「キングダム・オブ・ヘブン」試写会で一足お先に見てきました。
しかし僕は映画が好きなくせに理解力に欠けてるのか、
こういう時代物、コスチューム・プレイって、登場人物の区別がなかなかつかず、
なーんかお話がよくわからんことが多いんですよ、洋物和物を問わず。
で、本作も十字軍にまつわるお話で、エルサレムでの対立なんかが描かれるけど、
いやあ、ぼーっとしてたら、
どっちがキリスト教徒でどっちがイスラム教徒かわからんようになってしまってねえ、
みんなよく似た格好なんで。
しかしそれでも面白かったですよ。なんて言っても説得力ないか。
んと、まあ合戦シーンは迫力ありますよ。
かなりのスケールで、こりゃ見応えあります。
でもそれだけじゃあない、その後の結末がねえ、よかったんですよ。
どこがよかったかと言うと、えー、結末なもんで、以下ネタバレしますよ。
そもそもこのお話はキリスト教徒がエルサレムを占拠してる段階から始まりまして、
オーランド・ブルーム演じる主人公が、これが田舎の鍛冶屋なんですけど、
いきなり目の前にリーアム・ニーソン演じる騎士が現れまして、
「ワシはお前のお父ちゃんや、お前も一緒にエルサレムへ行かへんか」と言われるんです。
最初は断るけど結局行くことになって、
と思ったらお父ちゃんはあっという間に死んでしまって……となんやかんやありまして、
結局ブルームが軍を率いてイスラムの大軍と戦うことになります。
エルサレムの城壁の中で立てこもるキリスト側、攻めるイスラム側。
これが先に書いたようにスペクタクル満点で、面白かったです。
しかしなかなか決着がつかず、両軍とも疲弊してしまいます。
そこでブルームが敵側のトップと直談判します。
「もう戦いはやめような、条件を出せよ」
「あんたらがエルサレムから出て行きなはれ、ここはイスラムのもんやで」
「そんなわけにいくかいな。それなら火を放って灰にしてしまうで」
「おおっ、それは焦土作戦というやつか。お前はニッポン放送か?」
「とにかくエルサレムは渡さんぞ」
「中には女や子供もいるんやろ? それも含めて君たち全員の安全は保障するから、出て行きなはれな」
「……ほんまか?」
「ああ、安全にキリスト教国まで脱出させてやるさかい、出て行きなはれ」
「ほな出て行くわ」
とまあ、こんな感じで決着してしまいます。
そしてエルサレムから去るとき、再びイスラムのトップと顔をあわせたブルームは尋ねます。
「聖地に価値などありますのん?」
すると相手はこう返事します。
「そんなもんおまへん。せやけどそれがすべてですねん」
……ね、深いでしょ?
これだけの激しい戦闘を描いた作品で、こんなに拍子抜けした結末も珍しいかもしれませんねえ。
しかし拍子抜けとは言っても、それはキリスト教徒がわに肩入れして見た場合の話で、
単に戦争の結末と考えれば、これは現実的な、そしてひょっとしたら理想的な、最善の結末なのかも知れません。
聖地なんて所詮はただの象徴、それ自体に何の価値もない。
しかしそれを死守するのも奪還に命をかけるのも、すべてこれ自尊心、見栄でしかない。
……そんな戦いの愚かさ、虚しさを描きながら、まあとても多くの死者を出したとはいえ、
とりあえず戦いを終わらせることを選ぶ。
これは尊い行いですよ。
まあねえ、この際だからちょっと言ってしまいますけど、
そりゃね、「ここは日本の領土やで」とキチンと主張して、主権の回復を図る、
それは大事なことと思いますよ。そのことに文句はつけませんよ。
しかしねえ、領土をめぐる争いなんて、どこかで妥協して折り合いをつけないと決着しませんよ。
それか戦争にまで発展するか、どちらかですよ。
でね、今の日本で……いや、相手側もそうなんですけど、今はそれは置いといて、
今の日本で声高に主張してるナショナリストというのは、
己の理論、理屈はまくし立てるくせに、相手と物事を交渉して解決を図るなんてこと、
まったく考えてやがらんでしょ。
これがねえ、アホかと言うしかないんですよ、ホンマに。
その最たるものが島根県議会。
そりゃね、地方自治体には外国と交渉する権限なんかないでしょう、
だから県の立場もわからんではないですよ。
でもね、あそこの連中は、自分らには韓国と交渉する権限がないことを、残念と思ってるんでしょうかねえ?
いやいや、案外、めんどくさいことせずにすんで幸いとでも思ってるんじゃないでしょうか。
そういうことは国に任せて、自分らは条例作るだけ。
あんな条例で物事が解決しますか?
それどころか悪いほうへ転ぶだけでしょうが。
それをいい気になって、ただ自尊心を満足させるためだけにあんなことしてからに。
バカですよ、ホンマに。
だいたいねえ、もうついでだから言いますけどねえ、
あんな島根ごときのためにねえ、なんで僕ら都会に住むオシャレなシティボーイまで迷惑受けなきゃならんのですか?
裏日本の田舎者はおとなしくしとれっちゅーねん。
……って、これは言いすぎですねえ、いくらなんでも。
用語が不適切ですねえ、やっぱ。
あ、不適切と言えば、話を戻して「キングダム・オブ・ヘブン」の日本語字幕で
「らい」という言葉が使われてましたけど。漢字で(今変換できないけど)。
これはちょっと、ダメなんじゃないですか?
「ハンセン病」とすべきじゃないですかねえ、やっぱり。
うーん、そりゃ、時代背景を考えれば「らい」のほうがしっくりくるような気もしますけど。
昔の西部劇なんかで字幕に「先住民」とか出されても似合わないですしねえ。
でも、やっぱり、「らい」はアカンのと違いますか、戸田奈津子さん。
で、話が脱線……あ、これも今は不適切ですねえ。
えー、話が横へそれてしまって長くなってしまいましたけど、
監督のリドリー・スコット、以前の「ブラックホーク・ダウン」では、
アメリカ兵ばかり描かれてソマリア人がまったく描かれてないという批判があがりましたけど、
その点この「キングダム・オブ・ヘブン」はキリスト教徒、イスラム教徒の双方に目が配られていて、
いや、ひょっとしたらこれでも至らぬ部分があるのかどうか、それは僕にはわからないけど、
ハリウッドが今まで手を出さなかった十字軍という題材で、
今の世の中にも通ずるメッセージを持った作品を撮ってくれて、
うん、こりゃすごいなあと思いましたよ。
ただ、「ブラックホーク・ダウン」では兵士たちの目線で作られてたのに、
本作はまるっきり指揮官側からのそれで、一般の兵士や民衆なんかがさっぱり描かれてなかったのが残念でしたけど、
まあこれは、あちらを立てればこちらが立たずってやつで、
両立するのは難しいんでしょうかねえ、うむ。
そして、本作は20世紀FOX配給作品でして、
本編上映前に「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」の予告編も流れたんですけど、
これって、どうなるんかなあって不安なんですよ。
つまり1作目(「エピソード4」とは呼びたくないんですよねえ、ややこしいですけど)に繋がる結末を迎えるということは、
かなりのデッド・エンディングになることが予想され、
そんなのが30年近くもかけて作られたシリーズの最後を飾るのってどうなのよ?ってのがあるんですけど、
この「キングダム・オブ・ヘブン」がエルサレムを明け渡したところで終わる、
つまり次の十字軍遠征へと繋がる結末になってる、それでも面白かったということは、
「エピソード3」もそれなりに期待できるんじゃないか……そんな気がしてきました。
でもって実は僕は「スター・ウォーズ」より「スター・トレック」が大好きなんですけど、
この「キングダム・オブ・ヘブン」、エンド・クレジットを見てたらアレクサンダー・シディグの名前がありました。
彼はスター・トレックのシリーズ中唯一のアラブ系の主要キャストなんですけど、
まったく気付きませんでした。いったいどこに出てたんでしょう?
先日の「アビエイター」にもアンドロイドのデータ役のブレント・スパイナーが出てたんですけど気づかなかったし……ああ。
しかし僕は映画が好きなくせに理解力に欠けてるのか、
こういう時代物、コスチューム・プレイって、登場人物の区別がなかなかつかず、
なーんかお話がよくわからんことが多いんですよ、洋物和物を問わず。
で、本作も十字軍にまつわるお話で、エルサレムでの対立なんかが描かれるけど、
いやあ、ぼーっとしてたら、
どっちがキリスト教徒でどっちがイスラム教徒かわからんようになってしまってねえ、
みんなよく似た格好なんで。
しかしそれでも面白かったですよ。なんて言っても説得力ないか。
んと、まあ合戦シーンは迫力ありますよ。
かなりのスケールで、こりゃ見応えあります。
でもそれだけじゃあない、その後の結末がねえ、よかったんですよ。
どこがよかったかと言うと、えー、結末なもんで、以下ネタバレしますよ。
そもそもこのお話はキリスト教徒がエルサレムを占拠してる段階から始まりまして、
オーランド・ブルーム演じる主人公が、これが田舎の鍛冶屋なんですけど、
いきなり目の前にリーアム・ニーソン演じる騎士が現れまして、
「ワシはお前のお父ちゃんや、お前も一緒にエルサレムへ行かへんか」と言われるんです。
最初は断るけど結局行くことになって、
と思ったらお父ちゃんはあっという間に死んでしまって……となんやかんやありまして、
結局ブルームが軍を率いてイスラムの大軍と戦うことになります。
エルサレムの城壁の中で立てこもるキリスト側、攻めるイスラム側。
これが先に書いたようにスペクタクル満点で、面白かったです。
しかしなかなか決着がつかず、両軍とも疲弊してしまいます。
そこでブルームが敵側のトップと直談判します。
「もう戦いはやめような、条件を出せよ」
「あんたらがエルサレムから出て行きなはれ、ここはイスラムのもんやで」
「そんなわけにいくかいな。それなら火を放って灰にしてしまうで」
「おおっ、それは焦土作戦というやつか。お前はニッポン放送か?」
「とにかくエルサレムは渡さんぞ」
「中には女や子供もいるんやろ? それも含めて君たち全員の安全は保障するから、出て行きなはれな」
「……ほんまか?」
「ああ、安全にキリスト教国まで脱出させてやるさかい、出て行きなはれ」
「ほな出て行くわ」
とまあ、こんな感じで決着してしまいます。
そしてエルサレムから去るとき、再びイスラムのトップと顔をあわせたブルームは尋ねます。
「聖地に価値などありますのん?」
すると相手はこう返事します。
「そんなもんおまへん。せやけどそれがすべてですねん」
……ね、深いでしょ?
これだけの激しい戦闘を描いた作品で、こんなに拍子抜けした結末も珍しいかもしれませんねえ。
しかし拍子抜けとは言っても、それはキリスト教徒がわに肩入れして見た場合の話で、
単に戦争の結末と考えれば、これは現実的な、そしてひょっとしたら理想的な、最善の結末なのかも知れません。
聖地なんて所詮はただの象徴、それ自体に何の価値もない。
しかしそれを死守するのも奪還に命をかけるのも、すべてこれ自尊心、見栄でしかない。
……そんな戦いの愚かさ、虚しさを描きながら、まあとても多くの死者を出したとはいえ、
とりあえず戦いを終わらせることを選ぶ。
これは尊い行いですよ。
まあねえ、この際だからちょっと言ってしまいますけど、
そりゃね、「ここは日本の領土やで」とキチンと主張して、主権の回復を図る、
それは大事なことと思いますよ。そのことに文句はつけませんよ。
しかしねえ、領土をめぐる争いなんて、どこかで妥協して折り合いをつけないと決着しませんよ。
それか戦争にまで発展するか、どちらかですよ。
でね、今の日本で……いや、相手側もそうなんですけど、今はそれは置いといて、
今の日本で声高に主張してるナショナリストというのは、
己の理論、理屈はまくし立てるくせに、相手と物事を交渉して解決を図るなんてこと、
まったく考えてやがらんでしょ。
これがねえ、アホかと言うしかないんですよ、ホンマに。
その最たるものが島根県議会。
そりゃね、地方自治体には外国と交渉する権限なんかないでしょう、
だから県の立場もわからんではないですよ。
でもね、あそこの連中は、自分らには韓国と交渉する権限がないことを、残念と思ってるんでしょうかねえ?
いやいや、案外、めんどくさいことせずにすんで幸いとでも思ってるんじゃないでしょうか。
そういうことは国に任せて、自分らは条例作るだけ。
あんな条例で物事が解決しますか?
それどころか悪いほうへ転ぶだけでしょうが。
それをいい気になって、ただ自尊心を満足させるためだけにあんなことしてからに。
バカですよ、ホンマに。
だいたいねえ、もうついでだから言いますけどねえ、
あんな島根ごときのためにねえ、なんで僕ら都会に住むオシャレなシティボーイまで迷惑受けなきゃならんのですか?
裏日本の田舎者はおとなしくしとれっちゅーねん。
……って、これは言いすぎですねえ、いくらなんでも。
用語が不適切ですねえ、やっぱ。
あ、不適切と言えば、話を戻して「キングダム・オブ・ヘブン」の日本語字幕で
「らい」という言葉が使われてましたけど。漢字で(今変換できないけど)。
これはちょっと、ダメなんじゃないですか?
「ハンセン病」とすべきじゃないですかねえ、やっぱり。
うーん、そりゃ、時代背景を考えれば「らい」のほうがしっくりくるような気もしますけど。
昔の西部劇なんかで字幕に「先住民」とか出されても似合わないですしねえ。
でも、やっぱり、「らい」はアカンのと違いますか、戸田奈津子さん。
で、話が脱線……あ、これも今は不適切ですねえ。
えー、話が横へそれてしまって長くなってしまいましたけど、
監督のリドリー・スコット、以前の「ブラックホーク・ダウン」では、
アメリカ兵ばかり描かれてソマリア人がまったく描かれてないという批判があがりましたけど、
その点この「キングダム・オブ・ヘブン」はキリスト教徒、イスラム教徒の双方に目が配られていて、
いや、ひょっとしたらこれでも至らぬ部分があるのかどうか、それは僕にはわからないけど、
ハリウッドが今まで手を出さなかった十字軍という題材で、
今の世の中にも通ずるメッセージを持った作品を撮ってくれて、
うん、こりゃすごいなあと思いましたよ。
ただ、「ブラックホーク・ダウン」では兵士たちの目線で作られてたのに、
本作はまるっきり指揮官側からのそれで、一般の兵士や民衆なんかがさっぱり描かれてなかったのが残念でしたけど、
まあこれは、あちらを立てればこちらが立たずってやつで、
両立するのは難しいんでしょうかねえ、うむ。
そして、本作は20世紀FOX配給作品でして、
本編上映前に「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」の予告編も流れたんですけど、
これって、どうなるんかなあって不安なんですよ。
つまり1作目(「エピソード4」とは呼びたくないんですよねえ、ややこしいですけど)に繋がる結末を迎えるということは、
かなりのデッド・エンディングになることが予想され、
そんなのが30年近くもかけて作られたシリーズの最後を飾るのってどうなのよ?ってのがあるんですけど、
この「キングダム・オブ・ヘブン」がエルサレムを明け渡したところで終わる、
つまり次の十字軍遠征へと繋がる結末になってる、それでも面白かったということは、
「エピソード3」もそれなりに期待できるんじゃないか……そんな気がしてきました。
でもって実は僕は「スター・ウォーズ」より「スター・トレック」が大好きなんですけど、
この「キングダム・オブ・ヘブン」、エンド・クレジットを見てたらアレクサンダー・シディグの名前がありました。
彼はスター・トレックのシリーズ中唯一のアラブ系の主要キャストなんですけど、
まったく気付きませんでした。いったいどこに出てたんでしょう?
先日の「アビエイター」にもアンドロイドのデータ役のブレント・スパイナーが出てたんですけど気づかなかったし……ああ。
時代背景から「らい病」という表現を使用したが、今はハンセン病と呼ばれ、この病気により作品中のように顔が崩れてしまうようなことはないと分かっている。
それは英語の字幕で出てたってことですか?
それなら日本語の訳をつけといてくれないと、戸田さん。
そう言えば昔、「十戒」か何かの映画で「レプラ」って字幕が出てましたけど、
あれが「らい」に当る表現なんでしょうねえ。
エンドロールがほとんどなかったので、エンディングの後すぐって感じでした。
出入りしている試写会情報掲示板によると、戸田女史がまた誤訳をやらかしてるらしいし(私の英語力ではまったくわからないんですが)、エンドロール最後まで観る派なので、私も完全版でちゃんと観たいです・・・。
僕の見たのは長々とエンド・クレジットが出てたんですけど、
その日本語の説明は出なかったです。
試写会のプリントっていろいろあるみたいですねえ。
「ロング・エンゲージメント」試写会で見たときは、
日本語と英語の字幕が付いてましたよ。
戸田さんの訳で言うと、
「5 years later」とか字幕が出るときによく
「それから5年後」って出るでしょ。
あれ、なんか気になるんですよねえ。
「それから」はいらんやろ、って。
早速お邪魔させて頂いてびっくりしております。
あの映画から竹島問題まで・・・
ぽんぽこさん、奥が深いです。
でも私もあのイスラム王のセリフは好きでした。
稚拙なブログですが、こちらからもTBさせて頂きます。
いえいえ、なんか、こういうことを関連付けてみたりするのが好きなだけです。
でも、やっぱりあのイスラム王のセリフが、
世の中のあらゆる戦争の本質をひとことで言い表してると思いました。
そんな目立ってた役だったんですか~。
それなのに気付かなかったとは、ああ情けない。
ドクター・ベシアと同じく、自分の身について偽ってた役ですね、なるほどなるほど。
こちらからもトラックバック貼らせていただこうと思うのですが、
いくらやっても全然貼れません・・・。
なんででしょう? こちらのやり方が間違ってるんでしょうか?
そちらにはコメント欄がないので、とりあえずこちらでお詫びを・・・。
映画は、2度以上みないと、いろんな事がわかりませんね~。
特にこういう難しい映画は、何度か観て、発見すること多し。
特に、「キングダム・・・」は、オーリーの美しさと凛々しさにやられて、ストーリーよりそっちばっかり気にしてしまいました^^;