらではもう、一緒になってドキドキしました。
もっぱら友人達の色恋沙汰を聞く側で、たまにそういうのに巻き込まれたりしたことをなつかし思い出したりしました。
韓国旅行日記を書き終えたら、そういう話を書きたいと思いました。
そして・・・

>自分たちのしたことが いいことなのか悪いことなのかもわからないまま
傾きかけた日差しと 大きな紙袋だけが妙に記憶に残っている。

ここ、すごく好きよ。
ワタクシの場合は、彼氏を寝取られた和子ちゃん(仮名)が泣きはらした目を隠す大きなサングラスをかけてうちにきたことだけが妙に記憶に残ってるなあと思い出したりしました。
またキャスティング欲が沸々と沸く素敵なお話だったわぁ~
 
 
 
ホントに素敵! (るい)
2012-03-19 15:45:57
読みながら、少しセピアがかった青春の情景がどんどん思い浮かんできました。
絵心があったら少女漫画にしたいぐらい……とっても素敵です!

アンド、これはぜひ、nさんにキャスティングをお伺いしたい!と思っていたら、そういうコメントを早速されていて、ちょっと嬉しかった(笑
 
 
 
★nさん (p管理人)
2012-03-20 10:04:32
お帰りなさい。

そしてありがとうございます。
今でもあの時のどきどき感だけが記憶に残ってます。
リアルなーちゃんからも「読んだ」とメールがあり懐かしい思いをしました。

さてさて どんなキャスティングをしていただけるのかしら?
なーちゃんも楽しみにしています(笑)
韓国旅行記もよみたいけれどこれも知りたい。
今回のわたくしは誰っ? 誰っ?

関係ないけど 「カーネーション」の江波杏子さんは ナイスキャスティングだと思いません?(ニホンニイナイアイダニハナシハススンデイルノダ)
 
 
 
★るいさん (p管理人)
2012-03-20 10:07:59
こちらもお帰りなさい。
お疲れさまでした<n親子のお守り(爆)

ありがとうございます。
>絵心があったら…
わかりますぅ わたくしも絵が上手だったら漫画家になりたかった少女だったので…。

やっぱりnさんのキャスティング 見たいですよねっ ねっ…
(ト ココデモプレッシャーヲカケテミル)
 
 
 
Unknown (桜子)
2012-03-20 17:16:46
私も片時も携帯電話を手放さない息子を見て
よく自分が学生だった頃のことを思い出します。

一番の違いは待ち合わせ。
「○時くらいに○○駅で」とかすごくアバウト。
昔は一度すれ違ったらもう連絡なんか取れなかったし・・。

やっとの思いで好きな人の家に電話しても
不在で・・そのまま終わったり。

でもそれはそれで色んなドラマも生まれてたな・・
なんて思ったりして、アナログ時代も懐かしいです^^
 
 
 
★桜子さん (p管理人)
2012-03-21 09:58:29
自分も今とてもアバウトな約束をしているのに驚きます。
かつては 「渋谷ハチ公に触れる場所にいて!」とピンポイントな約束をしていたと言うのに(笑)
結局会えなくて 自宅に電話しても本人はもちろんいないし。

携帯のない青春 これはもう遠くになってしまったものの
ばあさんの昔話と言われつつも 語ってしまうのです(トオイメ)
 
 
 
満を持して・・・ (n)
2012-04-08 15:53:52
大変長らくお待たせ致しました(・・・誰も待ってない?)
キャストを発表致します。
なーちゃん・・・仲里依紗
pちゃん・・・夏帆
軟禁状態の彼女・・・忽那汐里
その彼氏・・・大森南朋
その彼氏の、年上の妻・・・とよた真帆

しゃきしゃきした世話焼きさんのイメージのなーちゃんと、おっとりとしたpちゃん。
美人ではないが年齢不詳でミステリアスな感じの彼女。
そして、その魅力にとりつかれてしまった彼氏。
それまでは、年上のしっかりした妻と仲良くやっていたのに・・・
でも、妻は慌てる事なく冷静に処理し、彼は静かに家庭に戻っていく・・・

少し前に、娘から聞いた「おもしろツイッター」
*大森南朋で世の文化系女子の二割が死んだ。西島秀俊で三割、加瀬亮で残りの文化系女子がすべて滅びる.
この、3人ともが『どストライク』な我が娘。
これで、堂々と「文化系女子」を名乗って良しとする。
それから、今さらながらですが、江波杏子さんのキャスティングには唸りました。
夫に「このキャスティングは素晴しい」と大絶賛した直後にpさんのコメントを読み「やっぱりそうだよねえ~。」と大喜びしたのでありました。
長くなりましたが、もう一言だけ。
上の、キャスティングは、学生バージョンですが、
これを少し年齢を上げて
なーちゃんを観月ありさ
pちゃんをミムラにして中堅OLバージョンでも楽しめるかとも思いました。
 
 
 
☆キャスティング番長 nさん (p管理人)
2012-04-08 21:54:31
おっ 待ってました。

二人を取り巻くそれまでのストーリーまで展開している…すごい。
彼氏とかその妻のことまで考えていませんでしたよ わたくし。

個人的には 佐々木蔵之介さんとか谷原章介さんあたりを考えていたのですが
大森南朋さんはぴったりかも。
若い女子大生が なんで?と思うような感じなのに
なんとなくわかるわぁ と思う人もあり。

なーちゃん役の仲里依紗。
あっけらかんとしたコメディエンヌのイメージがあるけれど
黙っていれば可愛いルックスで
当時 美少女でモテモテだったなーちゃんに
なかなか匹敵するものがあるかも。
(リアルなーちゃん どうですか?)

ちなみに忽那汐里さんは 誰だかわからず
検索してきました。
「ちょんまげぷりん」が唯一視た作品なのでしたが
ほんとにチョイ役なので記憶になく…。

ミムラはおつうが割と好きだったらしくて
わたくしも大好きな女優さんなので
ぜひ OL編も見てみたいです(笑)

いやぁ nさんにかかると どんどんイメージが(妄想が)膨らむねぇ。
実に生産的なコメント(というより 本編と言っていいボリュームだ)
ありがとうございました。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。