夕食時、佳代さんに勧められたお肉をひと口でぺろりと平らげ、
「おいしいー」と優。
そんな優に「よかったな、馬に乗れて」と啓太さん。
「うん」
「厩舎に戻って馬の世話したいんじゃないのか?」
箸の動きの止まる優、しかし笑顔で、
「うん、そりゃ、またやりたいなって思ってる」
「せっかく打ち込めることを見つけたのにねえ」と亜沙子さん。
「どうしたらいいんだろ……どうしたらいいか、自分で考えてみるね」
そう言って食事に戻る優。
そこへ「そうよ、自分でよく考えなさい」と佳代さん、
「優が本当に反省したら、村上さん、考え直してくれる人よ」
少し笑みを浮かべてお味噌汁を飲む優、
ほう~、先生の人柄までよくご存知ですこと……
なんてなことは考えてないでしょうけど。
さて、厩務員室ではビールを飲み交わす隆行さんと太郎。
隆行さん、太郎がよっぽど気に入ったのか知らんけど、外は夜ですよ。
四万までどうやって帰るつもりなんでしょう?
まさかここに泊まるつもりじゃあ……
太郎と枕を並べて……なんてな邪推はよそに、
若い人と酒を飲むとこっちまで若返った気になると、
ご機嫌な隆行さん。
「駒田さん、若々しいですよ」と太郎。
「その駒田さんっていうのはよそよそしいなあ」と隆行さん、
名前で呼んでもらっていいんだよ、駒田隆行と申します……
「隆行……さん……」
ますますご機嫌な隆行さん。
笑顔の太郎、しかし戸惑いは隠しきれないようで……
「優ちゃん来なくなって寂しくなったんじゃない?」
と、太郎の困惑をよそに尋ねる隆行さん。
「ええ、ジョンコ寂しがってると思います」と、馬思いの太郎。
あ、いや……まあどうぞ、とビールを注いでやる隆行さん、
それを受ける太郎をじっと見つめ……
優の気持ちを知ってる隆行さんは、
やはり、優の父親のような思いで太郎を見てるんでしょうか、
優を介しての擬似父子のような関係を思い浮かべてるんでしょうか……
「あいつに戻ってきて欲しいか……」
ジョンコの身体を洗ってやりながら、そうつぶやく太郎。
ブルルッと身体を震わせるジョンコ。
「そうだよな」ジョンコをじっと見つめ……
やがて厩務員室で、村上先生に尋ねる太郎、
「あいつをまたここで働かせてやってもらえませんか」
頭を下げ、二度とこういうことがないようにしますから……と、
重ねて頼む太郎。
「おめえ、木戸さんを育ててぇんかい?」
はい、と答える太郎、
あいつにいろいろ教えてやりたいんです、
あいつまだ子供ですけど、馬のことちゃんと覚えたら、
すごいんじゃないかって思うんです……
「うん、俺もそう思う」と先生、
「ただ木戸さん自信が中途半端な気持ちなら、俺は受け入れることはできねえ」
はい、と太郎。
やがて柵にもたれ、乗馬練習場を眺める太郎、
「なあ、ジョンコに無断で乗ったこと、どう思ってんだ?」
「いけなかったって思ってます」と、乗馬服で脇にたたずむ優。
「お前子供だけど、中身はもうちょい大人かと思ってたよ……」
そうこぼす太郎に、目を伏せてしまう優。
「先生が何であんなに厳しくしたか、わかるか?」
答えられない優。
「もう一度よく考えろ……」
思いをめぐらせる優、
遠くに目をやれば、鮮やかな夕焼け。
名残惜しそうに響くセミの鳴き声。
さて、工場の外では檀君、夏休みの宿題の工作。
バネのついた魚やらイルカやらを箱に貼り付けてますけど、
「岡部ぇ、ちゃんと押さえてて」
「岡部?」と岡部。
「岡部じゃないの?」
「岡部だけど……」と岡部。
そりゃ手伝ってくれてる岡部お兄ちゃんを呼び捨てにする檀君もイカンけど、
岡部、そもそもお前が呼び捨て野郎なんやから、
お前に檀君を怒る資格はないぞ、
わかったか、岡部。
「こんにちは、檀君」とそこへやってきたのは、
「こんにちは、里夏ちゃん」
「こんにちは、岡部」
「ああ……」と複雑な表情の岡部。
やがて工場から出てくる優、
里夏を見つけると「試合どうだった?」
「勝った」
「おめでとう!」
「ありがとう」
岡部、檀君からも祝われる里夏、
たまには私の写真も撮ってと岡部に言ってみるけど、
考えとく、なんて言われ「まったく撮る気ないってことじゃん」と不機嫌そう。
「あ、バレた」と笑う岡部に「ほらね」と檀君。
いったい何が「ほらね」なんでしょうか?
檀君、岡部の社交辞令をきっちり見抜いてたんですか?
その歳で……それじゃあ岡部ぐらい呼び捨てにしてもええか。
まあそんな会話はさておき、優が訊きたかったのは……
「ねえねえ、今日も先発完投?」
うん、と里夏。
すご~い!と優。
「でも監督、相変わらず厳しくてさ、すっごい怒られた」とはにかむ里夏。
「それは里夏が期待されてるからだよ」
「そうかな……優は?」
はっとする優。
馬のことを……わかったような気になるんでねえっ!
その夜、寝床で村上先生の言葉を思い返し……
翌朝、お姉ちゃんがいないよと、両親の寝室に来る檀君。
時計を見ると5時半。
「この時間にいないってことは、行く場所はわかってる」と啓太さん。
「……うん」と喜ぶ亜沙子さん。
「ジョンコ!」と檀君。
自転車でやってくる優、門の前で降り、厩舎の中を眺め……
やがて馬房のジョンコも優に気付き……
見つめ合う優とジョンコ。
そして気持ちを固めて、中に入る優。
厩務員室の戸を開けると、立ち話中の村上先生と太郎。
「おはようございます」と優。
「おはよう」と返事は太郎だけ。
やがて先生の前に進み出る優、
「ジョンコに無断で乗ったこと、本当にすいませんでした」
深々と頭を下げ、
「二度としません、ですから、もう一度ここで働かせていただけませんか?」
遠くに目をやる先生。
「また一からやり直すつもりで来ました」先生をじっと見つめる優、
最初は掃除からはじめます、
掃除だけでも構いません、
ここで働かせてください……
「お願いします!」もう一度、頭を下げる優。
やがて優に向き直る先生、じっと見つめ、
「馬のこと、わかったような気になるんじゃねえ……約束できるかい?」
「はい」力強く優。
頷く先生「ジョンコが首長くして待ってる……引き運動してやれ」
その言葉が俄かには信じられないのか、無言の優。
もう一度頷く先生「早く行ってやれ」
「はい、ありがとうございます!」最敬礼の優。
太郎からも「ありがとうございます」
威厳のある顔で、しかし優しい目で優を見守る村上先生。
やがてつなぎを着込んだ優、馬房のジョンコの前に立ち……
「ジョンコ、ゴメンね……」
ゆっくりと首を振るジョンコ。
笑みの戻る優「今日からまた、よろしくお願いします」とペコリ。
そして手綱を引いて外へ出て、空を見上げ、
「ジョンコ……気持ちいいね……」
息を吸い、しばし立ち尽くす優。
優に寄り添うジョンコ……。
「それは里夏が期待されてるからだよ」と言う優に対して、
「そうかな……優は?」
この里夏のセリフの「優は?」の意味ですけど、
劇中では描かれてなかったけど、
まあ親友のことだから厩舎に出入り禁止になったことは聞いていて、
優も先生から期待されてるんじゃないの?という意味で言ったんでしょうねえ。
里夏のその言葉でようやくそのことに気付くというのは、
ちょっと鈍い気がしないでもないけど、
まあ自分を見る目なんてそんなもんでしょう。
ただ、問題はそれに気付いたとして、
どうやって謝ればいいのか。
どうやったら許してもらえるのか。
これは……実は僕も似たような経験が何度かあるので、
結構身に染みてるんですけど、
結局は誠意を込めて謝るしかないんですよね。
単純ですけど、それ以外にありません。
ただ、誠意の示し方……これが難しいんですよねえ。
まあ優ちゃんの場合、下げた頭を上げたときの、あの髪の乱れ具合。
アレをみればどんな男でも許さずにはいられない……って、
いやそんな問題じゃなくて、
村上厩舎にやってきたこと。
出入り禁止にされた厩舎に足を運んできて謝ったこと。
これで充分示されたと言っていいでしょう。
それまでの真摯な働きっぷりを、
そして馬たちとの交流を見ていた先生には充分に通じたんでしょう。
馬への恐怖心の克復という問題はスピーディな展開で劇的な決着を見せ、
そしていかに許してもらうかという我々にも身近な問題は、
それぞれの胸の内が強く伝わってくる描写を見せながら、しかし静かに収まり、
そしてラストはなんとも穏やかな優とジョンコの姿……
この緩急自在な演出がもたらす多彩な魅力、
それぞれの味わいの余韻の深さ……。
昨日とはまるで異なるタッチなのに、
同じように、いやひょっとしたらそれ以上に心を動かされてしまって、
ああ、またFAX送らずにはいられなくなる……って、
もう送るとこあらへん。
あ、それで、ムチャクチャ私事ですけど、
本当に何気なく書いた質問に、
あれだけ考え考え、真面目に答えてくれた本仮屋ユイカさん。
本当に申し訳ない気分です。
こんなこと書いても浮かれてるようにしか見えないでしょうけど、
いや、そういう気持ちもあるにはあるんですけど、
自分が彼女の母親と同年代(!)なことを考えると、
本当に恥ずかしくなってきて、なんか、謝りたい気分にすらなってしまいますわ。
しかしすべての質問やメッセージに心の底からの反応を表していたユイカさん、
こんなに強い感受性では芸能界を渡っていく上で辛くならないだろうかって、
逆に心配になってしまったりして……と思ったら、
ケラケラ笑って見せてくれたりもして、
ホンマ、ステキなお嬢さんですねえ。
でも瀬川亮さんの印象を訊かれて、
「太郎さんは……」と答えたところ、
まるで隆行さんへの告白と一緒やん……
ああ、ドラマの中だけではなく、現実にも僕の割り込む余地は……
えーい、こうなったらお母さんでもええわ。
って、最低のオチですねえ、こりゃ。
やっぱりちょっと浮かれてるかも。
「おいしいー」と優。
そんな優に「よかったな、馬に乗れて」と啓太さん。
「うん」
「厩舎に戻って馬の世話したいんじゃないのか?」
箸の動きの止まる優、しかし笑顔で、
「うん、そりゃ、またやりたいなって思ってる」
「せっかく打ち込めることを見つけたのにねえ」と亜沙子さん。
「どうしたらいいんだろ……どうしたらいいか、自分で考えてみるね」
そう言って食事に戻る優。
そこへ「そうよ、自分でよく考えなさい」と佳代さん、
「優が本当に反省したら、村上さん、考え直してくれる人よ」
少し笑みを浮かべてお味噌汁を飲む優、
ほう~、先生の人柄までよくご存知ですこと……
なんてなことは考えてないでしょうけど。
さて、厩務員室ではビールを飲み交わす隆行さんと太郎。
隆行さん、太郎がよっぽど気に入ったのか知らんけど、外は夜ですよ。
四万までどうやって帰るつもりなんでしょう?
まさかここに泊まるつもりじゃあ……
太郎と枕を並べて……なんてな邪推はよそに、
若い人と酒を飲むとこっちまで若返った気になると、
ご機嫌な隆行さん。
「駒田さん、若々しいですよ」と太郎。
「その駒田さんっていうのはよそよそしいなあ」と隆行さん、
名前で呼んでもらっていいんだよ、駒田隆行と申します……
「隆行……さん……」
ますますご機嫌な隆行さん。
笑顔の太郎、しかし戸惑いは隠しきれないようで……
「優ちゃん来なくなって寂しくなったんじゃない?」
と、太郎の困惑をよそに尋ねる隆行さん。
「ええ、ジョンコ寂しがってると思います」と、馬思いの太郎。
あ、いや……まあどうぞ、とビールを注いでやる隆行さん、
それを受ける太郎をじっと見つめ……
優の気持ちを知ってる隆行さんは、
やはり、優の父親のような思いで太郎を見てるんでしょうか、
優を介しての擬似父子のような関係を思い浮かべてるんでしょうか……
「あいつに戻ってきて欲しいか……」
ジョンコの身体を洗ってやりながら、そうつぶやく太郎。
ブルルッと身体を震わせるジョンコ。
「そうだよな」ジョンコをじっと見つめ……
やがて厩務員室で、村上先生に尋ねる太郎、
「あいつをまたここで働かせてやってもらえませんか」
頭を下げ、二度とこういうことがないようにしますから……と、
重ねて頼む太郎。
「おめえ、木戸さんを育ててぇんかい?」
はい、と答える太郎、
あいつにいろいろ教えてやりたいんです、
あいつまだ子供ですけど、馬のことちゃんと覚えたら、
すごいんじゃないかって思うんです……
「うん、俺もそう思う」と先生、
「ただ木戸さん自信が中途半端な気持ちなら、俺は受け入れることはできねえ」
はい、と太郎。
やがて柵にもたれ、乗馬練習場を眺める太郎、
「なあ、ジョンコに無断で乗ったこと、どう思ってんだ?」
「いけなかったって思ってます」と、乗馬服で脇にたたずむ優。
「お前子供だけど、中身はもうちょい大人かと思ってたよ……」
そうこぼす太郎に、目を伏せてしまう優。
「先生が何であんなに厳しくしたか、わかるか?」
答えられない優。
「もう一度よく考えろ……」
思いをめぐらせる優、
遠くに目をやれば、鮮やかな夕焼け。
名残惜しそうに響くセミの鳴き声。
さて、工場の外では檀君、夏休みの宿題の工作。
バネのついた魚やらイルカやらを箱に貼り付けてますけど、
「岡部ぇ、ちゃんと押さえてて」
「岡部?」と岡部。
「岡部じゃないの?」
「岡部だけど……」と岡部。
そりゃ手伝ってくれてる岡部お兄ちゃんを呼び捨てにする檀君もイカンけど、
岡部、そもそもお前が呼び捨て野郎なんやから、
お前に檀君を怒る資格はないぞ、
わかったか、岡部。
「こんにちは、檀君」とそこへやってきたのは、
「こんにちは、里夏ちゃん」
「こんにちは、岡部」
「ああ……」と複雑な表情の岡部。
やがて工場から出てくる優、
里夏を見つけると「試合どうだった?」
「勝った」
「おめでとう!」
「ありがとう」
岡部、檀君からも祝われる里夏、
たまには私の写真も撮ってと岡部に言ってみるけど、
考えとく、なんて言われ「まったく撮る気ないってことじゃん」と不機嫌そう。
「あ、バレた」と笑う岡部に「ほらね」と檀君。
いったい何が「ほらね」なんでしょうか?
檀君、岡部の社交辞令をきっちり見抜いてたんですか?
その歳で……それじゃあ岡部ぐらい呼び捨てにしてもええか。
まあそんな会話はさておき、優が訊きたかったのは……
「ねえねえ、今日も先発完投?」
うん、と里夏。
すご~い!と優。
「でも監督、相変わらず厳しくてさ、すっごい怒られた」とはにかむ里夏。
「それは里夏が期待されてるからだよ」
「そうかな……優は?」
はっとする優。
馬のことを……わかったような気になるんでねえっ!
その夜、寝床で村上先生の言葉を思い返し……
翌朝、お姉ちゃんがいないよと、両親の寝室に来る檀君。
時計を見ると5時半。
「この時間にいないってことは、行く場所はわかってる」と啓太さん。
「……うん」と喜ぶ亜沙子さん。
「ジョンコ!」と檀君。
自転車でやってくる優、門の前で降り、厩舎の中を眺め……
やがて馬房のジョンコも優に気付き……
見つめ合う優とジョンコ。
そして気持ちを固めて、中に入る優。
厩務員室の戸を開けると、立ち話中の村上先生と太郎。
「おはようございます」と優。
「おはよう」と返事は太郎だけ。
やがて先生の前に進み出る優、
「ジョンコに無断で乗ったこと、本当にすいませんでした」
深々と頭を下げ、
「二度としません、ですから、もう一度ここで働かせていただけませんか?」
遠くに目をやる先生。
「また一からやり直すつもりで来ました」先生をじっと見つめる優、
最初は掃除からはじめます、
掃除だけでも構いません、
ここで働かせてください……
「お願いします!」もう一度、頭を下げる優。
やがて優に向き直る先生、じっと見つめ、
「馬のこと、わかったような気になるんじゃねえ……約束できるかい?」
「はい」力強く優。
頷く先生「ジョンコが首長くして待ってる……引き運動してやれ」
その言葉が俄かには信じられないのか、無言の優。
もう一度頷く先生「早く行ってやれ」
「はい、ありがとうございます!」最敬礼の優。
太郎からも「ありがとうございます」
威厳のある顔で、しかし優しい目で優を見守る村上先生。
やがてつなぎを着込んだ優、馬房のジョンコの前に立ち……
「ジョンコ、ゴメンね……」
ゆっくりと首を振るジョンコ。
笑みの戻る優「今日からまた、よろしくお願いします」とペコリ。
そして手綱を引いて外へ出て、空を見上げ、
「ジョンコ……気持ちいいね……」
息を吸い、しばし立ち尽くす優。
優に寄り添うジョンコ……。
「それは里夏が期待されてるからだよ」と言う優に対して、
「そうかな……優は?」
この里夏のセリフの「優は?」の意味ですけど、
劇中では描かれてなかったけど、
まあ親友のことだから厩舎に出入り禁止になったことは聞いていて、
優も先生から期待されてるんじゃないの?という意味で言ったんでしょうねえ。
里夏のその言葉でようやくそのことに気付くというのは、
ちょっと鈍い気がしないでもないけど、
まあ自分を見る目なんてそんなもんでしょう。
ただ、問題はそれに気付いたとして、
どうやって謝ればいいのか。
どうやったら許してもらえるのか。
これは……実は僕も似たような経験が何度かあるので、
結構身に染みてるんですけど、
結局は誠意を込めて謝るしかないんですよね。
単純ですけど、それ以外にありません。
ただ、誠意の示し方……これが難しいんですよねえ。
まあ優ちゃんの場合、下げた頭を上げたときの、あの髪の乱れ具合。
アレをみればどんな男でも許さずにはいられない……って、
いやそんな問題じゃなくて、
村上厩舎にやってきたこと。
出入り禁止にされた厩舎に足を運んできて謝ったこと。
これで充分示されたと言っていいでしょう。
それまでの真摯な働きっぷりを、
そして馬たちとの交流を見ていた先生には充分に通じたんでしょう。
馬への恐怖心の克復という問題はスピーディな展開で劇的な決着を見せ、
そしていかに許してもらうかという我々にも身近な問題は、
それぞれの胸の内が強く伝わってくる描写を見せながら、しかし静かに収まり、
そしてラストはなんとも穏やかな優とジョンコの姿……
この緩急自在な演出がもたらす多彩な魅力、
それぞれの味わいの余韻の深さ……。
昨日とはまるで異なるタッチなのに、
同じように、いやひょっとしたらそれ以上に心を動かされてしまって、
ああ、またFAX送らずにはいられなくなる……って、
もう送るとこあらへん。
あ、それで、ムチャクチャ私事ですけど、
本当に何気なく書いた質問に、
あれだけ考え考え、真面目に答えてくれた本仮屋ユイカさん。
本当に申し訳ない気分です。
こんなこと書いても浮かれてるようにしか見えないでしょうけど、
いや、そういう気持ちもあるにはあるんですけど、
自分が彼女の母親と同年代(!)なことを考えると、
本当に恥ずかしくなってきて、なんか、謝りたい気分にすらなってしまいますわ。
しかしすべての質問やメッセージに心の底からの反応を表していたユイカさん、
こんなに強い感受性では芸能界を渡っていく上で辛くならないだろうかって、
逆に心配になってしまったりして……と思ったら、
ケラケラ笑って見せてくれたりもして、
ホンマ、ステキなお嬢さんですねえ。
でも瀬川亮さんの印象を訊かれて、
「太郎さんは……」と答えたところ、
まるで隆行さんへの告白と一緒やん……
ああ、ドラマの中だけではなく、現実にも僕の割り込む余地は……
えーい、こうなったらお母さんでもええわ。
って、最低のオチですねえ、こりゃ。
やっぱりちょっと浮かれてるかも。