モヴィエ日記

映画の感想とか、いろいろです。

たべよう たべよう たべよう

2005-07-30 17:35:40 | 「ファイト」倶楽部
優と亜沙子さんが駒乃館で働く最後の日。
松竹梅に「皆さんにはお世話になりました」と亜沙子さん。
佳代さん直伝でか、コンロの掃除をしていた優も「お世話になりました」
「お世話だなんて何もしてないわよねえ~」と、これは謙遜か真実か。
「これ、気持ちです」と3人にハンカチを贈る亜沙子さん。
「ハンドタオルの方がよく使うのよね~」などと言われ……
「感じ悪いですねえ、最後ぐらい感じよくしてくれるかと思いました……」
ズバリと言う亜沙子さんに対し、
「そんなつまんないことするわけないじゃない」
笑い出す松竹梅、しかしハンカチも結構気に入った様子で、
そんな3人を見てやはり笑う亜沙子さん、優。

寮の部屋では引越しの荷物を整理する啓太さん。
ひと足先に帰ろうとする佳代さんに、長い間いてくれたことの礼を言います。
高崎で仕事が見つかったとはいえ、アルバイトで、
あまり条件もよくないらしい啓太さん、
「心配ばかりかけて本当にすいません」
「そうよ、頼むわよっ」と力強く佳代さん。
「はいっ」力強く応える啓太さん。
檀君、佳代さんに近づき「バイバイ」と言ったあと、抱きつき……
毎晩毎晩、遊んでるところを寝かしつけられたことも、
今となってはいい思い出でしょうか……。

夜、駒乃館で皆を前に別れの挨拶をする優。
ここではいろんなことを教えてもらいました、
障子の張替え、着物の着方、仲居の仕事……
見つめる隆行さん、絹子さん、大和・敏美夫妻……
その後ろにはチャッカリひとりずつ映りこむ松竹梅。
「将来は人を元気にする仕事がしたいなって思うようになりました」
言葉が詰まる優。
一同、拍手。
「4月から高校に戻ります。皆さん、ありがとうございました」
深々と頭を下げる優。
一同、いつまでも拍手。
特に想いをこめて見つめ合う、優と隆行さん。

朝、廊下の流しで出会う亜沙子さんと川崎医師。
今日引っ越すことを告げる亜沙子さんに、とっておきの体操を教える川崎医師。
「笑ってください」
取り澄ました笑顔を見せる亜沙子さん。
「もっと笑ってみましょう」
口の端を指で持ち上げる川崎医師、
それにつられて自然な笑いを見せる亜沙子さん。
「そうです、幸せを呼ぶ顔の体操です」
やがて、さよなら、と別れを告げる2人。

駒乃館に挨拶に訪れる木戸家の4人。
ありがとうございました、とひとりずつ頭を下げる啓太さん、亜沙子さん、優。
檀君は師匠に切り絵のプレゼント。
先日のパーティの隆行さんと絹子さんの絵に、礼を言う師匠。
やがて去っていく木戸家の4人、
ここではさすがに「バイバイ」ではなく「さよなら」。
彼らを追おうとして、しかしうずくまって泣き出す敏美さん。
それは決して、
優ちゃんがいなくなったらわがままな団体客をどうあしらえばいいのよ、
などと悲しんでるわけではなく……。

そうやって四万に、四万でお世話になった人々に別れを告げ、
いよいよ高崎に戻ってきた4人。
木戸バネ製作所の前でしばしたたずみ……
やがて中に入り、
「ここに住むんだよね?」と檀君。
「そう」と亜沙子さん。
2階に上がった優、部屋の中を見渡し、
目がとまるのは、クリーニングから上がったままの高校の制服。
学校に行けなくなったころのことが思い出されるけど……
やがて笑顔を見せ、それを手にとり、ビニールを剥がし……。
1階では、段ボール箱をひっくり返し、中のおもちゃをぶちまけてしまう檀君。
片付けなさいと言う亜沙子さんに向かって、
「やだよ!」と言い残して走り去っていく檀君。
久し振りに……恐らくプチ家出のあの一件以来、
久し振りに見せた檀君の子供らしい、無邪気なわがままっぷり。
そして工場では、カバーの掛けられた機械をじっと見渡す啓太さん。

「気をつけてね、檀あるから……じゃなかった、段あるから」
事務所にあったスチール机を運び出す優と啓太さん。
「段……じゃなかった、檀、危ないから」
もう1台も運び出し……
そして、長い間掛けられていたカバーを外し、優が「ただいま」と声をかけたのは、
家を売ることになり、家財道具を琴子さんに引き取ってもらったとき、
これだけは残しておいた、あのテーブル。
それを事務所に据え、椅子も運び込み……
それは立派な木戸家の食卓。
しばし眺めた後、席につく4人。
「お腹すいたあ!」と檀君。
「すいたねえ~」と優。
亜沙子さん「何食べたい?」
顔を寄せ合い、笑みを浮かべる優と檀君……「鉄板焼き!」

優、肉を口にし「おいしいぃ~!」
檀君はタレの皿に口をつけ……
亜沙子さん「檀、タレは飲まないんでしょ!」
「飲んでないよ、飲む振りしただけ!」
「だましたなあ~!」
「引っかかった、引っかかった!」
罰として赤ピーマンを食べる羽目になる檀君。
心から笑う啓太さん、優。
「檀、ピーマン食べた?」
「まだ」
いつまでも笑いの絶えない食卓。

静かにスタートを切った、木戸家の新たな生活。
工場の再開はしかし今のところ目処は立たず、
優の学校での日々もどうなるのか、不安がないわけではない、
でも、この家族なら……
いろいろ回り道はしてしまったけど、
その分、とても多くのことを学んだ、
とても大事なことを知った彼らなら、
この先にどんな困難があっても、なんとか乗り越えてくれるでしょう。
そしてその姿は、きっと我々を大いに励まし、力づけてくれることでしょう。
いつにもまして見応えがあった第18週「かえろう」、
しかしそれはまた、今後の展開へのひとつのステップ。
来週以降もますます楽しみな、帰ってきた木戸家のドラマ。
期待せずにはいられない、優の新たな挑戦。
残り2ヵ月となってしまったのは残念ではあるけど、
最後まで立派に駆け抜けてくれるであろう「ファイト」。
その魅力をしみじみと味わうことの出来た土曜日でした。
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まこう まこう まこう

2005-07-29 23:21:15 | 「ファイト」倶楽部
しかし一般的には、かつて自分が住んでいた地を訪れ、
かつての知人との再会が描かれるお話というのは、
どちらかと言うと悲劇的なものが多いような気がして、
その最たるところがルイ・マル監督の「鬼火」ではないかと思うけど、
この「ファイト」の場合、里夏との再会にそんな雰囲気を感じないではなかったけど、
そしてジョンコとの関係もまたそんな風になってしまうのかと思われたけど、
でもまあ、再訪といっても同じ県内のことでもあるからか、
どちらとの関係もやがて以前と同じように戻り始め……

そしてようやくジョンコのレースを見にやってきた優。
しかしレース間隔がやはり短すぎるような気がするけど……
地方競馬ってこんなもんなんですかねえ?
よくわからないけど、まあそれはともかく、
その後、岡部を誘い村上厩舎へ。
「がんばりましたねえ~、いい子いい子……」
満面の笑み……という常套句が陳腐に思われるような、
面をはみ出すような強烈な笑顔でジョンコを撫で撫でする優。
少し気味悪がったのか、触んないでよと言う太郎に、
「やだ~!」
そんな太郎、再び2人を厩務員室に招きいれ、
今度は牛乳を出して「大きくなれよ」
「あ、ありがとう……」と答える優は、
子供扱いされてるようでちょっと恥ずかしく思えたんだかどうだか。
そこへやって来る琴子さん。
「ちょっと見て……ジャーン!」とカーテンを開けると、
琴子さんが模様替えした太郎の部屋。
さすがインテリア・コーディネーター……と言っていいんだかどうだか、
ちょっと微妙ではあるけど、まあ元の部屋が部屋やから、
琴子さんの腕をもってしてもこんなもんか、ってところでしょうか。
それでも満足げな太郎の様子に、
「ねえ岡部、私たちお邪魔みたいだからそろそろ失礼しようか」と優。
「悪いねえ~、気ぃ遣ってもらっちゃって~」
「どういたしまして~」
ああ、まるで以前に戻った優と太郎の軽口の叩き合い。
優の心中ははたして……。
俺のこと木戸の彼氏だと思われてないだろうか、とおずおずと岡部。
そうか~?と優。
「思われてると思うんだけど……いいの?」
「どっちでもいいよ」
そう言ってジョンコに向き合う優。
「どっちでもいいってどういう意味だよ……」とボソッとつぶやく岡部、
ようやく自我が芽生えてきたんだかどうだか。

さて、今の優の心中を占めているのはやはり……
帰宅し「お父さんにお土産があります」と高らかに宣言する優。
運んできてもらったのは手巻きのバネを作る機械。
さっすが、16歳で運送屋さんを頼むなんて、茶筒があればこそですなあ。
檀君も感心したのか「おお~」
「指のリハビリにいいかなと思って」
笑顔の啓太さん。
早速部屋に備え付け、久し振りの作業開始。
ところが銅線(?)を差し込もうとするけど、
指に力が入らないからか、ぽろっ。
「お父さんがんばれっ」と檀君。
「はいっ」そう返事して再挑戦、しかしなかなか入らず……
真剣な表情で見守る優。

その後、亜沙子さんと琴子さんの、川崎医師をめぐる会話、
……「私がずっと一緒にいたいのは啓太さんだけ」や、
駒乃館で働く優と亜沙子さんの姿、
診療所でのリハビリなどを挟みつつ、
延々と描かれる、バネ作りに挑む啓太さんの姿。
やっと銅線を差し込めるようになり、
歯車を回してみるけど……巧くいかず、
何度も何度も挑戦する啓太さん。
やっと巻けたかと思ったけどイビツな仕上がり。
それを箱に捨て、再び機械に向き合い……
そんな啓太さんを、スプーンを持つ手を止めてじっと見つめる檀君。
そんな檀君をじっと見つめる佳代さん。
箱の中には失敗したバネが次々と投げ込まれ……
時が経つにつれどんどん溢れ……
かなり上達はするけど、まだまだ納得のいかない啓太さん、
機械から離れてひと休み、右手をじっと見つめ……
と、無言で銅線を差し出す檀君。
見つめ合う2人。
無言でそれを受け取り、再び機械に向かう啓太さん。
「よしっ!」と檀君。

こういう時間経過の描写、映画ではお馴染みのものですけど、
考えてみればテレビドラマでは珍しいですかねえ?
確かに連続ドラマの場合、一般の映画よりは長い時間がかけられるので、
こういうのは却って不必要なんでしょうか。
しかしこの辺が、この「ファイト」が並みのドラマと違うところでしょうか。
普通は見られない演出が用いられるばかりではなく、
普通は見られがちな描写もまた、あえて描かれない。
ひたすら機械に向かい続ける啓太さん、
そんな彼に向かって「少し休んだら」とか「無理しないで」とか、
そう言うもんでしょう、普通のドラマなら……そして現実の生活の中では。
しかしそんなセリフは聞かれない、この家族。
東京のアパートでの、啓太さんへの優の言葉もかなりきつかったけど、
ここでの檀君の、容赦ないと言ってもいいほどの厳しい態度。

夜、帰宅するなり「どう?」と尋ねる優。
バネを差し出す啓太さん。
不揃いながら、かなりの長さを巻けてるそれを手にし、
「後もうちょっとじゃん」
「うん」

しかしそんな家族からの厳しさは、大きな期待が込められてることの表れ。
何によって家族は結ばれ、何によって励まし合い、何によって影響を与え合うのか。
それはお互いの信頼、そしてお互いへの敬意。
優や檀君が、どれほど父親を尊敬し、信じているか。
きつすぎるかと思える態度は、すべてその象徴。
そしてそれに真摯に応える啓太さん……。

優と亜沙子さんが寝た後も根を詰めて巻き続ける啓太さん。
布団の中から心配そうに見守る優……。

翌朝。
亜沙子さんに起こされる優。
寝起きの顔がやがて、目の焦点が合い……
作業台に近づく優。
恐る恐るそれを取り、手のひらの上で転がし……
どこから見ても申し分のない、完璧なそれは……
「ああっ、お母さん!」
優らしくない叫びに何事かとやって来る亜沙子さん。
同じように見つめ……「ああっ!」
どうしたの、と向こうの部屋から起きてくる佳代さんと檀君。
優が差し出すと、佳代さんも「あら……」
檀君も手に取り……「バネ!」
むっくりと起き出す啓太さん。
得意そうな笑顔。
みんな啓太さんの周りに集まり……
「お父さん……やったじゃん!」
「うんっ!」やはり得意そうに、笑顔で、大きく頷き……
そんな啓太さんを見つめる亜沙子さん……
2人で見つめあい……ついに抱きつく亜沙子さん、
そこへのしかかる優と檀君、
そんな家族を見守る佳代さん。
廊下の流しで顔を洗う川崎医師、
聞こえてくる「やったー!」「すごい!」「治ったぞー!」の連呼に微笑み……
お隣さんまだ寝てるかもしれないでしょ、と静める佳代さん。
「ねえ、立って立って」と小声で優。
「せーの、バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ……」
しかし、やがて抑えきれずに大声で「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」
いつまでも止むことのない喜びの声。

この木戸家のバンザイシーンは、久し振りに工場に揃ってのスイカ割り以来でしょうか。
あのときの、どこか寂しさを感じさせたそれと違って、
今日のこのバンザイの、なんと希望に満ち溢れてることか、
なんと将来を見据えてることか……
それも、啓太さんががんばったから。
家族の期待に応え、必死になってがんばったから。
がんばって、その成果が出せたから……
ああ、僕も優ちゃんにバンザイしてもらえるなら、
思いっきりがんばるんやけどなあ……
いや、バンザイよりも「いい子いい子」って撫で撫でしてもらえるほうがいいかなあ、
いっそ優ちゃんになら「立って立って、早く立って」って言われてもいいなあ……
いや、あの、
僕も「ファイト」の世界に入りたいなあ、
木戸家の一員になって、あの喜びを分かち合いたいなあ……
そうつくづく思わされた、とても素晴らしい金曜日でした。
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いっしょにいよう いっしょにいよう いっしょにいよう

2005-07-28 22:07:06 | 「ファイト」倶楽部
優、亜沙子さん、松竹梅の朝の賄い。
3月でここ辞めるんだ、と訊かれ「4月から高校に戻ります」と優。
「私も高校時代に戻りたいな~」と、戻るの意味をずらす小梅。
「私もね、高校時代は、もてたのよね~」と竹子。
「えぇ~っ!」って、優ちゃんそれは驚きすぎ。
ジロッと睨まれ「……スイマセン」
「ホントにもてたのよ~」って、しかし竹子もしつこいって。
しかも、わざわざ立ち上がって言うことかいな。
「亜沙子さんは辞めないのよね」と松葉。
「はい、まだこちらでお世話になります」
そんな亜沙子さんのことが気になる様子の優……。

診療所ではリハビリを続ける啓太さん、それに付き添う亜沙子さん。
と、そこへ現れるのは佳代さん。
「ああ、檀君のお母さんのお母さん」とは言わなかった川崎医師。
体操を教えてもらいに来た、と佳代さん。
ついでに啓太さんのリハビリの礼も言い、
夫婦二人三脚ですもの、いざって時は助け合うものですね、
それが夫婦ってもんでしょ、先生にも早くいい人が見つかると……と、
あら、どうやらこちらが本題だった様子で。
後で亜沙子さんが問いただすと、
「釘刺しに来たのよ。亜沙子と啓太さんの間に割り込まないように」
そんな心配要らないから、という亜沙子さんに、
今は啓太さんと一緒にいるからでしょ、そのうち啓太さんと優が高崎に帰ったら……と、
やはり心配な佳代さん……。

寮の部屋。
啓太さんは続いてリハビリ、優は英語の勉強、
亜沙子さんは洗濯物たたみ、佳代さんは流しで何かしてるところに、
学校から帰ってくる檀君、出来上がった文集を亜沙子さんに手渡します。
タイトルが「わかば」、裏表紙にはひまわりの絵。
担任の先生、よっぽど朝ドラ好きなんでしょうか?
しかも亜沙子さんが檀君のページを探してペラペラめくると白紙の連続、
その上、檀君の隣りのページの筆跡も田中冴樹君ソックリで……
いや、そんなあら探しはさておき、
「ぼくのゆめはお父さんみたいなバネしょくにんになることです」
亜沙子さんはこの作文自体は初めて読むんですよね……
やがて文集を手に取る優、啓太さんと佳代さんも集まって覗き込み、
「これバネ?」
「うん」
「ホントだ、アハハ」
あの時お父さんのギプスに描いてたのはこれの下書きだったのか、檀画伯。
その隣りにはご飯を食べてるところの絵。
ひと通り説明が済むと、自分が中心になってることに照れてしまうのか、
向こうの部屋へ行って畳んだ布団に飛び乗る檀君。
「これ、鉄板焼き食べてるんだよね」と優。
しみじみと見つめる亜沙子さん、啓太さん……。

駒乃館の客室で花を活ける亜沙子さん。
「この仕事っていい仕事だよね……」と優。
どうかしたの?と亜沙子さん。
自分が高崎に戻るとき、一緒に戻れないか?と優。
「檀のために?」
「それもある……できたら一緒に戻って欲しい」
今回は檀君をダシにはせず、自分の気持ちを伝える優……。

先日のパーティの写真を眺める優、啓太さん、亜沙子さん。
優ちゃん、琴子さんと太郎のツーショットの後ろでブイサインしたりして……
想いにけりを付けようとしてるのか、しかしそこまで明るく振舞わなくても……
と思ったら次の写真では出席者一同勢揃い、優ちゃんがなぜか中央ど真ん中に……
結局写りたいだけかいな?
いや、それはさておき、
突然「ね、プロポーズの言葉ってなんだった?」と亜沙子さんに尋ねる優。
「えっ」と啓太さん。
「お母さん、なんて言われたの?」
「お父さんに訊いてよ」と亜沙子さん。
昨日から自分が胎児のときのことに興味津々な優ちゃん、
くるっとお父さんのほうを向き「お父さん、なんて言ったの?」
「そろそろ寝ようかな……」
「ずるいっ、いいじゃん教えてくれたって~」
「……覚えてないよ」
「な~んだ、つまんないの」と優、啓太さんの言い逃れを信じたんでしょうか。
そんな啓太さんを見つめる亜沙子さんも、少しつまらなさそうな様子で……
写真を指差し啓太さん「お、俺カッコいいな」
優、大爆笑。
亜沙子さんの眉間に寄る皺……。

その夜。
優、啓太さん、亜沙子さんの順に布団を並べて寝る3人。
「プロポーズの言葉、ホントに覚えてないの?」と亜沙子さん。
「覚えてるよ」と啓太さん。
「そっか……おやすみ」
「おやすみ」……。

診療所。
リハビリを続ける啓太さん、亜沙子さんは仕事のせいでか遅れてる様子。
「……いい奥様ですね。うらやましいです」と川崎医師、
「もし僕がそういう人と結婚したら絶対に寂しい思いはさせません」
「妻には感謝してます」と啓太さん、
「どんなことがあっても妻のことは信頼しています」
川崎医師、その言葉をじっくり噛みしめた後、
「そういうことは奥様に直接伝えたらどうですか?」
と、そこへやって来る亜沙子さん。
看護士に呼ばれて出て行く川崎医師。
指を曲げる訓練をする啓太さんの右手、
それを包み込む亜沙子さんの両手……
「ありがとうな……」
「え?」
「ありがとう」
「何が?」
「だから、何ってわけじゃなくて……結婚してから今までいろいろありがとう」
うつむいて微笑む2人……。

駒乃館。
絹子さんのステージで歌われる「ふれあい」に涙する亜沙子さん……と、
誰かが陰で糸を引いてるのか?と勘繰りたくなるくらい、
完璧に敷かれた亜沙子包囲網。
ここまできたらもう、結論はひとつ。

帰宅し、一緒に高崎に戻ろうと思うとみんなに告げる亜沙子さん。
一瞬の間の後「いいのか?」と啓太さん。
「それが一番いいと思うから」
「檀も喜ぶよ!」
優の想像通り、隣りの部屋で寝ながら喜ぶ檀君。
亜沙子さんの笑顔……。

その夜、やはり啓太さんを真ん中に寝る3人。
亜沙子さん「優、もう寝ちゃった?」
優「まだ」
亜沙子「プロポーズの言葉だけど、お父さんなんて言ったと思う?」
優「……なんて?」
亜沙子「いつも一緒にいたいから結婚しよう、って」
優「へえ~、お父さんそういうこと言うんだ……」
啓太(そんなこと、俺の上を通り越して話すなよ……
   って言うかお前ら、俺がまだ起きてることに気付いてるクセに……)
あ、また思わず余計な代弁してしまったけど、
まあいいじゃないですか、啓太さん。
優「お父さん、今でもそう思ってるんじゃない?」
そして、そう思ってるのはお父さんだけじゃないんですから……。
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かわろう かわろう かわろう

2005-07-27 22:07:41 | 「ファイト」倶楽部
5人揃って部屋でお茶など啜りながら「いいパーティだったねえ」と木戸家の面々。
「私たちは女将さんたちの半分も夫婦やってないのよねえ」と亜沙子さん。
「これからもお願いします……なんて」と照れながら珍しくおどけてみせる啓太さん。
「あ、こちらこそ……」と亜沙子さん、キャハハと顔を覆い、
それを見て口を覆って笑う檀君……には意味がわかってるんだかどうだか。
亜沙子さん「太郎さんたち、今ごろ結婚の挨拶してんのかなあ」
少しだけ表情を曇らせたあと、優「してんじゃない?」
佳代さん、啓太さんが挨拶に来たときのこと思い出すわ、すっごく緊張してて……
亜沙子さん、あの時すっごい迷ったのよねえ、
結婚しますってことと、妊娠してますってことと、どっちを先に伝えるかって。
優「どっち先に言ったの?」
亜沙子「結婚。ウフフ」
優「へえ~」
啓太(ああ、あの時ちゃんとしておけばよかったなあ、ミスったなあ……)
優「妊娠したから結婚したの?」
 (あ、ちょっとどぎつかったかな? まあいいや、私が胎児の時の話だもんね)
亜沙子「え? 違うわよ。いつ結婚してもいいと思ったから妊娠したの」
   (って言うか、そう思ったからアレをしなかったのよ、ね、啓太さん?)
啓太「もういいじゃないか俺たちの話は」
  (お義母さんや子供の前で俺の失敗を暴露するようなことは止めてくれよ……) 
亜沙子「いいじゃない別に」
   (あれ、ひょっとして啓太さん、あの時そんなつもりじゃなかったの……?)
優(しかしちょっと複雑だなあ、私、失敗してできたのかなあ……)
佳代(いくら性教育が行き過ぎてるからって子供の前でこんな話しなくても……)
檀(何の話か僕にはわからないけど、今度学校で教えてもらおうっと)
啓太「何でこんな話に……ああ、太郎さんだ……」
  (太郎さんもひょっとして、失敗してしまったから14歳も上の人と……?)

えー、このパターンはこれぐらいにして、
その太郎、キチンと琴子さんの両親に挨拶しようとします。
ところがその前に先日の非礼を詫びる隆行さん。
さらに隆行さん、太郎の挨拶を遮り「琴子が選んだ相手なら何も言うことはないから」
ああ、やっと片がついたこの問題。
やっと意固地な態度を捨てた隆行さん。
しかし2人が帰ったあと絹子さんが、この結婚はうまくいかないのでは……と漏らすと、
やっぱり不安になってしまう隆行さん……
花嫁の父にはこれがずーっと付きまとってしまうんですかねえ?

その2人は寮の部屋に挨拶に。
やはり少しだけ寂しそうな表情を見せたあと「おめでとうございます」と優。

しかし、ここへきていよいよ気持ちに折り合いをつけることができたのか、
それともこれから折り合いをつけようとしているのか……
とにかく村上厩舎にやってきた優、
今までジョンコ断ちしてた分を埋め合わせるかのように愛しそうに撫でてやり、
笑みを浮かべ……
やがて、またまた佳代さんが作った豪華なお重を村上さんたちに披露し、
そしてしげしげと村上さんの顔を見つめ……
「あっ、あ~っ、やっとわかった!」
そうかそうか、さっきの両親の生々しい話を受けて、
優ちゃんにも佳代さんの気持ちがわかりましたか……と思ったら、
「村上さんって誰かに似てるなあってずーっと思ってたんですけど今わかりました」
「誰?」と太郎。
「私のおじいちゃん」
そんなん顔知らんがな。
「雰囲気が似てます。亡くなっちゃいましたけど」
それは余計ちゃうの、高齢のお方に向かって。
って言うか、佳代さんの夫と菅井きんの夫は親子かいな?
しかし、それを聞いて納得がいった西郷さん。
「おばあちゃんねえ、先生のこと大変お気に入りのようでしたから」
「え、そうなんですか?」
「お、俺……馬ぁ見てくるわ」と年甲斐もなく照れる村上さん。
この様子では、ひょっとして、村上さんも佳代さんに強引に……?
でも村上さんにまだその能力はあるのか……?
えー、もうこれぐらいにして……

厩舎の表で誰かを待っている優。
やがてやってきたのは、里夏。
「仲良しのサイゴウジョンコ」
初めて来た里夏を引き合わせる優。
「よくここに来てたの。中学のころからは毎日来てた」
「知らなかった」と里夏。
「誰にも話さなかったから……ここは私にとって特別な場所なんだ」
そんな優を見つめる里夏。
やがて厩務員室で並んで腰掛け、語り合う2人。
部活がんばってる?と訊かれ、うん、と里夏。
「クラスの子達は……?」
この前、優にうまくいってると答えたのはウソだと打ち明ける里夏。
でも部活の子とはうまくいってるから学校が楽しくないわけじゃない……
「そっか……よかった」と優。
「私、高校に戻ることにした」
「いつ?」
「4月から」
「また1年生……?」
「2年生になれるって……」
お互いに報告しあう2人。しかしそれ以上の会話はなかなか進まず……
やがて、新しく友達できたらいいなあ、と漏らす優。
でも私、自分が無理しなきゃいけないような友達ならいなくてもいいよ。
そういうのってホントの友達じゃないと思うし……

そうは言いながらも、琴子さんと太郎のことでは、
まだ少し無理してしまっている様子の優……

人間関係でかなりの無理をした結果、学校に行けなくなってしまった優。
四万での暮らしの中で、自分は自分らしくありたいと思うようになった優。
その想いを今、里夏に伝える優
まだ本当の友人に戻れたとは言い難い、ぎこちない態度だけど、
お互いの友人関係のことを心配しあえるということが、
どれほど貴重な、掛け替えのない友人であることか、
2人はそのことにまだ気付いていないのか、
それともとっくに気付いてはいるけど、
わだかまりが残ってるため素直になれないのか……
しかし、こうやって近況を伝えあえた、
そのことだけでお互いの気持ちを充分に分かりあえた、
そんな優と里夏なら、どこかで折り合いをつけて、
また元の親友に戻れることでしょう。
その日はそう遠くないことでしょう。
そして優も、どこまで自分らしさを出せばいいのか、
どこまでは無理をしなければならないのか、
そこに折り合いをつけて、うまくやっていけるようになることでしょう。
友人関係において、そして太郎への想いにおいて……

別れ際に里夏、しみじみと「優、変わったね」
その言葉を噛みしめる優「まだ変わってないよ、変わろうとしてるけど」
バイバイと声を掛け合い、反対のほうに歩みだす2人。
それぞれの顔には安堵感の混じった笑みがこぼれ……
そう、優だけの世界、優にとって特別な場所だった厩舎を里夏に見せたこと、
そのことが優にとってどれだけ大きな変化であることか……
そこから物語の大きな動きの兆しが窺える、そのことだけで胸が熱くなってしまう、
下ネタから深みのある描写まで実に幅広い、とても充実した水曜日でした。
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いわおう いわおう いわおう

2005-07-26 22:40:37 | 「ファイト」倶楽部
亜沙子「女将さん、大学合格おめでとうございます!」
優  「おめでとうございます!」
絹子 「ありがとうございます。でもあなたたち、お客様に出す料理に向かって
    あまり大声で喋ったり、頭下げてフケ落としたりするもんじゃありませんよ」
優  (うるせーババアだなあ……)
絹子 「これで私も4月から大学生だわ!」
優  「すごいです!」
絹子 「すごいでしょ……でも何よ、この場面の照明。
    私や優ちゃんの顔がどす黒く映っててちょっと不気味じゃない?」
優  「ですねえ、女将さんはいいとして、まだ若手女優の私にこの仕打ちは……」
絹子 「なんですって?」
優  「あ、いえ、照明はやっぱり旦那さんにお任せした方がいいなあ、って」
絹子 「あら、ホントねえ。おほほほほ」
優  (やれやれ、年寄りの相手は疲れるわ……)

絹子 「みんながおめでとうって言ってくれた」
隆行 「ウソおっしゃい。松竹梅は賭けの対象にしてただけじゃない」
絹子 「寂しいわ。一番おめでとうって言ってもらいたい人に言ってもらえなくて」
隆行 「僕がおめでとうって言うのはパリ旅行を獲得した人だけです」
絹子 「……」

大和 「とにかく結婚記念日のお祝いはやろうよ」
優  「そうですよ旦那さん、結婚40周年なんですから」
隆行 (ははーん、優ちゃんの企みだな、こりゃ。
    あのことは僕の胸の中だけにしまっておいてあげたのに……)

優・檀「♪ぐぅ~んまのきぼう~、サイゴウジョンコォ~……」
檀  「最後まで歌いたかったね、お姉ちゃん」
優  「ホントだよね、よりによってさびの部分カットするなんて信じられないね」
檀  「いつもお姉ちゃんの着メロで聴かせてるから、省かれたのかなあ」
優  「そんなの関係ないわよ。だいたい松竹梅のあのコントは何よ?
    あんなの入れるぐらいならちゃんと最後まで歌わせろっていうのよ。
    それに珍しくドレスなんか着せてもらえたと思ったら、
    頭に馬のお面なんか付けさせられて……これも旦那さんの切り絵なの?
    こんなつまらない趣味しか持てないの、まったくしみったれてるんだから」
檀  「僕の師匠の悪口言っちゃダメだよ!」
優  「檀は文句ないの? そんな全身タイツなんか着せられて」
檀  「ないよ。お姉ちゃんも着ればよかったのに、全身タイツ」

隆行 「あのね、僕、絹子さんにね、手紙を書いたんだよ」
優  「え? みんなの前で読むってことですね!」
隆行 「うん。やっぱりね、恥ずかしいから……優ちゃん読んでくれる?」
優  「ダメですよ、自分で読まなきゃあ」
隆行 「だったらいいよ……」
優  「ああ、破ったりしちゃダメです!」
隆行 「だから優ちゃん読んでよ、この前の特番で手紙の朗読してるの見たよ。
    上手だったじゃない。ね、だから頼むよ……」
優  (ホントに手間のかかるジジイめ……)

優  「ここに旦那さんが女将さんに宛てた手紙があります」
絹子 「え?」
優  「私が代わりに読まさせていただきます」
隆行 「優ちゃん、そこは『読ませていただきます』だよ。
    『読まさせて』は間違いだからね」
優  「え~、どっちでもいいじゃん、そんなの」
佳代 「よくないっ」
優  「本当に年寄りってウザイんだから……」
隆行 「本当に最近の日本語の乱れときたら……
    今度また週刊ブックレビューで特集組まなきゃ……」
優  「あ、旦那さん、この前の週刊ブックレビューでアシスタントの中江有里に
    『がんばってね、ファイト!』って言ってましたね。
    ちゃっかり番宣したりして……!」
隆行 「いいから早く読みなさい」
優  「はいはい……
    『これからは僕の奥さんは女子大生なんだと自慢することにしました』」
絹子 「え? あなたその歳で何考えてるのよ……でも嬉しいわ、おほほ」
優  「『週末には東京に会いに行きます』」
琴子 (え? 週末のたびに来るの? 鬱陶しいなあもう……)
優  「『絹子さん、大学合格本当におめでとう。隆行』」
隆行 「合格おめでとう」
絹子 「ありがとう」
檀  「今のってラブレター?」
佳代 「あら、ませたこと言うわね。やっぱり最近の性教育は行き過ぎてるのかねえ」
優  (あれ、お父さんとお母さん、手繋いでる!)
亜沙子(啓太さん……今度は啓太さんとドキドキしたいわ……)
啓太 (今日はセリフもなかったし、ご馳走呼ばれたし、楽な仕事だったなあ)
優  (大和さんと敏美さんもこっそり手を繋いでるかなあ……
    ひょっとして太郎さんと琴子さんも……
    今日はかなり努力して明るく振舞ったんだけど、やっぱり辛いなあ……)
ナレーション「みんな幸せな気分になれたのだった」
優  (それって嫌味? 私も本当に幸せになりたいのよ! 私も手を繋ぎたいのよ!)
檀  (西原さんのイラストで僕と手を繋いでるでしょ)
優  (イヤよ、あんな似てないイラストじゃ……)
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かよおう かよおう かよおう

2005-07-25 22:59:32 | 「ファイト」倶楽部
「よくならないじゃないですか!」
リハビリ中に怒鳴ってしまう啓太さん……ああ、何度繰り返されるのかこの場面。
そして指がよくならないかもしれないことを知らされる啓太さん。
「お父さん大丈夫かなあ……リハビリ行くかなあ……」
仕事中、お盆を拭く手も進まない優。
「待ちましょう」と亜沙子さん。
「お父さんの気持ちの整理がつくまで待ちましょう」
「わかった」と優。

その啓太さんは部屋で佳代さんと2人っきり。
コンロの掃除をしながら気になる佳代さん、
やがてむっくと立ち上がる啓太さん。
「出かけるの?」
「……はい」
少し安心した様子の佳代さん、
しかし啓太さんが向かったのは駒乃館。
温泉に入りたいと頼むと、隆行さんに通されたのは従業員用のお風呂。
ああ、昼間っからこんなところに入ってたら、
いつ松竹梅がやってくるかと思うとゆっくりできないやん……
と視聴者は気が休まらないけど、そんな事情は知らないだろう啓太さん、
ゆったりと湯に浸かり……
しかし四万温泉がメインの舞台なのもあと少しの間か……
そうなるとお風呂の場面もそう多くは見られないだろうなあ……
まさか、最後の入浴シーンが啓太さんのものになってしまうのかなあ……
などとの視聴者の心配をよそに、何を思っているのか……
やがて上がってきた啓太さん。
「何か冷たいものは? お茶コーヒー紅茶……」
と、大和さんとは違って繰り返さずに訊く隆行さん。
最初は遠慮し、しかし啓太さんが頼んだのは……
ビールを飲みながら、リハビリをさぼってること、
指がどこまで回復するかわからないことを打ち明ける啓太さん。
「これ飲んだらリハビリに行こうと思ってます……いや、ほんとに行くのかな……」
そして、かわさき整形外科診療所で待つ亜沙子さん。
しかし啓太さんは現れず……。

一方、寮の部屋では佳代さんに宿題を訊かれ、文集のための作文と答える檀君。
勉強していた優、それを耳にし、何書くの?
将来の夢、と檀君。
「へ~え、あ、檀、公務員って言ってたね」
この檀君の志望職種は、最初のころのやりとりの中で出てきてましたっけねえ?
ちょっとよく覚えてないけど……
とにかく初耳の佳代さんはちょっと驚いた様子。
しかし首を振って「違う」と檀君。
「え、今違うの?」と優。
「うん」
「何?」
さあなんでしょう……とでも言いたげな様子で悪戯っぽく微笑む檀君。

その夜、亜沙子さんが部屋に戻ると、
昼間と同じく勉強していた優、
そして昼間と同じくビールを飲んでいた啓太さん。
少し何か言いたげな様子をみせた亜沙子さん、
しかしすぐに「なんかお腹すいちゃったなあ、食べよっかなあ」
「え? 寝る前なのに?」と優。
ああ、ホンマに行儀のええお子やなあ。
「たまにはいいじゃない」
「私も食べようかなあ……やめといたほうがいいよね……」
しかし、女将さんからもらった美味しい明太子があるんだ~と亜沙子さん。
「どうするどうするどうする……」
「食べる!」
と言ったそばから、誘惑に負けてしまって悔しがってる優。
「啓太さんは?」
急に矛先を向けられ「いや、俺は……」
「明太子ぉ~明太子ぉ~明太子ぉ~!」
「食べる!」
キューピーのタラコのCMにも似た悪魔の囁きにやはり陥落してしまった啓太さん。
楽しそうに流しへ立つ亜沙子さん。
そして愉快なお茶漬けタイム。
やがて啓太さん「明日からリハビリ行くから……」
治るところまで治ればいいと思ってるから、
手巻きのバネが作れなくても機械で作れるし、
別に手巻きのバネを作らなきゃならない理由もないし、
とにかく元通りにならなくてもしょうがないと思ってるから……
「元通りに治らなきゃダメだよ」

先週、ますますこじれる一方だった啓太さんと亜沙子さんの夫婦仲。
お互いのその胸中はしかし、ぶちまけられあうには至らず、
亜沙子さんは琴子さんに告白したこと、
そして優に「悪者はお母さんなんだ」と言ってしまったことへの後悔、
恐らくそれらによって吹っ切れたのでしょうか。
そして啓太さんは隆行さんに話を聞いてもらったことでやはり吹っ切れ、
やっとリハビリに行く気持ちを固めたのでしょうか。
「元通りにならなくても」との発言も、決して諦めが混じったものでもなく、
ある種の現実的な判断のなかでの前向きさの表れとも言えるでしょうか。
そこへこの優の発言……

「手巻きのバネを作らなきゃいけない理由、ちゃんとあるから」
そして檀君の作文のことを語る優。
「バネを作る人になるんだって……お父さんみたいに」
かつて檀君に作ってあげたバネのおもちゃを啓太さんの前に置き、
「もう治らなくてもいいなんて言わないで、バネを作れるように絶対治して……」
深夜、みんなが寝静まった部屋でひとり檀君の作文を読む啓太さん。
思い出されるのは、初めて檀君の前でバネを作って見せ「すごいね」と言われたこと、
幼い日、同じように父がバネを作る姿を見守っていたこと……
右手を見つめ、涙ぐむ啓太さん。

はたして、優のこのハッパのかけ方が正しいのかどうか、それはわかりません。
ひょっとしたら却って相手を追い詰めてしまう恐れがあるかも知れず、
こういう言いかたは止めたほうがいいのかも知れません。
一般的には。
しかし翌日、
亜沙子さんと優、そして川崎医師も待ち続けるなか、
やがて診療所に現れる啓太さん。
「必ず治すつもりでやります。リハビリよろしくお願いします」
「諦めないでやっていきましょう」と川崎医師。
深々と頭を下げる啓太さん、
そんな啓太さんを見つめる優の、あの真剣な表情……
リハビリに来てくれてよかった、これでもう安心、
メデタシメデタシ……などといった笑顔は見せず、
あの真剣なまなざし。
それは、これからお父さんの前に大きな困難が立ちはだかってることを理解している、
そしてそんなお父さんを支えていく覚悟のできている……
娘として、家族の一員として一緒に立ち向かっていく決意の表れ。
そんな優だからこそハッパをかけられるのであり、
そんな優だからこそ、啓太さんもキチンとその想いに応えようと決意を新たにし……

夫婦仲の問題は、一度じっくりと語り合うことが必要ではと、
恐らく視聴者の多くが思ったことでしょう。
しかし理想的すぎるそういった解決はかわし、
現実的な、ちょっとうやむや感の残る、ありがちなまとめ方をしておきながら、
その中心にはちゃんと、優がいる。
優がいて……家族がひとつであれば、やっていけるかもしれない。
今は完璧ではなくても、また何か問題が起こるかもしれなくても、
それでも将来に希望の抱ける、根拠のある希望が見える、
やっとよみがえってくれた木戸家の姿。
もう、最高の月曜日でした。
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STAR WARS OF THE WORLDS

2005-07-24 21:09:34 | Weblog
久し振りに映画のこと書きます。
このまま「ファイト」にどっぷりはまり込んだままだと、
10月以降ぽかーんと虚脱状態になってしまう恐れが大きいですからねえ、
今から少しずつ、再び映画に楽しみを見出す準備をしておかないと。
というわけでまずは「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」
えーっと、お話が28年前の最初の「スター・ウォーズ」に繋がってますねえ。
うん。
それだけの映画でしたねえ。
いや、なんでアナキンが悪の道に進んだかが描かれてますけどねえ、確かに。
しかしそれよりも、前作で描かれた、彼が悪の道に進むのではないか……という予兆、
その描写のほうがずっと面白かったですよ。
それに比べると、今回のは単なる説明ですよ。
エピソード2とエピソード4を繋げるための説明だけの2時間あまり。
ドラマと呼べるようなものは……。
それともうひとつ、CGの進歩も良し悪しですねえ。
28年前のなんか、乗り物といえば、
エエもんの戦闘機と、ワルもんの戦闘機と、ハン・ソロのと、
あと大きい宇宙艦がちょこちょこ出てきて、ほんでデス・スター。
これぐらいしか出てこないけど、今でも鮮烈に脳裏に焼きついてますもん、
それらの乗り物がびゅんびゅん飛び回ってる光景が。
それに比べると今回のは、なんやメカがやたらいっぱい出てきてますけど、
何ひとつ印象に残らへんもん。
まあ、今さらメカやらなんやらで人気集めようってなもんでもないんやろけど、
顎に贅肉ぶくぶくつけたおっさんがコンピュータに向かって
エヘヘ、エヘヘ言いながらアクション・シーンを作ってるような、
そんな姿が思い浮かばれるだけの、なんとも虚しい完結作でした。
いや、まあ、それなりに感慨はありましたけどね。
ラストで別れ別れになるアナキンのファミリー、
これがやがて再び一堂に会する日が来るまでには数多の苦労が……とか考えると、
つい「ファイト」を思い出してしまったりして。
いやいや。

そしてもうひとつ「宇宙戦争」。
これはすごかったですねえ。
ただただ絶望的な状況を延々と描く2時間。
人間はどう足掻いても異星人の侵略を防げないのだという、
ただ絶滅を待つばかりの、そんな状況を延々と描く2時間。
わりと好きなんですよ、こういうの。
そんな中でただただ逃げるだけのトム・クルーズ。
ただただ家族を守るために逃げるだけのトム・クルーズ。
逃げてその先はどうするねん、殺されるのを先送りするだけかいな、とも言えるけど、
今はただ家族のことしか考えられないという、その彼の思いは、
表面的なだけの英雄的な行為など比べ物にならないぐらい、なかなかに立派なものやと思いますよ。
ただ、そんなトム・クルーズも最終的にはその家族を守るため、少し英雄的な行動に出るわけですけど、
できたらそれすらもなかったほうが良かったかも……
カタルシスなんかまったくないままで終わっても良かったかも……とも思うんですけどね。
「鳥だ!」
あれだけで良かったんやないのでは、と。
それと、ラストはオリジナル版と違うものにして欲しかったなあ、とも思いますけど。
でもまあ、まずまずの出来栄えやと思いますけど。
しかし、トム・クルーズの主人公が、少々ひがみっぽい性格で、
そのせいだかどうだか妻は子供を連れて別の男と暮らしてて、
久し振りに会った息子とキャッチボールでコミュニケーションを図ろうとするけど巧くいかず、
娘(ダコタ・ファニング叫びすぎ)は競走馬のフィギュアで遊んでて、
後にセリフで語られるところによると乗馬が趣味で、競技会でメダルをとったこともあるとか……
もう「ファイト」を思い出すなっちゅーほうが無理ですやん。
ああ、ホンマに「ファイト」が終わったあと、何を楽しみに生きればいいのやら……。
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らいしゅうがくるのが まちどおしいの

2005-07-23 20:04:38 | 「ファイト」倶楽部
とうとう復帰3レース目にして1着になったサイゴウジョンコ!
しかし休み明けにしてはレースの間隔が短すぎるような気もしないでもないけど、
えーっと、ドラマの中ではもう3月に入ってるんですかね、
じゃあそんなもんでしょうか。
とにかく、村上厩舎で喜ぶ西郷さんと村上さん。
中央のG1レースへの夢も現実味を帯びてきて……
と、そこへ現れるのは佳代さん。
今日はひとりでジョンコのレースを見に来てたようで。
ゴールの瞬間、感動しましたとか何とか言いつつ、まあそれは本当なんでしょうけど、
目的はなんと言っても村上さんへのお弁当の差し入れ。
その豪華なこと、昨日の回の焼きうどんと比べたら……。
お皿やらお茶やらの世話も焼く佳代さん、
恐縮する村上さん、
面白そうに眺める西郷さん。

一方、駒乃館では食事中の優の携帯が鳴り……
あれ、いつもは昼食は寮に戻って食べてるのに、今日は賄いですねえ。
まあその手のツッコミを入れ出すと、この後の夜の高崎行きなんかもだいぶ不自然なわけで……
いやいや、その前に優にかかってきた電話、
太郎からジョンコの勝利を知らせるものでした。
おめでとう、と優。
お前も来ればよかったのに、と太郎。
「……仕事だったから」
「あ、今も仕事中?」
こうやって太郎がときどき見せる、ほんのちょっとの気配り的な態度、
この辺がねえ、なんか憎めなかったりするんですよねえ、キャラクター的に。
普段気の利かない分、余計に印象付けられると言うか。
その点、僕みたいに普段から気配りの完璧に出来てる人間は損ですねえ、
それが当たり前になってしまって、ちっともありがたがられへん。
いや、それはさておき、
礼を言う優、じゃあなと電話を切ろうとする太郎、
そこで優、今度から電話はいいから、ジョンコのこと知らせてくれなくていいから……
少し怪訝そうな太郎、
「訊きたくなったら、私から電話する」ときっぱり言われ、
納得したのかしなかったのか、とにかくそれ以上は訊かずに了解し……
ああ、やっぱり気の利かないヤツめ。
電話を切った後もたたずむ優、とそこへ隆行さん。
優の様子を気にかけて声をかけた隆行さんでしたけど、
逆に、琴子さんと太郎の結婚に賛成してあげてくださいね、と言われ、
今度は隆行さんがそこにたたずみ……
太郎への想いを断ち切ろうとしての優のその言葉、
隆行さんの胸の中だけにはちゃんと届いたのでしょうか……

その夜、仕事を終えて帰宅しようとしていた優、
留守電が入ってるのに気付き、聞いてみると……
「太郎です。琴子さ~ん、熱でちゃったよ……」
なんとも弱々しい声の間違い電話。
大和・敏美夫妻からケーキと紅茶を呼ばれた後、
外に出て電話するけど太郎は出ない……
寮に戻り、今度は部屋の外でまた留守電を聞き……
きびすを返し、高崎へ。
村上厩舎への道を走る優。
走って、走って、やっとたどり着いた優が目にしたのは琴子さんの車。
恐る恐る部屋の中を覗くと……
太郎の介護をする琴子さん。
優が初めて目にする、2人きりの姿……

優は琴子さんに知らせることを思いつかなかったのでしょうか?
そこにまで頭が働かないぐらい、太郎のことを心配していたのでしょうか?
まあ不自然っちゃあ不自然かもしれませんけど、
それを言い出すと、太郎への想いを断ち切るために、
あのジョンコと会うことすらも避けてしまうのも不自然かもしれず、
しかしそのような演出で描かれる優の想いは痛いほど伝わってくるわけで……
断ち切ろうとしても、断ち切ろうとしても、優の想いは募るばかりで……
ふらふらとジョンコの前にやって来る優。
「ジョンコォ……」
思わず泣き言めいた声をかけてしまう優。
涙は溢れ……しかしそれを堪え、笑顔を見せてジョンコに別れを告げる優。
「バイバイ」
重い足取りで立ち去る優。
後を追うかのようなジョンコのいななき。
駆け出す優。
満月に雲がかかり……

そのころ寮の部屋では啓太さんを説得する亜沙子さん。
元の啓太さんに戻って、
私はバネを作ってる啓太さんが好きだから、
バネを作ることに誇りを持ってる啓太さんが好きだから……
ついに土下座する亜沙子さん。
お願いします、リハビリに行ってください……
いやあ、これはある種、卑怯と言えば卑怯な……
そこまで言われたら聞かなしゃあないやん、となるのを狙ってるようにも見え、
先に謝った者が勝ち、みたいなのを狙ってるようにも見え……
とは言え、ついに頭を下げた亜沙子さん。
昨日の回の優の言葉に反発してしまった、あれへの後悔がそうさせたのか、
とにかくギクシャクした仲を改善しよう、
いや、そのことよりもとにかく今はリハビリを……との亜沙子さんの想いはよくわかりますよ。
さあ、ここでどう出る啓太さん、
妻にこんな態度とられちゃあ、いつまでもふて腐れてはいられないけど、
しかし指の本当の病状をも聞かされて……
今度は啓太さん、そのことを隠していたことにこだわってしまうのでしょうか……

さて、今週はつい辛口になってしまったりしたけど、1週間分の再放送を見てみたら、
15分の中に収められたことに違和感を感じた部分も、90分の中ではさほど気にもならず、
まあ結局はいつも通り楽しめたというか、
いや、優の場面に助けられたというか……
とにかく、今週1週間分よりも、
来週の予告のほうがはるかに感動してしまった、
来週のほうがはるかによみがえっとるやんけと思ってしまった、
そんな第17週でした。
ああ、早く来週分が見たい、本当に早く見たい、
そしてなぜか目に焼きついて離れないのは檀君の全身タイツ姿……。
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ひだりてでやきうどんは たべにくいの

2005-07-22 23:02:17 | 「ファイト」倶楽部
利き手が使えないんだから 麺類はやめて欲しいの


かわさき整形外科診療所を訪れる優。
啓太さんがリハビリに来てると思ってたのに……
亜沙子さんから聞いたことを受けて、改めて川崎医師に父のことを頼みます。
またバネ作れるようになって欲しいんです、
檀も私もバネを作れるお父さんすごいと思ってます、
お母さんもバネを作ってるお父さん好きだと思います……
はい、と力強くうなずく川崎医師。

さてそのころ、啓太さんは寮の部屋でむすーっと新聞を眺めてます。
焼きうどんを作りながら心配そうに窺う佳代さん。
そこへ帰ってくる亜沙子さん、
リハビリは?と訊いても返事なし……
気を利かせて出て行く佳代さん。
久し振りに夫婦向き合っての話し合いが始まりますが……
4人で川崎に帰ろうと言う啓太さんに対し、
今とてもいい条件で働かせてもらってるし、と反対な亜沙子さん。
高崎でもっと腕のいい医者を探したい、と啓太さんが言うと、
川崎先生だっていい先生よ、わざわざ遠くから診てもらいに来る人だっているんだから……
「そんなにここに居たいのか」
「そりゃそうよ」
自嘲的な笑いを浮かべて「……だろうな」
それっきり黙りこくってしまう啓太さん。
怒って出て行ってしまう亜沙子さん……

さてそのころ、駒乃館で仲良く語り合う佳代さんと絹子さん。
佳代さんがそろそろ失礼しようとすると、
私は仕事に戻るけど、居てくださる分には構いませんから、と絹子さん。
あれ、ちょっと不自然な引き止め方かなあ、と思ったけど、
佳代さんが実は娘たちが2人で話があるみたいなので出てきた、と打ち明けると、
「ああ、そうだったんですかあ」と絹子さん、しかしあまり驚いた様子もなさそうで、
その辺のところは見抜いてたんでしょうかねえ?
それとも単に演出が不自然だっただけなのか、それは定かではないけど、
やがて絹子さんと入れ違いにやってくる亜沙子さん。
買ってきた菓子パンらしきものをムシャムシャ。
昨日の優のサンドウィッチといい、昼食を買ってきたパンで済ます姿がどこか寂しげな木戸家の面々。
しかしあの紙袋はちょっと懐かしい感じのものですねえ。
それはさておき「原因は川崎先生?」とズバッと見抜く佳代さん。
牛乳にむせる亜沙子さん、やがて中に収めていた不満を吐露します。
20歳で結婚してずっと家のことやってきて、四万温泉でも地道にやってきて、
ちょっと話をするだけで楽しいなって思える人がいただけでしょ、
ちょっとドキドキするぐらい何がいけないっていうの?
……これは男としてちょっと言わせてもらうと、
「話をするだけで楽しいなって思う」はまあいいですけど、
「ちょっとドキドキする」……これはやっぱり、僕なら面白くないですけどねえ。
そりゃ、嫉妬してしまうと思いますよ、うん。
佳代さんも同じ気持ちなのか「高崎に帰ったほうがいいんじゃない」
でも反発してしまう亜沙子さん……

と、ちょっと亜沙子さんに厳しい見方はしてしまうけど、
でも今の啓太さんの態度もやっぱり誉められたものではないですねえ。
ふて腐れっぷりがあまりにも大人げないというか、惨めったらしすぎるというか……
そんな啓太さんも優の前では素直になれるのか、
それとも体面を取り繕ってるだけなのか……
リハビリに行かなきゃダメじゃんと言われて、一応うなずく啓太さん。
でも「檀も先生のこと好きみたいだし」と言われて、やっぱり面白くない様子で……
さすがに気付く優「お母さんと喧嘩したの?」
「つまんないことでさあ」と明るくごまかす啓太さん……

夜、お給料を袋から茶筒に移そうとする優。
覗き込んだ佳代さん「うわー、優、お金持ちねえ」
照れながら「うん」と優。
えーっと、今は恐らく2月下旬ごろでしょうか。
2ヶ月の入院が必要と言われていた啓太さん、
足のほうは確かに順調で、結局1ヶ月半ほどの入院で退院して、
そして優は2月分のお給料をもらったところでしょうねえ、設定として。
ところで画面手前に見えてたのは旧千円札でしたねえ、あれは。
この「ファイト」はいつのころの設定になってるんでしょうか?
今は2003年か2004年辺りなんでしょうかねえ?
まあそれはいいとして、啓太さんを押し倒す檀君。
優も佳代さんも心配するけど、これもリハビリだから、と啓太さん。
♪リハビリリハビリ、イエ~イ!と檀君。
やはり心配そうな表情の優……。

さて仕事の終わった亜沙子さん、琴子さんに電話して、
例のドキドキする相手が川崎医師だと告白します。
「え? 私がお見合いした川崎先生?」と驚く琴子さん。
ああ、そう言えばもともとはそれで登場したんですよねえ、川崎医師は。
なんかすっかり忘れてしまってましたわ。
で、啓太さんに疑われてること、
そのきっかけは川崎医師に手を握られたことなどを語り……
やがて、またまた妻としての不満、家庭を守ってきたのに……と漏らしてしまう亜沙子さん。
その気持ちはわかりますよ、やっぱり。
啓太さんを見てると、亜沙子さんの気持ちはよ~くわかるんですけど、
しかし、やっぱり、ドキドキするのはアカンのとちゃうか……と相変わらず思ってしまいますけど……
と、そこへ現れる優。
慌てて電話を切る亜沙子さん。
お父さんと喧嘩してるのか知らないけど、今はお母さん、優しくしてあげてよ……
お父さんあんな風に怪我したからきっと不安なんだよ……
そう優に言われた亜沙子さん、たまらずに「へえ~、悪者はお母さんなんだ」
すぐに後悔はしたけどもう遅い、駒乃館に引き返し、ひとり泣き崩れる亜沙子さん。
その悔しそうな表情……
まだ17歳の小娘があれだけ自由自在に涙を流せるのに、どうして私は出ないのよ……
寮に戻り、相変わらず不機嫌そうに新聞を読む啓太さんと向き合う優、
やはり不安げな表情で……
ああ、先輩女優を怒らせてしまった……でもこれからは私のほうが女優として伸びていくから……

いやいや、それは措いといて、
しかし今週のサブタイトル「よみがえれ」、
てっきり優の悩みも、啓太さんの怪我も、いい方に転じて大きく進んでいく、
そんなのを予想してたら、なんかますますドツボにはまっていくような……
もう残り1日、
明日はよみがえってくれるんでしょうか……
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あしはなおるのが はやいの・・・

2005-07-21 22:42:43 | 「ファイト」倶楽部
いやしかし、本当に先週はすごかったですねえ……え? しつこいって?
でもねえ、本当にすごいのは、実はすごかった週の後の展開なのかもしれませんよねえ。
第7~8週で優の高崎での、学校での苦悩を描き尽くし、そのクライマックスを迎えた後、
四万に移って仲居をはじめるけど、そこから優の自分自身との格闘が丹念に描かれてきたわけで、
そして先週、第16週で優の恋の叶わぬ様がクライマックスを迎えた後、
やはりそこから本当の恋の苦しみがはじまるわけで……

自作の切り絵の旗を振りながらジョンコの応援歌を歌う檀君。
明日、ジョンコのレースの応援に行くのが嬉しくってたまらない様子です。
佳代さんに寝かしつけられる間際に、またまた優に話しかけ、
「お姉ちゃん、本当に行かないの?」
少し寂しそうに「うん」と答える優。
と、鳴り出すジョンコの応援歌の着メロ。
「太郎さん」の表示に少しためらうけど、佳代さんにせかされて出る優。
ジョンコの様子が落ち着かないけど、明日優が顔を見せてくれたらよくなるかも……と太郎。
ジョンコのことは心配だけど、やはり明日は行けないと言い通してしまう優。
それを聞いて太郎「いや、いいよ。悪かったな。じゃあ、それだけだから」
それだけ……。
バイバイと言って電話を切り、しかしもう一度電話を手にし……
でもすぐに勉強に戻る優。
太郎への思いは断ち切ることができるのか……

しかしなかなか断ち切れないですよねえ、これは。
というわけでその夜、亜沙子さんと2人で紅茶か何か飲んでるときに質問してみます。
あ、ちょっと話はそれますけど、
前に優は趣味はないんかいな、夜は何をしてるんやろ、みたいなこと書きましたけど、
趣味はない分、こうやって家族でコタツに入って、
何をするでもなく何か飲んだりしてる場面がときどきありますよねえ。
これってなんか、いい光景ですよねえ。
まあ2部屋のアパートだから仕方ないのかもしれないけど、
こういうゆったりとした時間を家族で持つことって、なんかいいですよねえ。
だからって、今度実家に帰ったときに、親と一緒に茶でも啜ろうかとは思わないですけど。
で、そんなホッとするひと時、優は亜沙子さんに質問してみます。
「ねえ、お母さん……」
「ん?」
「やっぱ、いい」
「何よ?」
「……振られたことある?」
うわ、こりゃまたストレートな質問。
今どきこんな会話、親子でするもんですかねえ?
まあ、今どきでなくても、多分しないもんでしょうねえ。
しかしそれが自然に見える木戸家の母娘。
亜沙子さん、ちょっと照れながらも「あるよ」。
優に乞われるままに詳しく話し出す亜沙子さん。
やがて、相手をずっと好きだった、嫌いになろうと思ってもなれない、
嫌いになれたら楽なんだけど……
優にとってとても身に染みるその言葉、
しかし亜沙子さんの真意は、単に高校のころの思い出か、それとも……
黙り込む母娘、外には舞い散る粉雪。
やがて勉強に戻る優。
「がんばってるねえ」と亜沙子さん。
そこで啓太さんの指の話を持ち出す優。
4月には学校に戻りたいけど、それまでにはお父さんの指治るよね……
しかし亜沙子さん、もう隠しとおせなくなり、指が元通りになるとは限らないことを告げます。
ショックを受ける優……。

一向に指が動かず、リハビリ中につい苛立ってしまう啓太さん。
足はもう治ったので退院しましょうと川崎医師。
病室で荷物の整理をしてるとき、
「本当は俺に退院して欲しくないんじゃないのか。亜沙子、ここにくるのが楽しいんじゃないか」
苛立たされていたもうひとつの原因を嫌みったらしく言ってしまう啓太さん。
どういう意味?
どういう意味って訊いてるの……
しかしその意味はよくわかってる亜沙子さん。
それ以上の会話はなく……。

寮の部屋でひとり、サンドウィッチを食べようとする優。
おいおい、おばあちゃんが作ってくれないときは買い食いで済ますんかいな。
でも以前、学校へ行けと啓太さんに強く言われ、村上厩舎に逃げてきたとき、
あのときの優もこそこそとサンドウィッチを食べてましたねえ。
何か寂しさの付きまとう、優とサンドウィッチ。
とそのとき、また携帯に「太郎さん」の表示。
少しためらいつつ出ると「だーん!」
おお、久し振りに聞くあの叫び。
久し振りに寝かしつけられる場面以外の登場で、
嬉しくって思わず電話した田中冴樹君……なわけではなく、
「ジョンコ2番だったよ」とレースの報告。
「惜しかったねえ」と優。
「太郎さんに代わる?」
「代わらなくていいよ」
そそくさと電話を切ってしまう優。
と、そこへ帰ってくる亜沙子さん、そして啓太さん。
優が明るく出迎えると、なぜか啓太さん「お世話になります」
「どうしたの、かしこまっちゃって……」
しかしギクシャクしたままの2人、心配そうな優……。

優の恋もまだまだ尾を引き、
そしてどうなるのか先の見えない啓太さんの指、さらに夫婦関係……
先週のとてつもなくすごい場面を経てなお、問題に取り組まなければならない優。
でもこれこそが「ファイト」の魅力なんですよねえ、やっぱり。
問題は簡単には片付かない、
いや、単にやり過ごすだけなら簡単にも片付けられるけど、
なかなかそれが出来ないからこそ、時には追い詰められてしまったりもして……
でもそんな姿をじっくりと見せてくれるからこその「ファイト」なんですよねえ。
その丁寧さがあるからこそ、すごい週の後も決してだれることがない、
質の高さは維持し続けてくれる……全体を通してもすごいドラマになるんですよねえ。
振り返ってみれば7~8週のサブタイトルは「ともだち」「しんじる」、16週は「こころ」。
「ともだち」を「しんじる」「こころ」……
それを思うと、今日の優の何気ないセリフ、
「馬にもちゃんと心があると思うんだ」
これがとても意味深く感じられてきますねえ。
そんなことをしみじみと思う、第100回でした。
コメント (5)
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