モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

バイバイ

2005-09-30 22:55:59 | 「ファイト」倶楽部
実は昨日は気付かなかったんですけど、
優があのつなぎを着るのは村上厩舎を辞めて以来ですから……
約1年ぶりのことなんですよねえ。
ずっと優が持っていたんでしょうかねえ?
いや、本来ならもっと感慨があったりするんでしょうけど、
なんか最近、展開が早くて、時間の経過がよくつかめなかったりして……

さて、村上先生と太郎の話し合いを待つ優、
こうやってジョンコと向かい合っていれば不安は紛れるようだけど……
やがて出てくる先生。
そちらへ近づく優「太郎さん……北海道に行くんですか?」
「行がねえって言ってる」
優を見つめ、そしてその向こうのジョンコを見やる先生、
「ジョンコの世話、してぇんだと」
じっと先生を見つめる優「……え?」

その夜、バネ工場ではひとり残って機械の手入れをしている啓太さん。
そんなお父さんをしばし眺め……やがて中に入る優。
気付いた啓太さん「どうした?」
「お父さんさ……工場がストップしたとき、他の仕事してたよね?」
「ああ」
「どんな感じだった?」
「そりゃあ、バネの仕事がしたくて仕方なかったよ」
手を休めて優に向き合う啓太さん、
「この仕事してない自分は、自分じゃないみたいだったし……」
じっと啓太さんを見つめる優。
「……それがどうかした?」
笑顔を浮かべる優「ううん……戻るね」
笑顔で見送り、また手入れに戻る啓太さん。
やがて振り返り、そんなお父さんをじっと見つめる優……
ちなみに今日は亜沙子さんの出番なしで、
これで啓太さん、亜沙子さんともに欠席2回となりましたか。
皆勤賞は優ちゃんで、
4番手は……やっぱり檀君かなあ?

それはさておき、
厩務員室の土間のところのテーブルで「ジョンコの日誌」を閉じる優、
「レストランの仕事、どう?」
優の背後で着替えていた太郎「どうって?」
「楽しい?」
「そりゃあな、仕事にも慣れたし」
「太郎さん、レストランの仕事はじめるとき言ってたよね……」と背後に語りかける優、
「いつかまた馬の仕事したいって……絶対馬の仕事するって……」
「ああ」
「じゃあ……どうして北海道行かないの?」
「え?」
「また馬の仕事ができるチャンスなんじゃないの?」
「お前、何が言いたいんだよ……」
「……ジョンコの世話があるから北海道、行けないんじゃないの?」
目を伏せて語りかける優、
「ジョンコの、乗馬用の馬にする訓練まだ終わってないから、太郎さん北海道行けないんじゃないの?」
「俺は、ジョンコの世話をしたいんだよ……」
「……ウソ」
立ち上がり、太郎に向き直る優、
「ホントは北海道に行きたいはずだよ」
「そんなことないって……」
太郎をじっと見つめて語る優……
太郎さんは馬の仕事してるから太郎さんなんだよ、
馬の仕事してない太郎さんは、太郎さんじゃないよ、
だから、太郎さんは、北海道行ったら?
私は……馬の仕事してる太郎さんが、好きなんだから……
目を伏せ、やがて荷物を持って出て行く優。
残された太郎……やがて馬房の前でポカーンと座り込んでしまって、
そんな太郎に心配そうに顔を寄せるジョンコ。
おっ、気付けば馬房にはまたプレートがちゃんとかかってますねえ。
しかしアングルによって馬主欄が違って見えるような気が……
いや、そんなことはどうでもよく、
優の言葉を反芻する太郎……
私は……馬の仕事してる太郎さんが、好きなんだから……

ジョンコの引き運動をする優。
そこへ現れる太郎、
「話がある」
立ち止まる優。
やがて厩務員室で向かい合う2人。
「なあ、夏休み、大学ないんだろ」と太郎。
「うん」
「夏休みの間に、お前に馬のこと教えるから」
太郎を見つめる優。
「……9月から北海道で働くことにした」
一歩、優に近づく太郎、
「北海道に行くまで、お前にひとつでも多く馬のこと教えるから」
ゆっくりと笑みが浮かぶ優、
「はい……よろしくお願いします」
頭を下げる優に、笑顔で頷く太郎。

「元競走馬を乗馬用に調教するには、まずこうやって落ち着いて運動させることを覚えさせなくちゃいけない」
乗馬の練習場でジョンコを歩かせる太郎。
「はい」と、彼の言葉を真剣に聞く優。
「そのために、こうやって調馬索でゆったりとした円運動をさせるんだ」
「はい」と優。
……ああ、馬を引くときに持つ綱、
今まであれも「手綱」やと思ってましたけど、
「調馬索」って言うんですねえ。
知りませんでしたわ。
「はい」と、優ちゃんと一緒に教わるぽんぽこ山。
やがて、その調馬索を手にし、ジョンコに円運動させる優。
「調馬索を手綱と同じように持って……」と太郎。
「はい」と優。
「はい」と、違いのわかったぽんぽこ山。
そうやって太郎の指導は続き……
やがて馬房のジョンコに飼い葉を食べさせる優。
慣れない調教に緊張していたのが解けたのか、
ものすごい勢いで喰らいつくジョンコ。
そんなジョンコに微笑む優。
と、やってきた太郎、
「乗馬馬は競走馬に比べて運動量が少ないから、その運動量に見合った飼い葉の量を与えなくちゃいけない」
そう言って桶の中からごそっと抜き取る、ニンジンの混じった飼い葉。
「はい」と優。

……と、馬に関しては厳しい太郎、
しかしある夜、厩舎で開かれる花火大会。
里夏と岡部も招いて4人で興じる楽しいひと時。
太郎も、優も、みんな大はしゃぎ……
しかし、夜中にあんなに騒いでジョンコには影響ないんかいな?
まあ知らんけど。

そして、村上厩舎での太郎の最期の日。
馬房のジョンコの身体にブラシをかける太郎。
その前でニンジンをすりおろす優。
そこへやってくるのは琴子さん。
やはり来週パリへ発つという琴子さんと、
久し振りに厩務員室で話しこむ太郎。
「優ちゃんと離れちゃうのね……」と琴子さん。
「最初はこっちに残ろうと思ったんだ、あいつのためにジョンコを調教したいって」と太郎、
「でもあいつ俺に言ったんだ、馬の仕事をしてほしいって……」
太郎を見つめる琴子さん、
「馬の仕事をしていない俺は、俺じゃないって……その通りだと思ったから……」
「……うん」
笑顔で頷く琴子さん。

やがて、琴子さんを並んで見送る優と太郎。
「2人のいい知らせを待ってるから」
「へっ?」揃って訊きかえす2人。
「ううん、じゃあね、バイバイ」
「さよなら」と優。
「バイバイ」と太郎。
2人に頷き返し、去っていく琴子さん。
……そして、馬房のジョンコに向き直る2人。
「さて、最後の練習やるか」と太郎。
「はい」と優。

棒を3本並べ、
それをジョンコに軽やかに跨がせて、円運動させる優。
調馬索の扱いもすっかり慣れたもの。
「よーしいいぞ、ここまで!」
やがて練習を終える太郎。
声をかけてジョンコを止まらせる優。
そして、優の前に立つ太郎……
「お前、よくやったよ!」
一瞬、泣きそうな表情を浮かべる優……しかし笑顔を見せ、
「はい、ありがとうございました!」
深く頭を下げる優、
やがて見つめ合う2人……

そして日も暮れた厩務員室。
上がり框に座る太郎。
着替えを終えて、彼の前に立つ優。
しばし、目を伏せる2人……
やがて太郎、明るく「帰るか!」
頷く優、立ち上がる太郎を正面から見つめ、
「私の夢が叶ったら……ジョンコ牧場ができたら、見に来てくれますか?」
じっと見つめる太郎。
「お願いします、見に来てください」
「ああ、見に行くよ」と笑顔の太郎。
笑顔になる優「ありがとうございます」
そして並木道に出る2人、
立ち止まり……
「じゃあな」と太郎。
「お気をつけて」と優。
「バイバイ」
「バイバイ」
笑顔で別れる2人。
別れて、背を向けて歩き出す2人。
ともに口元を引き締め、じっと前を見据えて歩く2人。


そう、ここ数週間の展開の早さは、
戸惑わされるばかりでなく、もったいないなあ……ってのがあるんですけど、
前にもちょっと書きましたけど、今はエピローグに差し掛かってるんですよねえ。
「アメリカン・グラフィティ」などのラストに出てくる、
登場人物たちのその後を紹介する字幕。
まるであれを壮大なるドラマに仕立て上げてるようなもんなんですよねえ、
今の「ファイト」は。
しかも、決して続編的なものになってるわけではなく、
当初から描いてきたものがずっと引き継がれていて、
そしていよいよ最終回が目前にきた今、
より一層、これまでのことが思い返され……
啓太さんにバネの仕事を諦めさせなかった優。
太郎に馬の仕事を諦めさせない優。
太郎の本当の気持ちを理解し、中央の競馬学校を諦めさせた優。
そしてやはり今、ジョンコの世話を諦めさせる優。
……そんな優を、今は温かく見守る琴子さん。
そして村上先生は、以前のように水筒を持ち歩き……
いや、それはまあ、どっちでもいいんですけど、
それより……優の告白。
以前は勢い余って口から出てしまった、太郎への想い。
今回はキチンと伝えようと思っていたけど……

私は……馬の仕事してる太郎さんが、好きなんだから……

以前、自分の気持ちを啓太さんなどに伝えるときに、
よく檀君をダシにしていた優。
今回もまた、本当の想いを微妙にすりかえて告げる優。
しかしそれも、やはり本当の想いであり……
そして、馬のことを優にみっちりと教える太郎。
それは太郎の願いだったことであり、
もちろん優にとっても……
それが終わった今、
優の、太郎の将来は……
ああ、明日はいよいよ、本当のエピローグが描かれるんでしょうか。
いよいよ、本当に完結してしまうんでしょうか。
明日という日がくるのを、これほど未練がましく思ったことはなかったですよ。
それでも迎えなければならない明日、
10月1日は最終回。
「てるてる家族」の最終回はみんな揃って歌って踊って、
ご陽気なグランドフィナーレに涙が止まらなかったっけ……
ああ、ああ……
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やさしいえがお

2005-09-29 21:49:50 | 「ファイト」倶楽部
「ジョンコが、村上厩舎に戻ってくることになりました」
夕食の席で、笑顔で報告する優。
ポカンとする一同。
行き場がなくなったジョンコを西郷さんが買ってくれた、
餌代などジョンコにかかる費用は全部西郷さんが出してくれる、と説明する優。
「えっ、すごいな西郷さん」
と、実質的には珠子さんの財力に感心する啓太さん、
「あ、それで優が世話するのか?」
朝と夕方は私が行って昼間は太郎さんが来てくれる、と優、
「大学にも、ちゃんと行きます」と笑顔で宣言。
それを聞いて安心する啓太さん、
亜沙子さんともどもよかったよかった。
ジョンコの応援歌のサビを歌う檀君。
「明日から~ジョンコの世話ができるぅ~!」と嬉しさのあまり口ずさむ優。

その夜、啓太さんが寝室に入ると……
「お、優のグローブ……どうしたの?」
「荷物整理してたら出てきたの」
それを左手にはめ、磨いてやる亜沙子さん、
その手つきは、まるで自身も中学時代にソフトボールをやってたかのような慣れたもの。
「優、もうキャッチボールすることもないのかなあ……」
寂しそうな啓太さんに、そんなことないんじゃない?と亜沙子さん……
高校に行けなくなったり、大好きなソフトができなくなったり、
いろいろ辛い思いしたけど、
でも今の優、すっごく活き活きしてる……
これからだって辛いことがあるかもしれない、
でも、この家に帰ってくればホッとできる、
そんな家庭であり続けるように、私が守るから……
そう語る亜沙子さんを見つめる啓太さん、
「よろしくお願いします」とペコリ。
……あんたも守らんかい!などと突っ込むこともせず、
笑顔で頷く、余裕の亜沙子さん。
やがて、グローブを見つめ、
思いをめぐらせる啓太さん……。

「ジョンコ、今日からまたよろしくね」
馬房でジョンコと向き合う優、
「ねえ、これは夢の始まりかなあ?」
じっと見つめ返すジョンコ。
「私ね、いつかジョンコ牧場を造りたいんだ」
なんじゃそりゃ?と言いたげなのかジョンコ、ブルルッと鼻息。
「そこでジョンコと一緒にみんなを元気にしてあげるの」
ああ、そういうことですか、ならアタシもお手伝いいたします、
そう言いたげなのかしきりに首を振るジョンコ。
やがてジョンコを洗ってやり、引き運動をする優。
馬房に戻し、柵をはめ……
1対1の優とジョンコ。
2人だけの厩舎。
……と、背後から優を呼ぶ声。
振り返るとそこには啓太さん。
彼の手にしているものに気付く優……
グローブを投げる啓太さん。
それを受け止める優、
手にはめ、つぶさに眺め、
こぶしを作りぱん、ぱん、ぱん。
ボールを掲げ、微笑む啓太さん。

そして、走路に出る2人。
放物線を描いて緩やかに飛び、グローブに収まるボール。
「ホントよかったなあ、ジョンコのこと」と啓太さん。
「うん」
「いろんな人に助けてもらってこういうことができてんだからな」
「……わかってます!」
力を込めて投げる優。
「まあ、俺もだけど……」
「……ジョンコのことだけじゃないよ」と優、
「工場のこととか、学校行けなくなったときのこととか、ホント、いろいろ助けてもらった」
頷き、力を込めて投げる啓太さん。
まっすぐに飛ぶボール。
「久し振りだなあ、キャッチボール」と啓太さん。
「3年ぶりぐらい?」と優。
見つめ合う2人、
3年前のことが思い返され……

啓太さんが記者に話したことを、涙ながらに責める優。

報道陣に囲まれる啓太さん、
向こうから見守る優と目が合い……

今日の決勝戦が終わったらソフトを辞めると告げる優。

ホーム目指して駆ける優、
優勝が決まり、応援していた啓太さんに満面の笑みを向け……

学校に行けず村上厩舎にいるところを、啓太さんに見つかる優、
「ごめんなさい」としか言えず……

自分のこと、これからのこと……いっしょう懸命考えるから……
それと……お父さんのせいじゃないからね……

もう治らなくてもいいなんて言わないで……
バネを作れるように、絶対に治して……

「やったじゃん!」
「うん!」
バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!……

3年前にはじまった、優と啓太さんの物語。
様々な出来事に思いを馳せ……
そして今は、笑顔を交わす2人。
笑顔でボールを交わす2人。

「明日筋肉痛かなあ……」
その夜、寝床で右腕をさする啓太さん。
「無理したんじゃないの?」と亜沙子さん。
「そんなことないよ、これぐらいまだまだ」
「よかったね、優とまたキャッチボールができて……」
頷く啓太さん、天井を眺めて思うのは……
それともうひとつ、パンダの場面が回想されなくてよかったなあ……

ある日、ジョンコに飼い葉をやる優。
その姿を背後から見つめるのは、やってきた岡部。
なぜか優に声をかけるのがためらわれているようで……
やがて、がらんとした厩務員室に通され、
ペットボトルのお茶を出される岡部。
「今日は彼女とデートじゃないの?」
お茶を吹きそうになる岡部、笑顔で「うん」
「ふ~ん……」と優。
「よかったね、太郎さんここ手伝ってくれて」と岡部。
「うん……嬉しかった、ジョンコのためにやってくれてるんだなあって」
「……ジョンコだけのためかな?」
岡部を見る優。
「優のためでもあるんじゃない?」
「……へっ?」
優に向き直る岡部「優のことを好きなんじゃないかなあって」
笑い出す優「何言ってんの……」
「違うかな?」
「違うよ」
「俺はそうだと思うけど」
「……太郎さんの気持ちより、私の気持ちだよ」
自分を見つめなおすかのような優、
「もう1回、ちゃんと自分の気持ち伝えてみようかな……」
そんな優を見守る岡部。

やがて、鬼塚のクラブではポニーを洗ってやる優。
仕事も終わり、
出番も少ないのに、役名も名字しかないのに、
なぜか新聞読みながらすね毛をボリボリ掻くという、
臨場感溢れる演技を見せる鬼塚に挨拶して、クラブを後にする優。
何か決意を固めたような表情で村上厩舎へ向かい……
馬房に近づくと、そこでは話し込む村上先生と太郎。
「北海道へ行ぐ話、どうした?」
「まだ返事をしてません……」
そう答え、はっと優に気付く太郎。
振り返る先生。
「……ほ、北海道って?」
「北海道の牧場でスタッフに空きが出たから来ないかって誘われてるんだ」
困惑した様子で先生に目を移す優。
じっと見つめ返すだけの先生。
やがて太郎に目を移し、少し口元をほころばせる優。
真剣なまなざしで見つめ返す太郎。
優の表情から笑みが消え……
やがて厩務員室に向かう先生。
優のことを気にしつつ、その後を追う太郎。
ひとり残される優。

今日はもう、優とジョンコの、優と啓太さんの姿にしんみりと、
感傷に浸らされました。
しんと静まり返った厩舎で向かい合う優とジョンコ、
寂しげな光景ながら、そこに流れる空気は濃厚で……
そしてキャッチボールの合い間に挿入される、優と啓太さんの間の出来事。
他にもいろいろな場面が思い起こされてしまって……
仲居として働く優に初めて会った啓太さん、
別れ際に言ったのは「感謝するんだぞ」でしたっけ。
その後の辛い日々もそれぞれに乗り越え、
もう一度、優とキャッチボールしたいという夢が叶った啓太さん。
ジョンコ牧場への夢を叶える、その始まりに立つ優。
……今日が第160回。
いよいよ残すところ後2回となってしまった「ファイト」、
そして、残された夢は……
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おかえりジョンコ

2005-09-28 22:48:56 | 「ファイト」倶楽部
「行くか、一緒に?」
「え、北海道?」
昨日のおさらいと、牧場のイメージショット2カットを経て、
早くもたどり着いた北海道の、ジョンコのいる牧場。
広い厩舎は薄暗く、ジョンコの姿は見えず……
きょろきょろする優と太郎。
と、遠くから聞こえてくる蹄の音。
振り向く優。
ぱっか、ぱっか、ぱっか、ぱっか……
やがて、引かれてやってくる馬のシルエットが現れ……
太郎も振り返り、そしてその馬に光が射し……
「ジョンコ……」
歩み寄る優と太郎、その顔に笑みが広がり……
ジョンコと対面する2人。
つれてきてくれた厩務員さんから手綱を受け取る太郎。
「ジョンコ……」
笑顔で鼻面を撫でてやる優。
太郎も首の下を撫でてやり……
そして、横から抱きしめる優。
ジョンコの身体に笑顔を摺り寄せる優。

そのころ、駒乃館を訪れる啓太さんたち。
工場の創業50周年記念旅行だそうで、従業員さんたちも一緒。
とは言っても家族連れは木戸家だけで、
中村さんの妻子は今回はお留守番。
元従業員の志乃ちゃんは、子供を預けて特別参加でしょうか、
「温泉!温泉!」と大はしゃぎ。

場面変わって……その夜、
早くも村上厩舎に戻る優と太郎。
北海道日帰りも強行軍なら、その描写も負けず劣らずの強行軍。
鍵は預かってたのかどうかわからないけど、
戸を開けて入り、がらんとした厩務員室を寂しそうに眺める太郎。
優は携帯を取り出し亜沙子さんに連絡、
「今、高崎に戻ったから」
「もう、北海道に行くなら行くってひとこと言いなさいよ!」
駒乃館の、先日琴子さんが改装した部屋で小言を返す亜沙子さん。
傍らでは切り絵にいそしむ檀画伯。
琴子さんもゲージの中の哲也君と遊んでます。
「ごめんなさい……」
謝る優に、心配そうな亜沙子さん「もしかして、ひとりじゃないの?」
「うん……太郎さんと一緒にいた」
優を振り返る太郎。
「え、そうなの……?」
「う、うん、じゃあね」と話を終える優。
「優、戻ったって。太郎さんと一緒だったって言うのよね……」
気がかりそうな亜沙子さんに「へえ~」と訳知りな様子の琴子さん。
「前から気になってたんだけど、優、太郎さんのこと好きなんじゃないかなあって……」
耳に入ってるのかいないのか、哲也君と遊び続ける琴子さん。
「あ、琴子、何か知ってる?」
振り向く琴子さん「そりゃ優ちゃんだって好きな人ぐらいいるんじゃないの?」
「やっぱり太郎さん?」
悪戯っぽく微笑む琴子さん「太郎さんだったら?」
ため息を吐く亜沙子さん「やっぱり太郎さんなんだ……」

さて、そんな亜沙子さんを除く木戸バネ製作所御一行の前で、
大女将・絹子さんの特別ステージ。
その間に、先の強行軍の埋め合わせでか挿入される、
北海道での優、太郎、ジョンコの楽しいひと時……
そんな光景に絹子さんが寄せる歌は「涙そうそう」

♪厚い電話帳めくり 乗馬クラブを虱潰し
 いつもいつも断られ 救ってくれたのは投書
 晴れて渡る海 津軽海峡 向かう北海道
 産後の肥立ち悪くても
 引き取り手 探して
 諦めるのは 時期尚早

 飼い葉食って ニンジン食って
 ジョンコへの声 はいどーどー
 飼いたくて 買いたくて
 茶筒の中身 まだ少々

歌い終わる絹子さんに拍手する一同。
丁寧に礼を言う啓太さん。
そこへやってくる亜沙子さん、優が戻ったことを啓太さんに耳打ち。
「まったく、ビックリさせるんだから……」
そうぼやきつつ、皆の前に立ち挨拶する啓太さん、
「……これからもバネの木戸をよろしくお願いします!」
隣に立ち、頭を下げる亜沙子さん。
そして乾杯の音頭をとる啓太さん、
駒乃館の人たちからも拍手を受け……
と、従業員さんたちから起こるコール「社長! 社長! 社長!……」
でもって、なぜか隆行さんとステージに立つ啓太さん、
芦屋雁之助の「娘よ」を歌う表情は2人ともこわばり、
やがて涙ぐみ……
いつしか奥のほうに立ち、笑顔で見守る琴子さん。

さて、厩務員室の上がり框に並んで腰かける優と太郎。
交わす言葉もなく、時は過ぎ……
「最後にジョンコに会えてよかった……」
やがてそう漏らす優。
寂しそうな笑みを返す太郎。
「……お腹すいたから、そろそろ帰るね」
「……ああ」
やがて戸口に向かう優に言葉をかける太郎「大丈夫か?」
「太郎さん……」
立ち止まる優、太郎を振り返り、
「私、絶対夢叶えるから」
優を見つめる太郎。
「元気のない人たちが、馬たちと触れ合って、元気になれる場所作る……」
何度も息をつきながら、自分に言い聞かせるように語る優、
こういう夢できたの、ジョンコのおかげだから……
だから……その場所は、ジョンコ牧場ってつけるんだ……
頷く太郎。
「今日はありがとう……バイバイ」
「バイバイ……」
目に涙をにじませ、別れる2人。

そして2週間が過ぎ……
夜、優が勉強していると、太郎から電話が。
「明日の朝、厩舎に来られる?」
「……うん」
「じゃあ、来て」
「わかった……」
そして翌朝、村上厩舎を訪れる優……
と、聞こえてくるいななき。
立ち止まり、馬房のほうをじっと見る優。
ブルルッ、ブルルッと鼻息が聞こえ……
目を見開く優、全速力で駆け出し……
優を振り返る村上先生、西郷さん、そして太郎。
その向こうには……馬房の中には……
「ジョンコ……」
何度も何度も首を縦に振るジョンコ。
やがて傍に寄る優。
見つめ返すジョンコ。
「どうしたんですか……?」
振り返り、3人をきょろきょろ見渡して尋ねる優。
「ジョンコさん、買い戻したんです」と西郷さん。
「……えっ?」
「ジョンコさんをここへ置かせてもらえることになったので、木戸さん、面倒見てもらえますか?」
優を見つめる先生。
「でも、あの、私は、朝と夕方しか来られないんです……」
突然の話に戸惑う優。
「俺がいるだろ!」
太郎を見つめる優。
「昼間は俺がここにいる」
「……レストランの仕事は?」
「夜働くことにするから」
涙の溢れる優「……いいの?」
「おう」
目を赤くする優、3人を見渡し「皆さん、ありがとうございます」
微笑む西郷さん、先生。
笑みのこぼれる優。
やがて先生と西郷さんはその場を離れ……
「太郎さんが西郷さんに頼んでくれたの?」
柵にもたれ、ジョンコを眺める太郎、
「……言ってたよなお前、いつかジョンコ牧場を造るって」
「うん」
「ジョンコ牧場って言っときながら、そこにジョンコがいなくてどうするんだよ」
太郎を見つめる優。
「それから……ジョンコを乗馬用の馬として調教するから」
ジョンコを力強く見つめる太郎、
「すごく時間かかるかもしれないけど、俺はできると思うから」
「太郎さん……ありがとう」
「おう……」
ともに涙をため、見つめ合う2人。
やがて厩務員室に去る太郎、なぜか背を向けてガッツポーズ。
笑って見送る優……
そして、見つめ合う優とジョンコ。
ジョンコの鼻面を愛しそうに、愛しそうに撫でてやる優。

ああ、てっきりジョンコを救うために、
優と太郎は北海道へ行ったものと思い込んでたけど……
まあ確かに昨日の回ではそうとはひと言も言ってなかったけど、
最期の別れに行っただけやったんですねえ。
でもあの演出では、てっきり優のカバンの中に茶筒が入ってるもんやと……
いやまあ、それはいいとして、
ジョンコに会いに、太郎と2人でジョンコと会いに北海道に行くという、
この大きな見せ場となるエピソードを、
こんなに簡単に片付けてしまうのは……
なんとももったいないですねえ。
ジョンコに会うまでの、緊張感と高揚感に満ちていただろう優の胸中、
帰り際、これが最後になると認識していた優が、
どんな様子でジョンコと別れたのか……
そういった辺りもしっかり描きこんでもらいたかったもんです。
とは言え……
帰ってきたジョンコ。
引き取り手は西郷さん。
村上厩舎を使わせてもらい、
世話をするのは優と太郎……
もう、もう、何も言うことはありません。
よかったなあ……本当によかった。
ささやかながら、以前のような日々がまた戻ってくるとは……
やっぱりジョンコ、
優の側にはジョンコがいなくっちゃあ、ねえ。
ま、北海道で両側から頬寄せる優と太郎、
中に立たされたジョンコ……
「あたしゃダシにされてるんかいな?」とでも言いたげに見えてしまったけど、
とにかくよかった、本当によかった、
ジョンコが戻ってきてくれて本当によかった……
今はもうそれで胸がいっぱいです、はい。


あ、ついでに、もうひとつよかったことと言えば、
ヤ○ーのサイトの動画、
無事に著作権保護機能を解除して永久保存することに成功~。
よかったよかった。
d○m2wmvのおかげや。
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ほっかいどうへ

2005-09-27 22:28:19 | 「ファイト」倶楽部
「俺、彼女できたから」
冒頭から優の部屋で、そう告げる岡部。
驚く優と里夏。
合コンで知り合ったというその彼女、
写真ある?と里夏に訊かれ、最初は「ないよ」と答えてた岡部、
「岡部が写真撮ってないわけないじゃん」と言われ、
照れながら「まあ、そうなんだけど……」
里夏に手を差し出され……結局写真を渡す岡部。
覗き込む優と里夏……「わあ~!」
「可愛いじゃん」と里夏。
「ホントはこの写真見せたかったんじゃないの~?」と優。
「まあね~!」と上機嫌の岡部、続いて「優は? 彼氏できた?」
「できないよ……」と、すぐに里夏に振る優「会社にいい人いないの?」
若い人いないし、ソフトばかりの毎日だし……と里夏。
やがて岡部「ねえ、太郎さんと会うことあるの?」
「ないよ……」
「電話で話すことは?」と里夏。
「ううん、ぜんぜんないよ」
「たまにはかけようと思わないの?」
「何話していいかわかんないしさ……」苦笑いを浮かべる優。
「じゃあさ、今度みんなで太郎さんの働いてるレストランに行かない?」
「どこのレストランかなんか知らないしさ……」
「じゃ、それ訊くために電話すれば」
え、ええ……と戸惑う優。
すると岡部まで、俺が訊こうかと言い出す始末……
「2人で盛り上がんないでよ……」
そうこぼし、トイレに立つ優。
それを見送る岡部……「優、絶対今でも太郎さんのこと好きだと思う」
……うん、と頷く里夏。
と、鳴り出す優の携帯。
里夏が勉強机の上のそれを覗き込むと……「え、太郎さんから」
やはり覗き込む岡部「うおーホントだ! 優呼んでこなくちゃ!」
駆け出そうとする岡部を制する里夏。
「でも早くしないと切れちゃうよ、俺出たほうがいいかな?」
携帯をつかむ岡部、それを奪い取る里夏、
「出なくていい……って言うか、落ち着いて」
「だって……優、早くしようよ!」
ドアに向かって叫ぶ岡部。
やがて携帯が鳴り止み……
表示を見ると「着信1件です 7月9日(日)13:35」
……ということは今は2006年ですか。
展開の早さに、ついに現実を追い越した「ファイト」の世界。
ため息をつく里夏と岡部。
そこへ戻ってくる優、そのことを知らされ……
「いいよ、またかかってくると思うから」
「ダメだよ、かけなきゃ」と里夏。
「そうだよ」と岡部。
……そしてキッチンのテーブルにつき、緊張した様子で電話する優。
久し振りに耳にする太郎の声……
挨拶を交わした後「話したいことがある、会えないか?」と太郎。
「……うん、わかった」微かに震える優の声。

そして……村上厩舎を訪れる優。
ひと気のない厩舎を見渡し……
ガラスにこびりついた汚れを拭い、中を覗き込む優。
がらんとした、ところどころに蜘蛛の巣の張った馬房……
「よう」そこへやってくる太郎、
笑顔で優を見つめ「お前……」
今日はなんと、なんと、なんと、
なんとワンピース姿の優、
その上に白いのを羽織って、ノースリーブ。
女子大生になった優を笑顔で見つめる太郎……
「……ぜんぜん変わんないな」
ドテッ、とこけたいところを堪えたのかどうか、
「そう……?」照れ笑いする優。
しばし見つめ合う2人……
やがてベンチに腰かけ「ジョンコが子供産んだ」と太郎、
写真を優に手渡し……
後ろにいるのは、全体は写ってないけどあれはジョンコでしょう、
その前にいる栗毛の子馬……
「うわあ、可愛い~!」
目を細める優……
この馬も強い馬になるといいね、
そうだ、西郷さんに買ってもらってサイゴウなんとかっていう名前がつけばいいな、
これからもジョンコが産んだ馬は、みんなサイゴウなんとかがいい、
ああ、会いに行きたいなあ……
言葉の溢れ出る優、
ふと気付けば、とても沈んだ表情の太郎、
「ジョンコ、子供産んだ後の状態がよくないんだ」
えっ……と優。
「……この先、もう子供を産むことはない」
立ち上がり、柵にもたれる太郎。
後を追う優「じゃあ、ジョンコどうなるの……?」
子供が産めなくなったらもうジョンコをおいてくれるところはどこもない……
太郎の言葉に表情の曇る優「じゃあ、ジョンコ……」
「残念だけど……」
俯く優「ジョンコ……」

その足で鬼塚のクラブを訪れる優。
今日は休みなのにどうした?と訊く鬼塚に、
ジョンコを乗馬用の馬として引き取ってもらえないかと頼んでみるけど、
気性が荒いと聞いてるし、今は馬を入れるつもりはないから……との返事。
「そこをなんとかお願いできませんか?」
「すまん……」
優を残して立ち去る鬼塚。

帰宅した優、茶筒の中身をごっそり取り出し、
3年近く溜め込んだそれを数え……
「私がジョンコを買って引き取ろうと思います……」
やがて村上先生に厩舎まで来てもらう優、
「お願いします、ジョンコを引き取ったらこの場所を貸していただけませんか?」
「うん、ここを貸すのはかまわねえ、しかし……」と先生、
「ジョンコの世話、ちゃんとできるのかい?」
「はい、やります」きっぱり答える優。
ため息をつく先生「もう一度じっくりと、考え直したらどうかな……」
先生を見つめる優。
「中途半端で終わるんなら、こりゃもう、よしたほうがいい」
優を見据える先生。
その視線を受け止める優……。

「優がジョンコを引き取るのは、どう考えても無理があるって」
その夜、食卓で優を諭す啓太さん
「そんなことない」と優。
「だいたいどこで世話すんだよ」
「村上先生に厩舎貸してもらう」
「ちゃんと世話できんのか」
「する」
「馬の世話してバイトしたら、大学どうなるんだよ?」
視線を逸らす優。
「授業サボりでもしないとできないだろ」
俯く優。
「え、まさかサボるつもり?」
返事に詰まる優。
「大学行くって決めたのは優だぞ、そんな風に中途半端じゃ何やったって半端になんだよ」
「授業サボるだなんて……言ってないじゃん」
そう答えながらも視線は泳ぎ、語尾に力が入らない優、
やがて席を立ち、子供部屋に向かい……
机上のスタンドを点け、ため息をつく優。
とそこへ、レストランの仕事の休憩時間らしい太郎から電話。
「ジョンコ……どうしようもないよ……」
今にも涙ぐんでしまいそうな声の優。
「大丈夫か?」
「ジョンコに会いたい……」
消え入りそうな声の優に、元気な声を作る太郎、
「……行くか、一緒に?」
「え、北海道?」
目に涙が溢れながらも、戸惑いつつも、笑みの浮かぶ優。
「ああ」
「……うん」頷く優。

その1週間後、
朝、まだ寝ている啓太さんを揺り起こす亜沙子さん。
その声にパッチリと目を開け、またもや天井を見つめる希先生。
渋々身を起こす啓太さん、
亜沙子さんが差し出す置き手紙は……

ジョンコに会いに北海道に行ってきます。
今日中に戻ります。


村上厩舎の馬頭観音を拝む優。
そこへやってくる太郎「おはよう」
「おはよう」
「行こう」
「うん」
並んで歩き出す2人。
北海道へ……
ジョンコへ……
瞳が潤む優。

別に学校をサボろうとは思ってなかっただろうけど、
啓太さんに指摘され、
そうでもしないとジョンコの世話は難しいだろうなあ……
そう気付いたのであろう優。
その場は意地になって反発してはみたものの……
昨日は夢について思いを馳せさせておいて、
今日は中途半端との言葉を突きつけられる優。
どうしていいかわからないけど……
しかし、とにかく動き出す優。
しっかりと前を見つめ、歩き出す優。
以前と違って大きな助けは期待できそうもない今回、
優の力でジョンコは救えるのか……。
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だばでぃえがお

2005-09-26 22:08:51 | 「ファイト」倶楽部
さて……
大学に入学した優は、引き続き鬼塚のクラブのポニー広場で働いていて……
そして太郎とはもう会うことはなく……

一方、工場の仕事に復帰した亜沙子さん、
夕方、檀君が学校から戻るとひと足お先に退社、
公園で佳代さん、村上先生に見てもらってた希先生を迎えに行き……
亜沙子さんに連れられて帰る希先生、
またもや上のほうを指差し、カタコトの言葉で「ア、アソコ!」
それを見送る村上先生と佳代さん、
コーヒーでも飲みに行きませんか?と誘う佳代さんに、
腕を曲げて差し出す村上先生。
その腕をとり、幸せそうな佳代さん。

さて、自宅に戻り、一緒におもちゃで遊ぶ檀君と希先生……
とても9歳も離れてるようには見えない息の合った仲のよさに、
微笑む亜沙子さん。
と、そこへ琴子さんから電話が。
今度、彼を両親に会わせるのと言う琴子さん……
「結婚するの!? え、え、え、ど、どんな人?」
はしゃぐ亜沙子さんに、
建築家なの、後は会ってのお楽しみ!と嬉しそうな琴子さん。

夕食の席でそのことを聞き、喜ぶ優。
そして啓太さん、
「結婚結婚って考えなくなった途端、いい人に出会えたんじゃないのか?」
……ちょっとちょっと、啓太さん、
琴子さんってそんなにがっついて結婚結婚って考えてるように見えましたっけ?
それは失礼やないの~と思ったら亜沙子さんも否定せず、
「そういうもんなのかしらねえ……」
そんな風に見えてたかなあ……?
太郎のプロポーズを勢いでOKしたのが、その表れってことでしょうかねえ?
まあそれはいいとして……
「琴子さん、もうすぐ新婚生活はじまるんだ……」と優。
今度は中途半端な同棲で終わらなきゃいいけど……とか考えてるんだかどうだか。
「そうよ、琴子は新婚なのよねえ~」としみじみ亜沙子さん、
「こっちは結婚して18年だっていうのに……」
「えっ!」と声を張り上げる啓太さん、
「俺は今でも気分は新婚だよ」
「……どこが?」と冷静な亜沙子さん。
サラダボウルを指差す啓太さん「はいはい、あーん」と口を開け……
「何?」と睨む亜沙子さん。
「え、何って、食べさせてくれないの……」
クスクス笑う優、檀君。
「何バカなこと言ってんのよ、子供たちの前でもう!」
と亜沙子さん、プチトマトをつまむとポイッと放り上げ……
見事に口でキャッチする啓太さん。
大笑いの一同、
「十八番、十八番」と亜沙子さん……
その啓太さんの本当の十八番……キャッチトマトではなく、
優とのキャッチボールがまた見られるのはいつの日か……
と、それはさておき、
「琴子さんの結婚相手ってどういう人なのかなあ?」と優……。

やはり駒乃館でもその話題でもちきり、
あれやこれや推測する敏美さん、大和さん。
隆行さんは「琴子がいい人なら誰でもいいの」と達観した様子。
それでも敏美さんに突っ込まれると、本音をポロリ、
「言うなれば、古きよき時代の日本男児の心を持った男かな……」
「古きよき時代の日本男児ねえ……」と腕組みする敏美さん。
「越中褌が似合う男か……」と笑う大和さん。
そう、まわしの似合う相撲取りのような……
あ、でも琴欧州みたいなのはダメだよ、と考えてるんだか隆行さん。

さて、いよいよ琴子さんが彼を連れてくる日、
ひと足先に駒乃館に着く絹子さんに、
「今度はね、琴子がどんな人連れてきても、僕は受け入れるつもりだよ」
と隆行さん。
さあ、ネタ振りは整って……
緊張してそわそわする隆行さん、絹子さん、敏美さん。
とそこへ……ああ、この姿もこれで見納めか、
「来た~! 来た来た、琴子来た~!」
と駆け込んでくる大和さん。
居並ぶ4人、そこへ入ってくる琴子さん、
お連れは……
「ボンジュール!」
……唖然とする4人。
「古き、よき時代の、日本男児……」と敏美さん。
「こちら、ピエーフ・ペハンさん」
そうそう、思い出しました。
僕は大学のとき第2外国語でフランス語とってたんですけど、
「r」の音は空気を抜いて「フッ」みたいな感じで発音するんですよねえ。
「エール・フランス」は「エーフ・フハンス」みたいに。
だから「ピエール・ペラン」が「ピエーフ・ペハン」になるんですねえ。
さっすが琴子さん、
まるでかつてパリ在住でモデルやってたみたいな流暢なフランス語。
「ジュ・テ・プレザンテ、モン・ペール、マ・メール……」
あ、これぐらいなら僕でもわかりますよ、
「紹介します、私の父、私の母……」
えーと、その後は……その後は……ん~?
ま、これぐらいにしときましょうか、
あまり知識をひけらかすのもなんですからねえ。
で、紹介されたピエール、
「アシャンテ、ペラペラ」
……ペラペラ? なんじゃそりゃ?
あ、名前を早口で言うとそう聞こえるんか、
とにかく、はじめましてと手を差し出すピエール。
ムッとする隆行さん……緊張する周囲の者たち……
と、やがてぎこちなくその手をとる隆行さん。
喜ぶ琴子さん……と、
「お、お……ハジメーマシテ」
隆行さんのヘンな発音にずっこける敏美さん、大和さん。

やがて居間に通される琴子さんとピエール。
「琴子さんと結婚させてください、って……」
ピエールのフランス語を通訳する琴子さん。
少しの間の後、無言でお辞儀する隆行さん、笑顔で頷く絹子さん。
喜ぶ琴子さん「フランスで2人で幸せに暮らします」
その言葉に驚く隆行さん、
「結婚する話とフランス行く話はぜんぜん違う話でしょ!」
「一緒です!」と声を揃える一同。
「一緒なもんか!」
「一緒です!!」
琴子が欧州に行くなんて……だから琴欧州はダメだって言ってるのに……
だいたい司会者の僕を差し置いてパリ行きを決めるなんて……
と不機嫌な隆行さんをおいたまま、お寿司の食事が進み……
やがて、お茶菓子が出され……
「ま、なんだ……」と隆行さん、
「つまり、あれだ……」
じっと見つめる琴子さん。
「……気をつけて行ってらっしゃい、フランスに」
みんな笑みを浮かべ……
琴子さんに通訳してもらって、ピエールも笑顔になり「メルシー!」
「マンジュゥー」と皿を差し出す隆行さん。

「でもさ、よかったね。旦那さん、ちゃんと認めてくれて……」
琴子さんとピエールを迎え、少し緊張した空気が漂う木戸家の食卓、
でも亜沙子さんの言葉に場はほぐれ……
やがて、今度は天井に何かが現れたのか、希先生の泣き声が。
「あ、起きちゃったみたい、ゴメン……ソ、ソーリーじゃないや……」
と、離れる亜沙子さん。
「優ちゃん、大学はどう?」と、話題を変える琴子さん。
「はい、すごく楽しいです。気の合う子もいるし」
「太郎さんには会ってる?」
「いえ……」
「たまには電話でもしたら?」
「いや、太郎さん、レストランの仕事とか忙しいと思うし……」
と、今度は優が話題を変えて、
「ピエールさんは琴子さんのどういうところが好きになったんですか?」
照れながらフランス語で伝える琴子さん、
ピエールの返事は……
「すべて」
自分で言ってさらに照れる琴子さん。
はしゃぐ優、
「じゃあ、琴子さんはどうしてピエールさんと結婚しようって思ったんですか?」
「私とピエールは住まいに関する仕事をしてるでしょ」と琴子さん、
同じ夢を思い描いてることがわかったときに、
2人の距離が急に近づいたような気がするな……
「いいですね……」
2人の姿に笑みを浮かべ、しみじみと言う優……。

6月ぐらいからでしょうか、ずーっと続けてきた、
土曜から日曜にかけて番組の合間に流れる「ファイト」予告スポットの録画。
画面左上に時刻表示が出ないときのを録画するために、
週末の時間を費やしてきた……
それももう終わりかと思うと、ホッとするような寂しいような。
で、そのスポットの最後に柴田アナのナレーションが入るけど、
以前は「がんばれ優、ファイト」「負けるな優、ファイト」だったのが、
ここ最近は「夢は叶う、ファイト」に変わってましたねえ、いつしか。
夢は叶う……
絹子さんが歌手デビューの話を断ったのも、
隆行さんが同じ夢を見てくれるようになったから……
かつては少しずれた夢を見ていたのが、隆行さんが理解してくれるようになって、
そして絹子さんも隆行さんの夢を理解するようになった……
だから話を断ったのでしょうか。
大和さんは、女将になるという敏美さんの夢をしっかり理解し、
村上先生も、寄り添っていたいという佳代さんの夢を受け止め……
優が岡部の気持ちを受け入れる気になったのは、
写真への夢を持つ彼の姿に魅力を感じたこともあったからなんでしょうか。
優と岡部が、それぞれの夢を抱き、
それぞれの道を進みながら寄り添うというのも、
それはそれでいいのかもしれないけど……
もしも太郎が馬の仕事をしてなかったら……
もしも優が馬に興味がなかったら……
それを考えると……
同じ夢を思い描いてることがわかったとき、
2人の距離が急に近づいたような気がする……
琴子さんの言葉を受け止める優、
優と太郎がまったく同じ夢を思い描いていることに気付く日はくるんでしょうか?
……ま、同じ夢と言っても、
かつては微妙にすれ違ってた啓太さんと亜沙子さんの思いが、
様々な試練、出産などを通じて今やっとわかり合えて……
その結果が「あーん」なのは、どうなのよ……って気もしないでもないけど、
まあとにかく、いよいよ最終週を迎えた「ファイト」、
今日はちょっと穏やかな回だったけど、残りあと5回……
夢は……。
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たびだち

2005-09-24 21:35:38 | 「ファイト」倶楽部
さて……
厩舎の写真を撮ってくれたことの礼を岡部に言い、
バイトがあるからと出て行く優。
残された太郎と岡部……
いよいよ大学生だな、と言う太郎に、
がんばります、と岡部、
「大学行きながら写真の勉強もして、メチャクチャ可愛い彼女作りますから……」
「彼女いるじゃん」と太郎、
優の出て行ったほうを指差し「あいつ!」
きょとんとする岡部。
「お前それとも、大学に入ったらもっと可愛い彼女見つけるつもりかあ?」
と小指を立てて悪戯っぽく笑う太郎。
「あの、優から聞いてないんですか?」と岡部、
「優と僕は、もうそういうんじゃないんです」
「え?」と太郎。
「ただの友達に戻りましたから」
「……そうなの?」
「はい、もうずいぶん前の話ですよ。半年ぐらい前」
明るくそう言う岡部に、戸惑う太郎、
「いや、だって、今だってすげー仲よさそうにしてたから……」
「はい、仲はいいんですけど」
まだ信じられなさそうな太郎に岡部、
「優、昔からすごく好きな人がいるんです」
岡部を見つめる太郎。
「その人のことを、ずっとずっと想ってるんです」
動揺する太郎……

厩舎の写真を撮りにきたのは優からの頼みやったんでしょうか、
とにかく優とは本当に仲のよい友達に戻った岡部……
そのことを優がずっと太郎に黙っていたことを、
彼はどう思ったんでしょうかねえ?
優が太郎に「好きだから」と言ってしまったことは、岡部は知らないはずですけど、
しかし、優の想いを太郎に伝える、彼の気持ちは……

一方、木戸家では、
自分が大きなため息をついたことにも気付かないくらい、
悩み事と言うのか、不満と言うのか、
とにかく亜沙子さんに打ち明ける佳代さん……
村上先生の口数が少ないことがどこか引っかかってるようで。
お母さんと村上さんの思いは違うのかも……と言ってしまう亜沙子さんに、
とても心配そうな様子の佳代さん。
でも亜沙子さんに、
「本当はちゃんと考えててくれてるのかもしれないし……」
そう言ってもらえて、やっぱり嬉しそうな佳代さん。

さて、先生、太郎、優の3人で厩務員室の荷物の整理をしていると、
掃除の手伝いにやってくる佳代さん。
ありがとうございます、と丁寧に礼を言う先生。
と、続いてマスコミの記者やらカメラマンやらがやってきて……
やがて土間のところで先生を囲んでの取材が。
村上厩舎で育った馬でいちばん印象に残ってるのは?
「みんなです」と先生、ひと言。
でもやはりG1を制したサイゴウジョンコには特別な思いがあるんじゃ?
「……はい」
今後もスターホースが出ることを期待されたけど、どんなお気持ちですか?
「……残念です」フラッシュに目をつぶる先生。
もう少し具体的にお願いできますか……?
「……残念です」
ため息をつく記者。
奥の部屋から様子を窺う優たち。
平然とした先生……

やがて、昼食にうどんを食べる4人。
「記者の人にもう少しサービスして話してあげたほうがよかったんじゃないですか?」
と、七味をわっさわさふりかける太郎、
「どの質問にもひと言でしか答えてなかったですよ」
やはり平然とうどんを食べる先生。
「村上さんって口数が少ないから……」と寂しそうな佳代さん。
「でも馬のことなら結構喋るんですよ」
「そうかなあ……」と先生。
「そうですよ、なあ?」
太郎に同意を求められ、笑顔で頷く優。
「村上さんって、ホントに馬がお好きなんですねえ……」ますます寂しそうな佳代さん。
めんをズルズル~ッ、おつゆをズズ~ッ、
ああ~っと息を吐く先生。

そして、ぐんま競馬場もついに閉鎖され……
馬たちも引き取られていき、がらんとした村上厩舎の馬房。
最後に残ったタロウも今日、厩舎を去ることに……
「お世話になりました」
先生たちに礼を言い、タロウとともに運搬車で出て行く琴子さん。
やがて、タロウのいた馬房の藁を片付ける優と太郎。
厩務員室も既にすっかり片付き……
ゴミをまとめる佳代さんに、礼を言う先生。
「村上さん、35年間ホントにお疲れ様でございました……」
佳代さんの心のこもった言葉に、深く頭を下げる先生、
やがて佳代さんを見つめ……しかし、あちらのほうに顔を向け……
「今までずっと馬ばかり見てきた……馬と向き合って生きてきた……」
頷く佳代さん。
「これからは人と向き合って生きていきてえんす……」
佳代さんに向き合う先生「よろしくお願ぇします……」
「私のほうこそ、よろしくお願いいたします……」
ホッとして笑顔になる先生。
涙を浮かべて喜ぶ佳代さん。

さて、熟年カップルがそうこうしてる間に、
タロウのいた馬房も片付いてがらんとなり……
プレートに書かれたタロウの文字を消す優。
「よし、終わりだ」箒を置く太郎。
優もプレートを置き「ここがなくなると、もう会うこともないね……」
「ああ……」
空になった場房を見つめ、ため息をつく優。
……思いをめぐらせていた太郎「なあ」
「ん?」と太郎を見る優。
じっと見つめる太郎。
「何?」と優。
やがて笑顔を作る太郎、
「鬼塚ライディングクラブで仕事続けるんだろ?」
「……うん」
「しっかりやれよ!」
「……はい」
「俺もがんばるよ、いつかまた馬の仕事ができるように」
頷く優。
「じゃあ……」右手を差し出す太郎。
「じゃあ……」手を伸ばす優。
握手を交わす2人。
その手をじっと見つめる優。
優を見つめる太郎。
手を離し……笑みを浮かべる2人、
しかし優の笑みにはどこか戸惑いも感じられるようで……

そして、表にかけられた「村上厩舎」の看板を外す先生。
木製のそれはかなり重そうで……
土間のところにそれを置き、ぎゅっと目を閉じ……
やがて外に出、戸を閉める先生。
誰もいなくなった厩務員室。

ゆっくりと振り返る優、太郎、先生……
馬たちも、何もかもが去ってしまった村上厩舎。
じっと見つめ……やがて帽子を取る先生、
「行ぐべえ」
「はい」と太郎。
「はい」と優。
また向きを変え、ゆっくりと歩き出す3人。
ゆっくりと、ゆっくりと、
背後に目をやりたいのを堪えるかのように、
しかし名残惜しそうに、ゆっくりと去っていく3人。

「たびだち」……
かつて、学校に行けなくなった優が四万へと旅立ったとき、
辛くて、目の前には希望も何もない状況だったのに、
はるか遠くには何か明るいものがあるだろうことを感じさせてくれたのは、
高崎があったから……
ジョンコのいる、太郎のいる、村上厩舎があったから。
いつかは高崎に戻ってくるという希望があったから。
そしてそれが叶い、四万から去るときの優には、
まだまだ問題も残されていたけど、
新たな旅立ちに大いなる希望が感じられたものでした。
その希望のひとつが……村上厩舎での仕事でした。
夢を叶えるための、将来への旅立ちのための、
最初の一歩だった村上厩舎での仕事。
そして、優が今また新たな旅立ちを迎えるそのとき、
歴史に幕を閉じる村上厩舎。
そして、それぞれの道を歩みだす登場人物たち。
散り散りになってしまう優の周囲の人たち……
旅立ちって、こんなに辛いものでしたっけ?
そう感じられるのは最終回が近いからでしょうか?
いや、それだけではないはずで……
いずれ、ひと足先に旅立ったジョンコとの再会は見られるんでしょう、
でも、優と、太郎と、先生の3人がともに働く姿はもう見られない、
ラストの3人の姿に目頭が熱くなるのを禁じえない……
そして、優と太郎の握手にも切ない思いが込み上げてきて……
いよいよ残すところあと1週、
旅立ちの、その先には……。
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優も岡部も進学でぴゅー 太郎さんはぷー

2005-09-23 15:44:52 | 「ファイト」倶楽部
……になるのは免れたみたいですけど。

時は流れ、早くも優の大学受験の合格発表の日、
朝の食卓ではさすがに緊張してしまう優。
じゃあ深呼吸、と亜沙子さん、
「吸って~」と上を指し……
息を吸い、背筋を伸ばす優。
つられて同じ動作をする啓太さんと檀君。
「吐いて~」で背中を丸め……
また「吸って~」……
今度は希先生もつられて上を指し「アッ」
……やがて、大丈夫だよね、と優。

しかし啓太さんには深呼吸の効果は薄かったのか、
工場での仕事中も緊張してそわそわ。
やがて自宅に優から電話が……
「お母さん、受かったよ!」
喜ぶ亜沙子さん、佳代さん。

そして厩舎を訪れる優。
「おう、久し振り!」と太郎。
「今、合格発表見てきたよ……合格したよ!」
「やったなあ! おめでとう!」
立ち上がって喜ぶ太郎に礼を言う優、
「絶対合格するって約束したから……」
「俺も約束したよな、馬の仕事見つけるって」
頷く優。
「でもダメだった……だから別の仕事にした」
「別の仕事……?」
「レストランで働くことにした」
表情の曇ってしまう優。
「でも、諦めたわけじゃないから……いつかまた馬の仕事やるから」
そう力強く言う太郎に、頷き返す優。

さて、最近は日向ぼっこもせずに真面目に作業を続ける工場に、
これまた久し振りに訪れる岡部。
大学合格を報告に来た彼に、祝ってやる一同。
優も合格したと啓太さんから聞き、喜ぶ岡部。

その夜の食卓で、優の合格を喜ぶ啓太さん、
岡部のことを話すと、やはり喜ぶ優。
「いよいよ優も大学生か……」と亜沙子さん、
「自分が短大だったころ思い出すなあ、啓太さんと知り合ったのも短大のときなの」
優に見つめられ、照れる啓太さん。
「まさかできちゃった結婚するとは思わなかったわねえ」と佳代さん、
「優は結婚してから妊娠してちょうだいね」
「はいっ」と笑いながら優。
なんやかんや言うてこの手の話題がお好きな木戸家の面々。
「僕も結婚するからね」と宣言する檀君。
「いつになるかなあ~?」と優。
その前にまず役者が交代しないと……とスタッフの陰の声。

そして高校の卒業式の日。
廊下で里夏の服装をチェックしてやる優、
とそこへやってくるのは新庄監督。
「ソフト部ではいろいろありがとうございました」と優、
……入部時の挨拶、練習風景、
そして試合で代走として快走したときのことを回想し……
「いい思い出になりました」
「私はこれからもソフトがんばります」と里夏。
「お前ら2人、仲良しこよしか?」と新庄監督。
顔を見合わせる優と里夏……笑顔で「はい!」
笑いがこぼれる新庄監督。

「皆さんは将来をどう見ていますか?」
と、ホームルームで真理先生、
不安ですか? 希望にみちていますか?
これから先、迷ったり失敗したりすることがあっても、
皆さんにはひとつひとつ乗り越える力があると信じています、
自分の力を信じて前に進んでください……
「はい」と生徒たち。
「卒業おめでとう」
その言葉を胸に刻み込む優。

ある日、駒乃館にやってくる木戸家の5人。
敏美さんから、大人っぽくなったんじゃない?と言われ、
そうですか?と少し照れる優。
そして夜にはお馴染み女将のマジックショー。
おお、また出番があるとは思わなかった松竹梅の3人も
張り切ってアシスタントを務め、見事なステージ。
最前列の木戸家の御一行も大喜び……と言っても、
希先生だけはポカンと見つめるばかりでしたけど。
やがてステージに立つのは、
今では大女将との肩書きの絹子さん。
照明係も大和さんから隆行さんにバトンタッチ……
「卒業、進学、就職、新しい何かがはじまる季節です……」
そして皆様の幸せを願って、と絹子さんが歌うのは「いつでも夢を」

♪先生よりひそかに 青山よりやさしく
 太郎はいつも 洗ってる
 声がきこえる タマコの胸に
 約束交わした 優の胸に
 言っているいる 諦めないからな
 いつでも馬を いつでも馬を
 厩舎よりひそかに レストランで皿を
 太郎はいつも 洗ってる

 言っているいる 諦めないからな
 いつでも馬を いつでも馬を
 はかない皿を うれしいサラ(ブレッド)に
 太郎はかえる 馬小屋に

そして、ぐんま競馬場廃止の日も近づき……
村上厩舎には西郷さん、珠子さん、琴子さんと、顔をそろえる馬主さんたち。
とうとう最後まで顔を見せなかった薄情者のスーザンの馬主……はさておき、
先生、太郎、そして優も加わって、神妙な空気。
「本当にお世話になりました」と畳に手をついてお辞儀する琴子さん。
「いや、こっちのほうこそ」と先生。
「もう、ここはどのぐらいの長さですか?」と西郷さん。
「おやじの代を含めて50年です」
「長いですねえ……」と珠子さん。
やがて、表では藁を干す青山、
そしてタマコを洗ってやる太郎。
そんな彼らにカメラを向ける岡部、
そして見守る優。
と、やってくる先生、
頭には手ぬぐいを巻いて、腕まくりし、タオルを手に……
しばしタマコを見つめ、やがて身体を拭いてやる先生。
力を込めて、しかし優しく拭ってやり……
そんな先生の姿に、こみ上げてくるものを抑えられず、
場を去る太郎。
シャッターを切る岡部。
じっと見つめる優。

またもや黒木を除き、主要登場人物ほぼ勢揃いで、
かなり慌しく描かれた、まるでエピローグ的な今日の回。
……まあ、ここ数日の展開自体が、
優や他のキャラクターの将来に思いを馳せさせて、
エピローグをかなり時間をかけてじっくり描いてるといった感があったけど、
しかしまだまだ課題は残されていて……
将来の道の対比を厳しく際立たせ、
こちらの胸に重いものを残してくれて……
さてこの後はどうなるんでしょう、
「ファイト」最終回の日までまであと8日……
そう言えば「宇宙戦艦ヤマト」の最終回も慌しかったなあ。
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優断ち

2005-09-22 22:41:37 | 「ファイト」倶楽部
2学期が始まった風花女子高、
優のクラスでは英語の授業。
教壇に立つのは、彼はネイティヴスピーカーでしょうか、
まるでラザリスモデルエージェンシーから派遣されてきたかのようなイイ男。
今日は珍しく真理先生の授業じゃないですねえ……と思ったら、
廊下を通りかかる真理先生、ふと目がとまるのは、
物思いに耽る優の姿。
授業に身が入らずに、思い浮かべるのは先日の太郎との会話……。

と、こちらもやはり物思いに耽る岡部……。
そんな彼に「どうしたの?」と声をかける里夏。
2人がいるのは工場の外のベンチで……ここは溜まり場になっとるんかいな。
「優のことなんだけど……」と岡部、
「まだ、太郎さんのこと好きだと思う」
一瞬はっとする里夏、しかし笑顔で「優はなんとも思ってないって言ってたよ」
「ううん……絶対太郎さんのこと思ってる」
気遣わしげに見る里夏。
「優にとって、いちばんは太郎さんなんだよ」
里夏を見、そして自分自身に納得させるかのように小さく頷く岡部。

さて、教室では、今度は教壇に立つ真理先生。
模擬試験の結果を生徒たちに返し……
名前を呼ばれ、ワンテンポ遅れて気付く優。
成績表を受け取り……ああ、懐かしいですねえ、あの横長の紙。
開いてみると、あれは恐らく志望大学別の判定でしょうか、
「評価」は上からC、B、B。

「どうしたんだよ、優……」
夜、成績表を見せられた啓太さんも、意外な結果に愕然とした様子。
「次はちゃんと成績上げるから」
そう答える優に、しっかりな、と啓太さん、
優が子供部屋に行った後「何で急に成績下がったんだろう?」
チラッと子供部屋のほうを見る亜沙子さん。
「岡部君のことで勉強に集中できないなんてこと、ないよな?」
やがてそう言う啓太さんに、なくもないけど……と亜沙子さん、
優のことがよほど心配そうな啓太さんに「どうしたいの?」
そう訊かれると「え、いや……どうしたらいい?」
「うん……何もしなくていいと思う」
「え?」と啓太さん。
「優はちゃんと成績落ちた原因、自分でわかってると思うから……」
亜沙子さんのその言葉を裏付けるかのように、
机に向かう優の姿……。

一方、厩舎ではもうすっかりお馴染みとなった、
ビールを飲み交わす隆行さんと太郎の姿。
ぐんま競馬場廃止後の仕事がなかなか決まらない、
馬の仕事に就くのは難しいかもしれない……
そんな太郎に、旅館の仕事に興味があるなら紹介できるよ、と隆行さん。
「今は自分で探すだけ探してみようと思います」と太郎、
続けて「ありがとうございます、隆行さん」
それを聞いて一瞬ギョッとする隆行さん。
少し気まずそうな太郎「いや、あの、隆行さんって呼んでもいいって……」
「あ、そうね、そうだったね」と両手を広げる隆行さん。
ホッとする太郎、笑う2人。

「優、最近元気ないよ」
放課後、廊下で声をかける里夏。
「模試の結果悪かったんだ……」
立ち止まり、優を振り返る里夏「太郎さんのことが気になってるの?」
里夏を見つめる優。
「ねえ、優……」意を決して話す里夏、
「岡部がかわいそうだよ……」
返事のできない優。
「岡部見てると、そう思う……」
列車の音が大きく響き……
さて、こちらもすっかりお馴染みとなった、
子供部屋での優と岡部、バニラアイスを口にし……
「ん、おいしい~。ねえ、今日何の勉強する?」
そう訊く優に、今日は勉強しに来たんじゃないんだ、と岡部。
意外そうな優。
「……渡したいものがあったんだ」
「何?」
やがて岡部が取り出したのは、3冊のアルバム。
それを受け取る優、予期してなかった重さに身体が傾き、
開いてみると……「うわあ、すごーい!」
中学のときのキャベツ畑での写真、
厩舎でのジョンコや太郎との写真、
ソフトボールの試合でグラウンドを駆ける写真……
「私の写真撮ってくれてたのは知ってるけど、こんなに撮ってくれてたんだ……」
「つくづく思うよ、俺、ずっと優のこと見てきたんだなあって」
「ねえ、もらってもいいの?」
「うん……俺なりのけじめ」
「けじめ……」声が細くなる優。
「終わりにしよう」笑顔で言う岡部「……そうしよう」
表情の曇る優。
「俺、ずっと優のこと見てきたけど、優の中に俺はいなかった」
目を伏せる優。
「でも、一緒にいてくれて楽しかったよ……ありがとう」
「……ごめんなさい」消え入りそうな声の優。
「謝るなって」
「……ごめんなさい」繰り返す優、
やがて、やっと笑顔を見せ「ありがとう岡部……」
小さく頷く岡部。

ああ、岡部……
ここしばらくの呼び捨て野郎、言い触らし野郎的な態度は、
あまりにも見苦しくて、かなり辛かったけど……
最後の最後に来て、いいとこ見せたなあ。
あんな風に相手の想いを察して自分から身を退くなんて、
おじさんにはとてもできませんわ。
立派やったよ、岡部。
普通なら、別れた後も友達でいるやなんて絵空事ってなもんやけど、
優と岡部なら、それもありかなあって思えますわ。
これは前々から考えてたんですけど、
優という少女は気質的に男の面が強いんですよね。
だから太郎とは同性同士のようにさばさばと付き合えて、
そしてそんな優に、気質的に女の面が強かった岡部が想いを寄せ……
しかし、優と付き合うに当って岡部は男の面を見せようと張り切った、
その努力は最終的には実らなかったわけですけど、
でもこれでようやく、対等な友達付き合いができるんじゃないでしょうか。
荷物持ちやら、掃除の手伝いやらさせられる、
便利屋的な付き合いではなく……
いや、以前も決してそれだけやったわけではないですけどね、
ああ、しかし先日、亜沙子さんが語った、
「誰かに思われる幸せ」……
今にして、あの言葉が強く思い出されたりしてしまって、
2人の別れが少し惜しまれたりもするけど……

ところが。
「短い間でしたけど、優さんと仲良くさせていただいてありがとうございました」
早速、亜沙子さんに報告する岡部。
わけのわからない亜沙子さん、とりあえず「さよなら」と挨拶を交わし、
やがて玄関で優と「バイバイ」を交わし……
その足で工場を訪れる岡部、
「優とはただの友達に戻りましたから」と宣言。
何でまた、直後にベラベラ言って回るかなあ……。
そこまでは、別にけじめつけたりせんでもええと思うけど……。
しかも「何で?」と訊かれると、
「そういうことはお答えできません」
だから、それやったら最初から言うて回るなって。
う~ん、岡部と腹の底から打ち解けるには、まだまだ険しい道のりが……
いや、向こうはそんなこと考えてないやろけど。
とはいえ、
「まだまだ若いんだからさ、いろいろあるって」と、
亀井さんからは励ましの言葉が。
「はい」と岡部、啓太さんに向き直り「そういうことですから」
「そう……」と啓太さん。

やがて、厩舎にやってくる優。
門の前で自転車を止め……そして降り、
ゆっくりと、ゆっくりと自転車を押す優。
その重そうな表情はしかし、厩務員室に入るときには消して、
太郎と笑顔で挨拶。
「馬たち、どうなった?」
「引き取ってくれるところをいろいろ当ってる」
「そっか……」
「安心しろ、ちゃんと探すから」
「……太郎さんは?」
振り向く太郎。
「太郎さんは、仕事決まった?」
「……まだ」
いくつか回ったけど、今はどこも厳しいから……と太郎、
「でも、もうちょっと粘ってみるから」
小さく頷く優「決まるといいね……」
「ああ……」
しばし無言の2人。
やがて太郎「受験勉強、ちゃんとやってんのか?」
「うん」
「ホントかあ~?」
苦笑を漏らす優「ホントはここんとこちゃんとやれてなかったけど……」
「岡部君とデートばっかりしてるからだろ?」
悪戯そうな太郎の表情に、曖昧な笑みを返す優。
「絶対に、希望の大学入れよ」
太郎を見つめる優。
「俺も仕事決まるように、がんばるから」
目に涙が浮かぶ優、頷いて「約束ね」
「ああ、約束だ」
その約束を守るために、
両親の寝た後も居間で勉強を続ける優。

しかし、岡部とのことは太郎には言えなかった優。
言うのがためらわれた優。
まだまだ以前のように軽口を叩きあったりはできない優。
早くそうなれる日がきてほしいけど、
それぞれに目の前に試練を抱え……
2人の約束は果たせるんでしょうか?
そして約束といえば……黒木は今どうしてるんでしょう?
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太郎のもとへ優ちゃんがぴゅー 岡部がぷー

2005-09-21 22:48:30 | 「ファイト」倶楽部
さて、四万を後にして3人がやってきた嬬恋、
見渡すとどこまでもどこまでもどこまでも広がるキャベツ畑。
中学のときにお世話になった農家にまた頼んだのか、
キャベツの収穫を手伝う3人。
ひと仕事終わって、食事は当然採れたてキャベツ。
揃って「おいしい~」と声を上げ……
いやしかし、キャベツの葉を生でバリボリ齧るのって、
ちょっとどんなもんか想像がつかないけど、
考えてみたら千切りなんかでは生でいっぱい食べてるんですけどねえ。
まあああいう自然のなかで採りたてを食べれば、何でもうまいんでしょうけどねえ。
ちなみに、ひとりだけ生のトウモロコシを齧ってた里夏、
やがて、卒業してもソフト続けることにした、と打ち明け……
「スカウトされた会社に就職するってこと?」と優。
「私を必要としてくれるところに行こうかなって思ったんだ」
「俺は大学行くことにした」と岡部。
写真は?と訊く優に「続ける」と答え、
「大学行きながら写真の勉強をしようと思う」
うん、と頷く優、
「私は大学で心理学の勉強して、いつか馬たちと一緒に人を元気にする仕事したい」
あの、実は以前からこの「人を元気にする仕事」について、
「馬を使って」という風に言っていたけど、
この「馬を使う」との表現に少なからず抵抗があったんですよねえ。
でも今日は「馬たちと一緒に」と言い替えてくれてて、よかったですけど。
……うん、うん、と両側から頷く里夏と岡部。
2人に微笑む優、立ち上がって「絶対できる~!」
里夏も立ち上がり「がんばろう~!」
岡部も声を振り絞って「やってやる~!」
そして3人声を揃えて「がんばるぞ~~~!」
彼らの絶叫に耳をすますキャベツたち。
気持ちよさそうに笑う優。

その足で木戸家に泊まることになった里夏、
「ねえ、太郎さんのところ、たまには行くの?」
夜、子供部屋で寝床の仕度をしながらそう訊いてみると、
「ううん、ぜんぜん行ってない」と優。
「ぜんぜん?」
「うん、村上厩舎辞めてから1回も行ってない」
何事もないようにそう答える優に「行かないようにしてるの?」
「え? そんなことないよ……」
「まだ太郎さんのこと……」
「もうなんとも思ってないよ、ぜんぜんなんとも思ってないから」
笑顔で答える優、
「ホントだよ、岡部と一緒にいるとすっごい楽しいんだ」
「……そっか」と納得する里夏。
やがて攻守交替する優「ねえ、里夏は? 好きな人いないの?」
「いないよー」と小声になる里夏。
「あ~絶対いる絶対いる絶対いる!」
「いないよ、いないよ、いないよ!」
と、楽しい夜は更けて……
そして翌日、優と里夏が希先生におもちゃを見せて遊んでると、
訪ねてくるのは琴子さん。
亜沙子さんに尋ねられ、厩舎に行ってたと答える琴子さんに、
「タロウ、元気ですか?」と優。
「うん、元気よ。でも……大変なことになったの」
表情の曇る琴子さんに、心配そうな優。
「ぐんま競馬場が閉鎖になることが決まったの」
「閉鎖って……」声も出せないくらいに驚く優、
「ぐんま競馬場がなくなったら、村上厩舎どうなるんですか?」
「……なくなる」
じっと琴子さんを見つめる優。

厩舎では西郷さんに経過を説明する太郎。
横に控えるは村上先生。
ジョンコさんにもいろいろとがんばってもらいましたけどねえ、と西郷さん、
「ダメでしたか……残念です」とお辞儀。
「はい」と小さく頷く先生。
馬たちの受け入れ先はなんとしてでも見つけますから、と太郎。

夜、布団のなかで物思いに耽る優。
ふと机上の、ジョンコ初勝利の記念写真を見上げ……

そのころ夫婦の寝室では……
「ねえ、優は岡部君が好きなのよね?」と亜沙子さん。
「なんだよ急に」と啓太さん。
「思ったんだけど、優、太郎さんのことが好きなんじゃないかなあって……」
「えー、そんなの違うだろ」と吐き捨てる啓太さん。
「そうだよね……」と一応納得する亜沙子さん、
しかし天井を見上げ……

鬼塚のクラブで働く優、
男の子をポニーから降ろしてやり、
そして……
やがて鬼塚から「ぼんやりしないで」と注意されてしまう優。

仕事が終わると、門の外で待っていたのは岡部。
ぐんま競馬場廃止の件を聞いた岡部、
村上厩舎に行ってきた?と訊くと、ううん、と首を振る優。
「心配だろ?」
少しの間の後「私が行ってもしょうがないから」
笑顔の優を見つめる岡部。
やがて優の誘いで、また一緒に勉強することに……

「ここで自分の厩舎を持つのが夢でした……」
厩務員室を眺め渡し、先生に語る太郎、
「先生からこの厩舎を受け継いで、ずっと守っていくつもりでした」
ため息をつく先生「……これからのこと考えるべや、のう?」
やがて笑顔で頷く太郎。

勉強を終え、帰る岡部を玄関先で見送る優。
「やっぱり、太郎さんのこと心配なんじゃない?」
そう訊く岡部に、少し笑顔を見せる優、
「そりゃ心配だけど……でも、行く気ないから」
そう断言する優を見つめ……やがて「バイバイ」と岡部。
「うん、バイバイ」と見送る優……。

鬼塚から乗馬の練習を受ける優。
ぐるぐると調子よく回り続け、
「よーし、そこから本馬場回れ!」と指示を受け……
しかし、馬を止める優。
「どうした?」と鬼塚。
鞍から降り、今日はここまでにしてください、と優。
そして……駆ける優。
村上厩舎に向かって、髪振り乱してひた走る優。
厩務員室の前で立ち止まり、息を整え……
「こんにちは」
戸を開けると、馬具の手入れをしていた太郎、
少し戸惑った様子で「おう、久し振り」
そして立ち上がり、笑顔になる太郎、
元気か? 鬼塚のクラブでちゃんとやってるか?などと尋ね……
うん、と答える優に、ホッとした様子の太郎。
やがて「聞いたよ……ぐんま競馬場のこと」と優。
「閉鎖になんかするもんかってやってきたけど、ダメだった」
と、明るく振舞って見せる太郎。
「ここ、どうなるの?」
「……なくなる」
「……太郎さんは、どうするの?」
「まずは、馬たちを引き取ってくれる厩舎探さないとな」
また馬具に向かう太郎、
「それで、俺も馬の仕事探してみようと思う」
「そっか」と優。
「俺には馬しかないから」
太郎を見つめる優。
「……心配してきてくれたのか?」
少し目を伏せる優。
「俺ならなんとかするから!」
太郎を見つめ続ける優。
「ありがとな、わざわざ来てくれて」
太郎をじっと見つめる優。
笑顔の太郎……
やがてか細い声を漏らす優「じゃあ、帰るね」
「バイバイ」と太郎。
「バイバイ」と優。
そして馬具の手入れに戻る太郎、
しばらく彼を見つめる優……やがて出口に向かうと、
ちょうどやってきた岡部と鉢合わせ。
立ちすくみ、見つめ合う2人……
やがて岡部に声をかける太郎、
「俺、仕事があるから」と馬房のほうへ向かい……
一瞬そちらを振り向き、しかし目を伏せて「うん」と優。
太郎が去るのを待って岡部「来てたの?」
「うん」と彼を見上げる優。
「そう」
「岡部は……どうしたの?」
「優がここのこと気にしてるかと思ったから」
「うん……やっぱり馬たちのことが気になったから……」
岡部の目を見る優、
「でも行き先ちゃんと見つけてくれるっていうから……」
「そっか……」笑顔になる岡部。
「うん……」岡部の目から逸らさない優……。

しかし亜沙子さんはどの時点で、何を根拠に、
優が太郎を好きなんじゃないか……と思ったんでしょうかねえ?
その辺は定かではないけど……
しかし岡部と付き合うといっても、
優が岡部の思いを受け入れる描写はあっても、
優が岡部に対して恋愛感情を抱いてるという描写はまったくなかったし、
そこへ来て村上厩舎がなくなると聞いて動揺する優……
いかに岡部から優をガードするかで頭がいっぱいの啓太さんはともかく、
側にいてる亜沙子さんにはわかるもんですかねえ。
そう、自分を必要とするところへ行こうと思うと語った里夏……
優が岡部を受け入れたのには、そんな気持ちも大きかったんでしょうねえ。
それはそれでうまくいく場合もあるだろうけど……
しかし、やはり大きかった太郎の存在。
優を走らせる太郎。
太郎のために走る優。
久し振りに言葉を交わす2人。
そこに現れる岡部……。
席を外す太郎。
後ろめたさを隠すかのように、それを悟られるのを防ぐかのように、
岡部の目から視線を逸らさない優……。
ぐんま競馬廃止という事態を前に、
いったいどう動いていくんでしょうか……。
ま、今日の結論としては、
嬬恋のキャベツが出てきただけに、
嬬恋キャベツ……つま恋きゃべつ……きもち恋とはべつ……
優の岡部への気持ちは恋とは別のものだった、ということで……
ああ、苦しい。
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卒業旅行は嬬恋にゴー 四万にもぷー

2005-09-20 21:40:00 | 「ファイト」倶楽部
冒頭からまたもや子供部屋で勉強する優と岡部。
ところが「あ~あ」とため息なんぞつく岡部……
またキスしようとしてもお父さんが顔を出すだろうなあ、
それを考えると気が重いのかなあ……
そこまで優が考えたかどうかは定かではないけど、
どうしたの?と訊いてみると、親と喧嘩したとのこと。
大学行かないで写真の勉強したい、って言ったら怒られた……
そうぼやく岡部に、
「親は反対するためにいるようなもんだ」と琴子さんが言ってたよ、と優。
夢が叶うなんて簡単なことじゃないってわかってるけど……と岡部。
と、思い出す優「琴子さんのお母さんに歌手デビューの話来たんだって!」
思わずペンをマイク代わりにして驚く岡部。

駒乃館でもやはりその話でもちきり、
敏美さんなど、早くもヒット祈願のお祈りする始末。
僕が付き人になって一緒に全国を回るよ、と隆行さん。
じゃあ日本中のお土産買ってきてもらいましょうね、と敏美さん。
みんな夢がでかいなあ、と大和さん。
お土産を楽しみにすることのどこが夢がでかいのかはさておき、
夢で終わらせない、現実にしよう、と指を立てる隆行さん。
その指にとまる敏美さん、さらにとまる大和さん、さらに重ねる隆行さん……

ところが東京の部屋で食事中の絹子さん、
「私、歌手になる話受けるなんて、ひと言も言ってないわよ」
……え? あんなに喜んでたのに、と訝る琴子さん。
「そりゃ嬉しかったわよ」
「じゃあ、どうして?」
琴子さんの問いには答えず、
謎めいたような、満ち足りたような微笑を浮かべる絹子さん。

さて、隆行さんが哲也君をあやしてるところに、帰宅する絹子さん。
歌手デビューの話のお祝いを言う隆行さん。
あなたがコンサートで歌わせてくれたおかげよ、
と礼を言う絹子さん……ところがやがて、
「私、歌手になるつもりないわ」
驚く隆行さん。哲也君も奇声を発し……
「大学卒業したら、四万に戻ってくる」
「僕のことなら心配要らないんだよ」と隆行さん、
「絹子さんの夢を叶えることが、僕の夢でもあるんだから」
「ううん、私がここに帰ってきたいの……」
私が望む生き方は歌手としてやっていくことじゃない、
あなたと2人で楽しく過ごすことなの……
私、あなたと一緒にいたい、
これからの2人の時間、大切にしたいの……
絹子さんの言葉をよく噛みしめる隆行さん「本当にそれでいいの?」
はい、と絹子さん、
隆行さんの背後に回って肩を揉んでやり、
「とにかくさ、のんびり旅行でもしたいわね……」
ありがとう、と瞳を潤ませる隆行さん。

「……そういうわけで歌手デビューの話はナシになったの」
木戸家を訪れ、そう報告する琴子さん。
少し残念がる亜沙子さん、
私はよかったと思ってる、と琴子さん。
「でもホントに仲がいいよね……」と亜沙子さん。
ふと、両親に何かプレゼントしようと思い立つ琴子さん、
何がいいと思う?と訊くと……
ハイッ!と元気に挙手する優、
「お部屋の改装なんてどうですか?」

というわけで早速、駒乃館に戻ってくる琴子さん、
物置として使ってるらしい薄暗い部屋を改装させてくれないか……
そう尋ねられ、突然のことに意外そうな隆行さん。
お父さんとお母さんが哲也君の面倒を見ながら楽しく過ごせる部屋を作りたい……
そう言われ、琴子さんに任せることにする隆行さん、
ふと気付くと抱いていた哲也君がお漏らし。
慌てて寝かせてオムツを替えてやり……
何だよ、またこの爺さんかよ、
もう優ちゃんに替えてもらいたいなんて贅沢は言わないからさ、
せめてそこにいるおばちゃんに替えてもらいたいなあ……
と、大泣きする哲也君の心の叫び。

さて夏休みになり、鬼塚のクラブでの優の仕事も大忙し。
そこへ訪ねてくる啓太さんと檀君。
ポニーの鼻面を撫でさせてもらって、
少し緊張しつつも楽しそうな檀君、
それを見守る啓太さん……と、そこへ現れる岡部。
挨拶を交わした後、
「2人仲良くするのはいいけど、受験生なんだから、そこはちゃんと考えてよ」
と釘を刺す啓太さん。
「わかってます」と岡部、話を逸らすために……というわけでもないでしょうけど、
受験の話が出たついでに「俺、大学受験するか迷ってるんですよね」
「岡部君さ、迷ってるんなら受験したほうがいいと思うよ、俺ならそうするから」
まるで編集で繋いだかのように間髪入れずに即答する啓太さん。
その言葉に少し気が晴れた様子の岡部。
「お父さん見て見て!」と檀君の声。
見ると、ポニーに乗せられた檀君、優に引かれてフレームアウト。
心配そうに見送る啓太さん、
そんな様子に微笑む岡部。

さてある日、工場の外のベンチで、
従業員さんが日向ぼっこしてない隙を見計らって、
アイスを食べる優と里夏。
今日は本邦初登場の抹茶アイス。
実はこのアイスの色が優の心象を象徴してるのではないかと、
密かに仮説を立てておったんですけど……
抹茶色はいったい何を表してるんでしょうかねえ?
まあ小道具係の人の単なる気まぐれでしょうか。
それはさておき、
「高校最後の夏休みだし、どっか行かない?」と里夏。
「うん、いいよ」
「ねえ、嬬恋は?」
「嬬恋? 懐かしい~」と笑みがいっぱいになる優、
「嬬恋ってさ、中学のときの職業体験で行ったよね」
うん、と頷く里夏。
「それで、作文書いたよね……」
とここで、琴子さんが部屋の改装してる間に、
優も嬬恋での職業体験を回想。
ああ……ホント、懐かしいですねえ。
これは記念すべき第1回でしたっけ。
それでこの優の作文がラストに流れたんですよねえ。
……しかし優ちゃん、自他ともに認める作文下手のわりには、
なかなか上手ですやん。
群馬県の国語教師はいったいどこを見てるんでしょうかねえ?
小学校の先生は美人揃いらしいけど。
しかしこのころのイメチェン前の岡部は、
ホンマ、農家のおばちゃんみたいやなあ……
「あのころはさ、岡部がイメチェンするなんて考えてなかったよね……」
あ、スイマセン、間違えました。
「あのころはさ、将来のことなんか何にも考えてなかったよね……」
うん、とやはり遠くを見る目で頷く里夏。
そこへ現れるイメチェン後の岡部、
嬬恋行きの話を聞くと「俺も行く!」
「それじゃ私お邪魔みたいじゃん」とふくれる里夏。
「そんなことないよ」と優。
「あるよー」
「いいじゃん、3人で行こうよ」と岡部。
「いいよね、里夏……」
2人の顔を見渡し「しょうがないなあー」と可愛くぼやく里夏。
「じゃあ、決まり!」

というわけで嬬恋に行くことになった3人、
その途中で駒乃館に立ち寄ると、早速敏美さんから手品でお出迎え。
そこへ奥から琴子さん「部屋の改装が終わったところなの、見てってくれる?」
というわけで隆行さん、絹子さんとともに見せてもらうことになる3人、
件の部屋に入ると……
なんや、荷物を退けて、カーテンを開けて外の明かりを入れて、
壁紙をちょっと張り替えただけやんか……
などと心の中では思っても表には出さない、大人の隆行さん、絹子さん、
部屋中あちこち見て回って大喜び。
やがて琴子さんに礼を言い……
そんな光景に笑みがこぼれる優。

さて、絹子さんの音大受験宣言以来、
少しギクシャクしたりすることの多かった、隆行さんとの夫婦仲、
これでいよいよ一件落着ってところでしょうか。
CD製作もコンサートも、別に絹子さんの歌が評価されて実現したわけではなく、
音楽事務所からの話がきて、いよいよ本当に絹子さんの夢が叶うか……
というところでの、今日のこの展開。
なんか、地に足がついてるなあ……なんて感じられたりして。
しかし隆行さんの、かつての大人げなさっぷりやなんかは、
言わば物語の進行のためにそう描かれたようなもんやったわけで、
それを考えると……
大きな夢よりも、身近にある幸せを選択する絹子さん、
その姿は優に反映されるんでしょうか……?
そう言えば今日は久し振りに太郎が姿を見せなかったけど……
ま、太郎の出番は明日まで待っちゃ。
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